5分でわかる市場調査とは?4つの種類と代表的な7つの方法を徹底解説

市場調査は、市場や顧客のニーズを調べるためにアンケートなどを行います。

顧客の本音を知るために市場調査を実施したい。けれど、いざおこなうとなると何をしたらよいのか分からないという方は多いかもしれません。市場調査を行っても、高い予算を使っても結局役に立たなかったということになりかねません。

この記事では市場調査とはどういうものなのか、どういう場合に使用するのか、注意点や事例までを詳しく説明します。

この記事を参考にして、自社の事業に顧客の意見を取り入れてください。


※本記事はCint Japan株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。


市場調査とは

市場調査とは、アンケートなどにより市場の動向やトレンド、自社の商品やサービスの認知度や顧客のニーズを調べることです。

市場調査は結果が数値でわかるものも多く、項目ごとの比較が可能です。調査結果をもとに企業はマーケティング対策を適宜変更し、顧客に少しでも満足のいく商品を届けられるようにします。

市場調査と同様の意味で、「マーケティングリサーチ」という言葉もよく使われています。マーケティングリサーチは、現況の把握にとどまらず、未来の市場の動きを予測・分析をおこない、商品の販促をめざすものです。市場調査はマーケティングリサーチの一部ともいえます。

市場調査マーケティングリサーチ
アンケートなどにより市場の動向やトレンド、自社の商品やサービスの認知度や顧客のニーズを調べること。マーケティングリサーチの一部としての位置づけ。現況の把握にとどまらず、未来の市場の動きを予測・分析をおこない、商品の販促をめざすもの。

市場調査を行うメリット3つ

市場調査の実施は、自社のビジネスの発展に大きく貢献できます。

具体的にどのようなメリットがあるのか、3つに分けて紹介します。

市場の理解

市場調査により、ターゲット市場の規模や、成長性、トレンド、競合他社の動向などの市場の状態を理解することができます。

新規事業や新商品を開発する際に、市場的に勝ち目がありそうかどうか判断が必要です。

あらかじめ判断ができれば、その市場に進出するべきか、もしくは撤退するべきか意思決定ができます。

効果的な製品・サービスの開発

顧客のニーズ、好み、購買行動を把握することで、より効果的な製品やサービスの開発が可能になります。

ただ自社で製品・サービスを開発しても、それが多くの顧客にとって受け入れられるかどうかわかりません。

事前に消費者のことについて理解し、ユーザーファーストな製品・サービスを開発すれば、多くの顧客に喜ばれる確率を高められるでしょう。

リスクの軽減

市場の需要や競争状況を事前に知ることで、リスクを軽減し、より計画的なビジネス戦略を立てることができます。

新規事業を立ち上げたり、新商品・サービスを開発しても、市場的に勝ち目がなかったり、市場の規模が小さすぎて売上をあまり上げられなかったりする可能性があります。

投資や事業立ち上げを行う前に、市場調査をして事前に脅威となるものを察知しておけば、大きな損失を生むことを回避できるでしょう。


市場調査の4つのタイプ

市場調査は、商品の認知度や割合・人数などの数値を把握できる定量調査と、顧客の要望やニーズなどの意見を把握できる定性調査があります。調査の目的や求める情報によってさまざまな種類があり、代表的なものは以下の4つです。

1.販促調査

販促調査とは、プロモーションとして何を行なえば販売量が増えるかを顧客に聞く調査です。

プロモーションの代表的な方法である広告やイベントなどで、特にどのような広告が高評価を得られるのかを調べます。実際に数種類の広告を用意し、どれが購入につながりやすいかをターゲット顧客に選んでもらいます。顧客の評価が高い広告は、テレビや電車の広告などに採用されます。

2.価格調査

自社商品について、顧客が妥当と考えられる価格がどのぐらいかを調査します。商品の説明をした上で「いくらなら買ってもよいと感じるか」をターゲット顧客に聞きます。

また、企業側がいくつか価格を提示して、買ってもよい価格や安すぎて品質に不安を抱く価格などを選んでもらう方法もあります。

3.商品開発調査

新商品を開発する際に、ターゲットとなる顧客のニーズを聞き取る調査です。

顧客が使っている商品の不満や要望などを詳しく聞くことで、商品の改良や新たな商品の開発に役立てられます。また、顧客自身が認識していない、潜在的な不満やニーズにも対応できるとなお良いです。

