LINE公式アカウントで送れるメッセージは、自動モード(Bot)で送る自動メッセージと、手動でメッセージを送るチャット(旧LINE@の1:1トーク)があります。
このチャット機能(LINEチャット)を使えば、私たちがLINEの個人アカウントで友人などにメッセージを送るように、LINE公式アカウントからユーザーに1対1でメッセージを送ることができます。
企業や店舗の担当者がLINEチャットを活用すれば、顧客満足度の向上に繋がり、新規顧客やリピーターの獲得や売上アップにも役立ちます。
しかし、LINE公式アカウントの運用を始めたばかりの方の中には、チャット機能がどの程度自社のビジネスに役立つのか、どのように活用すれば成果を挙げられるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、LINE公式アカウントのLINEチャットを効果的に使えるようになるコツ、使うメリットや注意点などをまとめました。
この記事を読むことで、LINEチャットを活用するうえでの勘所をおさえて運用できるようになります。
目次
LINE公式アカウントのLINEチャット(旧LINE@1:1トーク)とは、ユーザーと1対1でやり取りができる機能
LINE公式アカウントのLINEチャットとは、LINE公式アカウントを開設している企業や店舗が、LINEのトーク機能を使い、友だちになっているユーザーと1対1でコミュニケーションが取れる機能です。
ちなみに、旧LINE@におけるトーク機能(1:1トーク)が、LINE公式アカウントに統合され、「LINEチャット」という名称に変更されています。
無料で無制限に利用できる
2019年4月から運用されている新しいLINE公式アカウントは、月額固定費0円から始めることができます。
1ヶ月に1,001通以上のメッセージを送る場合には、有料プランに切り替える必要がありますが、以下のメッセージはカウントされません。
- LINEチャットの送受信
- 応答メッセージ
- AI応答メッセージ
- あいさつメッセージ
- Messaging APIの「Reply API」
したがって、LINEチャットもカウントされないメッセージに含まれるので、プランに関係なく無料かつ無制限に利用することができます。
参考:【2020年8月最新版】LINE公式アカウントの作り方の完全手順と事前に決めておくべき4つのこと
2020年最新LINE公式アカウントの料金プラン攻略。コスパよく効果を出す技と無料活用術
LINE公式アカウント|チャット(旧1:1トーク)機能の使い方と活用方法|LINE for Business
LINE公式アカウントの運用費用は?料金プランを解説!|LINE for Business
LINEチャットを使う4つのメリット
企業や店舗がLINEチャットを使うと、使わない時に比べてどのようなメリットがあるのかを解説していきます。
- 時間帯や場所を問わずに対応できる
- 顧客管理が楽になる
- 画像を見ながらメッセージのやりとりができる
- 顧客満足度の向上につながりやすい
メリット1. 時間帯や場所を問わずに対応できる
LINEチャットは、スマホやパソコンなどのデバイスがあればいつ・どこでも使用することができます。
電話に出られない時間帯でもユーザーからの連絡を受けられる
LINEチャットを使えば、ユーザーは時間を気にせずチャットで問い合わせができるようになります。
飲食店や美容院などの店舗だと、繁忙時や営業時間外で電話がつながらないということがあります。
電話がつながらないと、見込み顧客を逃してしまう可能性があります。
LINEチャットの場合、送信はいつでもできるため、電話のように再度連絡を取る必要はありません。
たとえすぐにチャットを見れなくても後で確認ができるため、連絡の確認漏れを防ぐことができます。
外出時でもやりとりができる
LINEチャットはいつでもどこでもスマホでも顧客対応ができます。
例えば、人数が少ない企業や店舗などは、顧客対応や商談などで外出している間、固定電話にかかってきた電話の対応をすることができません。
しかしLINEチャットなら、外出時でもユーザーとのやりとりが可能です。
メリット2. 顧客管理が楽になる
LINEチャットでの顧客対応の大きな魅力は、顧客それぞれの情報を管理しやすい点です。
LINEチャットにはやりとりの履歴がトーク画面上に残り、データをダウンロードして保存することができます。
電話の場合、聞き間違いによる予約ミスや、聞いた内容の記載ミスなどの人的ミスが起こる可能性があります。
しかし、LINEチャットの場合は、顧客対応の内容がLINEのトーク画面に履歴として残るので、このようなミスが減ると予想されます。
また、ユーザーそれぞれにノートの追加、「要対応」/「対応済」のタグ付けを行うこともできます。
