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- 広告シミュレーションを依頼されたが、作成方法がまったくわからない
- 精度が高い広告シミュレーションを作成したいが、参考になるデータはないか
そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
広告シミュレーションの作成には、基本となる考え方・作り方があります。また、媒体提供ツール等を活用することで、精度を高めることも可能です。
本記事では、広告シミュレーションの具体的な作成方法を、コツとともに解説します。
今は難しいと感じている広告シミュレーションも、この記事を読めばサクッと作成できるようになります。
また下記ツールを使えば、誰でも簡単に無料で広告シミュレーションをできますので、ぜひ一度使ってみてください。
誰でも無料で広告シミュレーションできる簡単ツール「AG-Boost」
目次
広告シミュレーションとは
この章では、そもそも広告シミュレーションとは何かをご紹介していきます。
広告シミュレーションとは、自分が定めた媒体やターゲティングで実際に広告を配信した場合、どんな結果になるかを事前に推定することです。
まずは実際の広告シミュレーションをご覧ください。
広告を掲載するにあたり、重要な指標が並んでいます。これが広告シミュレーション、つまり予想される数値です。
どの媒体に、どれぐらいの予算を使って、どれだけの成果を見込めるかかが一目瞭然です。この数字を出すために、広告シミュレーションを作成します。広告主の方に提案する際も漠然と相性のいい媒体を伝えるよりも、数字で示す方が圧倒的に信頼度が高まります。
しかし、ここで重要なのが広告シミュレーションの正確さです。広告シミュレーションとは、広告実績からありとあらゆる必要な情報や数値を抜き出して算出します。
そのため、広告シミュレーションとは絶対値ではなくあくまでも推定値になります。必ずこの数値で配信します!とは言えないものなのです。あくまで配信の目安であり、必達目標ではないことの認識合わせしておきましょう。
広告シミュレーションの流れ
本章では広告シミュレーションの流れについて解説します。一般的に、広告シミュレーションは下記の流れで行います。
- 広告を出稿する目的・目標
- ターゲティング
- 媒体の選定
- 指標の決定
- 推定値の算出
1.広告を出稿する目的・目標
まず最初に広告出稿の目的を定めましょう。
こんな広告を出そうと思っている、の「こんな」部分を明確にすることが第一歩です。どんな人に、どんな媒体で、どんな気持ちの人にその広告を届けたいか、また届けた後にそのユーザーがどんな行動をとってくれたら嬉しいか、を考えます。
例えば、栃木県でイチゴを販売する会社が、もっと売上を増やしたいと考えています。その場合、目的は「売上の増加」となります。
では目的が決まったら目標を定めます。
その目的を達成するには何をすればよいかを具体的に定めたもの、それが「目標(KPI)」です。
目標が定まってなければ、その広告の成果が良かったのか悪かったのかを配信後に判断することができません。そのため、この目標を設定することが1番大事な部分といっても過言ではございません。その目標から逆算して、ターゲティングを決定します。
今回の例の場合、目的が「売上の増加」です。ではどれくらいの売上が必要か、を考えます。
たとえば10万円の売上を目標とします。イチゴ一つにつき、1,000円の売上があるとすると、広告での目標は10万円÷1,000円=100個のご購入となります。
つまり今回の広告配信の目的は、イチゴ100個の売上(コンバージョン)となるわけです。
その目標を達成するための広告シミュレーションを作成します。
2.ターゲティング
次に、ターゲティングを決定します。
先ほど定めた目標を達成するためにはターゲティング選定がかなり重要なポイントになってきます。どういう人が栃木のイチゴを欲しいと思っているかを考える必要があります。
そのためにエリア・デモグラ等、適切なターゲティングを考察します。
広告を受け取って欲しいユーザーに確実に届けるため、またそのリーチを出来る限り精度高くキャッチするためには、このターゲティング選定が重要になってきます。
興味がある人に広告を配信できれば、クリックしてもらえるかもしくは記憶に残りやすくなるからです。反対にイチゴに興味のない人ばかりに広告を配信し続けても、興味がないのでスルーされてしまい、ただの広告の1つとして記憶に残らないため、効果が低いといえます。
まず大きく分けて代表的なターゲティングは下記の通りです。
広告シミュレーション作成においては、こちらのターゲティングを押さえておけば問題ないでしょう。
- 地域
- 年齢
- 性別
- デバイス
- 興味関心
今回の場合ですと、下記のようなターゲティングになるかと思います。シミュレーションの段階では特に興味関心は細かく絞る必要はございません。というのもあまりターゲティングを絞りすぎても、そこまで正確に数値を算出することは難しいからです。そのため、大枠だけ決めておきましょう。
<ターゲティング例>
- 地域:栃木県
- 年齢:20歳以上
- 性別:全て
- デバイス:全て
- 興味関心:食品、料理
3.媒体の選定
上記で実際にターゲティングを決めてから、どの媒体で広告を配信するかを決定します。
まだどの媒体か決まっていない、もしくはこの広告シミュレーションを使用して決定したい場合は、いくつかに絞ってみましょう。
ターゲティングや予算によって適した広告媒体は異なるので、広告媒体の傾向を考えつつ、2・3個に絞って作成するのがベストでしょう。
Web広告の媒体は、下記が主に挙げられるかと思います。
- Google広告:検索連動型広告、ディスプレイ広告、YouTube広告
- Yahoo!広告:検索連動型広告、ディスプレイ広告
- Facebook広告(Instagram広告)
- LINE広告
またこちらが各媒体の早見表になります。
媒体ごとの違いを把握し、適切な媒体を選定しましょう。
検索連動型広告(Google、Yahoo!)