顧客が商品を使用する際に不自由を感じている部分を見つけ出しましょう。

4.ブランドイメージ・満足度調査

ブランドイメージ調査は、自社の商品と競合企業の商品がどれほど知られているか調べるためのものです。

自社の商品が競合と比べてターゲット顧客に知られていなければ、プロモーションに力を入れる必要があります。認知度が高いのに十分な販売量を確保できないときは、商品の満足度が低いかもしれません。それを調べるために、商品を実際に使ってみてどうだったか、を問うのが満足度調査です。

顧客から商品の評価や改善点を直接言ってもらい、今後の商品改良に生かします。

満足度調査を実施する方法は簡単で、アンケートツールを使う方法があります。アンケートツール「スマイルサーベイ」では短時間・低コストで顧客のリアルな声を集めることが可能です。

参考:満足度調査が最短2日で実施可能「スマイルサーベイ」


市場調査の代表的な7つの方法

市場調査の代表的な方法を、以下で7つ説明します。

方法1.アンケート調査(郵送・FAX・インターネット)

アンケート調査(郵送・FAX・インターネット)は、質問を対象者に配布し回答してもらう方法です。市場調査の中で最も一般的な方法で、低コストで実施できるので大規模な調査に向いています。特に価格やブランドイメージ・満足度の調査に向いています。

しかし、質問が趣旨に合った適切なものでないと意味のある回答が得られないので、質問の作り方も重要です。

アンケート調査の主な方法について、郵送・FAXとインターネットに分けて解説します。

郵送・FAX

質問が書かれた紙を、顧客に郵送またはFAXで送ります。顧客の好きなタイミングで時間の制約なく回答できるため、詳細な解答を期待できるメリットがあります。

FAXの場合は、送信先がFAXに対応していないこともあるので、対象者に偏りが出てしまう可能性もあります。

また、郵送・FAXともに、質問を送っても回答しない人がいるというデメリットもあります。

インターネット

質問をメールで送ったり、回答用のホームページを用意するなどして、顧客にスマートフォンやPCで回答してもらいます。

郵送・FAXに比べて用紙代や郵送料がかからないというメリットがあります。また、質問を一斉送信することも可能なため、郵送・FAXのように1件ずつ送る手間が省けます。

しかし、高齢者はインターネットを使っている人が少ないなど、世代間で対象者の偏りが出てしまうので、注意が必要です。(参考:ネットリサーチ会社の一覧 ≫

>>ネットリサーチとは?調査方法・価格別にリサーチ会社11社を比較

方法2.ビッグデータ分析

企業が保有するビッグデータを分析することで市場調査を行う方法です。他の方法よりも大容量の情報を高精度で把握できます。

参考:ビッグデータとは?メリットや活用事例、注意点、活用までの流れ

方法3.対面調査(インタビュー)

対面調査(インタビュー)は、調査員が実際に対象者と対面で調査をおこないます。回答を受けて臨機応変に質問を変えることもできるので、企業にとってより重要な情報を聞き出すことも可能です。

対面調査(インタビュー)は、商品開発や満足度の調査に有効です。

さらに、対面調査(インタビュー)の方法について1対1とグループ調査に分けて解説します。

1対1調査

1対1調査は、調査員1人が対象者1人に対面しておこないます。1人に対して多くの時間をかけられるため、じっくりと細かい調査ができます。しかし、1回の調査の効率が悪いため数に限りがあり、顧客の意見が偏ってしまうというデメリットもあります。

グループ調査

グループ調査は、調査員1人が対象者複数人に対面しておこないます。対面調査の「じっくりと意見を聞ける」などのメリットを保ったまま、効率化を図ったものです。

方法4.電話調査

電話調査は、顧客と電話でやりとりしながら調査します。郵送調査では回答しない人も、電話調査ではそのデメリットを解消しやすいです。

しかし、最近は若い世代を中心に固定電話を持たない人も増えたため、調査対象に世代の偏りが生じる可能性があります。

電話調査も、対面調査と同様に商品開発や満足度の調査に向いています。

方法5.街頭調査

街中や街頭などで直接顧客にアンケートや質問をおこなう調査です。展示会場などでおこなう場合もあります。事前に用意された対象者に聞くわけではなく、その場で選ぶため、リアルな意見が聞ける調査方法です。

