インハウスと代理店、Webマーケティングを成功させるための3つの選択基準

Webマーケティングを実行していく体制を整える場合、インハウス(内製)と代理店委託(外注)の大きく二つの方法があります。

※広告会社向け:テレビCMの提案方法

自社はどちらを選ぶべきなのか、知識がなくて判断がつかないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、2つの違いを説明し、詳細をメリット・デメリットの観点から比較します。どちらを選ぶべきか、判断する参考になれば幸いです。

※本記事は、研修用動画を書き起こした記事となります。動画中の画面キャプチャが使われています。


インハウスと代理店委託の違い

インハウスとは、媒体と直接契約をして広告の仕入れを行い、かつ広告運用部隊を自ら抱えて、戦略立案から実行までを自社で行う体制のことをいいます。

一方で、代理店への外注は、代理店を通して媒体から広告の仕入れを行い、広告運用に関わる業務を代理店に委託する体制を指します。


アメリカでは58%の企業がインハウス運用

Webマーケティング実行体制01|LISKUL

マーケティング先進国のアメリカにおいては、58%の企業がリスティング広告をインハウスで運用している、という調査データがあります。

細かく分けると、インハウスと代理店委託をミックスでやっているケースがそのうちの24%を占めています。

インハウスと代理店運用の使い分けについては、以下の記事をご覧ください。

参考:Web広告運用をインハウス化するメリット・最適な体制の選び方


インハウスと代理店委託のメリット・デメリット

体制を構築するに当たってどのように判断をするべきか、メリットデメリットを比較していきます。

Webマーケティング実行体制02|LISKUL

メリット・デメリットを判断する際に、情報・効果・コスト、この三つを基軸にしてご説明します。

なお、インハウスでのメリットは代理店でのデメリットに置き換えることができます。

以下の記事では、インハウスと外注の使い分け方について書かれています。本記事と合わせてご覧ください。

参考:Web広告運用をインハウス化するメリット・最適な体制の選び方

インハウスの情報面でのメリット・デメリット

メリット

  • 社内にノウハウを蓄積できる
  • 自社サービスを含む業界知識を運用に反映させやすい

デメリット

  • 最新情報や運用ノウハウを自分でキャッチしていく必要性がある
  • 同業種、異業種の知見を提供してもらえなくなる

インハウスのコスト面でのメリット・デメリット

メリット

  • 代理店手数料がかからない
  • コミュニケーションコストが削減できる

最大のメリットは、代理店手数料がかからない点です。

コミュニケーションコストの削減についてもう少し詳しくお話をすると、外注する場合は当然、関与者が増えますが、インハウスということであれば社内だけのメンバーで話を進めることができるため、当然コミュニケーションコストに差が出ます。

デメリット

  • 初期設定や運用にかかる時間や手間(≒人件費)を負担する必要がある
  • 前金制になるのでキャッシュフローに悪影響

代理店を通すケースは基本的には後払いが多いです。月末で締めた広告費を、30~60日後に支払う形になります。一報、広告をインハウスで運用する際に、直接契約をするとクレジットカードで入金をしたり、前入金という形をとるので、比較するとキャッシュフローに悪影響が出てきます。

インハウスの効果面でのメリット・デメリット

メリット

  • 広告全体の最適化がしやすくなる
  • 社内のことをわかっているので、スピード感のある運用がしやすい

デメリット

  • 設定におけるミスのリスクがある
  • 代理店経由でしか実施できないメニューやシステムを活用できなくなる

代理店で熟練度が高い運用者に比べると、自社でまだまだ経験が浅い方の方がミスのリスクはあります。

また、代理店が独自に媒体社と取り組みを行っているようなメニューやシステムがあるケースがあります。

そういったものを自社だけだと活用できなくなるのもデメリットのひとつです。


インハウスと代理店委託の選択基準

これまでのメリット・デメリットを踏まえつつ、実際にインハウス化を検討していく際の三つの基準を解説していきます。

  • 広告予算
  • 運用成果
  • 運用負荷

インハウス化には大きく分けて3つの方法があります。以下の記事も合わせてご覧ください。

参考:Web広告運用をインハウス化するメリット・最適な体制の選び方

広告予算

通常インハウスという体制をとる際に、実際に運用担当者を抱える必要があります。多くの場合だいたい2人程度は必要です。

Webマーケティング実行体制03|LISKUL

販管費と記載していますが、単純に2人分の人件費として120万円かかります。

対して広告を運用する場合、広告費が仮に600万円だった場合、600万円に対して広告代理店への手数料というものが発生します。手数料は一般的には20%と言われています。この場合自社で120万円掛けるケースと、600万円の広告を代理店にお任せして、その際に支払う代理店手数料というものが同額になります。

