定量調査で顧客ニーズやビジネスヒントを発見するための基本とコツをご紹介

定量調査とは、市場では何が求められているのか、顧客が自社商品をどう思っているのか、自分の仮説は合っているのか、といった情報を誰でも理解しやすい数値化されたデータに落とし込む調査方法です。

定量調査を行うことで、気づけていなかった消費者ニーズなどのビジネスヒントを発見したり、素早い意思決定を行うことができます。

しかし、いざ定量調査を実施しようとすると、どのように調査を設計して、どのような調査を行えばよいのか、費用はいくらかかるのかなど、不明点がたくさん出てきた方も多いのではないでしょうか。

そのような方のために、本記事では定量調査のおさらい、必ず抑えるべきポイント、簡単に調査を行う方法、調査の相場などをご紹介します。
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定量調査とはビジネスヒントを得るためにユーザーニーズなどの情報を数値化・分析する調査方法

定量調査とは、対象となるユーザーの感想や行動を収集して、それらを数値化して統計学の観点から分析する市場調査手法です。定量調査は、新製品開発のためのマーケット調査や、すでにある商品の顧客満足度調査、特定の企業における従業員満足度調査など、様々な調査の場面で用いられます。
定量調査_1
例)品質に関するアンケート調査サンプル
定量調査_2
例)アンケートを数値化した例

定量調査は数字を用いることから全体的な構造や結果を把握しやすくなります。調査結果を数値化することでデータ化しやすくなり、プレゼンなどの資料に活用できるようになります。

一般的に100サンプル〜1,000サンプルの結果を元に分析を行うことから、それほど手間をかけずに実際の数千、数万単位の対象者の意見を分析結果として把握することができます。

定量調査は2種類に分けられるが、ビジネスでは標本調査が一般的

定量調査は、大きく2つの種類に分けられます。ひとつは「全数調査」(悉皆調査)であり、もうひとつは「標本調査」です。

ここでは、全数調査と標本調査それぞれの調査対象や特徴などを比較して紹介します。

対象特徴
全数調査(悉皆調査)母集団全員に対して調査を行う正確な結果が得られやすいが、母集団が多ければ膨大な時間や労力、人件費などがかかる。
標本調査母集団の中から抽出した一定数に対して調査を行う全数調査に比べると多少誤差が生じるが、時間や労力、コストを抑えることができる。

「全数調査」とは、調査対象者全員をくまなく調査する方法です。具体例として、国民ひとりひとりを調査する国勢調査などがあげられます。

全数調査は、対象者全員の意見や行動を調査するため正確な調査結果が得られやすい特徴がある反面、調査対象となる母集団が多い場合には膨大な手間や時間がかかる側面もあります。

「標本調査」とは対象者全員を調査するのではなく、母集団から一定数を抽出(サンプリング)して調査を行う方法です。全数調査ほどの手間や時間をかけることなく、抽出した一定数の標本結果から母集団の調査結果を推測できる点が標本調査の特徴です。

母集団が多い場合には全数調査は時間や手間がかかるため、標本調査を用いるケースが一般的です。


定量調査は仮説検証や実態把握に向いているが、原因把握をするには定性調査も必要

定量調査のメリットとデメリットを解説

様々な対象を統計学的に数値化する定量調査は、数字を用いて分析することから調査結果には一定の信頼性があります。しかしながら、定量調査にはメリットだけでなくデメリットも存在します。したがって、市場調査を行う際は、実際に行う調査方法として定量調査が最適であるのか事前に考察することが必要になります。

ここでは、定量調査のメリットとデメリットを解説します。

定量調査を行うメリット

定量調査では、多くの調査対象に対してアンケートを実施して集計した結果を分析し、数や割合といった「数字」で表すことになります。アンケート結果を数字として表すためには、調査に用いる質問内容は複雑なものでなく、択一式や「はい」「いいえ」で答えることができるシンプルなものになる傾向があります。

定量調査のメリットは以下の2つです。

  • 質問内容がシンプルなので対象者が回答しやすい
  • 結果をグラフや表にしてまとめやすい

定量調査のひとつめのメリットは、質問内容がシンプルなので対象者が回答しやすく、調査結果を短時間で集計しやすい点です。そのためインターネット上で行うネットリサーチを活用すると、直接街頭などで調査するよりもずっと短時間で多くの調査結果を得ることが可能です。

定量調査の2つめのメリットは、得られた数値結果を表やグラフとして表しやすい点です。結果を表やグラフにまとめることにより、一目で結果を判別したり過去に行った集計結果と簡単に比較することができます。男女別や年齢層別に集計することも容易になるため、目的に合わせて効率的に結果を活用することができます。

