EC事業の立ち上げフロー・費用まとめと成功のための10個のポイント

消費者のオンラインショッピングへの傾向が強まる中、実店舗オーナーにとってECサイトの立ち上げは、新規顧客獲得と売上増加の大きなチャンスです。

しかし、EC事業を始めるにあたっては、立ち上げの方法や費用に関する不明点が多く、思うように動き出せていない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ECサイトを立ち上げるための具体的なステップと、それに伴う費用の概算、立ち上げ時に意識すべきポイントや注意点をまとめました。

本記事を読むことで、EC事業立ち上げの全体像を理解し、新たな収益源を確保するための一歩を踏み出すことができます。


※本記事は株式会社SUPER STUDIO提供によるスポンサード・コンテンツです。


EC事業立ち上げの流れ

EC事業立ち上げの過程は大きく8つのステップに分けることができます。
EC立ち上げ手順
それぞれのステップで必要なことや考えるべきポイントを順に解説します。

以下を参考に、成功するEC事業立ち上げを目指しましょう。

1.商品やサービスの選定

商品やサービスの選定はビジネスの中心となる部分です。販売する商品やサービスは、自社のブランドイメージや価値観を反映し、同時に市場ニーズに応えるものでなければなりません。

また、商品やサービスは自社の強みや独自性を示す大事な要素でもあります。たとえば、自社の技術力を活かした革新的な商品、あるいは独特の視点でセレクトされた品揃えがそれにあたります。

一方で、顧客の好みや購買行動も理解することが重要です。ターゲット顧客が何を求めているのか、どんな商品やサービスに価値を見出すのかを把握することで、適切な商品やサービスの選定が可能となります。

2.ビジネスプランや戦略の策定

ECサイトを構築する上で、ビジネスプランと戦略の策定が重要です。具体的に実践するべきことは、以下の4つです。

  • ターゲット顧客の定義
  • 競合分析
  • 価格設定
  • 戦略策定

まず、ターゲット顧客を明確に定義し、誰をターゲットとするかによってマーケティングの方向性や商品開発のアプローチが変わるため、非常に重要なステップです。

さらに、競合他社の商品や販売戦略を理解することで、自社の競争力を高めるための価値提供の方向性が見えてきます。価格設定も重要な要素であり、ターゲット顧客が納得する価格と、自社が持続可能な利益を上げる価格のバランスを見つけることが求められます。

これら全ての要素を考慮した上で戦略を策定します。どのような目標を設定し、その目標に向かってどのように進むべきかを決定しましょう。

3.ECサイトのデザインコンセプトを決定

ECサイトのデザインコンセプトを決めていきます。これは単に見た目の美しさだけでなく、ブランドメッセージのアピールやユーザー体験の最適化を図るための重要なステップです。

デザインコンセプトは、ブランドの個性や価値観を具現化し、同時にターゲット顧客の好みや期待に合致するものであるべきです。サイトの色使いからフォントの選定、画像のスタイルまで、全てが一貫したブランドストーリーを伝える役割を果たします。

さらに、ユーザーにとって見やすくて使いやすいかどうかも重要な要素です。具体的には、以下のポイントを意識するといいでしょう。

  • 直感的に操作できそうか
  • ユーザーが知りたがる商品の情報が記載されているか
  • 購入に至るまで面倒な手続きが無いか

ECサイトで売上を上げるためには、顧客が簡単に商品を検索し、購入できるような設計が求められます。ユーザーフレンドリーなサイトは、リピート購入を促すだけでなく、新規顧客の獲得にも効果的です。

4.ECプラットフォームの選定と開発

自社でECサイトを開発するか、既存のECプラットフォームやECモールを利用するかを決めます。自社のリソース、ビジネスの規模や目的、予算などによって、どの手段が適切か異なってきます。

自社でゼロからECをすべて開発する場合、全ての要素を自由にカスタマイズできるメリットがあります。しかし、開発と保守には大きなコストと時間がかかることを考慮する必要があります。

一方、既存のECプラットフォームを利用すると、初期設定や保守が容易で、一定のコストで運用できます。しかし、他の企業と同じプラットフォームを使用するため、独自性を出すのが難しくなる可能性もあります。

もっとも、手軽に立ち上げが可能なのはECモールです。初期費用含めてコストが安く済む場合がほとんどで、特に初めてEC事業を立ち上げる方は、ECモールからスタートしてみることをおすすめします。

