電話営業のアポ獲得率を高めるために実践すべき12のコツ

電話営業(テレアポ)とは、文字通り電話を使って行う営業手法です。取引のない企業に電話をして商談のアポイントを獲得していくのが目的で、新規顧客を開拓するうえで重要な役割を担っています。

大手との商談数を増やす電話営業の手法

しかし以下のようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。

  • いくら架電してもすぐ断られてばかりでツライ
  • 電話をかけても受付で断られてしまう
  • 頑張ってアポを取りたいけど、何を変えたらいいのかわからない

電話営業で成果を上げるためには、「お客様ファーストで話すこと」を徹底することが大切です。そのためには、事前に準備しておくことやトーク中で意識するポイントなど、コツを抑えた上で電話営業を行う必要があります。

本記事では、電話営業でアポイントを獲得するためのコツを「事前準備・トークの仕方・振り返り」の3つに分けてそれぞれご紹介します。

目次


電話営業とは

電話営業は、アポイントメント獲得方法の1つです。「テレアポ」とも言われています。電話で新規顧客とのアポイントメントの約束などを取り付けるのが目的です。新規顧客獲得のために重要な役割を担います。

一件ずつ顧客の元を回る外回りの営業と比較すると、低コストで一日に多くの相手とアプローチできるため効率的な営業方法と言えるでしょう。

相手の姿が見えないため、電話では口調や会話のトーン、話し方などが大切になります。電話営業は断られることが多いため、辛いと感じる担当者も珍しくありません。成功率が低いことを前提に、取り組むことが大切だと言えるでしょう。

参考:すぐ実践できる!テレアポで毎月1億円稼ぐ男が教えるテレアポのコツ│LISKUL
   テレアポが上手い人の7つの特徴と上達のためのトレーニング方法│LISKUL


電話営業を成功させるためには「事前準備」「架電時のトーク」「振り返り」

電話営業の成果を高めるためには「事前準備」「架電時のトーク」「振り返り」の3点がポイントです。

電話営業でアポイントを獲得するためには、トークの精度を高めていくことが必要です。そのため、架電時のトークを意識的に変えたり、自身の架電の内容の振り返りが大切です。

ただし、電話営業は1件当たりの成功率は決して高くありません。そのため、目標件数を獲得するためには架電件数を増やすというアプローチも重要です。そのため、架電リストやトークスクリプトの用意などをして、効率よく架電するための事前準備が必要です。


「事前準備」の4つのコツ

電話営業では事前準備の度合いによって成果が大きく変わります。電話営業は頭の中に浮かんだ言葉だけで成果を出し続けるには限界があります。

1.つながりやすい時間帯をおさえておく

電話営業には、特に電話がつながりやすいゴールデンタイムが存在します。

電話営業はとにかく数多く実施するのが鉄則です。特に「電話がつながりやすい時間帯」は電話営業に集中するようにしましょう。

業種・業界によってある程度変動しますが、以下の時間帯は一般的に電話がつながりやすいと言われています。

  • 始業1時間後~午前中
  • 昼食後(14:00~16:00)
  • 就業前(17:00以降)

逆に始業直後やランチの時間などは電話がつながりにくいので、避けるのが無難です。

2.リストを用意する

営業電話をかける前にリストが十分かどうか確認しておきましょう。効率良く電話営業を行うためには、リスト作成が欠かせません。

リストに必要な情報は次の通りです。

  • 会社名
  • 担当部署
  • 担当者名
  • 電話番号
  • 住所
  • 会社のURL

担当部署や担当者名が事前に把握できていると、受付突破の難易度が下がり比較的スムーズに話を進めることができます。

成果を出しやすいリストの作り方やリスト作成に有効なツールについては、下記記事に詳しくまとめています。

参考:営業リストの作成を効率化する方法と今すぐ使いたいおすすめツール3選│LISKUL
   テレアポリストの作り方と効率的に架電するための3つのポイント│LISKUL

3.トークスクリプトを作成する

営業の属人化を防ぎ、誰もが営業成果をあげるにはトークスクリプトが必要です。

トークスクリプトは以下の型を参考に作ってみましょう。

  1. 挨拶
  2. フロントトーク
  3. 本題
  4. クロージング

挨拶で社名・担当者名などを名乗り、フロントトークでは担当者やキーとなる人を特定します。その後本題に入り、最後にアポイントの取り付けや資料送付先の確認など、電話の目的を果たしましょう。

トークスクリプトの作成方法やすぐに使える例文は以下の記事にまとめています。

参考:今すぐ使えるテレアポトークスクリプト例文集と5つの作成テクニック│LISKUL
   トークスクリプトの作り方の4ステップと成果を高めるためのポイント│LISKUL

4.切り返しトークを準備しておく

断られた時のために予め切り替えしトークを準備しておきましょう。営業電話の成約数は100件中1~2件とも言われており、多くの場合は断られます。

事前に切り替えしトークを準備しておくと対応できる機会が増えます。それぞれのトーク例について見ていきましょう。

「担当者が不在」と言われたときの切り返しトーク例

担当者が不在と言われた場合、本当に担当者が居ないこともあれば、電話を取り次ぐ気がない場合もあります。どちらのパターンか電話で判断できません。他の方に取り次いでもらえるよう依頼してみましょう。トーク例は次の通りです。

    • 他に分かる方はいらっしゃいますか?
    • 上の方に私からご説明してもよろしいでしょうか?