定量調査を行うデメリット

定量調査のデメリットは以下の2つがあげられます。

  • 回答が表層的になり安い
  • 質問に集計結果が左右されやすい

ひとつめのデメリットとして、定量調査は簡易的なアンケート形式で行われるため表層的な回答しか得られない点があげられます。アンケート内容も2択や3択など単純な選択形式になりやすいため、より深い内容まで踏み込んだ質問を行いにくいと言えるでしょう。

定量調査では、調査結果を元に深い分析をすることが難しいと言えます。

2つめのデメリットとして、定量調査は質問の仕方や抽出方法によって集計結果が簡単に左右されやすいことから、調査のやり方や分析方法には事前に気を配る必要があります。一定の方向に誘導するような質問の仕方によっては正確なデータを得られない可能性があるので注意が必要です。

公平なアンケート結果が得られるように、質問の内容や質問の仕方は工夫して行う必要があります。

定量調査は仮説検証や実態把握に向いているが、原因把握には不向き

ここまでは定量調査について紹介してきましたが、定量調査とは別の市場調査手法として「定性調査」があげられます。ここでは、定量調査と定性調査の違いについて解説します。

定量調査では、ネットリサーチなどさまざまな方法でアンケートを実施して多くの結果を収集することにより、何がどれだけあるのか(what)を数字として把握することが可能です。定量調査で得られた数値データを分析することにより、分析結果を表やグラフで表すことができます。

一方定性調査では、インタービューや家庭訪問、オフィス訪問などを通じて実際に対象者と対面する形で調査を行います。さらにその調査結果を収集してより深く分析します。なぜその行動をとったのか(why)、対象者の深層心理を探るために有効な方式として、定量調査の結果のさらに奥を読み解く調査方式です。

定量調査と定性調査の違い

収集できるデータ調査の目的
定量調査統計学で分析できる数値化できるデータ仮説検証
実態把握
定性調査言葉や行動などの非数値化のデータ仮説構築
原因把握

明確な数値データをとりたいなら定量調査を実施すべき

ビジネスの場面やプレゼンテーション、プロジェクト遂行の場面で市場調査を行う際は、定量調査を実施することをおすすめします。定量調査であれば多くの母集団から明確な数値を取得できるため、データとして活用することが容易になります。

また調査結果を会社の上層部や外部に説明する際に、数値化したデータを用いると説得力が増し伝わりやすいと言えるでしょう。

定量調査と定性調査は組合わせて実施するのが理想的

定量調査や定性調査はそれぞれの調査には限界があることから、それぞれ単独で行った調査によって得られる調査結果が本当に正確だとは言い切れません。正確な市場調査を実施する際は、定量調査と定性調査を合わせて調査することが効果的です。それぞれの調査方法を補完しあい、より正確な調査結果を得ることが期待できます。

ここでは、定量調査と定性調査それぞれの調査を組み合わせて実施することにより得られる効果をお伝えします。

2つの調査を融合させることで質の高い効果を得る

例えば新たな市場を開拓する場合や、現在の市場でのポジショニングを変えて新たな戦略を構築する際に、定量調査と定性調査を融合させて行うことによって高い効果が期待できます。数値化できる明確なデータと数値化できない言語や行動などのデータを組み合わせることにより、調査対象をより深く分析できるのです。

目的により調査の順番が異なる

定量調査と定性調査のどちらも実施する場合、調査の目的によって実施する順番が異なります。近年はインターネットが我々の日常生活に普及していることから、まずは大きな母体を対象にした定量調査を行い、その結果を次のアクションにつなげるためにさらに踏み込んだ定性調査を行う流れを取ることが多くなっています。定性調査は、先に行われた定量調査から得られた結果の理由や根拠を探る手段として実施される場合もあります。

一方で昔から行われている方法の中には、先に定性調査を行いその後定数調査を行うものがあります。定性調査によって一旦仮説を提起し、さらに定量調査を行い結果を検証して両者の調査結果を元に最終的な意思決定を行います。

定性調査の一例として、思うように販売数が伸びない商品の改善点の調査を行います。その際回答者のリアクションに合わせて柔軟に質問の内容を変えることによって、課題がより明確化される場合があります。その後に定量調査を行い、定性調査で浮き彫りになった改善点に合わせて質問項目を作成して実施する流れが一般的です。