ECモールを使ってビジネスの可能性を試すことから始めて、その後で自社のECサイトを立ち上げるというアプローチは、リスクを抑えつつも、より多くの顧客に接触するチャンスを作れます。

5.決済システムの選定

決済システムの選定は、ECサイトのユーザビリティとコンバージョン率に大きな影響を与えます。多様な決済方法を提供することで、顧客は自分にとって最も便利な方法で購入できます。

クレジットカード決済はもちろん、電子マネーや銀行振込、コンビニ決済など、顧客のニーズに応じて決済システムを設けることが重要です。

しかし、各決済方法には手数料が発生する上、導入に手間がかかる場合があります。そこで、自社の事業規模やターゲット層、また取り扱う商品の価格帯などを考慮し、最適な決済システムを選択する必要があります。

また、セキュリティも重要な考慮事項で、信頼できるセキュリティ対策を施した決済システムを選ぶことで、顧客からの信頼を得られます。

参考:【2023年最新版】決済代行会社おすすめ15社を比較!選び方も紹介 | LISKUL

6.配送方法など物流の手配

EC事業では、商品をどのように顧客に届けるかが重要な要素となります。この物流計画では、自社で配送を行うか、外部の配送会社に委託するかを決定します。

自社で配送を行う場合は配送コストや時間、人員を考慮する必要がありますが、直接顧客と接する機会が増えるというメリットもあります。

一方、外部の配送会社に委託する場合は、コストや配送範囲、配送速度などの条件を比較検討し、ビジネスに最適なパートナーを選ぶ必要があります。

また、配送範囲や料金設定も重要です。配送範囲を広げることでより多くの顧客にアクセスできますが、その分配送コストが上がる可能性があります。

送料無料サービスは顧客にとって魅力的ですが、そのコストをどのように補填するかが課題となります。商品価格に含めるか、一定金額以上の購入で無料にするなど、ビジネスモデルに合わせた配送料金設定を行いましょう。

7.マーケティングとプロモーション施策の立案

商品の販売を促進するためには、効果的なマーケティングとプロモーション施策が必要です。

たとえば、検索エンジン最適化(SEO)対策を行うことで、自社のECサイトが検索結果で上位に表示されやすくなり、新規顧客を獲得しやすくなります。また、SNSマーケティングにより、自社のブランドや商品を多くの人に知ってもらったり、コミュニケーション設計のツールとして使うことができます。

その他、各種の広告も重要な手段で、Google広告やSNS広告など、ターゲットとする顧客に効果的にアピールできる広告媒体を選ぶとより効果的です。

さらに、メールマーケティングやリターゲティングなどを活用し、LTV(顧客ロイヤルティ)の向上やリピート購入の促進も視野に入れて施策を立案します。こうしたマーケティング戦略はECサイトの流入を増加させるだけではなく、売上増加やブランドイメージ改善につながります。

8.ECサイトのマーケティング効果検証と改善

ECサイトが立ち上がった後は、ECサイトのマーケティング効果を検証し、改善に努めることで勝ちパターンが見つかりやすくなります。

ECサイトへの訪問者数やCVR(コンバージョン率:訪問者が購入という行動を取った割合)、平均滞在時間、離脱率、リピート率など、サイトの性能を評価する多くの指標があります。

これらの指標を定期的にチェックし、数値が低下した場合や目標KPIを達成できていない場合には、サイトの改善やマーケティング施策の見直しを行います。

具体的には、サイトデザインの改善、UI/UXの改良、チェックアウトのプロセス最適化、SEO対策の強化などが考えられます。また、顧客の行動データを分析し、購入までの流れに問題がないかを確認することも重要です。

たとえば、商品ページに訪問したにも関わらず購入に至らないユーザーが多い場合、商品説明や価格、写真などに問題がある可能性があります。

これらは、PDCAサイクル(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Act:改善)を回すことで体系的に行えます。計画を立てて実行し、その結果を評価して改善するサイクルを繰り返すことで、ECサイトのパフォーマンスは継続的に向上することができます。


