リスティング広告をたった5万円の費用で効果的にハックする手法

リスティング広告は、一体いくらの「費用」でスタートすればよいのでしょうか?

その疑問に完璧な回答はないのかもしれません。しかし、私はプロとして一つの基準を示したいと思います。

私は、リスティング広告業界13年のキャリアの中で、3,000社以上の中小企業のリスティング広告アカウントを運用・研究してきました。その結果、たどり着いた結論は「まず5万円でスモールスタートする」方法です。1万円でもなく、100万円でもなく、5万円です。現時点では、これが多くの中小企業にとって、最も効果的なはじめ方だと確信しています。

本記事では「なぜ5万円でスモールスタートすべきなのか」その理由と、「5万円で最大の効果を得るために必要な10個のポイント」を事例を交え、はじめての方でも理解できるように解説していきます。

これからリスティング広告を始めるという方はもちろん、リスティング広告を活用している方にも参考になるはずです。

この記事を読んで、あなたもぜひ最高のスモールスタートを成功させてください。

リスティング広告で成果を出すための全手順をプロがまとめた60ページフルカラーの資料も公開しています。ぜひダウンロードして、記事と併せてご覧ください。

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目次


5万円のスモールスタートをおすすめする2つの理由

【理由1】徹底的に無駄な費用を抑制できる

最も大きなメリットは無駄な費用を最小限にできることです。
リスティング広告で失敗する一番大きな要因はこの「無駄が多いこと」です。最初から無駄をシャットアウトすることで成功確率をグンと伸ばすことができるのです。

5万円あれば、平均的には数百人の見込み顧客に商品・サービスを見てもらえるはずです。しかもその多くが「今すぐ客」です。購買確率の高い今すぐ客数百人にアプローチして、1人もアクションを起こさせることができないのであれば、Webサイトや商品自体を見直すべきです。

多くの企業が最初から数十万円~数百万円という予算をついつい用意してしまいますが、それは得策ではありません。担当者に余裕が生まれてしまい、あれもこれもテストしてみたくなるのです。その結果、必ず大きな無駄が生じます。

参考:リスティング運用自動化ツールの一覧 ≫

【理由2】最も勝てる可能性の高い領域に集中できる

「5万円という限られたコストで必ず成果を出す」という意識を持てば、キーワードを最も勝てる可能性の高いものに絞らざるを得ません。さらに、絞ったキーワードで成果を出そうとすると、ランディングページや商品・サービスを高めざるを得ない状況になります。

勝てるキーワードで勝てるコミュニケーションをとり、費用も時間も思考も全て集中させる。そして、結果を出すことに徹底的にこだわる。

そうすると、検討すべき論点が明確になり、勝てる可能性が高まるのです。

(参考)5万円スモールスタートすべきでない場合

「5万円でのスモールスタート」は、中小企業にとって最も有効なリスティング広告の始め方だと確信しています。

しかし、費用よりも時間を優先する場面では、5万円で始めることにこだわるべきではありません。なぜなら「5万円でのスモールスタート」は、費用を抑える代わりに、時間と知恵を駆使する手法だからです。

特に、3ヶ月で300万円以上準備できる場合は、豊富な実績とノウハウをもっている専門の代理店に相談して、運用代行してもらったほうが早く効果が出せる可能性は高まるときもあります。その場合はぜひ当社にご相談ください。無駄を出さずに最短で成果を実現します。


【事例】3,000円で5件の問い合わせを獲得した杉田楽器店

実際に、リスティング広告をスモールスタートさせて成果が出た事例をご紹介します。

杉田楽器店は、埼玉県の東松山市にある創業111年の歴史ある楽器店です。
楽器の専門店として、徹底したサービスを継続的に安く提供し、楽器愛好家から初心者の方まで幅広く愛されています。

リスティング広告費用1
杉田楽器ホームページ

杉田楽器店の評判を聞き、遠方から埼玉県の東松山市まで、わざわざ足を運んでいるというお客様もいらっしゃるとのこと。そこで「リスティング広告を使えば、さらに多くのお客様に知ってもらえるのではないか」ということで、新たにリスティング広告を実施しました。

その結果、3,000円の広告費で5件のお問い合わせを獲得しました。

※実は一定のご予算を準備頂いていましたが、期待以上の成果が出たため3,000円で済んでしまいました。リスティング広告の即効性と効果の高さを改めて認識した事例です。

