広告制作業界で今一番アツい動画広告市場の現状と、おさえておきたい制作会社まとめ

広告制作業界は変化が激しく、実際に業界に携わっていない方だと、今の業界事情を把握しきれていないという方も多いのではないでしょうか。

近年の広告業界において、ネット広告が著しく成長を遂げています。特に「動画」に対する関心度は年々高まっていて、多くの企業が動画を活用したプロモーションなどにチャレンジしている状況です。

今回の記事では広告制作の業界をおさらいしたうえで、特に注目度が高い動画にフォーカスして、広告制作の流れについて解説してきます。



広告制作業界において「ネット広告」が伸び続けている

まずは現在の主な広告の種類についておさらいしていきましょう。

広告は大きくインターネットを活用する「ネット広告」、テレビやラジオなどのマスメディアを通して行う「マス広告」、売上促進のための「SP(セールスプロモーション)広告」に分けられます。


引用:2018年 日本の広告費 – ニュースリリース一覧 – ニュース – 電通

近年では、特にインターネット広告の広告費が成長を続けています。電通が発表した「2018年前年比116.5%と大幅な成長を見せています。インターネット広告費は、これで5年連続のプラスです。

ネット広告

  • バナー広告
  • リスティング広告
  • ネイティブ広告
  • アフィリエイト広告
  • SNS広告
  • 動画広告
  • メール広告
  • RSS広告
  • DSP広告

マス広告

  • テレビ広告
  • 新聞広告
  • 雑誌広告
  • ラジオ広告

SP広告

  • 会員誌広告
  • DM
  • 同封・同梱広告
  • イベントプロモーション
  • フリーペーパー
  • 交通広告
  • 展示・映像
  • ポスティング
  • 新聞折り込み

「動画広告」がネット広告の成長を後押ししている

近年では、「動画広告」への注目度が高まっており、これがネット広告の現在の成長に大きな影響を与えています。


引用元:サイバーエージェント、2019年国内動画広告の市場調査を実施 | サイバーエージェント

サイバーエージェントがまとめた情報によると、2019年の動画広告市場の規模は約2,592億円にまで昇っています。前年度と比較すると、141%の成長です。

市場規模は年々右肩上がりに拡大を続けており、2023年には2019年の2倍の規模になることが予想されています。

多くの企業が動画を活用したマーケティング活動のための整備を行っているのが現状

動画市場が順調に拡大している要因としては、多くのメディアで動画コンテンツがスタートしたり、SNS上での動画需要が増加したことなどが挙げられます。また動画マーケティングの精度を高めるため、広告効果の計測環境も整備もされつつあります。

動画広告は「情報量の多さ」が最大の特徴

動画の最大のメリットは、クリエイティブの情報量が多いことにあります。映像は文章や音楽など、バナーやテキストなどと比べて伝えられる情報が多く、記憶にも残りやすいです。

視覚と聴覚にアプローチすることができるので、言語化しづらい商品やサービスの雰囲気・イメージなどを伝えやすくなります。

また、動画バナーはほかのバナーよりもクリック率が高いのも特徴で、ユーザーからの認知拡大を狙うのに適した広告です。

参考:今注目の動画広告とは?活用メリットと今すぐ始めるべき業界を解説

動画制作の相場は下がってきていて、数万円から発注可能

広告用の動画制作を企業に依頼する場合、少し前までは費用が高い傾向にありました。しかし現在では動画の需要拡大に合わせ、供給も増えている点や、使い勝手の良い動画編集ツールなどの台頭で、相場が低くなっているのが現状です。

アイミツの調査によると、動画制作の費用感は以下のようになっています。

種類費用
インタビュー撮影5万円~
セミナー・イベント撮影15万円~
Webムービー政策30万円~
会社紹介PR映像制作50万円~
テレビCM制作80万円~

引用:映像制作の費用と料金相場 | アイミツ

ネット広告の一環として動画制作するのであれば、1本5万から発注可能です。もちろん、自社で動画を作成するというのであれば、これよりもさらに費用をおさえることも可能です。

例えば、世界有数の映像制作技術をもつソニーと、PR業界トップシェアのベクトルが共同で、AIが自動で動画生成するクラウドサービス「SoVec Smart Video」をリリースしました。

