マイクロマネジメントとは?ハラスメントにならない使い分けポイントを解説

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マイクロマネジメントとは、管理者やリーダーが部下の業務の細部にまで干渉し、監督するマネジメントスタイルを指します。

近年、マイクロマネジメントは部下の自主性を制限するとして問題視されています。上司による過度な干渉はストレスにつながるため、ハラスメントとして認識されるリスクもあります。

とはいえ、マイクロマネジメントは、必ずしも避けるべき管理手法とは言い切れません。

指示とサポートを必要とするメンバーがおり、迅速な問題解決や精度が要求される状況では、部分的なマイクロマネジメントの活用が向いている場合があります。

そこで本記事では、マイクロマネジメントの近年の動向や、メリットデメリット、実践すべきかを使い分けるためのポイント、注意点をご紹介します。

適切ではないマネジメント手法で生産性の低下やハラスメント問題を生じさせないためにも、状況に合わせて導入しやすい実践方法を厳選してお伝えしますので、ぜひご一読ください。


目次

マイクロマネジメントとは、細部まで干渉する管理手法

マイクロマネジメントをマクロマネジメントと比較して説明

マイクロマネジメントとは、管理者やリーダーが部下の業務の細部にまで干渉し、監督する管理スタイルです。

どのように仕事を進めるか、どんな方法を使うか、どの順番で作業するかなどを細かくチェックすることを指します。

マイクロマネジメントは、上司が仕事の全体を常に把握し、細かいミスを防ぐことができます。一方で、「自分で考える」工程が省かれた状態が部下のストレスにつながり、生産性が下がる要因になりうるので注意が必要です。

マイクロマネジメントの具体行動例

マイクロマネジメントは、下記のような行動例が挙げられます。

  • 不慣れな作業を担当する部下に、業務手順や優先順位を明示する
  • 重要なプレゼンテーション準備で、スライドの内容やデザインを細かく修正する
  • 納期が迫るプロジェクトで、作業の進捗状況を頻繁に確認する
  • 品質管理が重要な工程で、基準を厳格に遵守して製品の細部まで検査する

マイクロマネジメントの対義語は「マクロマネジメント」

マイクロマネジメントの対義語には、マクロマネジメントがあります。

マイクロマネジメントと異なり、マクロマネジメントは、部下の創造性や自主性を重視する点が特徴です。

大枠の方針や目標を設定し、部下に自主的に業務を進めさせるスタイルのため、細部には介入せず、全体の進捗を見守る管理体制をとります。

報告体制のような大枠自体の管理が十分でないと、抜け漏れを把握しにくく、方向性がぶれたり遅延やミスを引き起こしたりする可能性があるところが注意点です。


マイクロマネジメントを問題視する近年の動向

マイクロマネジメントは近年、企業経営においてその是非をめぐり注目を集めています。

ひとつの要因として、昨今のテレワークの普及に伴いマイクロマネジメントの傾向が強まり、不満を抱える人が増えたことが挙げられます。対面でのコミュニケーションが減少したことで、上司が部下の業務状況を把握しづらくなり、過度な管理や干渉につながる傾向にあるからです。

マイクロマネジメントへの風当たりの強さは、コロナ禍を経て、働き方の多様化を見据え様々な変化が生じた「ニューノーマル時代」の影響もあります。

過度なマイクロマネジメントによる部下のメンタルヘルス悪化や自主性の欠如が見られると、発展してハラスメント問題として捉えられる可能性があります。

厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査について」によると、企業の規模感に拘わらず、約9割(n=7780)の企業がハラスメント防止策を講じています。

参考:職場のハラスメントに関する実態調査について│厚生労働省
   【5分でわかる】ニューノーマルとは?個人と企業にもとめられるもの│LISKUL


マイクロマネジメントのメリットとデメリット

本章では、マイクロマネジメントのメリットとデメリットをフラットな目線でご紹介します。

マイクロマネジメントがどのような効果を発揮し、どのような悪影響を及ぼすのかを確認していきましょう。

マイクロマネジメントのメリット

マイクロマネジメントを行う最大のメリットは、成果物の精度や品質を維持しやすい点です。

細かい監視と指導を通してリーダーが作業に干渉することで、高い基準でのアウトプットが維持されます。一定基準の成果物を継続して提示できるので、上司や顧客など関係者との信頼強化にもつながります。