つまり、広告費用が600万円を超えたときが一つの基準になるという点です。600万円未満であれば、代理店に支払う手数料というものは、先ほど申し上げた120万より下になりますよという点、当然これを超えた場合は代理店に支払う手数料が大きくなるので、そこが一つの考え方の分岐点になります。

運用成果

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昨今、ネット専業系の代理店企業が非常に多く存在しています。

代理店間で競争が起きていることによって、値引きが盛んに発生しています。値引き合戦が行われることによって、サービスの低下も発生します。

一方でいろいろな広告運用を行うことによってそのノウハウが一般化されていて、運用レベルが均質化されている点はメリットです。

つまり、代理店よっていろいろな運用の仕方がありますが、どの代理店に任せても大きく改善しないなと感じた場合、これがインハウス化を検討する一つ基準になります。

運用負荷

広告を運用する際に、様々な運用の業務が発生しますが、負荷が軽い場合と重い場合それぞれあります。負荷が軽い場合はインハウスを検討するべきと考えています。

例えば「BIGワード」や「指名キーワード」といったあまり複雑かつ数が多いものではないキーワードからの獲得が90%以上を占めている場合は、運用の負荷が軽いと言われています。

逆に、キーワード数をものすごくたくさん運用していたり、それらをこまめに調整する必要があったりする場合、例えば総合通販などでは、当然、運用負荷が重くなります。

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インハウス化を検討する場合には、自社の場合がどうなのか、このような3つの点を考えて比較をしていくことが重要です。ぜひご参考にしてください。


どのような体制のパターンがあるの?

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Webマーケティングを実行するために必要な機能として、大まかに「戦略立案」、それから「作戦」を立てる、それを「戦術」に落とし、「オペレーション」に落としていく、こういった機能が必要になっています。

上流工程ほど、経営層が主体性を持って関与判断することが必要です。

これらの業務をどこまで自社で対応するのか、どこまで外注にまかせるのか、大きく三つのタイプに分類することができます。
A:ヘビーインハウス(自社完結型)
B:ライトインハウス(代理店協働型)
C:ミドルインハウス(代理店併用型)

それぞれのタイプについて詳しく説明していきます。

参考:マーケティングのインハウス化を実現する方法・人材の採用・育成方法

ヘビーインハウス型(自社完結型)とは

ヘビーインハウスとは、広告主がリスティング広告に関わる全ての業務を自社内のリソースで賄う形態を指しています。当然その結果に対する責任は全て自社で負うことになります。

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先ほどの機能の部分を図解すると、このように全ての機能を自社で持つ、こういう形をヘビーインハウスと言っています。

ヘビーインハウス型のメリット・デメリット

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メリット

メリット一つ目としては、スピードアップです。自社で全て完結するので、作業をスピーディーに行うことができます。

コストの部分では外部委託費用の削減ができます。関係部署との連携強化というところで、もちろんその手間になる分、制作の部門や営業の部門との連携が強化されているという点があります。

デメリット

一方、デメリットの部分ですが、戦略戦術のプランニングも全て内製化する必要があります。当然自社にそういったノウハウがない場合に関しては、難しい場合もあります。

二つ目が、運用能力の高い人材育成、採用です。リスティング広告をはじめとした運用型広告は非常に管理画面等を触りながら、それなりの専門知識を持った上で、一定のマーケティング知識を持った人材が運用を行っていく必要があります。そういった人材を自社に置いておくという点が、なかなかハードル高いのです。

三つ目が、情報経路の確保です。自社だけでは、非常に情報のアップデートが早いこの業界で、効率よく情報を得るためのルートを確保する必要が出てきます。

ライトインハウス型(代理店協働型)とは

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戦略などの上流部分は広告主、一方、戦術であったり日々の運用作業は外部に委託するというミックス型の方法です。