ECサイトを立ち上げる方法6つ

ECサイトを立ち上げる方法は大きく6つあり、それぞれの手法には特徴、メリット、デメリットがあります。

EC構築法比較
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一般的な特徴・メリット・デメリット・向いているケースを示していますが、各企業の具体的な状況により適切な選択は異なる可能性があります。そのため、それぞれの特性を理解した上で、自社の要件やリソースに合わせた選択を行ってください。

参考:EC(eコマース)とは?ECの種類やメリット・市場規模まで解説 | LISKUL

ECモール

ECモールは、複数の店舗が集まったオンラインのショッピングセンターのようなものです。Amazonや楽天市場などが代表的なサービスです。

メリットとしては、プラットフォーム自体に集客力があり既に多くの顧客が訪れるため、一定以上の流入が見込めるのと、導入コストが低く、また、立ち上げも最短1ヶ月で可能です。さらに、システムの管理はECモール側が行うため、安心できます。

一方でデメリットとしては、他の多数の店舗と競合するため、目立つのが難しく、また、自社のブランドを強く打ち出すためのカスタマイズやデザイン改修が難しく、さらには販売手数料やルールに縛られることです。

初めてのECサイト立ち上げや、小規模で低コストでのスタートをしてみたい場合はおすすめです。

参考:ECモールとは?メリット・デメリット、費用相場、出店までの流れを紹介

ASP

ASPは、EC立ち上げに必要なショッピングカートのシステムを提供するサービスです。ShopifyやBASEなどが代表的なサービスです。

メリットは、ショッピングカートに必要な機能があり、ECのショッピングカートを別途開発するなどの手間もなく、初心者でも簡単に導入できる点です。

また、ASPで提供するECサイトのテンプレートもあるので、デザインなどの専門知識がなくても導入や運用が容易であることです。

その半面、デメリットとしては、高度なカスタマイズが難しい場合があるため、独自性が難しく、小規模な店舗や初めてECサイトを開設する企業で自社ブランドを重視し、ある程度の機能でも足りる場合はよいでしょう。

参考:【最新版】おすすめのASPカート15選を比較!選び方のポイントも紹介 | LISKUL

オープンソース

オープンソースは、一般に広く公開されたECサイトの構築に必要なソースコードを用いてECサイトを構築する方法です。

Webサイトを構築する際には、HTMLやCSSなどのコードを実装して公開することで、自分の好み通りのレイアウトやデザインを表現することができます。代表的なサービスとしてWordpressなどが挙げられます。

ECのオープンソースが一般的に公開されているものを用いて、自社独自のデザインや機能を、実際にECサイト上に搭載することが可能であるのに基本的に無料で利用でき、代表的な提供サービスとしてはEC-CUBEやMagentoが有名です。

前述した通り、メリットとしては、自由にカスタマイズが可能で初期コストが低いことです。ただしデメリットは、自由なカスタマイズが可能な分、自社で開発や運用をすることが必ず必要になるので専門的な知識が必要です。また、保守やサポート等の運用業務も自己責任となります

自社で開発リソースを持っている企業や、独自性を重視する企業で高度なカスタマイズが必要な場合はおすすめです。

クラウドEC

クラウドECは、ECサイトをクラウド上で一括管理するサービスです。ASPと同様ではありますが、違いとしては拡張性に優れていて、常に最新バージョンの機能やセキュリティが使えることです。makeshopが代表的です。

メリットは導入や運用が容易で、高度な機能や安定した運用が可能な点です。また前述した通り、拡張性が高いのが特徴です。デメリットは、ASP同様にカスタマイズに制限がある場合があるところです。

比較的小規模から中規模のECサイトに向いていてコストも抑えながら拡張性を重視する場合にはおすすめです。

参考:クラウドECとは?他の構築方法との違いや導入すべき企業の特徴を紹介 | LISKUL

ECパッケージ

ECパッケージは、ECサイト運営に必要な機能をパッケージ化したソフトウェアです。ebisumartやecbeingが代表的です。

メリットとしては、機能が豊富でカスタマイズ可能というところで、一度購入すれば、長期的に自由に使用できる点です。デメリットとしては、パッケージそのものが高価な場合もあり、機能は多い反面、自社に全く必要でない機能まで揃ってしまうケースもあります。

既存のパッケージに自社のビジネスモデルが適合する場合は向いていて、特定の機能を持ったECサイトを自社で運営したい場合などがおすすめです。ただし、パッケージによって機能も様々ですので、ECパッケージを検討する際にはパッケージに含まれる機能を比較し、自社に最適な製品を探しましょう。