1.迅速なフィードバックで遅延やミスを防止できる

マイクロマネジメントはリアルタイムでフィードバックしやすいので、遅延やミスを防ぐ迅速な問題解決が見込めます。

細かく進捗や作業内容を確認してフィードバックを提供することで、問題を早期に発見し、迅速に修正できます。これにより、プロジェクト全体の遅延を防ぐことができる場合があります。

2.細かな修正でビジョンを統一した成果物を提供できる

作業内容を確認して修正することで、全体のビジョンや方針に沿った形で作業が進むため、統一されたスタイルを維持しやすい傾向にあります。

チーム全体が同じビジョンや方針に従って作業を進めることで、各メンバーの目標地点や方向性が統一された基準に沿いやすくなり、一定基準を満たすものを作成できます。

たとえば、ブランドガイドラインに従ったデザインプロジェクトでは、ブランドカラーやフォントなどの細かな修正とフィードバックがあることで、ブランドイメージの一貫性を維持した成果物を提供できます。

3.改善点を詳細に伝えることで部下の成長を促進できる

マイクロマネジメントは、一見すると過干渉に思われがちですが、適切な実施により部下の成長を促進することができます。

具体的なフィードバックを頻繁に行うことで、部下は自分の業務のどの部分が評価され、どの部分が改善を必要としているかを理解しやすいでしょう。これにより、スキルや知識の向上が促されるだけでなく、自信を持って業務に取り組むことができるようになります。

4.効率的なリソース配分と管理ができる

各メンバーの作業進捗や負荷状況を把握しやすいので、適切なリソースをタイミングを見て配分しやすくなり、効率的な管理が可能になります。

リソースの最適化は、無駄を省いてプロジェクトのコスト効率を向上させ、メンバーの過労を防いで生産性の高い環境を維持することにもつながります。

たとえば、大規模なイベントの企画運営において、各担当者の進捗状況を細かくチェックして必要に応じて追加のリソースを投入し、イベント当日のトラブルを未然に防いで成功に導くことができます。

マイクロマネジメントのデメリット

マイクロマネジメントは効果的に取り組めば成果物の精度を維持することができる一方で、デメリットを複数抱えています。

本項目では、その影響が顕著なものをまとめてご紹介します。

1.ハラスメントとして捉えられ、自身が悪い評価を受ける

マイクロマネジメントが行き過ぎると、ハラスメント問題として捉えられ、リーダーシップが欠如していると評価されるおそれがあります。

部下が自分の判断で仕事を進められず、ストレスが溜まった結果、生産性の低下や業務への意欲減少が引き起こされることが原因です。

不満を抱えた部下からハラスメントとして訴えられる可能性があることを、念頭に置いておきましょう。

2.部下のモチベーションが下がり生産性が低下する

マイクロマネジメントでは、部下が自分の判断で作業を進めることが難しいため、モチベーションが低下し仕事のパフォーマンスが低下する可能性があります。

「自分の意見や判断が尊重されていない」という感覚が蓄積されることが原因です。

上司が部下の作業に対して逐一指示を出して、ただ指示通りに作業を進めるだけの作業者となった状況では、自分の役割に対する意義や成長感を感じることが難しく、仕事に対するモチベーションが低下します。

3.リーダー自身の負担増加と疲弊によって生産性が下がる

マイクロマネジメントを行うリーダー自身も、大きな負担を抱えることになります。

細部にまで目を光らせることは、時間とエネルギーを大量に消費し、結果的にリーダー自身の業務効率が低下する可能性があります。

リーダーが過度に関与することで、自身の疲労やストレスが増大し、最終的にはバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るリスクが高まります。これにより、リーダーシップの質が低下し、チーム全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

参考:働き方改革によって増えた管理職の負担の軽減方法・取るべき対応方法│LISKUL

4.意見交換やクリエイティビティが制限される

細かい指示のもとで作業を進めると、クリエイティビティや問題解決能力が制限される可能性があります。

マイクロマネジメントがリーダーの意見のみを正しい基準として行われると、部下が自分の意見を言い出しにくくなったり、独自のアイデアや新しいアプローチが生まれにくくなったりすることがあります。

5.優秀な人材が退職する

マイクロマネジメントは、優秀な人材に成長環境をもたらすことができず、退職させてしまう可能性があります。

自分の能力や創造性を発揮できる環境を求める人材は、他のより良い職場環境を求めて転職を考えるようになります。

たとえば、プロジェクトの進行中に上司がすべての決定を下すと、メンバーは自分で調査し、問題解決する経験を積むことができません。これにより、将来的な成長を考えて退職を希望する可能性が高まります。