この場合、代理店はあくまで作業者にあたるので、結果に関しては広告主の責任になる点が一つ特徴です。

役割を図解しますと、このように自社で戦略を立て、具体的な作戦については、自社と代理店で共同で作っていきます。作戦に基づいて具体的な戦術や運用方法に関しては外部に委託をする形式です。

ライトインハウス型のメリット・デメリット

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メリット

運用人材のコストがかからないことが、大きなメリットのひとつです。ヘビーインハウスの場合、インハウスで専門的な人材を採用したり育てる必要がありますが、ライトインハウスではこの部分のコストがかかりません。

二つ目が、売掛取引が可能な点です。前提として広告の仕入れ業務を代理店にお願いするケースを指しています。

三つ目が、最初の設計から代理店に相談が可能という点です。完全にそのノウハウの部分を自社だけで賄うのではなくて、こういう形がしたいので相談に乗ってもらえませんかというような、持ち掛けができるので、うまく代理店のノウハウも自社に取り入れることができるという点がメリットです。

デメリット

一方第一のデメリットは、ディレクション能力のある担当者が必要となる点です。これは外部のパートナーと一緒に仕事をする際に、当然自社の考えている意向をもとに、外部の方に対して、的確なディレクションする必要が出てくるためです。

二つ目が、外注先とのコミュニケーションコストが増加です。関与者が増える分、当然コミュニケーションコストもかかります。

三つ目が、外注部分のコントロールが難しい点です。具体的には割と細かい指示までしていきたい意向がある場合に、外注パートナーの代理店に、そういった細かい指示をしすぎると実は結構嫌がられる傾向があります。

その会社ごとに得意のやり方がありますのでそれを崩されると、イレギュラーになってしまいます。そのような一般化したやり方に対して個別のやり方を進めたい場合、コンフリクトが起きてしまうことが多いので、どうしても自社で細かいことをやりたい場合には、外注は向かない可能性があります。

ミドルインハウス(代理店併用型)とは

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ヘビーとライトの中間で、上流から代理店やコンサルと一緒に考えることができます。

手を動かす作業は基本代理店に依頼するなど、状況に応じた柔軟性のある体制を指しています。役割分担を、このように全てを共通で考えていきましょうねというような体制で、各パートに関してどこまで外部に委託をするのかによって柔軟に設計していくというような形です。

ミドルインハウス型のメリット・デメリット

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メリット

この体制のメリットは、一つ目がセカンドオピニオンを聞くことができる点です。

パートナーとして、代理店だけでなくコンサルといったような方々を想定してますが、自社だけではわからないようないろいろな意見を聞くことができます。

二つ目が課題、問題点の把握が容易な点です。第三者視点で客観的なところからいろいろなアドバイスをもらえるので把握がしやすくなります。

また、専業代理店の知識経験を活用でき、代理店を使う際のメリット、これを十分に取り入れることができる点です。

デメリット

コンサルフィー、運用フィーなどでコストが大きくなる可能性があります。代理店も使いつつ自社の人間を動かしていくため、自社の担当者の人件費、外部に頼む外注費、ダブルのコストにかかるという点が、デメリットになる可能性があります。

また、プラン実行リソースと運用レベルの保持が必要となります。プランを実行する際に、そのリソースを運用レベルに対してうまく合わせていくことが必要になってきます。


インハウスと代理店委託の選び方

これまでの章で大枠、代理店運用それからインハウスの運用、どちらが良いのか、どういうケースがあるのかみてきました。

では具体的に、自社のアカウントを運用していく体制を作る際に、どういう考え方にそって、どのタイプを選べばいいのか、具体的な例に沿って説明していきます。

どのインハウス運用のタイプであっても、インハウス化を自社だけで完結させようとするとタスクが急増して失敗に終わるケースが多いです。インハウス化は、外部からの支援を受けながら少しずつ進めることで失敗を防止できます。

以下の記事では、インハウス化支援とは何か、インハウス化支援サービスで受けられる内容について書かれています。本記事と合わせてご覧ください。

参考:インハウス支援サービスの内容・支援会社の選び方・成功のポイント

選び方の基準例:「広告予算額×運用負荷」

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一つ大きな点として、選び方の基準例として、広告予算額と、運用の負荷という点を鑑みたときのパターンの決め方についてご説明します。まず、予算額が大きいか小さいか。それに対して運用負荷が大きい・小さいによって4パターンに分類ができます。

