

セールスイネーブルメントツールとは、営業活動全般を支援するためのツールです。ツールを利用すれば、顧客のニーズに合わせたコンテンツの制作・管理や、商談内容の書き起こしや分析など、営業活動全体の改善を図ることができます。
参考:セールスイネーブルメントとは?実施するメリットや取り組み方、事例を解説
しかし、ツールによって機能や料金体系などが異なるため、どのツールを選べばいいかわかりづらいでしょう。
本記事では、セールスイネーブルメントツールの概要とおすすめのツール7選、選び方のポイントについて紹介します。本記事を参考にすることで、自社の要望に最適なセールスイネーブルメントツールを効率良く見つけられます。
セールスイネーブルメントツールの選定基準は、「セールスイネーブルメントツール 比較」の検索上位10記事分の情報から、紹介頻度の高いツールを選び、ITreviewのレビュー数順にまとめています。
※本記事に掲載しているレビューはITreviewに許諾を得て掲載しています。
※レビューや評価などは2023年2月時点のものです。
※Leader、High Performerのバッジは、ITreviewで満足度の高い製品にHigh Performerを、満足度・認知度が共に高い製品にLeaderが付与されています。最新の受賞製品一覧はこちら
目次
セールスイネーブルメントツールとは、営業活動全般を支援するためのツール
セールスイネーブルメントツールとは、持続的に成果が出る営業組織にするために、営業活動の業務効率化や改善のサポートを行うツールです。
そもそもセールスイネーブルメント(Sales Enablement)とは、営業組織を強化・改善するための取り組みのことを指します。具体的には、成果が出せる営業組織にするために、セールストレーニングや営業資料の管理・改善、顧客分析など、幅広く行っていきます。
しかし、セールスイネーブルメントの領域は幅広く、分析や自動化などの業務も必要であるため、実践するためにはセールスイネーブルメントツールが必要です。
セールスイネーブルメントツールには以下のような機能が搭載されています。
- 営業コンテンツの管理・共有
- 最適なタイミングで営業コンテンツを顧客に送付
- 研修・セミナーの効果測定
- 商談内容の録画・書き起こし
- 商談の課題がわかるAI分析
- 成果に必要な行動・スキルがわかるスキルマップ管理
SFAやCRMとの違い
セールスイネーブルメントツール、SFA、CRMは、3つとも営業プロセスを支援するためのツールですが、それぞれ異なる目的を持っています。
ワード | 目的 |
---|---|
セールスイネーブルメントツール | 営業活動全般を改善する |
SFA | 営業プロセスを自動化する |
CRM | 自社の顧客関係の情報を管理する |
セールスイネーブルメントツールは、営業活動全般を改善することを目的として活用されます。
一方、SFAは営業担当者の行動や商談の進捗状況などのデータを蓄積・管理し、営業プロセスを自動化することを目的とします。
また、CRMは顧客情報を管理し、顧客へのアプローチの業務を効率化することが目的のツールです。
3つのツールそれぞれで同様の機能が搭載されている場合がありますが、改善したい領域が異なります。
参考:営業管理の効率を上げるSFAとは?導入メリットや事例、おすすめツール5選を紹介
CRMとは?活用の目的や機能、活用のコツをわかりやすく解説
次の章からおすすめのセールスイネーブルメントツールを紹介します。
Handbook X/アステリア株式会社


初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ■フリー:0円 Handbook X パーソナル Handbook X ワークグループ |
主な機能 | ・ブック作成・閲覧機能 ・ブック共有 ・ワークグループ作成 |
導入企業 | 要問合せ |
導入社数 | 10万ダウンロード突破 |
このツールのレビュー(ITreviewより抜粋)
誰にでもわかりやすい操作性
・おおき目のアイコンで、タイトルと概要が分かりやすく表示され、世代を問わず目的の資料にたどり着けるユーザーフレンドリーなPFです。
・基本的にテンプレートに従って属性を手順通り入力していけば公開でき、ITリテラシーそのものは問わないで利活用できる仕組みなのがありがたいです。
電子マニュアルの管理で使用
私の利用先では、システム導入作業時でのマニュアル作成・管理で使用している。
マニュアル更新作業を行った際の担当者間レビューにおいて、(マニュアル全体ではなく)自分が作業担当したページ分のみ持ち運びが行えるので、実作業がスムーズに行える点が良いと思う。
引用元:ITreview
Smartsheet/Smartsheet Inc.