マイクロマネジメントは、ハラスメントにつながるリスクがある

マイクロマネジメントは、ハラスメントにつながるリスクがあるので「なんとなく」行ってしまっている方は管理体制を見直した方がいいでしょう。

マイクロマネジメントの効果は、管理する人や部下・状況に大きく依存します。場合によっては、従業員のモチベーション低下や効率の低下を引き起こし、結果、自身の評価に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、ハラスメントリスクを減らしたい方は、マイクロマネジメントの活用をおすすめできません。


絶対に避けるべきマイクロマネジメントの行動

本章では、マイクロマネジメントを実施する際に絶対に避けるべき行動について解説します。

多くの人が想像するマイクロマネジメントは下記のような「業務の生産性向上や効率化に影響しない=ただのこだわり」に該当します。

  • 定例ミーティングでの発言内容の事前承認
  • ホチキスの位置や角度に過度に干渉
  • 付箋を付ける位置と枚数を細かく指示
  • 雑談の内容や細かい文言を指示
  • 作業中に出る小さなゴミの捨て方を頻繁に指示
  • 休憩時間の過ごし方を制限
  • 書類の持ち方を細かく指示

例外として、会社や部署の規則などで決められており、遵守する必要があるものは、細かい指摘であっても必要な場合があります。業務に直接関係しないルールがあれば、見直しを測るのもひとつの手かもしれません。

その他には、以下の行動例を避けて実践することで、部下との信頼関係を損なわず、効果的な管理を実現することができます。

1.改善方法を伝えずに注意だけする

注意や指摘を行う際に、改善方法や具体的なアドバイスを一切提供しないのは避けるべきです。

ただ単に問題点を指摘するだけでは、部下がどう改善すればよいのかが分からず、同じ問題が繰り返されることになります。

「この部分が間違っている」とだけ指摘するのではなく、「この部分をこう改善すると良い」と具体的なアドバイスを提供することが重要です。

たとえば、部下が提出した報告書に誤ったデータが含まれていたとき、上司が「このデータは間違っている」とだけ指摘し、具体的な修正方法を伝えないと、部下はどこが間違っているのかがわからずに同じミスを繰り返す可能性が高いので報告書の品質が改善されません。

2.成果を認めず、努力を無視する

成果や努力を認めず、ポジティブなフィードバックを行わないことも避けるべき行動です。

部下の成果を評価し、努力を認めることは、モチベーションの維持や業務の質を向上させるために不可欠です。

たとえば、プロジェクトが成功した場合でも「成果は当然のこと」として評価せず、部下の努力を軽視することは、チームの士気を低下させる原因となります。適切な評価と感謝の気持ちを示すことで、部下はより意欲的に業務に取り組むようになります。

3.期限を設定せずに過干渉する

期限を設定せずに過度に干渉し続けることは、部下にストレスを与える可能性が高いので注意が必要です。

期限を設けずに細かく指示を出し続けると、部下は作業に対する方向性や目標が不明瞭になり、混乱やストレスを引き起こします。

具体的には、進捗状況に関する指示や確認を頻繁に行うだけで、具体的な締切や目標を設定しないことは、部下の効率的な作業を妨げ、結果的にプロジェクト全体の遅延を引き起こす可能性があります。

4.一貫性のない指示を出す

マイクロマネジメントを実施する際には、一貫性のない指示を出すことは絶対に避けるべきです。

指示や要求がその時々で変わると、メンバーは何が求められているのかを理解しづらくなり、混乱や不安を招く原因となります。

たとえば、作成を依頼した文書に関して「このフォーマットで作成してください」と指示した後、数日後に「この書き方は詰めが甘い。別のフォーマットで作成してください」と変更されると、部下はどうやって進めるのが正しいか混乱します。方向性が頻繁に変わると、作業のやり直しが発生し、時間やリソースの無駄が生じて最終的には納期に間に合わなくなる可能性が高まります。


マイクロマネジメントを行う場合は、使い分けが必要

マイクロマネジメントを行うときには、「部下の特徴やシーン・状況による使い分け」が必須です。

ここまで、マイクロマネジメントがハラスメントにあたるリスクをご紹介してきましたが、適切に活用すれば、マイクロマネジメントの効果が十分に発揮されるケースもあります。

たとえば、指示とサポートを必要とするメンバーがいて、迅速な問題解決や成果物の精度が要求される状況では、マイクロマネジメントが向いている場合があります。


マイクロマネジメントを実践するときのポイント7選

部下の特徴やシーン・状況からマイクロマネジメントが適していると判断したときは、チームの生産性や満足度を高められるように、7つの重要なポイントを押さえて実践することが重要です。

