4ステップですぐに分かる除外キーワードの設定方法と効果的な使い方

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リスティング運用者にとって、部分一致やフレーズ一致のキーワードで拾える検索クエリはいわば玉石混淆。でも貴重な玉(=コンバージョンを狙えるキーワード)よりもただの石ころ(=コンバージョンから遠そうなキーワード)のほうが圧倒的に多いでしょう。
だから、本当は部分一致なんか使わずに、すでにあるコンバージョンを狙えるキーワードだけを管理しているほうが、よほど手間がかからず効率的です。
それなのに、なぜそうせずに部分一致やフレーズ一致を登録しておくのかというと、やはりビジネスとして石ころをかき分けてでも新しい玉を探していく必要がありますし、価値のある玉だと思っていたものがいつの間にか石ころに変わってしまうことだってあるからです。

そんなわけで、大量の石ころが混ざってしまうならば、ほいほいと捨てていかなければなりません。リスティングにおけるそのプロセスが、「除外キーワードを登録する」という作業なのです。
今回はこの除外キーワード(Yahoo!では対象外キーワード)の使い方と、長年運用している人でも誤解が多いのではないかと思っている内容をご紹介します。


そもそも除外キーワードとは?

「このことばを含むキーワードで検索してきた人には、広告を出さないでほしい」というときに登録するキーワードです。

たとえば、「シャア専用ズゴック」だけを売っている人がいた場合、「量産型ズゴック 激安」などで検索してきた人には、売るものがないので広告を出したくないですよね。そういうときには「量産型」というキーワードを除外キーワードとして登録しておけばいいのです。

たとえばこのように使います

もう少し現実的で具体的な例で考えてみます。
英会話スクールを運営している人が、「英語 学校」というキーワードで検索してきた人に対して広告を出したいと思い、このキーワードを「部分一致」で登録していたとしましょう。
部分一致で登録していると、場合によってはかなり意味合いが拡張されて検索クエリを拾ってくることがあります。「それは拡張しすぎだろう!」とやり場のない怒りをモニターにぶつけることもしばしばです。

今の例でいうと、「英語 学校」で登録しているのに「中国語 学校」「イタリア語 学校」「エスペラント語 学校」などなど、別の語学を学びたい人にも広告が表示されてしまうようなイメージです。

「それは拡張しすぎだろう!」と思いませんか?
「エスペラント語とはなんなのか!」と思いませんでしたか? でも部分一致ってそうなのです。
だから「エスペラント語を学びたい!無性に!」と思って「語学学校」と検索してきた人にも英会話スクールの広告が出てしまう可能性はあります。
当然、そのユーザーが無性に学びたいのはエスペラント語であって、英語を学びたいと思っているわけではありませんから、無駄な表示となってしまいます。
もしも勘違いしてクリックまでされてしまったら、広告主には費用が発生してしまいますし、ユーザーはユーザーで時間の無駄。お互い不幸ですよね。

ここで満を持して除外キーワードの出番となるわけですが、「エスペラント語」を学びたい人に対して、金輪際広告を出したくない場合、どんなキーワード、どんなマッチタイプで除外登録するべきでしょうか?

1. 「エスペラント語 学校」で完全一致除外?
圧倒的に除外不足です。
「エスペラント語 学校」と全く同じで過不足のない検索語句しか除外してくれません。
「エスペラント語 スクール」「エスペラント語 学ぶ」など、近いけど違う検索語句や「エスペラント語」単体などでも表示されてしまいます。

2.じゃあ「エスペラント語」を完全一致で除外?
まったくもって不足です。今度は「エスペラント語 学校」など、2語以上の掛け合わせキーワードはすべて除外されずに表示されてしまいます。

3.だったら「エスペラント語 学校」でフレーズ一致除外?
まだまだ足りません。
「評判 エスペラント語 学校」「エスペラント語 学校 安い」などは除外できますが、「エスペラント語 スクール」も「学校 エスペラント語」も「エスペラント語」単体だって除外してくれません。
登録した除外キーワードとまったく同じ語順で、語句の間に何も挟まない場合のみ、除外可能です。