初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ■プロ:1ユーザーあたり月額784円(最大10ユーザー、閲覧者無制限) ■ビジネス:1ユーザーあたり月額2,768円(最低3ユーザー、編集者無制限) ■エンタープライズ:要問合せ |
主な機能 | ・プロジェクト管理 ・ワークフロー自動化 ・コンテンツ管理 ・チーム共同作業 ・リソース管理 |
導入企業 | Under Armour、Zoom、Johnson & Johnson、Delivery Hero、SB Payment Service Corp. など |
導入社数 | 要問合せ |
このツールのレビュー(ITreviewより抜粋)
操作性がいい
弊社は外部スタッフが多いためタスク管理ができるツールを探していましたが、Smartsheetは操作性がいいので導入を決定しました。テンプレートがあるので、ITリテラシーのないスタッフでも比較的に簡単に覚えることができました。ツールバーはExcelライクなので、初めて操作するスタッフでも違和感を感じることはありません。フィルター項目は自由に設定できるので便利です。ステータスやコメントもフィルターの対象に加えることができるので、データ数が膨大になっても探しやすいです。
ソリューションセンターも便利です。弊社は頻繁にレポートを作成していますが、ソリューションセンターはレポートのテンプレートもあるので簡単に作成できます。
ささいなことかもしれませんが、ワンステップで機能が立ち上がるのも評価ポイントです。クラウドシステムですが、極めてローカルのソフトに近い操作性です。
無駄がなく効率的
無駄な機能がなく、利用したいものがコンパクトにまとまっていて、利用するコンテンツが決まっているなら、画面遷移も早くて利用しやすい。進行中のプロジェクトの管理、プロセスの自動してくれる機能、プログラムやポートフォリオへの拡大が 1 つのプラットフォーム上で完結できるのがいい。
引用元:ITreview
Sales Doc/株式会社Innovation & Co.


初期費用 | 100,000円 |
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料金プラン | ■ライト:月額30,000円 ■スタンダード:月額60,000円 ■プレミアム:月額90,000円 |
主な機能 | ・トラッキング・分析(閲覧/ページトラッキング、資料共有サイトの作成など) ・資料の管理(フォルダ管理、資料のパスワード設定など) ・営業力の向上(自動追客メール、自動アポ打診ポップアップなど) ・連携機能(Salesforce、Slack、Boxなど) |
導入企業 | 株式会社manebi、株式会社ドリーム・アーツ、株式会社エムエム総研、株式会社ROBOT PAYMENT など |
導入社数 | 500社以上 |
このツールのレビュー(ITreviewより抜粋)
新規営業への罪悪感が減った
優れている点・好きな機能
・資料の閲覧通知
・資料共有サイトその理由
・自社のハウスリストから、関心層を手間なく効果的に見つけることが出来る。過去接点があった顧客に対し、ニーズがありそうな資料を作成して送付して活用している。
・従来は、「とりあえずたくさん送れば何かしら刺さるだろう」と、5つも6つも資料をPDFで送っていたが、いまは1つのリンクから複数の資料を閲覧できる様になり、かつ興味関心がある資料も分かるので、ニーズの把握に役立っている。
これからの営業組織には必須のツールだと思います。
コロナ前から導入しておりますが、営業接触中、お客様の検討度合いがどれくらいのものか全くわからずにプレゼン、クロージングを行うといった営業フローをとっておりました。
本製品を導入することによって、お客様の提案商材の「どこに興味・不安があるか」が資料を通じて確認することができるので、お客様の状況・心境に合わせた提案ができるようになり、結果商談の精度が上がったと思います。また、仕事柄セミナーや社内研修を行うことが多いのですが、録画したデータをアップロードすることによって、トークの共有・コンテンツの社内浸透がスムーズになりました。
引用元:ITreview
nocoセールス/noco株式会社