実際に業務へ取り入れる方法を含めてご紹介します。

1.部下個人の性格を考慮して使い分ける

マイクロマネジメントを効果的に活用するためには、部下の性格や能力に応じて使い分けることが必要です。

自分でタスクを計画し実行する能力が高い部下にはマイクロマネジメントを行わないようにしましょう。具体的には、下記のような部下が該当します。

  • 進捗報告を徹底しており、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)ができる部下
  • 過去に自主的に問題解決を行い、高い成果を上げた部下
  • 独立して仕事を進めるのが得意な部下

こうした特徴があるかを見抜く方法は下記が挙げられます。

  • 部下が自らの判断でタスクを進め、良好な成果を上げているかを観察する
  • 過去のプロジェクトで自発的に問題を解決した経験があるかどうかを確認する
  • 部下が独立してタスクを管理し、進捗を自己管理している様子をチェックする

計画や実行の能力が高い部下には、マイクロマネジメント以外の管理手法を用いるようにしましょう。

2.フィードバックの頻度と方法を工夫する

フィードバックの頻度がこまめになりすぎないように、実施方法を工夫しましょう。

朝会夕会での1on1や週次のミーティングで進捗確認を行うといった、定期的なコミュニケーションでのみフィードバックを出すことも、効果的なマイクロマネジメントの手法です。

数時間単位での細かい指示は避け、決まった時間で進捗や問題点を確認し、サポートが必要な場合に具体的なアドバイスを提供するようにしましょう。

参考:部下を前向きにするフィードバックの正しいやり方・7つのポイント│LISKUL

3.目標と期待を明確にして共有する

SMARTゴールを設定することはマイクロマネジメントにおいて部下との認識の差を生じさせないために有効です。

具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性がある(Relevant)、時間制限(Time-bound)のあるゴールを設定し、期待を明確に伝えます。

こうすることで、詳細にタスクを管理する意味や自分が携わるタスクの重要度などがズレなく伝わるようになります。

4.部下の良いところを積極的に褒める

成功事例を職場で共有し、部下を積極的に褒めることで信頼関係を築くことはマイクロマネジメントにおいて重要です。

過度な管理のもとで作業すると、どうしても上司から部下への一方的な指示出しやフィードバックが多くなります。

部下がストレスを感じないためにも、良いところを取り上げて褒め、自分が行っている仕事への意欲や意義を見出しやすい雰囲気づくりは欠かせません。

このとき、ただ甘やかすわけではなく、成果物に対して正当に評価することを意識しましょう。

5.オープンなコミュニケーションを促進する

オープンなコミュニケーションを促進することは、部下が自由に相談できる環境を作るために重要です。

上司がいつでも相談に応じる姿勢を見せることで、部下は気軽に意見やフィードバックを伝えやすくなります。

このアプローチにより、部下が抱える問題や提案が早期に把握され、迅速に対応することが可能になります。

オープンなコミュニケーションは、信頼関係の構築にも寄与し、部下が自分の考えや感情を表現しやすくすることで、職場の雰囲気を良好に保つ手助けとなります。

6.定期的にアンケートを実施する

部下の満足度や不満点を把握するためには、定期的な匿名アンケートの実施が有効です。

匿名のアンケートを通じて、部下は自分の意見や感じている問題について率直に表現しやすくなります。この方法により、上司は部下の本音を知り、どの部分に改善が必要かを把握することができます。