4.それなら「エスペラント語」をフレーズ一致、あるいは部分一致で除外!
これがもっとも効率的で、過不足なく除外できる方法です。
もちろん、完全一致でも、考えられるクエリをすべて一つひとつ除外していけば、いつかは無駄な表示を根絶やしにできるかもしれませんが、人生は短いのでとても非効率です。

表にしてみると下記のようなイメージです。
▼「エスペラント語」を含むクエリを除外したいときに役立つ表
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え、部分一致の除外は違わない?

そう思った方とは気が合うかもしれません。人見知りですがよろしくお願いします。

「除外キーワードを部分一致で登録すると、除外しすぎてしまうのではないか」と思いますよね? だって部分一致なのですから、どんな関連語句を除外してしまうか分かったものではありません。そう思っていた時期が私にもありました。

除外キーワードの「部分一致」は通常のキーワードの「絞り込み部分一致」と同義ということなのだそうです。Googleに「そうなんですか?」と問い合わせた結果「そうですけど?」という回答をいただきました。Yahooからは明確な回答は得られていませんが、公式ラーニングポータルで確認してみると、やはりそういうことのようです。
Yahoo!公式ラーニングポータル

じゃあ、除外キーワードでのフレーズ一致の意味は?

そうなってくると、除外キーワードでフレーズ一致を使う必要はあるのでしょうか?
さきほどの例のように「エスペラント語」単体で除外する場合は、フレーズ一致でも部分一致でも役割は同じということです。

「エスペラント語 学校」で除外するのであれば、語順が入れ替わる場合や、間に別の語句が入る場合にフレーズ一致での除外は有効ではありますが「『エスペラント語 学校』は除外したいけど『学校 エスペラント語』は除外したくないんだ!」なんていう状況、そうそうありませんよね。

つまり、語順が変わる(あるいは間に別の語句が入る)とまったく意味が変わる言葉の場合にのみ、フレーズ一致での除外が有用なのではないかということです。

その点についても併せてGoogleに問うてみたのですが「確かに日本語ではほとんどないですが、英語ならわりとありますけど?」ということだったのですが、英語の例としていただいたものも、失礼ながら今ひとつ腑に落ちなかったので、自分で調べてみました。

こんなキーワードを登録する場合はフレーズ一致で
除外するといい

ここからは特別リスティングに役立つ情報ではありませんが、単純にご興味のある方はどうぞ。語順が変わると、意味も変わることばです。

【英語編】※和製英語もあるかもしれませんが
・「pancake」と「cake pan」(パンケーキを焼くためのフライパン的なもの)
・「kick back(リベート・見返り)」と「back kick」(背筋トレーニング)
・「first lady」と「lady first」

【日本語編】
「カレーコロッケ」と「コロッケカレー」
「瓶ビール」と「ビール瓶」
「太った 犬」と「犬 太った」などの形容詞系

ネット上で探した結果、やはり英語・横文字系は比較的見つけやすかったのですが、日本語は困難を極めました。この記事を作成する上で一番時間を使ったのがこの点です。
実質「カレーコロッケ」も「瓶ビール」も1つの単語なので、フレーズ一致の意味はあまりないです。

もし、なにかこれ以外のもので思いついた方はぜひ教えていただきたいです。単純な好奇心ですが。


まとめ

少し話がそれましたが、検索クエリをチェックして、こまめに除外ワードを設定することは効率的にリスティング運用を進める上ではすこぶる重要です。

なお、検索クエリについてはこちらの記事をどうぞ。
【LISKUL】検索クエリを見ずしてリスティングの効果改善なんてありえません。

作業自体は地道ですが、これがしっかりできているアカウントとできていないアカウントでは、加藤あいと阿藤快くらいの差が出ます。

めんどくさがらずにこつこつと進めましょう。
やっぱりリスティングってそういうものだと思います。

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