動画を自社制作するか制作会社へ委託するかで迷っている人、動画編集ツールのイメージがわきづらいという人は、一度サービス資料を見てみると良いでしょう。

サービス資料「SoVec Smart Video」


広告制作における受注~制作までの4ステップ

基本的にどの広告も「オリエンテーション」から始まり、適切な「チーム編成」と「企画」を通して、「制作」へとつなげていくのが一般的です。動画の長さや必要な撮影日の日数にもよりますが、受注~制作まで2ヶ月程度かかるのが一般的です。

1.オリエンテーション

広告代理店や制作会社が、クライアントに基本方針や要望を伺う段階です。実施期間は1日(数時間)です。

広告制作全体のリーダーであるクリエイティブディレクターが、クライアントから情報を吸い上げ、広告制作につなげていきます。

2.チーム編成

広告制作に必要なスペシャリストを集めて、チームを作ります。実施期間は1週間程度です。

クリエイティブディレクターが中心になって制作に必要な人材をアサインしていきます。動画作成の場合、素材を編集するエディターやCCクリエイター、サウンドクリエイターなどがマストです。

撮影が必要な場合はいわゆる監督と呼ばれるディレクターやカメラマンなどの撮影部隊をアサインします。

3.企画・プランニング

広告主の意向に基づいて、広告のコンセプトやデザイン案などを固めるフェーズです。約3週間ほどかけるのが一般的です。

4.制作~編集作業

制作物の方向性が決まったら、実際に制作に入ります。期間は約1カ月です。

動画広告の場合は、映像やイラストなどの素材を作ったあと、動画のトリミングやエフェクト追加などの作業が必要です。


広告制作業界における代表的な企業

広告制作業界は数多くの企業が存在しますが、代表的な企業はおさえておきましょう。

ここでは総合広告代理店と、近年伸びが著しいネット広告、動画制作の代理店・制作会社から、代表的な企業を3つに絞ってご紹介しています。

企業の選定基準として、総合広告代理店・ネット広告代理店に関しては「売上ランキング上位3企業」で、別企業の子会社ではない代理店・企業を選定しました。

動画制作会社は「動画制作会社 比較」で検索した際に表示される上位20位までに表示される比較記事から、出現頻度の高い3社をピックアップしました。

総合広告代理店の代表企業

国内の総合広告代理店の代表例としては「電通」「博報堂」「ADK」が挙げられます。

電通


電通

電通は1901年に創業した、広告業界最大手企業です。広告代理店=電通と連想する方も多いのではないでしょうか。

広告業界全般に通じていますが、特にマス広告のシェア率は他の追随を許しません。また近年ではデジタル領域にも注力しています。

創業:1901年
資本金:100億円
従業員数(グループ連結):6,921名(62,608名)

博報堂


博報堂

1895年創業の博報堂は、電通に次ぐ業界2位の代理店です。電通と合わせて、業界全体の50%のシェア率を誇ります。

クリエイティブに注力しており、数多くの著名なデザイナーを輩出しているのが特徴です。また消費者に関するさまざまなデータを保有しており、これらデータを広告ソリューションに活かしています。

創業:1895年
資本金: 358億4,800万円
従業員数(グループ連結):3,614名(21,469名)

ADK


ADK

電通・博報堂に次ぐ業界第3位のADKは「アニメ」に強いことで知られています。国内でも有名なアニメコンテンツに多く携わっており、出版社やアニメ制作会社などとのつながりが強いです。また、アニメキャラの商品化、タイアップなどの提案も積極的に行っています。

創業:1956年
資本金:1億円
従業員数:約270名

インターネット広告代理店

インターネット広告に特化した専門代理店として、「サイバーエージェント」「オプト」「セプテーニ」があります。それぞれ得意領域が異なるので、依頼を検討している方は必ず下記情報を確認しておきましょう。

サイバーエージェント


サイバーエージェント

サイバーエージェントはネット広告代理店での最大手です。また、ネット広告だけではなく、ゲーム事業で成果を上げているのが特徴です。また、近年では「Abema TV」など、メディア事業にも注力しています。

ことデジタル領域においては電通・博報堂を抑えて売上首位を獲得しており、日本のネット業界を牽引する企業です。

創業:1998年
資本金: 72億300万円
従業員数(グループ連結):1,589名(5,282名)