「必要ない」「いらない」と言われたときの切り返しトーク例

「必要ない」と言われた場合は、商品に魅力やメリットを感じていないケースが考えられます。電話相手の興味を引けるような切り返しをしてみましょう。トーク例は次の通りです。

  • 〇〇でお困りの方にご利用いただいています。今後、お役に立てる機会もあるかと思いますので、一度名刺交換だけでもお願いできますか?
  • 多くのユーザーから〇〇だと好評いただいています。カタログだけでもご覧いただけますでしょうか?

「忙しい」「時間がない」と言われたときの切り返しトーク例

「多忙だ」「時間がない」と言われた場合は、話を聞くのが面倒だと思われているケースが多く見られます。短時間で終わる、この電話で購入を決めてもらう必要はないということをアピールしましょう。トーク例は次の通りです。

  • 2分だけお時間をいただけますか?
  • 無理にご購入いただく必要はありません。カタログだけでも、ご覧いただけないでしょうか?

「価格が高い」と言われたときの切り返しトーク例

費用が高いと言われた場合は、相手は「価格面」だけが気になるのか他にも気になる点があるのか見極めなければなりません。価格だけを気にしているのであれば、「損をしたくない」と考えています。自社の商品を使わなければ、さらに出費のリスクが増える点をアピールすると良いでしょう。トーク例は次の通りです。

  • 一番のネックは価格でしょうか?
  • このサービスを利用すると、〇〇費の大幅な節約になります。

「架電」の5つのコツ

電話営業は声だけで営業をしなければならないため、声の大きさやトーン、端的にメリットを伝える技術が必要です。

以下では、電話営業のトーク中のコツ・ポイントを5つ紹介します。

1.普段よりも大きく高い声で話す

架電する時は、普段顔を見て話す時よりも大きく高い声を意識して、ハキハキと話すように心がけてください。

電話営業では、「声」だけが武器になります。声に気を付けるだけで相手へ与える印象が良くなり、話を聞いてもらいやすくなります。

せっかく相手が自分の話に興味を持っても、声が小さくボソボソと話していては聞き取れません。

聞き取りづらい電話は相手にとって大きなストレスとなり、「早く切りたい」という心理が働いてしまいます。

2.「営業電話と感じさせない話し方」を徹底する

受付担当者が「電話を切る」判断ができない要件の電話だと思わせることを意識しましょう。

マニュアルの範疇にないワードを出されると、受付は担当に繋がざるを得ない状況に陥ります。

受付が独断で判断できない専門用語や単語を適度に織り交ぜてアプローチすることが、受付突破のテクニックです。
引用:テレアポはきつい?1日12アポとる営業マンがコツを教えます!【受付突破編】|note

受付担当者は上司から「営業電話は全て断るように」と言われているケースが多く、電話を切る判断は個人の裁量で任されています。

受付を突破して上司や社長などの決済者に繋いでもらうためには、受付が判断できないような専門用語や単語を織り交ぜることが効果的です。

電話の内容を不審がられた場合でも受付担当者に具体的な質問を行うことで「切る・切らない」の判断ができなくなり、決済者につなげざるを得ない状況を作り出すことができます。

実際のトーク例は以下の通りです。

【受付突破のトーク例】

「〇〇様はおられますでしょうか」
「〇〇(採用や人事など)の担当者の方お願いします」
「〇〇(採用など)の件で確認したいことがありますので、担当者様にお伝えいただけますか?」

受付突破トークは営業電話と気づかせないことがポイントです。

参考:テレアポで受付突破するための方法とすぐに使える3つのフレーズ│LISKUL

3.顧客に与えるベネフィットが伝わるよう話す

営業電話で製品やサービスの魅力を話す時は、顧客に与えるベネフィットが伝わるように心がけましょう。

「弊社の○○という製品は、△△という点でお客様に喜んでいただけると思います」という内容で、相手の目線に立った進め方をするだけで相手の興味度は大きく変わります。

例えば自社システムに従量課金制プランがある点をアピールしたいなら、「従量課金制です」と言うのではなく、「従量課金制なので、利用量が少ないならランニングコストが抑えられます」といった具合です。

4.相手に配慮したマナーを意識する

営業電話をかけるときは、相手に配慮したマナーを意識しましょう。まず、社名と自分の名前を名乗り、電話の概要も最初に明らかにすることが大切です。丁寧な言葉づかいで感謝の気持ちを持って接することを意識しましょう。