顧客情報だけではなく、対応状況も確認しやすい機能が備わっているため、対応漏れやトラブルを防ぎやすくします。
メリット3. 画像を見ながらメッセージのやりとりができる
LINEチャットでは、気軽に画像を送り合うこともできます。
ユーザーのイメージする画像や、企業や店舗側が提案したいイメージの画像を送るやりとりを通して、双方のイメージのすり合わせが可能なので、ユーザーのイメージ通りのサービスが提供できます。
とくに、美容室やネイルサロンなど、テキストや言葉では依頼しづらいサービスがある場合に活用しやすいです。
メリット4. 顧客満足度の向上につながりやすい
LINEチャットは、一人一人のユーザーと個別にメッセージのやりとりをするため、ユーザーは企業や店舗に対して親近感を抱き、イメージが良くなると考えられます。
一対一でコミュニケーションが取れるため、チャットで丁寧に対応をすればユーザーからの印象は良くなります。
もちろんイレギュラーな連絡がある場合は対応に時間がかかりますが、その分ユーザーに合わせて柔軟に対応しやすいため、満足度は高まりやすいです。
参考:LINE公式アカウントのチャット(1対1トーク機能)とは?始め方や使い方をわかりやすく解説【無料で何回でもメッセージを送れます】
LINE公式アカウントのトークの使い方とは?3つのコツと4つの注意点
LINE公式アカウントのチャットの利用の流れ
ここからは、LINEチャットの利用の流れを紹介していきます。
1. 応答設定から「チャット」にチェックを入れる
LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)上で画面トップの「設定」→「応答設定」に進み、応答モードの「チャット」にチェックを入れます。そうすると、ユーザーからのメッセージに対して手動で返信するチャットモードになります。
ちなみに、応答モードで「Bot(ボット)」を選択すると、応答メッセージで設定した内容をユーザーに自動で送るモードに変更可能です。
2. チャットの応答時間を設定する
企業や店舗が対応できない時間帯は、「自動応答メッセージ」の設定も可能です。チャットの応答時間は曜日別に設定可能なので、休みの日に対応に追われる心配がありません。
また、応答時間をを事前に設定していれば、チャットモードと自動応答モードを自動で切り替えられるので便利です。なお、自動応答メッセージは、初期設定としてデフォルトのメッセージが設定されていて、最大200個まで追加で登録できます。
3. チャットはユーザーからのメッセージからスタート
LINEチャットは、企業や店舗のLINE公式アカウントからユーザーに対しては、メッセージのやりとりをスタートさせられない仕様になっています。つまり、LINE公式アカウントを友だち追加したユーザー側から、最初に何かしらメッセージやスタンプを送ってくれないと、チャットが開始できません。
そのため、スタンプ1つでも良いので、ユーザーからメッセージを送ってもらうような環境を整えましょう。どのように環境を作るかについては、後述のポイント2で詳しく解説します。
参考:LINE公式アカウント|チャット(旧1:1トーク)機能の使い方と活用方法|LINE for Business
LINE公式アカウントのチャットの活用方法3つ
LINE公式アカウントのチャットの代表的な活用方法3つをご紹介いたします。
- お問い合わせの受け付け
- 予約の受け付け
- ユーザーの希望条件のヒアリング
お問い合わせの受け付け
商品やサービスに関する質問などの問い合わせを、チャット上で受け付けることができます。
専用フォームもしくは電話での受け付けと比べて、LINEチャットだと気軽に連絡を取りやすいため、コミュニケーションの活性化にもつながります。
ユーザーの質問や疑問を解決できることによって、顧客満足度にもつながりやすいです。
予約の受け付け
予約に関するやり取りをチャット上で行うことができます。
電話の場合は聞き間違いのリスクがあったり、混雑で繋がらない可能性があります。
LINEのチャットだとやり取りのログが確認でき、手が空いたタイミングで連絡を取ることができます。
参考:【2022年最新】LINEと連携できる予約システム36社を比較
ユーザーの希望条件のヒアリング
不動産屋や転職相談など、希望条件をヒアリングしたい場合にでもLINEチャットを活用することができます。
電話だと長い時間拘束され、メールだとやり取りの履歴が見づらくなりがちです。
LINEチャットだといつでも気軽に連絡を取れるため、コミュニケーションの負担を軽減することができます。
事前に確認したい項目をテンプレート化すれば、スムーズにヒアリングしやすいです。
LINE公式アカウントのチャットを上手く使うコツ