オプト


オプト

オプトもネット広告に注力している代理店として知られている企業です。

広告代理業だけではなく、クライアントの利益を最大化するソリューションサービスや、現在までに積み重ねてきたデータベースサービスなどを展開しています。

創業:1993年
資本金:1億円
従業員数:連結1508名

セプテーニ


セプテーニ

セプテーニは、ネット広告代理店の中でも、インフィード広告に長けた企業です。SNS広告やアプリ広告などに関するノウハウなら、業界No.1といえるでしょう。

広告制作を内製化しているのも特徴で、短期間での納品が可能という強みもあります。

創業: 1990年
資本金: 21億2,048万4,000円
従業員数(グループ連結):76名(1,147名)

動画広告制作会社

動画広告は今後ますます発展が期待できるので、必ずおさえておきましょう。

ここでは動画制作の実績が豊富な企業の中から、特に有名な制作会社を3つに絞ってご紹介していきます。

Crevo


Crevo

Crevoは、国内外約5,000名のクリエイターから専属の制作チームを組み、フルサポートしてくれる点が特徴です。大手企業からスタートアップまで様々な業種・目的・用途に合わせた制作実績を持っているため、幅広い業種に対応してくれます。

3DCGやシネマグラフなど人気の表現も多く手がけています。テレビCMや動画広告はもちろん、デジタルサイネージや展示会などのイベント用動画など数多く制作しています。特にアニメーション動画の制作においては業界1位を謳っており、強みがあります。

創業年:2012年6月
資本金:1億円
従業員数:約40名

LOCUS


LOCUS

株式会社LOCUSは、大手企業から中小ベンチャー企業まで年間1500本以上、累計1万本の動画を制作している動画制作会社です。

動画制作・映像制作の他、動画を軸にしたコンサルティングサービスも展開している動画制作会社です。LOCUSは通常の動画だけでなく、360度動画・VR、ドローン撮影、インタラクティブ動画など、最新の動画フォーマットや撮影手法にも対応している点が特徴的です。

創業年:2010年4月
資本金:8,250万円
従業員数:約50名

PLAN-B


PLAN-B

PLAN-Bは、4000社を超えるマーケティング支援実績を元に確実な成果を上げている動画制作会社です。

マーケティング動画の企画・製作から広告配信までサポートしており、作って配信して終わり、というイメージの根強い動画広告ですが、動画視聴後の受皿となるリンク先ページのコンテクストを、視聴動画の内容とあわせるところまでサポートしてくれます。

作って終わりではなく、ユーザーに最後までアクションを起こしてもらえるような導線設計とページ制作に強みがあります。

創業年:2003年10 月
資本金:1億円
従業員数:201名


ツールを活用して自社で広告を制作する

広告は多くのスペシャリストの協力によって制作されていきます。そのため、代理店や制作会社を通さずに、制作を進めるのは容易ではありません。

しかし、広告は大なり小なり費用がかかります。実際に広告制作を依頼したいけれど、予算的に厳しく、自社でどうにかして作りたいという……という声も少なくありません。

もちろんすべての広告を自社で制作するのは現実的ではないですが、動画やチラシなど、一部の広告物であれば、自社でも制作することが可能です。

以下の記事ではその際に活用できるツールなどをまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。

参考:自分で広告を作成したい方必見!広告作成の手順と活用したい無料アプリまとめ
   ビジネス用の動画作成ツールの選び方とおすすめツール厳選6選


まとめ

広告制作業界について、全体像をまとめてきました。

広告制作はネット広告・マス広告・SP広告に分けられます。日本の総広告費は2018年時点で7年連続のプラスになっていますが、これはネット広告の成長による影響が大きいです。

ネット広告の中でも、ここ数年単位では「運用型広告」と「動画広告」の伸びが著しいです。特に動画はSNSとの相性も優れており、多くの企業がマーケティングに動画を取り入れる時代となっています。

広告制作は各広告によってフローが異なるのですが、大まかには「オリエンテーション」「チーム編成」「企画」「広告作成」という流れで進みます。

広告業界は多くの代理店や制作会社がありますが、代表的な企業はおさえておきましょう。特に総合広告代理店である「電通」「博報堂」「ADK」などは一般知識として覚えておくことをおすすめします。また近年伸びているネット広告周辺の代理店や、映像制作会社についてもおさえておきましょう。

広告を自社で作るのは簡単ではありませんが、動画やチラシなどの広告はツールを使うことで自社での制作も可能です。インハウス化することでコストを抑えることができますので、予算に合わせてぜひ検討してみてください。