初期費用 | ■エントリー:0円 ■スタンダード:150,000円 ■アドバンス:要問合せ |
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料金プラン | ■無料プランあり ■エントリー:月額15,000円 ■スタンダード:月額30,000円 ■アドバンス:要問合せ |
主な機能 | ・資料共有 ・資料トラッキング ・資料分析 ・チャット接客 ・追客メール、商談アポ |
導入企業 | 株式会社マイナビ、MMD研究所、株式会社PRTIMES、株式会社ディー・エヌ・エー、クラウドサーカス株式会社 など |
導入社数 | 要問合せ |
このツールのレビュー(ITreviewより抜粋)
URLひとつで資料データの共有とモニタリングまで出来る!
PDFのサービス概要資料を共有しようと思っても、問い合わせフォームからは出来ず、メール添付でも昨今はセキュリティ上、難しい。こちらの商品はURL発行しWEB閲覧が可能であり、「まず資料を見てもらう」というハードルを大きく下げてくれるツール。そのうえ閲覧状況も確認できる。
初心者でも使いやすい操作性
資料ごとに、情報入寮を求めるかどうかの柔軟な設定が可能なため、お客様へ資料を共有する際にストレスがないです。また、資料まとめサイトも作成可能のため、顧客視点でも情報入力の手間が減りUXはとてもいいと思っています。
引用元:ITreview
Enablement App/株式会社アールスクエア・アンド・カンパニー


初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | ライセンス料金 1ユーザーあたり月額6,000円 |
主な機能 | ・スキルマップ管理 ・アセスメント ・トレーニング管理 ・コーチング管理 ・データ連携効果検証 |
導入企業 | ソニービズネットワークス株式会社、株式会社リクルート、凸版印刷株式会社、CCCマーケティング株式会社、株式会社SmartHR など |
導入社数 | 要問合せ |
このツールのレビュー(ITreviewより抜粋)
使いやすいツールだと感じました。
優れている点・好きな機能
①スキルマップ管理・アセスメント管理:営業フェーズ設定やKeyActionの定義に対しての知見があり、大変参考になる。
②トレーニング管理:提供されているイーラーニングのコンテンツが幅広い範囲を網羅している。その理由
①スキルマップ管理・アセスメント管理:自社の営業部門は部門ごと(担当業界や商材)の特色がバラバラであり、まとめるのに苦労するかと予測していたが他社での事例提供や自社に対しての適格な分析を実施して頂きスムーズにスキルマップの設定・アセスメントの開始まで取り組むことが出来た。
②トレーニング管理:基本的なビジネスマナーや営業スキルの教材だけではなく、会社ごとに特性があり教えにくいビジネスコミュニケーションの範囲まで網羅されているのには驚いた。本年度の新人教育のファーストステップの教育として役に立った。
Enablement Appを利用してみて
優れている点・好きな機能
・トレーニングライブラリ
・1on1コーチング
その理由
・営業活動が言語して理解できるため、自己理解もそうだが、後輩に教える際にとても参考になりました。
・1on1についても、半期の動きが確認でき、蜜にコミュニケーションをとれる機会が設定されるのはいい機会だと感じました。
引用元:ITreview
ACES Meet/株式会社ACES


初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | 要問合せ |
主な機能 | ・議事録の作成 ・一元管理 ・商談分析 |
導入企業 | パーソルプロセス&テクノロジー株式会社、全研本社株式会社、株式会社WALTEX、大同生命保険株式会社、福助株式会社 など |
導入社数 | 要問合せ |
このツールのレビュー(ITreviewより抜粋)
MTGがはかどるし、営業力の向上に役立っている
ZOOM、Google Meet、Teamsで行うオンライン会議体すべてを録画して、AI解析を行ってくれるクラウドサービス。よく商談や社内外の会議で、次のアクションのためにも、メモを取りながら相手と会話する必要があるが、ACES MeetがAI解析して文字起こししてくれて、動画の記録も残してくれるので、完全にMTGに対して集中できるようになった。
使い始めは、ACES Meetに対して過度な期待は抱いていなかったが、常に自分の参加する会議体に営業事務がいて、議事録を作ってくれるような感覚なので、1ヶ月程度利用した後は、すっかり手放せないツールになった。
喋りながら情報整理してメモを残す、という従来の体験は意外とストレスで、会議に集中できていないので、質が上がらないのだなということにも気がつけた、本当に新しい体験になっていると思う。基本、メモを取らずしゃべりっぱで良いのは本当に良い。
文字起こしの精度が素晴らしいので、誰かに共有する際には起こされた文字の微修正程度で済むし、意味の疎通はできるレベルなので、社内への共有くらいだったら、そのまんま投げて追われるのがとても良い。
引用元:ITreview
HIGHSPOT/Highspot, Inc.


