Criteo(クリテオ)広告とは?特徴・効果・導入方法を代理店運用者が解説

Criteoのロゴ

Criteo(クリテオ)広告とは、ダイナミック(動的)リターゲティング広告で有名な、フランス発の広告媒体です。

商品の閲覧履歴を活用して、自動で商品画像を組み合わせた広告を配信することが可能です。
その特徴から、ECサイトでの導入が多い媒体になっています。

本記事では、Criteo広告の概要と特徴説明、実施までの流れを、初めての方でもわかりやすくご紹介します。
読み終えた頃には、Criteoの内容がわかり、実施のイメージが湧いていると思います。

こちらは、実際に広告代理店でCriteoの提案・導入実装・運用を行っていた経験者が書いてます。
筆者がCriteoの全容を知り尽くしているからこそ、その重要な特徴をわかりやすくお伝えできる記事だと確信しています。



目次

Criteo(クリテオ)広告とはコンバージョンアップが大いに期待できる広告

Criteo広告をひとことで説明

Criteo広告を一言でいうと、コンバージョンアップが大いに期待できる広告になります。
非常に優秀な広告で、フランス本社の会社が開発した最先端のAIを使って配信しています。

どのような点が優秀かというと、特徴が3つあります。


Criteo広告の3つの特徴

特徴1.フィードからバナーとリンク先を商品毎にAIが自動作成

Criteoの広告配信例

商品1つ1つに対して、商品の画像とリンク先がセットになったバナーを、Criteoが自動生成してくれます。フィードという、商品の情報が一覧になったエクセル表のようなものを用います(後述)。
商品ごとにたくさんバナーを作ったりすることがないので、とても便利ですね。

Criteoは様々な広告のレイアウト、配信サイズ、ボタンの配置、の配信フォーマットをもっており、それらを掛け合わせをすると約17兆通りになります。
その中でCriteoのAIが機械学習を行い、最適な広告バナーを配信していきます。

ちなみに、このような動的にバナーをたくさん生成する配信を、ダイナミック配信と呼ぶこともあります。

特徴2.AIがサイトに来た人を分析して最適な相手に対してリマーケティング配信

Criteoはリマーケティング広告です。

  • どの商品のページを見た人か
  • 商品をカートまで入れたかどうか
  • どの商品を何個購入したのか
  • 何のデバイスで見たのか

等のサイトに来たユーザーの行動を分析して、AIがそれぞれのユーザーに対して最適なタイミングで最適な商品の広告を配信してくれます。

Criteoは世界中で膨大な規模の配信が行われており、月間20億人ものアクティブな買い物客に対して配信しています。

その膨大な購買データをAIが活用して、どんな人であればその商品を買ってくれるのか、CriteoのAIは日々学習してリアルタイムで精度を高めてます。

特徴3.(配信面)Yahooニュースなど国内主要サイトへAIがリアルタイムで入札して配信

CriteoのYahooニュース配信面

配信面は国内の主要サイトをカバーしており、あのYahooニュースにも配信できるのが大きな特徴となってます。

ユーザーがどのサイトを見たときに広告を配信するのか、最適なタイミングをAIが見極めてリアルタイムに入札を行い、配信してます。

入札するCriteoのAIが非常に優秀なことが、コンバージョンアップに効く一番の理由です。


Criteo(クリテオ)広告実施の最低条件

そんなとても効果が高いCriteo広告ですが、どんな広告主でも配信ができるわけではなく、一定の条件をクリアしなければ配信ができません。

最低実施予算

・50万円(代理店の場合はプラス手数料)が必要

となります。

※月額50万円ではなく、配信開始から50万円配信するまでは止められない、という意味になります。50万円の利用まで数ヶ月かかっても問題ありません。
※代理店での実施の場合はCriteo社と交渉ができるので、初めて効果が出なければ停止できる場合もあります。

サイト訪問者数

・サイトの訪問者数が1日1,500もしくは月間4万ユニークユーザー(UU)以上

である必要があります。
※GoogleAnalyticsもしくはwebinfomerのキャプチャが必要。

UU数が多いほどAIが学習するデータが多くなるため、機械学習が働き最適化がかかりやすくなり効果が出やすくなります。

そのため、Criteoでの成果を担保する意味でも最低ラインが決められています。


Criteo(クリテオ)広告の課金形態はクリック課金(CPC課金)