検索連動型広告とは、ユーザーが検索エンジン(Yahoo!やGoogleなど)で、あるキーワードで検索した際に、そのキーワードに連動して表示される広告のことです。
大きな特長は、モチベーションの高いユーザーに広告を配信できることです。
検索ユーザー=自ら欲しいものやサービスの情報を探しているユーザーなので、成果につながる見込みの高いユーザーに配信することができます。
自分で検索するキーワードは確実に興味があるものです。例えば「イチゴ」と調べているユーザーに直接広告を配信することができるので、購買意欲の高いユーザーに配信したい場合には検索広告は最も効果的かと言えます。
参考:検索連動型広告とは│リスティングとの違いと低リスクのはじめ方
ディスプレイ広告(Google、Yahoo!)
サイト上に掲載される画像広告のことです。Yahoo!やGoogleなど、媒体によって広告が配信されるサイトが異なります。
配信するサイトや、配信するユーザーを媒体が保有するオーディエンス情報を基に細かくターゲティングすることが可能です。
ディスプレイ広告はインターネットを使用していれば、かならず目に入るといても過言ではないほど様々なサイトに溢れています。ターゲティングの種類も豊富なため、顕在層にも潜在層にも配信が可能です。
参考:ディスプレイ広告の始め方とリスティング広告との違いを徹底解説
YouTube広告
Youtube広告は非常に大きなスピードで成長している動画広告です。
潜在層向けの認知拡大に向いていますが、リターゲティング配信も可能なので、顕在層向けに絞って配信することも可能です。
広告の目的は認知拡大なのか、購買促進なのか。期待する成果を出すには、自社の目的に合った形式を選ぶことが重要です。
<YouTube広告の種類>
- ディスプレイ広告
- オーバーレイ広告
- インストリーム広告(スキップ可能な動画広告/スキップ不可の動画広告)
- バンパー広告
- TrueView ディスカバリー広告
上記の通り、一口にYouTube広告といっても様々な種類があります。それぞれの目的に併せた配信方法を選択することができるので、YouTube広告は顕在層、潜在層へのどちらへものアプローチが可能となっています。
参考:Youtube広告の種類と、目的を達成するための選び方のコツ
Facebook広告・Instagram広告
Facebook広告は、Facebookが保有するユーザー情報を活用して、かなり細かくターゲットを設定して広告配信できるため、費用対効果が抜群に高いと人気のデジタル広告媒体です。
シェア機能により拡散されやすく、またFacebookの高精度のターゲティングを活用して潜在層向けに広く訴求することが得意です。
Facebook広告では、同じ設定での配信をInstagramにも広告を掲載できることがさらなるメリットです。近年、Instagram広告の需要はかなり伸びているので、若者へ向けた広告ならば特にInstagram広告は有効です。
参考:Facebook広告とは?始めるために知っておくべき全知識を解説
LINE広告
LINEはユーザー数が他のSNSよりも圧倒的に多く、老若男女幅広いユーザーに配信できます。
LINE広告では、LINEアプリ独自のサービス内で広告を出稿することができるため、他の広告媒体では接触できなかったユーザーにもリーチできます。
周りにLINEを使っていない人はいないのではないかというほどに、浸透したプラットフォームとなっています。そのため幅広い世代の方に広告を配信をすることが可能です。
参考:LINE広告は効果がでる?相性の良い業種や運用時のポイントを解説
4.指標の決定
次に広告シミュレーションにおける指標を決定します。下記が広告シミュレーションに必要な主な指標です。
<計算で求める指標>
- 表示回数
- クリック数
- コンバージョン数
- コンバージョン単価
<推定値(計算では求められない数値)>
- クリック率
- クリック単価
- コンバージョン率
こちらが基本の指標ですが、クリック関連の指標を広告の成果指標とする際には、コンバージョン関連の指標は無くても良いでしょう。
後述する方法で推定値を算出し、それを計算式に当てはめると上部の4指標が算出できます。
Excelに計算式をあらかじめ埋め込んでおけば、推定値を入力するだけで広告シミュレーションを簡単に作成することができるようになります。
計算で求める指標の計算方法は以下の通りです。
■表示回数
表示回数 = クリック数 ÷ クリック率
■クリック数
クリック数 = 費用 ÷ 平均クリック単価
■コンバージョン数
コンバージョン数 = クリック数 × コンバージョン率
■コンバージョン単価
コンバージョン単価 = 費用 ÷ コンバージョン数