以下の参考記事にていま注目のECパッケージについてご紹介していますので、ご参照いただければ幸いです。

参考:【2023年最新版】ECパッケージおすすめ25選を比較!選び方も紹介 | LISKUL

フルスクラッチ

フルスクラッチは、ゼロから全て自社で開発して運用、保守まで行う方法です。イメージとしてはUNIQLOのECサイトのようなものです。

メリットとしては、完全自社開発ですので自由にカスタマイズが可能で全て自社の仕様に合わせられることです。

デメリットでは、開発コストや時間が非常にかかってしまうところで、コストは数百万円から数千万円までかかる場合があり、期間としては1年以上もあり得ます。また、保守や運用も全て自社で行う必要があり、すべてにおいて専門性が求められます。

自社で開発リソースを持ち、独自のサービスを提供したい企業に向いていて、また、特殊な要件がある場合や、大規模なECサイトを運営する場合はおすすめです。


EC事業立ち上げに必要な費用

EC事業を立ち上げる際に必要となる費用の内訳を説明します。EC事業を始める際の大まかな参考としてください。

実際の費用は事業規模、運営体制、業界の特性、位置付けなど、様々な要素により大きく変わることがあります。

それぞれの状況に最適なEC手法を選び、費用対効果を考えながら計画を立てることが重要です。

分類最低限かかる費用必要に応じてかかる費用
初期費用ECプラットフォームの設定費用カスタマイズやデザイン費用
運用費用ECプラットフォームの月額費用、物流費用広告費用、外部専門家へのコンサルティングや運用代行費用
商品制作・生産にかかる費用商品原価新商品開発費用
人件費必要なスタッフの給与追加スタッフの給与、外部専門家へのコンサルティングや運用代行費用
配送費商品発送費用オプション配送サービス費用

初期費用

ECサイトを立ち上げるためには初期投資が必要で、その規模は選んだEC手法によります。

タイプ初期費用
ECモール無料~10万円
プランによっては追加費用の場合もあり。
ASP無料~30万円
機能追加の場合は追加費用が発生。
オープンソース無料~300万円
クラウドEC100万円~300万円前後
ECパッケージ300万円~
フルスクラッチ数百万円~数千万円

各プラットフォームやサービスによっては同じ手法でもかかる費用が変わる可能性があるので、気になるサービスがあれば複数比較することをおすすめします。

運用費用

初期費用と同様に、ECサイトの運用費用もまた、選んだEC手法によって大きく異なります。運用費用には、ECプラットフォームの月額費用、物流・配送費用、広告費用などが含まれます。

タイプ運用費用
ECモール無料~5万円前後
追加で販売手数料として10%前後発生
ASP無料~30万円前後
無料ASPか有料ASPかによって変動
オープンソース5~30万円前後
サイトの規模によって変動
クラウドEC10万円~100万円前後
プランやサービス内容によって変動
ECパッケージ10万円~100万円
搭載される機能によって変動
フルスクラッチ数十万円~数百万円
サイトの規模によって変動

商品制作・生産にかかる費用

商品の製造には、原材料費や製造費が必要となります。EC事業においては、商品の独自性を追求する場合や、高品質な商品を提供する場合には、これらの費用が高くなることもあります。

在庫保管

在庫を自社で保管する場合や、外部の物流会社に委託する場合、またECモールが提供しているフルフィルメントサービスを利用する場合等、在庫保管の方法により費用は異なります。

フルフィルメントサービスとは、ECモールなどで顧客の注文後、実際に手元に届くまでに発生するフロー全般における業務をいいます。

このフルフィルメントサービスの具体的な業務内容としては、業者やサービスによって少し変わってきますが、概ね以下の通りです。

  • 受注対応(※場合によってはお問い合わせ対応)
  • 発注対応・商品の仕入れ
  • 商品の在庫管理
  • 代金回収等

参考:フルフィルメントとは?適切な業者を選ぶための5つのポイント | LISKUL

人件費

EC事業の運営には様々な業務があり、それらを内部で担当する場合には人件費が必要です。しかし、EC手法や自社の体制により、外部に委託することもあるので、その際には外注費が必要となります。