定量調査の主な調査方法

定量調査に取り入れられる調査方法には様々な種類があります。

調査方法費用目安納期目安
ネット調査500サンプル 5万円~20万円最短2日
訪問調査100サンプル 220万円~
1,000サンプル 600万円~
6週間程度
電話調査150サンプル 45万円3週間程度
街頭調査100サンプル 50万円~3週間程度
郵送調査100サンプル 80万円~
500サンプル 50万円〜
6週間程度
会場調査(CLT)50サンプル 40万円~
200サンプル 100万円~
4週間程度
ホームユーステスト(HUT)100サンプル 150万円~6週間程度

ネット調査

ネット調査の概要

ネット調査は、定量調査を行う際の代表的な調査方法です。インターネットの発達により、パソコンやスマートフォンは私たちの生活の中で身近なものなっています。

マーケティングリサーチを行う際は、ネットを活用したアンケートを実施して短期間で大量のデータを収集することが可能です。アンケートの作成から収集までネット上で行うことができるため、効率的に調査を進めることができます。

ネット調査の方法としては、調査法の作成から調査の実施、集計までを自社で行う自社方式と、全ての作業を専門業者に任せてしまう丸投げ方式の2通りがあります。
ネット調査の費用目安
ネット調査を行った場合の費用は一般的に以下の通りになります。

  • 自社方式の場合・・・500サンプルの調査費用が50,000円〜
  • 丸投げ方式の場合・・・500サンプルの調査費用が200,000円〜

丸投げ方式は作業量が多くなる分、自社方式に比べて丸投げ方式の方が費用は高くなります。

ネット調査の納期目安

ネット調査の納期の目安は、最短で2日程度です。他の調査方法と比較しても納期がかなり短いことから、緊急性の高い調査案件などはネット調査を活用すると良いでしょう。

訪問調査

ここでは、定量調査の方法のひとつである訪問調査について紹介します。

訪問調査の概要

訪問調査とは、調査員が実際に対象者の家やオフィスなどに訪問して、直接アンケートを実施して調査結果を収集する方式です。訪問調査はひとつひとつの調査に時間や労力がかかる反面、直接生の声を収集することから、確実性の高い内容の調査結果を得られやすい傾向があります。

訪問調査の費用目安

※訪問調査を行う場合の費用の目安として、100サンプルで220万円〜となります。1000サンプル取得する場合は、600万円〜が目安になっています。

訪問調査の納期目安

訪問調査の納期は、調査するサンプル数により左右されます。一般的には6週間程度が訪問調査の目安になっています。

電話・FAX調査

定数調査では、電話やFAXを利用してアンケートが実施される場合もあります。

電話・FAX調査の概要

電話やFAX調査とは、調査員や委託された調査会社が実際に調査対象者の自宅やオフィスに電話してアンケートを実施したり、FAXで質問やアンケートを送り返答してもらう調査方法です。

電話やFAX調査は、対象者が遠方にいる場合や対象者の数が多い場合に有効な調査方法です。直接訪問する手間がかからない反面、人件費や電話代などの経費がかかる特徴があります。

電話調査の費用目安

電話調査の費用の目安は、150サンプルで45万円〜、100サンプルで50万円〜と言われています。

電話調査の納期目安

電話調査を行う場合の納期の目安は、3週間程度になります。

街頭調査

ここでは街頭調査の概要や費用、納期などの目安を紹介します。

街頭調査の概要

調査員が街に出て、アンケートの対象者に対して対面で調査を行います。直接対象者に質問しながらアンケートを実施することから比較的精度の高い調査結果を得られやすい側面があります。しかし、街にいる人々は事前に用意された対象者でないため適切な対象者を探す必要があり、アンケートに答えてくれる人を見つけるのに時間や労力がかかります。

街頭調査の費用目安

街頭調査を行う場合の費用の目安は、100サンプルで50万円〜となっています。

街頭調査の納期目安

街頭調査の納期の目安は、約3週間ほどになります。

郵送調査

定量調査の中には、郵送で調査する方法があります。

郵送調査の概要

郵送調査を行う場合は、調査票を調査対象者の自宅やオフィスに郵送して行います。記入済みの調査票は封筒などに入れられ、調査対象者から調査依頼をした企業の元へ再び郵送されます。郵送する側は用意した調査票を郵送する手間がかかりますが、実際に質問する手間や時間を省くことができます。一方で調査対象者は質問に解凍するだけでなく、調査票を郵送する必要があり手間がかかります。

郵送調査の費用目安

郵送調査の費用の目安は、100サンプルで80万円〜、500サンプルで50万円〜となります。サンプルが多ければ多いほど費用は安くなる傾向があります。

郵送調査の納期目安

郵送調査を行う場合の納期の目安は、6週間程度となります。

会場調査(CLT)