成功のポイントは大きく3つです。

1、商品を絞り込んだ

商品は「フルート」に絞り、ターゲットとなる見込み客を「初心者」に絞り込んだ

2、スマートフォン対応

スマホ対応のフォーム付きのランディングページを新たに作った
参考:実際に使用したランディングページ(http://www.sugita.co.jp/sp/flute.html

3、キーワードを絞り込んだ

媒体はスポンサードサーチだけにし、出稿キーワードを徹底的にCV率が高いと予測される7個のキーワードにまで絞り込んだ。さらに広告文にベネフィットをしっかり盛り込んだ

このように、ポイントを押さえることで、少ない費用でも成果につなげられる。これがリスティング広告を最大限活かす方法です。


5万円のスモールスタートを成功させるための10個のコツ

実際に5万円のスモールスタートを成功させる10個のコツを紹介します。

私が3,000社以上のリスティング広告の支援をしながら洗練させてきたポイントになります。この手順で進めていけば、リスティング広告の費用を効率的に活用でき、成果につなげていけます。

1つ1つ順番に見ていきましょう。

【コツ1】商品・サービスは1つに絞る

まず最初に、今回のリスティング広告で訴求する商品・サービスを1つに絞り込みます。同時に2つ以上の商品・サービスを訴求しようとすると、コミュニケーションは一気に複雑になります。必ず1つに絞りましょう。

さきほど事例で紹介した杉田楽器店では「フルート」に絞り込みました。ここで、ピアノもバイオリンも同時に訴求しようとすると、難易度が飛躍的に上がります。ニーズの異なる複数のユーザーを接客するための振り分けが必要になり、検証時にも何が効果的だったのかわかりにくくなります。

1つに絞り込む際は、既に実績のある、売れ筋の商品・サービスを選択しましょう。また、リスティング広告との相性も踏まえた上で、商品・サービスを選ぶと失敗を防げます。

リスティング広告との相性が良い商品・良くない商品については、次の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

参考:リスティング広告と相性の悪い商品・サービスとは?

【コツ2】コンバージョンのハードルを出来る限り低くする

次に、コンバージョン地点を決め、目標とするCPAを設定します。

コンバージョン地点を決める際には「出来る限りハードルの低い」コンバージョン地点を設定するのがコツです。ハードルが低ければ、コンバージョンの母数が増え、検証が容易になります。また、多くのコンバージョンを得られると、次の施策に活用できる資産になります。(例:取得したメールアドレスをステップメールに活用する。)

杉田楽器店の事例では「フルート選び相談」をコンバージョン地点に設定しています。楽器は高額な商品が多く、直接販売するのは至難の技です。Webプロモーションの場合、つい販売まで期待しがちです。しかし「チラシの代替」と捉えれば、相談の引き合いがあるだけで、十分に役割を果たせているといえます。

コンバージョンやCPAについて、もう少し詳しく理解したい方は、次の記事が参考になります。

■そもそも「コンバージョン」という単語の意味がよくわからない方
参考:成果アップの第一歩!コンバージョンの意味を正しく理解し定義する

■コンバージョンのハードルを下げるメリット・デメリットを詳しく理解したい方
参考:フロントエンド商品とバックエンド商品|具体例と活用法

■目標とするCPAの設定の仕方を理解したい方
参考:リスティング広告の予算・目標CPA・獲得件数の設定方法

【コツ3】訴求するターゲットを絞り込む

商品を絞り、コンバージョン地点を決めたら、次に誰に向けてコミュニケーションをするかの「誰」、すなわちターゲットを絞り込みます。

杉田楽器店では「はじめて楽器を選ぶ初心者」に絞り込みました。

杉田楽器店のお客様には「中級以上で趣味で使う人」や「プロの演奏家」もいらっしゃいます。しかし、ニーズが異なる様々な人に対応しようとすると、誰にとっても中途半端なコミュニケーションになってしまいがちです。

ここでは、勇気を持ってターゲットを絞り込みましょう。できれば、そのターゲットを代表する特定の1人がイメージできると今後のプロセスを進めやすいです。(ペルソナといいます。)

ターゲットを絞り込む時の基準には、次の4つの観点があります。

1. ボリューム:絶対数が多いか?
2. のびしろ:顧客になってくれる人の余地は多いか?
3. コミュニケーションの難易度:説得が難しくないか?
4. 収益性:より多くの収益をもたらすか?