初期費用 | 要問合せ |
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料金プラン | 要問合せ |
主な機能 | ・コンテンツ管理 ・コンテキスト ガイダンス ・直感的なトレーニング ・データ駆動型コーチング ・顧客エンゲージメント |
導入企業 | Twitter、Apptio、Hootsuite社、Granicus Inc、Plex Systems など |
導入社数 | 要問合せ |
このツールのレビュー(ITreviewより抜粋)
社内/外部用に、共有ファイルの管理に最適
基本的な機能としては、各ファイルやフォルダの情報といったコンテンツの管理ができるが、直感的に理解できる管理画面を通して社内共有にももちろん使えるため、使い勝手は分かりやすくて良い。
入社後の、社内リソースも簡単に見つけることもできたためオンボーディングが極めてスムーズだった。
ファイルの保存先リンク作成も極めて容易なため外部へ展開するなど営業には欠かせない。
登録したファイルの開封をトラッキングすることも可能なため、外部へ展開してから本領を発揮する。
引用元:ITreview
セールスイネーブルメントツールの選び方の3つのポイント
最適なセールスイネーブルメントツールを選ぶためには、以下のポイントを基準にしてみましょう。
- 自社の課題とツールの強みがマッチしているか
- 同業種・同業界の導入実績が豊富か
- 既存の業務システムと連携できるか
セールスイネーブルメントツールによって機能や料金などが異なりますが、まずはこちらのポイントを確認してみると選びやすくなります。
自社の課題とツールの強みがマッチしているか
セールスイネーブルメントツールが強みとしている領域が、自社の課題とマッチしているか確かめましょう。
- コンテンツの作成や管理
- 営業活動の仕組み改善
- 営業スキルの管理
などと、ツールによって特化している分野が異なります。
たとえば、コンテンツ作成・管理に課題があるなら、コンテンツの登録~共有設定までシステム上でできるHandbook X。営業活動の効率化に課題があるなら、「自動アポ打診ポップアップ」や「日程調整ツール連携」などの機能があるSales Docという選び方ができます。
各ツールの機能の確認は必要ですが、ツールの強みとしている部分からチェックしてみるとスムーズに選びやすいです。
同業種・同業界の導入実績が豊富か
導入実績が公開されているツールであれば、その実績の中に自社と似た業種・業界・規模の企業が多いか確認しましょう。
自社に似た企業であれば、同じ課題感を持っている場合が多いです。そのため、自社に似た企業が実績に多く含まれていれば、そのツールと相性が良い可能性があります。
実績社数だけではなく、実績として掲載されている企業名もチェックしてみましょう。
既存の業務システムと連携できるか
セールスイネーブルメントツールと、すでに社内で使っているシステムと連携できるかどうかもポイントです。既存のシステムと連携させることで、営業活動を効率よく行えます。
たとえば、商談内容の書き起こしを実施したい場合、ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどのオンライン商談ツールがセールスイネーブルメントツールと連携できるかどうかが重要です。
参考:【2022年版】オンライン商談ツール26選を比較!選び方のポイントも解説
また、SFAやCRM、MAなどの既存システムと連携できるツールであれば、営業活動において必要な情報を一元管理できるため、蓄積されたデータを多角的に分析・活用することが可能です。
まずは自社で導入しているシステムを把握し、セールスイネーブルメントツールと連携可能かどうか確かめましょう。
まとめ
本記事ではセールスイネーブルメントツールの概要とおすすめのツール7選と選び方のポイントについて紹介しました。
セールスイネーブルメントツールを使うことによって、商談工数を削減できたり、営業資料やホワイトペーパーなどのコンテンツ管理の効率化を目指せます。
営業活動に関わる業務の効率化・改善を目指せるセールスイネーブルメントツールですが、自社に最適なツールを選ぶためには、以下のポイントを基準にして確認してみましょう。
- 自社の課題とツールの強みがマッチしているか
- 同業種・同業界の導入実績が豊富か
- 既存の業務システムと連携できるか
セールスイネーブルメントツールの導入を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
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