定期的にフィードバックを収集することで、職場環境の改善点や部下が直面している課題を明確にし、それに応じた対策を講じやすくなります。

参考:従業員アンケートとは?基礎・作り方と本音を引き出す設計のコツ│LISKUL

7.小さなタスクから権限を委譲する

小さなタスクから徐々に権限を委譲し、自主的に業務を進められる環境を整えましょう。

最初は小規模なタスクから始め、徐々に責任の範囲を広げていくことで、部下は自信を持ち、より大きなタスクにも挑戦しやすくなります。

部下がタスク管理をスムーズに行えるようになった場合には、マイクロマネジメントから別のマネジメント手法に切り替えることも検討する必要があります。

柔軟に管理体制を変更し、部下の成長に応じて適切な支援を行うことで、より効果的なマネジメントが実現できます。


過度なマイクロマネジメントに陥りやすい人の特徴

マイクロマネジメントは上手くハラスメントを避けるためにも、過度なマイクロマネジメントに陥りやすい人の特徴を通して自分の管理体制を客観視することは重要です。。

意図しない過度なマイクロマネジメントは、管理者側が、部下や部下の行うタスクを信用しきれない状況で発生する傾向にあります。

  • 自分の指示が実行されないと焦燥感を感じる
  • 仕事を抱え込む傾向がある
  • 他者への寛容さが低い
  • 全ての作業を自分で確認したがる
  • 部下の判断や能力を信頼できない
  • 常に細かく指示や介入を行う
  • 自分の基準に合わせようとする
  • 部下に対する過剰な期待や要求がある

仕事に対して誠実に取り組もうとする性格や、部下に任せられないと感じる責任感はビジネスマンとして大切な要素ですが、過剰な行動につながるとハラスメントと捉えられかねません。


過度なマイクロマネジメントを避けるためのコツ

本章では、意図していないにも拘らず過干渉になってしまったり、細かいところが気になって修正指示を出してしまう人に向けて、シーンごとに対処するコツをご紹介します。

シーンごとに自分の行動を見直し、徐々にマイクロマネジメントから別の手法を試していくためにも、過干渉や感情的な対応を防いで部下にストレスを与えないコミュニケーションをはかる対処法をご紹介します。

連絡を頻繁にとってしまうとき

  • 1日の終わりに短時間のミーティングを設けて、日常的な連絡を減らす
  • タスクや目標の進捗を共有するためのレポートやダッシュボードを活用する
  • 連絡の目的や内容を明確にし、情報共有の範囲を定める

細かく指摘してしまうとき

  • 指摘の前に部下の努力や成果を認め、その後に改善点を説明する
  • 改善点を具体的に示し、どのように改善するかの例を提供する
  • フィードバックを与える際に、対話形式で意見を聞き、部下の考えも尊重する
  • 一度にフィードバックを提供するのではなく、数回に分けて伝える
  • 感情的にならないように8秒待ってから要点を冷静に伝える

メンバーの自立を妨げてしまうとき

  • メンバーに目標設定を任せ、成果を達成するための自由な方法を提供する
  • 自己管理能力を高めるためのトレーニングやサポートを提供する
  • メンバーの提案やアプローチを尊重し、適切なフィードバックを与える

部下とのコミュニケーションに不満があるとき

  • 部下の能力や判断力を信頼し、任せることで信頼関係を深める
  • オープンなコミュニケーションを促進し、信頼を築くための環境を整える
  • 部下の成功や努力を認め、モチベーションを高める

よくある質問

Q.部下がマイクロマネジメントに対して不満を持っていると感じた場合、どう対処すれば良いですか?
A.部下の不満を感じた場合、まずはオープンなコミュニケーションを心がけ、部下の意見やフィードバックを積極的に受け入れる姿勢を持ちましょう。また、部下との面談を行い、具体的な問題点を把握し、それに基づいた改善策を検討します。

Q.部下に対するフィードバックをどのように行えば効果的ですか?
A.効果的なフィードバックを行うためには、具体的かつ建設的なコメントを心がけ、部下が自分の業務を改善できるようにサポートします。また、フィードバックは定期的に行い、ポジティブな面と改善点の両方をバランスよく伝えることが大切です。

Q.悪いマイクロマネジメントを減らすためのトレーニングや研修にはどのようなものがありますか?
A.マイクロマネジメントを減らすためのトレーニングには、リーダーシップやコーチングのスキルを向上させる研修が有効です。これにより、部下の自主性を尊重しつつ、効果的な進捗管理ができるようになります。


まとめ

本記事ではマイクロマネジメントが問題視される背景やメリット・デメリット、実践する際のポイント、注意点をご紹介しました。

マイクロマネジメントを行うときは「部下の特徴やシーン・状況による使い分け」が必須です。

迅速な問題解決や高い精度が求められる状況や、不慣れな仕事を担当する部下に対しては、マイクロマネジメントが効果的です。しかし、過度に行うと部下の自主性を奪い、ストレスやハラスメントの原因となる可能性があります。

この使い分けに不安がある方は、マイクロマネジメントの活用をおすすめできません。

マイクロマネジメントのメリットとデメリットを踏まえて、マイクロマネジメントが最適ではない状況の場合は別のマネジメント手法を取りましょう。

部下やチームの生産性を上げるために効果的なマネジメントを検討する際に、本記事が一助となれば幸いです。

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