この基準に照らし合わせて、最も価値がありそうなターゲットに絞ってください。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

■「ペルソナ」について詳しく知りたい方
参考:ペルソナマーケティングが5分で理解できる!【日本企業の厳選事例6選】

■ターゲットを絞り込むための具体的なプロセスについて詳しく知りたい方
参考:ウェブマーケティングを成功に近づけるターゲット戦略4ステップ
   顧客理解でWebマーケティングの成果を上げる!たった1つの「コツ」とは?

【コツ4】必ずスマホ対応の専用ランディングページをつくる

最も重要なコツが、この「必ずスマホ対応の専用ランディングページをつくる」です。

ランディングページ(LP)とは、特定の流入元から来たユーザーを特定のゴール(コンバージョン地点)に導くため「だけ」に作られたページです。これまでのプロセスで絞り込んできた、商品・コンバージョン地点・ターゲットユーザーを結ぶ「要」となる役割を担います。

杉田楽器店の公式サイトとランディングページを見比べていただければ、その差は一目瞭然です。

• 杉田楽器店ホームページ http://www.sugita.co.jp/
• ランディングページ http://www.sugita.co.jp/sp/flute.html

スマートフォン対応も必須です。「スマートフォンではコンバージョンしない」と言われていた時代は既に過去です。2017年現在、おそらく全てのコンバージョンの過半数がスマートフォン経由で発生しています。※業種によって偏りはあります。

ランディングページの制作方法について、細かい説明は本記事では省略しますが、以下の記事に全てまとまっていますので、ぜひ参考にしてください。

参考:成果の出るLPを作る方法│14記事まとめてご紹介

【コツ5】入力フォームはランディングページ内に設置・項目は最小限に

ランディングページを制作する際は、必ずランディングページの中に入力フォームを設置してください。これは必須です。

自社サイトにある入力フォームのページにリンクで飛ばすと、それだけでコンバージョンが半分近く減ってしまいます。「不必要にページ遷移させない」これはコンバージョンを高める上での鉄則の1つです。

また、フォームの入力項目は必要最低限にしてください。入力項目は増やせば増やすだけ、コンバージョンレートが下がってしまいます。せっかく気持ちが高まったユーザを「入力がめんどくさそう」という理由で離脱させてしまうのは非常にもったいないです。

杉田楽器店では思い切って、必須項目を名前とメールアドレスの2項目のみに絞り込んでいます。

リスティング広告費用2

入力フォームの話をすると、よく「システム面の制約があって難しい」などの声を頂きますが、そんなことはありません。「ペライチ」などのランディングページを制作するツールには、フォーム埋め込み機能がついていますし、「フォームメーラー」や「フォームズ」などのレンタルフォームを使えば、フォームを既存のランディングページ内に簡単に設置できます。必ずランディングページ内にフォームを設置してください。

なお、入力フォームの重要性とテクニックについて理解を深めたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:入力フォーム改善でCV率1.6倍!成果を上げる18のテクニック

【コツ6】媒体はYahoo! JAPANかGoogleどちらかに絞り込む

リスティング広告を出稿する媒体も絞り込みます。日本における検索エンジンは、ご存知の通り、Yahoo! JAPANとGoogleでほぼ占められていますので、そのどちらかを選択してください。検証のためのサンプル母数を確保し、キーワードごとの傾向を掴むためです。

では、Yahoo! JAPANとGoogle、どちらに絞るべきか?結論としては「どちらでもいい」です。それぞれ抱えるユーザー層や特徴に違いはあるのですが、正直なところ、5万円で試す範囲であれば、どちらでも大きく変わりません。

5万円では、市場に対して小さ過ぎるため、媒体の特徴が効果に与える影響は誤差の範囲です。スマートフォン普及に伴いGoogleのシェアが上がっている傾向ですが、その分、Google側は競争も激化しています。大差ないので、好みや直観で選んで頂いて問題ありません。なお、杉田楽器店の場合には「とりあえず」Yahoo! JAPANに絞りました。

さて、次の【コツ7】からは、管理画面を使った具体的な設定に入っていきます。

リスティング広告のアカウント開設や設定などの具体的な方法を知りたい方は次の記事を参考にしながら、次のステップ以降を進めてください。

参考:リスティング広告の始め方-アカウント開設から広告掲載完了まで

【コツ7】キーワードは絞り込んだ渾身の10ワードを「部分一致」で登録

キーワードは「入れすぎ禁止」です。

5万円で検証できる範囲のキーワード数に抑えましょう。
5万円の費用で獲得できるクリック数は、数百です。この数百のクリックで検証できる範囲にキーワード数を絞らなければ検証になりません。具体的には獲得が見込める「渾身の10キーワード」に絞って登録します。