予算額 大 × 運用負荷 大 の場合
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予算額が大きくて運用負荷が大きいようなもの、これに関してはライトインハウスを推奨しております。

理由は以下の点です。

  • 高負荷なので運用者に対して量と質が求められる
  • 代理店から移行期間を長めに取る必要がある
  • ライトインハウスを経てから方向性を決めることを推奨

前提としてすでにこちらがライトインハウスの形でやってる場合は問題ないと思いますが、実は代理店に今委託をしているんだ、それを自社のインハウス化に持っていきたいんだ、こういうことを考えなっている場合は、この運用負荷が多い点について、十分に考慮していただく必要がございます。

インハウス化支援サービスを受けることで、少しずつインハウスでの運用体制を整えていくことができます。以下の記事も合わせてご覧ください。

参考:ブランディングテクノロジーのWebマーケティングインハウス支援サービスとは?

予算額 大 × 運用負荷 小 の場合
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最もインハウス化が推進しやすい、向いているアカウントです。ヘビーorミドルインハウスを推奨しています。

こういったアカウントを代理店にお任せしている場合、代理店としては、あまり作業量やコストをかけずに、大きい代理店マージンをもらうことができるので、おいしい案件になります。

一方で、その逆の考え方と見ると、自社でやってもそんなにコストをかけずに運用ができて、かつ多額の代理店費を払わなくていいため、大きなメリットがあります。

ただ、このようなアカウントはそれほど存在しないというのが、いろんな代理店などのお話を聞いてもあるポイントです。もしこのようなアカウントであれば、ぜひインハウスをがっちりやっていくことを推奨したいと思っています。

本格的にインハウス化を推進していくのであれば、インハウス化支援サービスを活用することで失敗なくスムーズに移行できます。以下の記事も合わせてご覧ください。

参考:ブランディングテクノロジーのWebマーケティングインハウス支援サービスとは?

予算額 小× 運用負荷 大 の場合

Webマーケティング実行体制16|LISKUL

予算額が小さい運用負荷大、このようなパターンのアカウントです。

実はやっぱりこういうアカウントが非常に多いと思っています。こういったケースに関しては、ライトインハウスを推奨しています。

代理店の運用ノウハウを活用して、運用負荷を軽減するんだという考え方だからです。つまり、運用負荷の多い部分に対応するために様々なその代理店が持っている効率的な入稿入札方法だったり、レポーティングの方法、それを使うためのツール、が準備されています。

これらを活用する意味でもライトインハウスを推奨していますが、そもそも運用負荷が大きいのはなぜなのか、原因をしっかり追求する必要があります。

場合によっては運用負荷を削減していかないと、代理店からも割に合わないという理由でお断りされてしまうこともあります。パートナーの作業負荷軽減という点も鑑みながら、ツールの活用であったりタスクの見直し、など作業コストの削減をしていくことが推奨される方法です。

インハウス化支援サービスを受けることで、少しずつインハウスでの運用体制を整えていくことができます。以下の記事も合わせてご覧ください。

参考:ブランディングテクノロジーのWebマーケティングインハウス支援サービスとは?

予算額 小 × 運用負荷 小 の場合

Webマーケティング実行体制17|LISKUL

こちらもパターンBと同じで、ヘビーインハウス化しやすいタイプでございます。というのは運用負荷がやはり小さいというところ、つまり社内での体制面もしっかりとコストをかけすぎなくて良いという点があるからです。

一方で代理店に任せるの難しい点は、代理店に支払う金額が少額予算の場合小さくなってしまうため、代理店から受けるサービスレベルが低くなってしまう可能性があります。そういった点から、自社でしっかりと回していくことがおすすめです。

本格的にインハウス化を推進していくのであれば、インハウス化支援サービスを活用することで失敗なくスムーズに移行できます。以下の記事も合わせてご覧ください。

参考:ブランディングテクノロジーのWebマーケティングインハウス支援サービスとは?


まとめ

本記事では、次の4つのポイントをご説明しました。

  • インハウスと代理店委託の違いとメリデメの理解
  • 体制を構築する際に考えるべき視点と基準
  • 体制のパターン
  • ケースに合わせてどのパターンを取るべきか

メリット・デメリットを考慮した上で、Webマーケティングを成功させていくために、インハウスもしくは代理店委託を適切に選択肢、よりよい体制作りを考える際のご参考になれば幸いです。