推定値の算出
前章は計算式から求められる指標のご紹介でしたが、下記の3つの指標は実際の数値を入力する必要があります。
- クリック率
- クリック単価
- コンバージョン率
つまりここがシミュレーションの肝となります。
この推定値によって前述した計算で求められる数値が変動するので、広告シミュレーションにおいて最も重要な部分であるといえます。
この推定値を算出する方法は下記の2つがあります。
- 自社の運用実績の流用
- 媒体が提供しているツールの活用
1.自社の運用実績の流用
同様なターゲティング、業界のアカウントを自社で既に運用の経験があれば、その数値と大きくは違うことはないはずです。
自社の運用実績は広告配信の背景や目的も知ることができるのため、最も信頼のおけるデータバンクとなっています。
なお、同じような業界・ターゲティングのアカウントが複数存在している場合は、その傾向を比較しながら、数値を出すことが望ましいです。同じ業界・ターゲティングでも全てが一致することはほとんどないため、今回作成する広告シミュレーションはどんな傾向があるのかを織り交ぜて考えることが大切です。
しかし、ここで注意が必要なのは広告を出稿している目的です。
クリック数を目的にしているアカウントもあれば、動画の視聴回数を目的にしているアカウントもあります。媒体によって様々な目的で広告を配信しています。
そこで、今回クリック数を目的とした広告シミュレーションを作成しようと考えている場合、参考にするアカウントの配信目的はクリック数でなければなりません。
なぜなら動画の再生数を目的としていた場合、動画の再生数に最適化がかかっているためクリック数はその配信において重視されないのです。クリック数を目的とした配信より、遥かにクリック数が少ない配信結果になっていることがほとんどです。
そのため、同じ目的の配信実績を参考にする必要があります。
2.媒体が提供するツールを活用する
前述したような、自社の運用実績がない、ちょうど今回検討している広告の地域では配信を行ったことがなかったから広告シミュレーションが作成できない、と考える方もいるかもしれません。
しかし1.自社の運用実績の流用で述べたように、自社で運用経験がなくとも、広告媒体がそれぞれ簡単にクリック単価やリーチを算出してくれる夢のようなツールを用意してくれているので、そちらをご紹介していきます。
検索広告
■Googleキーワードプランナー
キーワードプランナーとは、ビジネスに関連する新しいキーワードを見つけたり、そのキーワードの検索数や、キーワードの費用の見積もりを確認ができる、広告シミュレーション作成にぴったりなツールです。
このキーワードプランナーを使用すれば、自社で運用した経験がなくともそれぞれのキーワードにかかる月間の費用をボタン一つで算出してくれるのでとっても簡単です!
広告シミュレーションだけでなく、配信するうえでキーワードをいくつも出さないといけないのに、思い浮かばない…というときにも役立つツールですね。
上記のキャプチャのように検索ボリュームや入札単価の予測がされます。この入札単価の低額帯・高額帯と配信を検討している予算の大きさを考えながら予想される入札単価を算出します。
YouTube広告
■リーチプランナー
リーチプランナーでは、YouTubeとGoogle動画パートナーのサイトに掲載する広告のリーチ、フリークエンシー、費用を計算できます。予算、地域、ターゲット設定など、広告フォーマットごとに算出が可能です。
ターゲティングと広告費を入力するだけでユーザーのリーチ数、そしてCPM(広告表示1000回あたりにかかる費用)まで分かるという、こちらも広告シミュレーションには最適のツールです。
Facebook広告・Instagram広告
実際に広告マネージャーにキャンペーンや広告グループを作成すると、想定されるオーディエンスのリーチが表示されます。そのため、自分が配信しようとしているターゲティングの広告グループを実際に広告マネージャーに作成してみましょう。エリア・デモグラ・配信面でどのくらいのユーザーに広告を届けることができるのかが一目で分かります。
まとめ
広告シミュレーションは過去のデータ、または媒体の値を用いて算出します。
ハイレベルな運用スキルがなくとも、確認すべきところ、そして参考にする指標を間違わなければ誰にでも広告シミュレーションの作成は可能です。
シミュレーションと言われると、その通りに広告配信できないかもしれないと不安が大きくなるかもしれません。
しかし、広告シミュレーションはあくまでも参考値なので、まずは自分で一度作成してみてはいかがでしょうか。
無料で広告シュミレーションを作れるツールもありますので、ぜひアカウント登録をしてお試しください。