杉田楽器では、10ワードよりもさらに絞り込んで、7ワードに絞り込みました。

• フルート ヤマハ
• フルート ムラマツ
• フルート アルタス
• フルート パール
• フルート マテキ
• フルート イワオ
• フルート 選び方

フルートを軸に「メーカー名」との掛け合わせと「選び方」の7ワードです。

杉田楽器の場合、ポイントは3点ありました
①一語の単体キーワード(フルート)は登録しない
②「価格」や「安い」などの比較系のキーワードは登録しない
③ターゲットとなる「初心者」はあえて登録しない

1つ1つ解説します。

①一語の単体キーワードは、検索数が多い傾向がある一方でニーズが広いため最初に手を出すと失敗しやすい傾向にあります。

②価格比較系のキーワードは、競合が激化している上に、杉田楽器店のコンセプト(選び方をアドバイスして、試奏して選んでもらう)とズレるため、勝ち目が薄いと判断できます。

③「初心者」は、狙っていきたいキーワードです。しかし。検索結果を見てみると、「フルート教室」が積極的に広告出稿しています。その影響でクリック単価が高く、今回は避けました。

このあたりは商品・サービスによって異なって来るのですが、共通して言えるポイントは、競合が少なく、自社に勝ち目がありそうなキーワードに絞ることです。
実際に検索してみて、検索結果画面に表示される広告や自然検索結果をよく見れば、このキーワードで自社が勝てそうかどうか、概ね検討がつくはずです。

なお、やや専門的になってしまいますが、キーワードのマッチタイプは、部分一致で登録します。予想していない類似語への広がりへの期待するためです。基本的に2語以上のキーワードに絞り込んでいるため、無関係・不都合なクエリを拾ってくることは少ないはずです。

もし、さらにリスクを減らしたいのであれば、絞込部分一致で登録、除外ワードを設定、という手段もありますが、5万円でスモールスタートする場合に限定すれば、ほぼ必要ありません。

キーワードの選び方から、マッチタイプ・除外ワードについて、さらに知りたいという方がいれば以下の記事を参考にしてください。

参考:キーワード選定で失敗しないための8つのポイント|リスティング広告
   絞り込み部分一致 |プロが教える「効果倍増」の使い方
   ベテラン運用者も意外と知らない 除外キーワードの正しい使いみち

【コツ8】エリア・曜日・時間帯は明確に対象外があれば設定しておく

特に、商圏が限定されている店舗・サービスにおいては、配信エリアの設定は必須です。
埼玉県内のみが商圏の店舗にとって、北海道での広告表示は無駄なコストになります。

また、即時対応が優先されるサービスでは、休業日や営業時間外は配信する曜日や時間帯を設定すると無駄が省けます。ただし、問い合わせや予約を24時間365日受け付けているのであれば、対象外に設定する必要はありません。

BtoBの場合「営業していない土日夜間は配信しない方が良いのではないか?」という質問もよく受けます。しかし、ここまでのプロセスで、かなり絞り込んでいるため、明確に対象外というケース以外は、それほど効果に影響はありません。むしろ営業時間外のクリックからも獲得があるケースも見られることから、一旦リーチを広げておいて後で検証してみる、というスタンスで問題ありません。

【コツ9】広告文にはベネフィットを盛り込む

広告文は重要なポイントです。クリック率、クリック単価に大きな影響があります。
ニーズが強く、自社の商品・サービスと相性の良い顧客に適切にクリックしてもらえる広告文を作ります。コツとその理由について以下に列挙します。

1. 検索キーワードをタイトルに含める → 太字になります
2. ブランド名(店舗名)を入れる → どこの広告なのかを明確にします
3. 対象を明確にする文言を含める → 絞り込んだターゲットを選別します
4. 得られるベネフィットを入れる → 顧客が得られる価値を明確に伝えます
5. アクションを想起させる文言を入れる → 次に取ってもらう行動を明確にします
6. 表現をシンプルに →文章の流れより、目に入る要素を重視
7. 表現を具体的に → 優位性のある数字や事実を入れ、しっかり伝えます
8. 3パターン入れてテストする →最適化の機能で効果の良いものに寄せられます 

実際に杉田楽器店で使った広告文はこちらになります。

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上記のポイントをしっかり押えていることがわかると思います。広告文については、次の記事でもノウハウを解説しているので、しっかり理解してから作成しましょう。