しかし、声をかけるタイミングに依存するため、調査対象に偏りが生じる可能性があります。また断られてしまう場合もあり、想定していたよりも調査結果が集まらない可能性もあります。

街頭調査は特定の地域に限定して意見を聞きたい、イベントなどのその場での満足度を知りたいなどの場合に有効です。

方法6.覆面調査

覆面調査は、ミステリーショッパーとも呼ばれます。一般の顧客を装い、店舗や施設のサービスや商品を体験して調査する方法のことです。

調査される側には、調査員がいつ訪れたのか、誰が調査員なのか一切知らされない状態でおこなわれるので、ありのままの状態を調べることができます。しかし調査であるとばれてしまう、調査員の感覚のみの判断になり評価が安定しないなどのデメリットもあります。

覆面調査は、飲食店や店舗スタッフのサービスの現状を知りたい場合に向いています。

方法7.ホームユーステスト

ホームユーステストは、実際に商品を顧客に使用してもらい、使用した感想をアンケートなどで回答してもらう方法です。商品にアンケートや調査票を同封して返送してもらうか、調査員が直接訪問して回収したり、インタビューするケースもあります。また先に商品を送って試してもらい、その後グループ調査につなげる場合もあります。

ホームユーステストは、商品の満足度や具体的な改善点の調査に適しています。


市場調査を自社でおこなう/専門業者に頼む

市場調査は、自社でおこなう方法や市場調査のノウハウを持っている専門業者に頼む方法、便利なツールを利用する方法などいくつかあります。

自社でできることは自分たちでおこない、一部分だけを専門業者に頼むこともできます。コスト面や労力も考え、上手に外部のサービスを利用しましょう。

以下で、それぞれの方法について簡単に説明します。

自社でおこなう場合

自社でおこなう場合は、アンケートを作成してインターネットや郵送で送る、顧客データを用いて自社を利用している顧客に電話で直接聞く、などの方法が考えられます。

市場調査を自社でおこなうメリットは、低コストで済む点です。ただし、初めての方は自社に合った調査として何をしたらよいか分からず悩んでしまい、時間が余計にかかってしまう可能性があります。

自社調査にはアンケートツールがおすすめ

アンケートなどをおこなう場合は、ツールの使用もおすすめです。専門業者よりもコストを安く済ませることができ、比較的簡単に導入できます。ツールを利用する場合は、不明点などが出てきたときに質問できるサービスがあるかなど、サポート体制の確認も重要です。「24時間対応しているか」「電話対応を受け付けているか」などを事前にチェックすると安心です。

主な機能はアンケートの作成ですが、ツールによっては既存の顧客データとの連携、ネットリサーチなどに展開することも可能です。

詳細を比較したい方は下記記事もご参考ください。

>>登録後すぐに使えるアンケート調査ツール10選!無料・有料ツールの違いもご紹介

専門業者に依頼する場合

市場調査の目的さえ分かっていれば、専門業者に依頼するのも1つの手です。専門業者に依頼するメリットは、ノウハウを有している外部サービスを利用することで、効率的に市場調査を進められる点です

また、市場調査をおこなうにあたって、自社のマーケティング情勢に関するアドバイスを受けることも可能です。希望する場合は、まず以下の企業サイトから問い合わせてみるのがよいでしょう。

予算は方法によって大きく異なりますが、一例では以下の通りです。

  • インターネット調査 約20万円~(500サンプル)
  • 郵送調査 約80万円~(100サンプル)
  • 電話調査 約50万円~(100サンプル)
  • 街頭調査 約50万円~(100サンプル)
  • グループ調査 約100万円~(200サンプル)