Criteoの課金形態はCPC課金となります。

正確にいうと、Criteo側はインプレッション課金(CPM課金)で配信先へ買付を行い、広告主側へはCPCで課金してます。

そのため、Criteo側はクリックが発生する媒体へ配信を行わないと利益がでないため、AIの性能を高めてクリック率(CTR)が見込める媒体へ入札を行っています。

広告を出しっぱなしでクリックがでなければCriteo側が損をしてしまうので、広告主にとって優しい設計になっていると言えるでしょう。

また、クリック単価(CPC)はおおよそ20~30円程度あたりに収まることが多いです。


Criteo(クリテオ)広告と特に相性が良い業界

  • ECサイト
  • 人材
  • 不動産
  • 旅行、ホテル、航空券のポータルサイト

上記の業界は特にCriteoと相性が良いです。

なぜかというと、サイト上に商品数(人材であれば求人案件数、不動産であれば物件数、ポータルサイトであればホテルの掲載数にあたります)がたくさんあるため、CriteoのAIが多くのデータを用いて学習しやすいからです。それぞれのユーザーに対して、最適な求人案件や物件を訴求してくれます。

これらのサイトはかなり高い割合でCVアップが見込めますので、個人的には入れない理由はないと思います。

もちろんこれ以外の業界でも、広告に配信できる商品数が多いサイトは効果が出やすいです。

また、単品の商品の化粧品や健康食品でも通常のリマーケティング広告より効果がでた事例も大くあります。

参考:Criteo広告の特徴と効果的な運用方法


Criteo(クリテオ)広告の成功事例

(ECサイト事例)リクルートマーケティングパートナーズ

同社は検索連動型広告からディスプレイ広告に運用をシフトしようとしていたが、なかなかCPAが合わないという課題がありました。

そこで、Criteoを導入することで、CPAを他のディスプレイ広告と比較して1/4まで下げ、検索連動型広告を中心とした運用から、Criteoに予算の3割を投下するまでシフトした事例となります。

こちらの事例もそうですが、筆者が数多くCriteo広告を運用した企業様をみても、CPA・CVベースでみてとても効果が上がる事例が多いです。
また、ROASやROIでみても効果が高いので、売上げアップが見込めます。

参考:CriteoダイナミックリターゲティングがCPA削減とコンバージョン率UPを同時実現/RECRUITマーケティングパートナーズ


Criteo(クリテオ)広告実施までに必要なもの

Criteoとの契約、申込み

契約書を結び、申込書を提出します。オンラインでも可能です。

自社ロゴの用意

広告のバナーの一部分に配信されますので、Criteoに入稿します。

フィード(商品カタログ)の作成

Criteoの商品フィード例

フィードとは、エクセルのような表に「商品名」「商品の説明」「値段」「商品画像」「在庫の有無」などの列があると考えていただければ良いです。最終的にはCSVファイル形式で用意します。

最初の作成の際はかなり戸惑うかもしれません。

フィード作成の注意点は、貴社の商品に在庫切れの状態があるかどうかです。
在庫切れがある場合は商品リストをリアルタイム(もしくは数日に1度)で更新できるものにしておく必要があります。在庫が切れた商品の広告配信をしないためです。

また、商品の価格が変わった際も逐一修正が必要になります。

Criteoタグをサイトに合わせて設置

タグは全部で5種類

  • TOPページタグ
  • リストページタグ
  • プロダクトタグ
  • カートタグ
  • コンバージョンタグ

タグはサイトに合わせてカスタマイズして設置する必要があり、この対応がかなり難航する場合が多いです。


Criteo広告を自社のみで実施できるかは社内にエンジニアがいるかどうか

Criteoは、タグの実装が非常に難しい媒体です。
タグの実装には、htmlやjavascriptのプログラミング知識を持つ人が必要となります。

そのため、自社で実施できるかどうかは社内にWEBサイトを扱えるエンジニアがいるかどうかが分かれ道になってきます。

自分でプログラミングを学んで身につけるという手もありますが、あまり現実的ではありません。
全くの知識無しから始めるとした場合、ざっくりとしたイメージですが学習期間が50~60時間は必要になると思われます。

また、実践経験がないとスムーズには行きません。

よほどプログラミングに興味がある人でないと、挫折してしまうでしょう。


エンジニアが社内にいる大企業以外は、代理店に頼んで実施を推奨

エンジニアが社内にたくさんいて、Criteoの配信予算も数百万円のような大企業の場合は、社内で実施したほうが手数料も掛らず良いでしょう。
そうでない企業の場合は、広告代理店に依頼するのを推奨します。

代理店に依頼する場合は、Criteo担当のエンジニアがいる場合が多いですので、タグの設定やフィードの作成経験が豊富で、通常3~4週間程度とスムーズに実施が可能です。

Criteo広告は正しくタグが設置できるかどうかが、運用成果に大きく関わり重要です。中途半端な状態で埋めてしまうと、うまく性能を発揮できません。
さらにサイトをリニューアルした際にはタグの修正が必要になることも多く、その点も代理店だと対応がスムーズです。