参考:リスティングの広告文で効果を上げるために役立つ5+1個の記事
   リスティング広告の文字数まとめ!短い文章でも伝わる広告文を作る3つのコツ

【コツ10】上限入札価格は推奨価格で入れて日予算を1万円で設定

上限入札単価は、キーワードプランナーでの推奨価格で設定します。そして日予算設定を1万円でかけておきます。

理由は3つです。

1.「推奨の相場価格でも戦えるかどうか」を検証するため
2.広告露出を確保し、検証に必要なクリックを集めるため
3.想定外の予算消化を防ぐため

少し詳しい方なら、推奨価格よりも、上限入札単価を低く設定し、クリックを出来る限り安く集めた方が良いと思われるかもしれません。

しかし、ここまでのプロセスを通じて、キーワード絞り込んだ上に、勝てるランディングページを設定しています。それでも低単価でしか勝負できないのであれば、今後の拡大は見込めません。推奨価格で戦えるキーワードを見つけなければテスト自体の意味がないのです。

また、入札単価を低く設定しすぎると、露出されない可能性も高くなり、単価調整の手間をかけながら、ズルズルと時間ばかりが過ぎてしまいます。

ただし、まれに推奨価格と実態に乖離があり、推奨価格で設定しても特定のキーワードで1位ベタ貼りになってしまい、一瞬で予算がなくなってしまうことがあります。このリスクを日予算設定で排除しておきます。

なお、キーワード毎の推奨価格についてはキーワードプランナーで調べることができますので、以下の記事を参考にしてみてください。

参考:【徹底図解】キーワードプランナー使い倒し術【2017年最新版】


【次のステップ】成果が出たら、効果の良いキーワードを起点に拡大していく

ここまでご紹介してきた10個のコツを踏まえて、5万円分リスティング広告を実施すれば、かなりの勝率で成果を出せます。

もし成果が出たら、次は、結果をもとに維持・拡大する「運用」の段階に入ります。

効果の特に良かったキーワードを中心に関連するキーワードを追加し、キーワードごとの入札金額を調整し、日予算の上限を開放していくことで、さらに成果を増やしながら効率を上げていきます。また、他の商品・サービスについても同じプロセスでスモールスタートしてみても良いでしょう。

運用については、ぜひ次の記事を参考にしてみてください。

参考:リスティング広告の運用|最低限押さえておきたい運用7つのポイント

もし成果がでなかったら・・・

もし、成果が出なかった場合には、10個のコツをしっかり反映できているか改めてチェックしてみてください。特にランディングページが洗練されていないと成果は出ません。競合のランディングページで取り入れられそうな工夫は無いか、コツは押えられているか、しっかり確認して再度チャレンジしてみましょう。簡単にはあきらめないことも大切です。

再度チャレンジして、それでも成果が出ない場合は、商品・サービスそのものにユーザーのニーズや競争優位性がないと判断します。この場合には、商品・サービスの改善に真剣に向き合うべきです。商品やサービスの付加価値を高める、価格を見直すなどの方針転換が必要になります。


まとめ:5万円でのスモールスタートが不安な方へ

記事を読まれて、「自分にできるか不安、めんどくさそう、できれば業者に任せてしまいたい」と思った方も多いのではないでしょうか。

私たちも代理店としてビジネスをしている身です。
ここは「ぜひ当社にお任せください!」と言いたいところです。

しかし、正直に申し上げると、5万円のスモールスタートは、業者に任せず、ぜひご自身で取り組むべきと考えています。

サービスやターゲットを絞り込み、ランディングページを作成して、実際に管理画面に触れて、設定する。この一連のプロセスを実際に体験することは、今後、Webマーケティングを拡大していくための感覚を身につける上でも、貴重な経験となります。

また、もし成果が出なかった時に、現実を受け入れるためには、ご自身の納得感が何より重要です。

代行業者に任せてしまうと、成果が出なかった際に「リスティング広告の設定のやり方が悪かったのではないか?」と疑い続けてしまいます。その結果、事業者、代行業者お互いにとって不幸な状況に陥っていってしまうケースを何度も見てきました。ぜひ、ご自身で納得いくまで手を尽くして欲しいと考えています。

最後に、本記事の内容をさらに詳細にまとめたガイドブックも無料でダウンロードできますので、ぜひ、こちらも併せて参考にしてみてください。
リスティング広告スタートアップガイドDLページ|LISKUL