定量調査の方法の中には、会場の中でアンケートを行う会場調査があります。

会場調査(CLT)の概要

会場調査とは別名CLT(Center Location Test)と呼ばれています。用意された会場の中で、事前に収集した対象者に試飲や試食、製品を利用してもらい評価を聴取し、データ分析する手法です。会場調査は、企業が新しく開発した商品に対する顧客のフィードバックをもらうために実施するケースが多いようです。

会場調査(CLT)の費用目安

会場調査(CLT)の費用の目安は、50サンプルで40万円〜、200サンプルで100万円〜となります。

会場調査(CLT)の納期目安

会場調査(CLT)の納期の目安は、約4週間ほどになります。

ホームユーステスト(HUT)

定量調査のひとつである、ホームユーステスト(HUT)について解説します。

ホームユーステスト(HUT)の概要

ホームユーステスト(HUT)とは、調査対象の商品を実際に家庭で使用してもらい、ユーザーのリアルな使用感を調査する方法です。家電製品など、一定期間家庭で使用してもらわなければ調査結果が得られにくいものがホームユーステストの対象商品となります。ちなみにHUTとは、「Home Use Test」のことを指しています。

ホームユーステスト(HUT)の費用目安

ホームユーステスト(HUT)の費用目安は、100サンプルで150万円~となっています。

ホームユーステスト(HUT)の納期目安

ホームユーステスト(HUT)の費用目安は、6週間ほどになります。


成果につながる定量調査の2つのポイント

定量調査を行う場合、心がけるべき大切なポイントは2つあります。ひとつめのポイントは、調査を開始する前に結果に対する仮説を立ててから調査を開始することです。2つめのポイントは、調査対象となる母集団や求める調査精度に合わせて実際にサンプリングする数を適切に設定することです。

1.定量調査を行う際は仮説を具体的にたててから取り掛かる
2.母集団や求める精度に合わせてサンプリング数を設定する

それぞれのポイントについてさらに深く解説します。

1.定量調査を行う際は仮説を具体的にたててから取り掛かる

実際に定量調査を行う際は、具体的な仮説を立ててから実行するとその後のアクションにつなげやすくなり効果的です。

例えば、売れ行きが悪かった商品を改善するために市場調査を行う場合、「パッケージデザインと商品とのイメージがずれていたからではないか」という仮説を立てます。この仮説に対して、「デザインが適切なのか」「デザインと商品イメージが合致してるか」など効果的なアンケート内容を作成することにより、結果が明瞭になり次の対策につなげやすい結果を得ることができます。

例)仮説を質問項目に追加
定量調査_3

例)数値で検証(下記図では8割の人がパッケージデザインに満足しているが、店頭に来るまで商品を知らなかったことがわかる。)
定量調査_4
定量調査_5

2.サンプル数は母集団や求める精度に合わせて設定する

定量調査を行う場合のサンプル数は、調査対象の母集団や求める精度によって異なります。精度が高い結果を求めるのであれば、できるだけ多くのサンプル数を集める必要があります。

また、母集団が多いほど必要なサンプル数は多くなりますが、10,000人を超えると必要なサンプル数はあまり変化しなくなる傾向があります。多くのサンプルを集める場合は、10,000人をひとつの目安にすると良いでしょう。


はじめはアンケートのテンプレートを参考にしましょう

アンケートを作りなれていない方が1からひねり出すのは大変だと思います。そんな時には、下記のようなテンプレートを提供しているサイトをチェックしてみましょう。1から考えたい方も、テンプレートと見比べることで質問の抜け漏れを防止できます。
※著者も日ごろからお世話になっているありがたい存在です。
参考:アンケートテンプレート紹介|Questant


定量調査で得たデータは下記記事を参考に分析してみましょう

定量調査で数値化された情報からは様々なヒントを読み解くことができます。分析方法は多岐にわたりますが、中でも初心者向けの分析手法を下記の記事にまとめました。まずはこちらの記事を参考に分析してみましょう。

参考:今日から始めるデータアナリティクス。初心者でもできる2つの手法とExcelに頼る裏ワザを紹介


まとめ

定量調査は顧客ニーズなどを数値化してビジネスに活用する調査手法です。仮説検証や実態把握に向いており、仮説構築や原因把握には定性調査のほうが向いています。定量調査で得たデータは様々な角度から分析できますが、仮説を立てずに情報を収集すると知りたかったことがわからなくなってしまうので、必ず仮説を立ててから調査に臨みましょう。

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