また、フィード作成ツール(クローラー)を持っている代理店も多く、在庫状況や価格変更等の商品情報を毎日最新情報を、スピーディーにフィードへ反映することも可能です。


自社で全て行う場合と、代理店に頼む場合のメリット・デメリット

それぞれにメリットとデメリットがあるので、ご説明します。

自社運用のメリット・デメリット

メリット

・費用が安くなる

代理店に手数料を払う必要がないので、費用が安くなります。これが一番のメリットとなります。

デメリット

・Criteoに質問ができない

Criteoは自社運用の場合、基本的に担当者をつけてくれないので、自分たちでエラーの修正や効果改善を行う必要があります。

・タグの設定やフィードの作成にエンジニアの工数がかかる

自分たちでタグの設定やフィードの作成を行う必要があるので、プログラミング等に明るくなければ、難しい設定があります。

また慣れていないがために時間がかかりCriteoの開始までにとても時間がかかります。

3ヶ月~半年かかったり、途中で配信を断念して時間だけ無駄にしてしまうケースも多々あります。

最初からすべて社内で運用するのは不安という方も、インハウス化支援サービスを活用することで少しずつ社内での運用体制を整えていくことができます。以下の記事も合わせてご覧ください。

参考:ブランディングテクノロジーのWebマーケティングインハウス支援サービスとは?

代理店運用のメリット・デメリット

メリット

・代理店にフィードの作成やタグの設定を依頼できる

自社で対応する工数がかかりません。

また、慣れている代理店ですと自社ですべてを行うより稼働までの日数が数倍早くなります。

デメリット

・代理店手数料がかかる

運用手数料、初期費用の他、設定や更新作業等で別途費用がかかる場合もあります。


Criteo(クリテオ)広告実施の準備期間

・代理店の場合:3~4週間程度
・自社で実施の場合:2~3ヶ月程度

を目安としてください。自社で実施する場合は、準備が難航して経験的に長い期間が必要になる場合が多いです。


Criteo(クリテオ)広告を配信してからの運用

通常は1~2ヶ月ほどでCriteoのAIエンジンの学習が進み、広告の最適化が進みます。

最初はなかなか効率が合わないこともありますが、AIが学習をしていき段々と下がっていきます。

入札方法は、CPA最適化、ROAS最適化、どちらでも対応可能です。

また、フィードと商品詳細タグの一致率はAIが適切に機能するために重要です。一致率は定期的に確認しましょう。特にサイトリニューアルした場合は、商品詳細タグで情報がきちんと送信されているか、検証しましょう。

参考:Criteo広告の特徴と効果的な運用方法


Criteo(クリテオ)広告に関してよくある質問(Q&A)

Criteoに関してよくある質問や懸念点に上げられるものをおまとめしました。

【Q1】配信したくない商品があるのだが、どうすればよいか?

【A1】
配信する商品としない商品をフィード上で選択することができます。

配信したくない商品は配信オフにフィード上で設定するなどの対応が可能です。

【Q2】商品の価格単価が低いものばかりが配信されたりしないか?

【A2】
A1のように配信オフの対応もできます。

また、商品群によって入札を設定することもできます。

例えば、

  • 価格が1~1,000円の商品群は入札を20円
  • 価格が1,000~10,000円の商品群は入札を30円
  • 価格が10,000円以上のものは40円

のように入札設定でき、配信の強弱をつけることもできます。

【Q3】アドフラウドやアダルトサイトなどの配信面にはでないか?

【A3】
Criteoも対策をしており、基本的には配信されることはありません。

Yahooをはじめとした国内主要媒体や各種SSPへ配信され、Criteoも常に枠を精査をしてます。

【Q4】ITP問題は大丈夫か?

【A4】
Criteoはタグ等のシステムを順次アップデートしており、直近V4タグというものでITP対策ができてます。

今後も定期的にアップデートが行われ、対策がなされるものと思われます。


Criteo(クリテオ)広告を扱っている代理店

Criteoを扱える代理店は日本では少数です。

取引のある広告代理店でCriteoを取り扱っていない場合は、当然ながらCriteoの提案がくることはありません。

また、Criteoはスター制度というものがあり、Criteoを扱える代理店の内、特にCriteoの導入・運用が強い代理店はスターを保有してます。

まずは、取引のある広告代理店にCriteoを取り扱っているか、聞いてみるのが良いでしょう。

参考:Criteoスター認定代理店一覧

Criteo広告の〈実際の運用事例〉が載っている無料Ebookをダウンロード


まとめ

高い効果が見込まれるCriteo広告。

配信までのハードルは少し高いですが、最低条件をクリアしているのであれば、是非実施をおすすめします。

自社にエンジニアがいないのであれば、Criteoを扱っている代理店へ連絡してみましょう。

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