上手く使えば顧客満足度の向上などたくさんのメリットがあるLINEチャット。効果的に使うためのコツを、2つのポイントに分けて説明していきます。
ポイント1. 運用ルールを決めておく
LINEチャットの運用担当者が複数いる場合、担当者によって対応の質がバラバラになると、顧客の信頼を失う恐れがあります。
そのため、誰が対応しても一定のサービス水準を保てるように、ユーザーの呼び方や冒頭のあいさつなどの運用ルールをある程度決めておきましょう。
メッセージのトーンやある程度のひな形を決めておくと、対応のばらつきが出にくくなります。
ポイント2. ユーザーからメッセージを送ってもらうための対策をする
先ほども触れたように、LINEチャットはユーザー側からメッセージを送ってもらわなければ、チャットを始めることができません。
そこで、ユーザーからメッセージを送ってもらうための対策が必要です。
すぐに取り入れられる対策として、以下の3つの方法があります。
1. 友だち追加時のあいさつを工夫する
まずは、友だち追加時に自動送信される、あいさつのメッセージを工夫してみましょう。
ユーザー側からメッセージやスタンプを送信してもらえるように、上手く促したりお願いできると良いですね。
この時に、スタンプやコメントの送信をただお願いするだけではなく、クーポンや特典資料など、ユーザーに喜んでもらえる情報を提示して、メッセージの送信を促すのもコツです。
2. 「LINEで問い合わせ」できることを周知する
LINEチャットは電話やメールよりも気軽に問い合わせができるということを、ユーザーに周知するのも大切です。
おすすめの周知の方法は、LINE公式アカウントのリッチメニューに「LINEで問い合わせ」というボタンの設置をすることです。
「リッチメニュー」はLINE公式アカウントの機能の一つで、トーク画面の下部に大きく表示されるメニューを指します。
リッチメニューにボタンが設置されていると、ユーザーの目にもつきやすく、気軽に問い合わせができます。
また、自社のホームページで周知したり、電話で問い合わせしてきた顧客に、次回以降はLINEでの問い合わせが便利である旨を伝えたりすることもおすすめです。
3. メッセージの具体例を載せておく
実際にユーザーがメッセージを送ろうした際に、どのようにメッセージを送っていいか迷ってしまい、送ることを躊躇してしまうユーザーもいます。
気軽にメッセージを送ってもいいことがわかるようなメッセージ例を載せておくと、ユーザーもメッセージを送りやすくなります。
参考:LINE公式アカウントのチャット(1対1トーク機能)とは?始め方や使い方をわかりやすく解説【無料で何回でもメッセージを送れます】
LINE公式アカウントのチャット機能とその活用方法。|BASE
【公式】リッチメニューの活用法│作成から設定方法まで解説|LINE for Business
LINE公式アカウントのチャットを使う際の2つの注意点
LINEチャットを運用する際に、事前に確認しておきたい注意点をまとめました。
- トーク履歴には保存期間がある
- トーク履歴をダウンロードする際には必ず既読にしてから行う
注意点1.トーク履歴には保存期間がある
まず、トーク履歴には保存期間があるので注意が必要です。
保存期間は以下の通りです。
- テキストやスタンプのチャットは最長1年(2019年4月18日以降のチャット履歴)
- 画像やビデオなどのコンテンツメッセージは2週間
- ファイルは1週間
注意点2.トーク履歴をダウンロードする際には必ず既読にしてから行う
トーク履歴は、保存期間内であればPC版の管理画面からダウンロードが可能です。
ただし、未読のメッセージはダウンロード対象外となるため、ダウンロードする前には全てのメッセージを既読にしてから行うようにしましょう。
参考:LINE公式アカウント|チャット(旧1:1トーク)機能の使い方と活用方法|LINE for Business
チャット|LINE for Business
まとめ
LINE公式アカウントのチャットを使えば、「電話やメールでの問い合わせはハードルが高い」と感じているユーザーでも気軽に問い合わせができるため、新規顧客の獲得につながります。
また、LINEチャットで一人一人と向き合ってメッセージのやりとりをすることで、ユーザーが企業や店舗に対して親近感を抱きやすくなり、顧客満足度の向上にも繋がります。
その結果、企業や店舗のイメージの向上や、売上アップ、リピーターの獲得など、企業や店舗にとって良いことづくめとなるでしょう。
なお、無料で無制限に使えるLINEチャットですが、トークの保存可能期間や、送信後に取り消しできない点には注意が必要です。
本記事で紹介したLINEチャットの使い方のコツを参考に、ぜひ自社のLINE公式アカウントを効果的に運用してみてください。