送料

ECモールのフルフィルメントサービスを利用する場合や、配送業者に委託する、または自社で配送を行うなど、送料は運送方法により大きく異なります。

また、送料を顧客に負担させるか、自社が負担するかはビジネスモデルや競争状況によります。一部または全額を顧客に負担させる場合、購入意欲を阻害する可能性があるため注意が必要です。


EC事業を立ち上げる際に押さえておくべきポイント6つ

立ち上げから運営まで、成功するEC事業には様々なポイントが存在します。以下に、その主な要素を紹介します。

EC事業の立ち上げ前はしっかり戦略を策定する

市場調査、競合分析、ターゲット顧客の特定、価格戦略など、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。

商品を売るには、市場トレンドはもちろん、ターゲットのニーズや他社競合の状況を判断して自社の売り方を徹底化していかなければ、そもそも商売の土俵に上がることすらできない可能性が出てくるからです。

これらの情報は、自社の商品やサービスが市場でどのように受け入れられるか、どのような競争状況になるかを理解するための基礎となります。

ネットだからこそユーザーの購入パターンを理解して改善に活かす

ECサイトの強みは、顧客の行動データをリアルタイムで収集し、それを分析・活用できることです。

オフライン店舗とは違ってEC事業では、何らかのキーワードによる流入やコンテンツによる流入がほとんどですが、どういうキーワードで検索してくるか、またどういうコンテンツを好むかを分析すれば、より売上アップに繋がる施策が打てるはずです。

これにより、顧客のニーズや価値観、購入行動を深く理解し、サイト改善やマーケティング戦略の改定に生かすことが可能です。

誰にでも見やすく使いやすいECサイトを目指す

ECサイトの使いやすさ、見やすさ(UI/UX)は、顧客の購買意欲に直結します。

たとえば、見にくいサイトデザインや色でECサイトが構成されていたり、購入までの導線が複雑で、途中で離脱の恐れがあれば非常にもったいないECサイトとなります。

また、リピート購入を促す仕組みや、顧客とのコミュニケーションを深めるCRM(Customer Relationship Management)戦略も重要ですので、ECサイトの使いやすさと親しみやすさを意識するとよいでしょう。

鮮明な商品写真や丁寧な詳細説明をする

顧客は商品を実際に手に取ることができないため、鮮明な商品写真や丁寧な詳細説明が不可欠です。

商品詳細ページにある商品の写真にイメージが持てないなどは購入までにつながらない可能性が高いです。

たとえば、実際に人の手で持って触っている写真を使ったり、動画を用いるなど、より多角的にイメージが描きやすいようにアピールすべきです。それらの対策は、商品の特徴や使い方、注意点などが明確に伝えられ、顧客の購買意欲を引き出すことができるでしょう。

顧客対応やアフターフォローを行う

当然ながらEC事業では、迅速かつ丁寧な顧客サービスが求められます。オンラインショップは、時と場所を問わず、どこでも24時間商品を購入したり、実際に流入が頻繁に行われる場所です。

対応が難しい夜の時間帯であっても、次の営業時間までには素早く顧客対応を実施しなければ、信頼性を感じてもらえることはなく、二度と購入や流入を期待することができなくなるリスクもあります。

しっかりと商品やサービスに関する疑問や問題を解決することで、顧客満足度を向上させ、リピート購入や口コミに繋げることができます。AIを利用したチャットサービスやFAQの設置なども効果的です。

EC事業を効率よく運営するための体制づくりを行う

EC事業の運営を効率化するためには、内製化と外部委託のバランスも重要です。マーケティングや商品管理など、特定の業務を内製化することで、品質管理やコスト削減が期待できます。

内製化や外部委託など、どれをとるかについては正解はなく、自社の状況にはよりますが、部分的に内製化することでEC事業を効果的に運用していくノウハウを管理できます。

また、自社でやっていくには非効率的な業務は外部委託をしてより生産性を高めるなど、バランスをとるとより成長へつながるはずです。

どうしても自社でカバーしづらいITシステムの構築や運用、物流管理などについては、専門知識や設備が必要なため、外部委託が有効なケースが多いです。

しっかり自社でEC運用に有効的なナレッジマネジメントと人材育成にも力を入れ、長期的なビジネスの成長を目指しましょう。


EC事業を立ち上げる際の注意点4つ

EC事業を立ち上げる際には、成功へのポイントだけでなく、落とし穴やつまずきポイントも把握しておくことが重要です。

以下に、立ち上げ時に注意すべき4つのポイントを紹介します。

商品切れによって機会損失につながる

適切な在庫管理が必要です。商品が品切れになると、それは即座に機会損失となります。また、在庫切れは顧客の信頼を失わせる要因ともなります。

在庫切れなどによって顕在化された顧客が自社ECから離れてしまい、競合のECに流れていっては、再度自社ECに流入を促して購入までに誘導することは非常にコストが高くつきます。