電話をかける時間帯も、相手への配慮が必要です。始業時間前や開始30分以内、昼休憩の時間帯、終業時間間際などは避けるべきです。

ビジネス電話のマナーを守れていない電話では、営業成果があがることはありません。時間帯や言葉遣いなど、基本的なマナーを意識して電話をかけましょう。

5.要件は簡潔に内容は自信ありげに

要件は簡潔に、自信のある話し方で内容を相手に伝える必要があります。営業電話は相手の時間を奪うことになるため、だらだら続く長電話は嫌がられます。できるだけ短く簡潔に話すことが大切です。

また、自信のない話し方では商品の魅力が伝わりません。声のトーンやボリュームが下がり、電話を早く切られる要因にもなるため注意しましょう。

営業電話では、内容に自信を持って堂々と伝えることが大切です。


「振り返り」の3つのコツ

電話営業で成果を上げるためには、毎日の振り返りや社員同士で成功事例を共有し、「いいところは取り入れる」ことが大切です。

1.営業活動を見直すレポートを作成する

電話営業が終わったら、失敗点と成功点を振り返って、それぞれをレポートとして残しておきましょう。

多く電話をかけたということは、それだけ多くのデータを集めたことになります。1つ1つの情報を集めて保管し、次の営業活動に有効活用することが大切です。

「こういうアプローチで上手くいった」「この切り返しは失敗してしまった」など、ほんの少しポイントを書いておくだけでも、後々の電話営業に活かすことができます。

また、成功事例は営業担当者同士で共有し、良いアプローチや切り口は真似をすることも大切です。

成功事例は多ければ多いほどよく、他の担当者の成功事例を取り入れることで電話営業の質向上に繋がります。レポート作成に加え、成功事例を共有する時間を作っておきましょう。


   入社3ヶ月で”100アポ”を創出した男のテレアポ術〜インサイドセールス〜|note

2.通話内容のログをとる

電話営業時には必ずログをとるようにしましょう。

架電先の状況や抱えている課題、次回の商談までに確認する社内事項、課題解決のために提案すべきことは何かなど、ネクストアクションまで書きだしてログとして保存します。

忙しくなるとまとめ方が雑になってしまったり、ログを残すこと自体忘れてしまったりする架電担当者もいるでしょう。

しかし、ログは営業改善や市場の課題を見抜く資産にもなります。振り返りや評価などに利用するためにも、必ずログは記録しましょう。

また電話営業は後述するテクニックも大事ですが、前提として手数重視の施策です。

「目標に見合った行動量を達成しているか」は最初に見るべき指標になるため、ログを必ず残しましょう。

最近では、電話営業の工数削減・アポ化率アップに貢献するIP電話ツールがあり、ログの効率化も行ってくれます。

3.作成したリストを更新していく

新しい情報を入手した場合はリストに記入し、常に最新のものを見られる状態にしておきましょう。リストには電話をかけた日や相手の反応などを書き込んでおくと、次回電話をする時に役立ちます。

担当者が複数いる場合は、架電の重複を避け必要な情報を共有するために、リストの共有が欠かせません。


電話営業におけるモチベーションの保ち方

電話営業を行う上での「断られて当然」というマインドセットを持つことが大切です。

基本的に電話営業の成功率は低いです。しかし「また断られた……」と悩んでいるとモチベーションが下がっていく一方です。

しかし、自信をなくして暗く沈んだトークをしてしまったり、架電件数が減ってしまうと、より成果から遠ざかっていきます。

電話営業は断られるのが当たり前という意識を持ち、モチベーションを維持してとにかく多く架電していくことが大切です。


電話営業をする際には「特定商取引法」に注意

電話営業を行う際に特に注意すべきなのは「特定商取引法」を遵守することです。

特定商取引法とは、事業者による違法または悪質な勧誘行為を防ぐための法律です。

電話営業を開始する際、特定商取引法にのっとり、以下を明示する必要があります。

  1. 事業者の氏名(名称)
  2. 勧誘を行う者の氏名
  3. 販売しようとする商品(権利、役務)の種類
  4. 契約の締結について勧誘する目的である旨

引用:電話勧誘販売|特定商取引法ガイド

また、一度お断りを受けた方や企業に対する再勧誘についても禁止されています。

上記した内容を遵守しない場合、「業務改善指示(法第22条)」「業務停止命令(法第23条)」「業務禁止命令(法第23条の2)」などの規制を受ける可能性があります。

参考:特定商取引法ガイド


まとめ

この記事では、電話営業とはどういうものか、電話営業の成果を高めるマインドセットやコツについて解説しました。

電話営業とは電話を使ってアポイントを獲得する営業手法です。

時間場所を問わずに行えるので実施ハードルが低く、時間・コストをおさえて行うことができます。ただしアポイントの獲得率は決して高くなく、とにかく数をこなしていく必要があります。

思うようにアポイントを獲得できないことをつらいと感じる方も多いのですが、電話営業は「断られて当然」と割り切ってすすめていくのが大切です。

電話営業は「お客様ファーストで話すこと」が重要であり、「事前準備」「トーク」「振り返り」の3つにコツがありますので、この記事を確認しながら電話営業の質を高めていきましょう。

ただし、「特定商取引法」を遵守しないと悪質な事業者としてみなされることもあるので注意が必要です。