参考:国内の市場調査会社会社の一覧 ≫


市場調査で成果を出すために意識すべき4つのポイント

市場調査をおこなう上で意識すべきポイントについて、以下で4つ説明します。

1.何のために市場調査を実施するのかを考える

市場調査をおこなう際には、何のために市場調査を実施するかを考えましょう。市場調査の目的は正確な情報を集めてマーケティング施策に活かすことです。

自社にとって不都合な結果が出ることもありますが、データの改ざんや隠ぺいは絶対におこなってはいけません。調査結果を活かし、効果的に使うようにしましょう。

2.仮説を立てて検証する

市場調査では事実の確認だけでなく、あらかじめ仮説を立てた上でそれを検証することも大事です。具体的には、売れ行きのよくない商品の問題点を自社で分析し、いくつかの仮説を立ててそれが正しいかどうかを顧客に確認します。

仮説が間違っていることが判明したら、別の仮説を立てて検証します。これを繰り返して、商品の問題点を探りましょう。

3.十分なサンプルを用意する

信頼できる調査実績を得るためには、十分なサンプル数が用意できるようにしましょう。

ターゲットとなる対象の集団全体のことを母集団と呼びますが、その母集団の中からピックアップされた対象者のことをサンプルと言います。

ざっくりと傾向を知りたいのか、それとも十分な精度で調査をしたいのかで、必要なサンプル数は変わってきます。

もし母集団が10,000のの場合、ざっくりと傾向を把握したいのであれば、サンプル数の目安は10~70になるでしょう。一方で十分な精度を求める場合は、最低でも400以上が必要となります。

参考:市場調査は、何人くらいデータを集めれば信頼出来る?リサーチ初心者に分かりやすく解説 | CX設計(顧客体験)CRMのオノフ

4.コストと所要時間を想定する

市場調査をおこなうために必要なコストと所要時間を想定しましょう。1人30分の対面調査を40人におこなう場合、想定される時間は20時間です。その時間を確保できるか、調査に関わる人の人件費も含めて吟味します。

また、郵送のアンケートでは時間はあまりかかりませんが、人数に比例して郵送料がかかるので、その分をあらかじめ予算に組み込まなくてはいけません。

アンケートや郵送、インターネットでの調査は、調査開始から結果が得られるまでの時間も考慮に入れる必要があります。


市場調査の事例

市場調査の事例を以下に3つ挙げますので、実施をお考えの企業はぜひ参考にしてください。

セブン&アイホールディングスの市場調査事例

セブン&アイホールディングスは、高品質・高価格の「金の食パン」を開発したものの、既存メーカーに「食パンで高いものは売れない」と言われていました。

しかし、市場調査を実施し、消費者の「安いもの」から「高くても美味しいもの」へのニーズの移り変わりを突きとめることに成功しました。さらに、価格を決めるためのテストマーケティングをおこない、1斤250円に決定しました。いざ売り出してみると金の食パンは大ヒットしました。

アサヒビールの市場調査事例

アサヒビールはノンアルコールビールとして「ダブルゼロ」を売り出しましたが、シェア率2%と売れ行きが良くありませんでした。

そこで綿密な市場調査をおこなったの結果、消費者が「カロリーゼロ」よりも「ビールと同じような味」を求めていることが分かり、味を重視した新商品の開発に挑みました。消費者のニーズに応えた「ドライゼロ」はシェア率24%と大ヒットしました。

メルカリの市場調査事例

メルカリは自社商品の満足度を計測するために、あえて外部サービスを利用しました。自社の顧客に対してのみ調査をおこなうと客観的な評価ができないと考えたためです。

外部サービスの利用で、客観的な「利用率No.1」という調査結果を得て、CMのコピーなどに反映することができました。

参考:
【一覧表つき】市場調査はこれでOK!全11種類調査、お金と時間ってどれだけかかる?|Marketing Research Camp
【事例と便利ネタあり】「マーケティング・リサーチ」入門〜代表的な手法と調査時の注意点、活用方法などなど、必要な情報を総まとめ〜|Marketing Research Camp


まとめ

市場調査とは、企業が市場の動向や顧客のニーズなどを調査することです。市場調査には目的に応じた調査の種類やさまざまな方法があるので、自社に合ったものを選びましょう。

また、市場調査はあくまで商品開発などの過程に過ぎません。調査結果を生かして、自社のマーケティング戦略に活かしましょう。

※本記事はCint Japan株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。