適切な在庫予測と効率的な在庫補充の仕組みを構築することで、顧客満足度の向上と同時に機会損失を避けることが可能になります。

配送方法に問題があると遅延やコスト増加になりかねない

配送はEC事業の重要な一部です。配送方法が不適切だと、商品の遅延や配送コストの増加という問題が生じます。

そもそも遅延や配送に何らかのアクシデントが予想される場合は、事前に商品ページなどに記載しておいたり、また、配送コストが売上の割合を多く占めている場合は、いくら商品を売っても利益の割合が少ないため、直ちに見直していくべきです。

結果的には、顧客満足度の低下やECサイト、または商品の質を下げてしまう可能性もあります。もし、配送パートナーを選定する際は、信頼性、コスト、配送速度などを慎重に検討することをおすすめします。

返品対応のポリシーを設けなければ不正やクレームにつながる

返品に関する明確なポリシーを設けることは、EC事業にとって重要です。これにより、顧客は商品が自分の期待に合わなかった場合の返品にスムーズに対応できたり、不正返品や無理なクレームを防ぐことにもつながります。

実際に手に取って確認することができず、商品には問題はなくても顧客の好みによっては返品されてしまうなどもEC事業ならではで、少なくはないでしょう。

事前に返品におけるポリシーをページ化したり、商品ページに記載しておき、また、公平かつ透明性をもって、顧客が容易に理解できるように表示することが必要です。

個人情報漏えいを防ぐセキュリティ対策の実施

ECサイトは顧客の個人情報を管理します。そのため、情報が漏えいすると信頼性が失墜し、ビジネスそのものに大きな影響を与える可能性があります。

仮に自社のECサイトにて顧客の個人情報が漏れてしまうなどのトラブルに発展すると、民事訴訟はもちろん、場合によっては(犯罪に使われたなど)、刑事事件にまで発展し、社会的に大きく信頼性とブランドイメージを落としてしまいます。

最悪な場合は、EC事業から撤退か会社自体の経営が成り立たなくなり破綻するなど、潜んだリスクは非常に重いものになるため、必ず徹底したセキュリティ対策を実施すべきです。

上記のように、EC事業では、セキュリティ対策は必須で、適切なデータ保護、暗号化、アクセス制御などを実施し、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることが重要です。


まとめ

EC事業立ち上げは、成功への一歩となる大きなチャンスです。しかし、事業の立ち上げから運営まで、数々の課題に直面します。

ビジネスプランの策定から、適切なECプラットフォームの選定、効果的なマーケティング戦略の立案、そして運用に必要な費用の把握まで、一つ一つのステップが重要です。以下のポイントを再度おさらいします。

【EC事業を立ち上げる際に押さえておくべきポイント6つ】

  1. EC事業の立ち上げ前はしっかり戦略を策定する
  2. ネットだからこそユーザーの購入パターンを理解して改善に活かす
  3. 誰にでも見やすく使いやすいECサイトを目指す
  4. 鮮明な商品写真や丁寧な詳細説明をする
  5. 顧客対応やアフターフォローを行う
  6. EC事業を効率よく運営するための体制づくりを行う

【EC事業を立ち上げる際の注意点4つ】

  1. 商品切れによって機会損失につながる
  2. 配送方法に問題があると遅延やコスト増加になりかねない
  3. 返品対応のポリシーを設けなければ不正やクレームにつながる
  4. 個人情報漏えいを防ぐセキュリティ対策の実施

これらを適切に遂行することで、新しい顧客を獲得し、持続的なビジネス成長を達成することが可能となります。

リスクをしっかり管理し、機会を最大限に活用するために、本記事で述べた点を心に留めて、EC事業立ち上げを成功に導いてください。

※本記事は株式会社SUPER STUDIO提供によるスポンサード・コンテンツです。