「海外ではABテストが盛ん」という言葉を耳にし、その内容が気にはなるものの、実際にそのノウハウや事例を外国語で仕入れるのは一手間だと、先送りにしてしまう人も多いのではないでしょうか。(かくいう私も「先送り」の日本代表です。)
そんな皆様の一手間を解消すべく、海外のABテストの事例とその要点を日本語でまとめてみました。
普段から気になっている海外の事例を、どうぞサクッと日本語で仕入れちゃってください。
目次
- グローバルナビゲーションの削除とフォームの変形でCVR336%
- ◆フォームを垂直に配置してCVR52%向上
- コピーに1単語加えただけで、売上が89.97%向上
- バナー広告の目的を明確にしてCVRが21.3%向上
- 説明動画を追加してCVRが64%向上
- 季節に合わせた訴求で、ソーシャルへのトラフィックが2倍以上に
- 笑顔の人の画像でCVRが102.5%向上
- 「デモを見る」というCTAよりも「商品動画を見る」というCTAのCVRが48%高い
- 「Twitter」というテキストリンクを「here」というテキストリンクにすることで、クリック数が75.2%向上
- バナーから人物画像を除いたら登録数が65%向上
- フォームを画面右側に配置することでCVが24.6%向上
- 確認画面を改善してCVR37%向上
- 価格をわかりやすく記載してCVR100%向上
- タイトルと画像上に割引を強調してCVRが148%向上
- 商品をグリッド配置からリスト配置にして売上が16.1%向上
- 紹介されたメディアやサービスを利用している企業のロゴを配置しCVR18%向上
- まとめ
※本記事は2014年5月19日に公開された記事をLISKUL編集部にて再編集したものです。
グローバルナビゲーションの削除とフォームの変形でCVR336%
http://unbounce.com/a-b-testing/how-a-single-a-b-test-increased-conversions/
・オリジナルページの特徴は、上部に分厚いグローバルナビが配置されていることと、右カラムに縦長くフォームが配置されていることです。ナビや見出しにより画面が圧迫されているため、ファーストビューでフォームが目立っておらず、フォーム全体のボリュームもスクロールしなければわかりません。
・対してB案は、分厚いナビや見出しを削除しフォームが高い位置に収まっている事が特徴です。これによりスクロールせずにフォームの全体像が見えるため、フォームがしっかりと視認され、全体のボリューム感も一見して把握できます。
学び1:フォームをページ内に配置する際には、しっかりとファーストビューに収めるとCVRが向上する可能性がある。
◆フォームを垂直に配置してCVR52%向上
http://www.carmelon-digital.com/articles/ab-test-case-study-arenaturist/
・メインビジュアルの下に水平に配置したフォームと、画面の上にかぶせるように垂直に配置したフォームでABテストを行ったところ、垂直に配置したフォームのCVRは水平に配置したフォームよりも52%高かったという事例
・前述の事例と同様、フォームを配置するのであれば、高い位置に配置する方がCVRが高まる傾向にあるようです。
学び2:フォームを画像下部に水平に配置するよりも、画像にかぶせるように配置することでCVRが向上する可能性がある。
フォーム改善に課題を感じている方はこちらの記事も参考になるでしょう。
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コピーに1単語加えただけで、売上が89.97%向上
http://visualwebsiteoptimizer.com/split-testing-blog/headline-ab-test-increased-sales/
・サプリメントを売っているページなのですが、そのキャッチコピーに「サプリメント」と加えただけで、売上が89.97%も向上したという事例です。
・キャッチコピーはページを開いた時に一番最初に目に入る、CVR直結の重要要素です。そのキャッチコピーに商品がなんであるのか(この場合でいう「サプリメント」)という情報を加える事で、より「このページが、何のページなのか」が明確になります。
学び3:キャッチコピーに一般的な商品名を加えて、ページ内容を明確にするとCVRが向上する可能性がある。
バナー広告の目的を明確にしてCVRが21.3%向上
http://blog.optimizely.com/2014/02/03/case-study-sony-ab-tests-banner-ads/
・こちらもサプリメントの例と同様に、「あなただけのVAIOノートを作ろう」という具体的に「何のキャンペーンなのか」が説明されている広告が一番結果を残しました。
・「パーソナライズしよう」という訴求のオリジナルバナーに比べてクリック率が6%向上、カートへの遷移率が21.3%も向上したという事例です。
そもそもコピー作成の基礎を知らない、押させるべき鉄板ポイントがわからないという方はこちらの記事をお読みください。
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学び4:バナー広告でも、「何のキャンペーン(広告)なのか」を明確にすることで、CTRやCVRが向上する可能性がある。
説明動画を追加してCVRが64%向上
http://www.quicksprout.com/2013/01/14/11-obvious-ab-tests-you-should-try/
・ユーザは商品やサービスの情報を知りたがっているが、必ずしもテキストを読みたがっているわけではなく、時には動画などで短い説明を聞きたがっていると分析されています。
学び5:テキストで端的に説明することが難しいならば、短い動画を追加することでCVRが向上する可能性がある。
動画を活用したサイト改善にチャレンジしてみたい方はこちらの記事が参考になります。動画を用いたWebサイトは年々増えており、5Gの到来にともなって情報感度の高い人たちでは盛り上がりを見せています。この機会に検討してみましょう。
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季節に合わせた訴求で、ソーシャルへのトラフィックが2倍以上に
http://www.friendbuy.com/blog/a-simple-ab-test-to-optimize-social-sharing-and-referral-performance/
・ホリデイシーズンのみ「デラックスビューティーギフト」という訴求を「パーフェクトホリデイギフト」という訴求に変更したところ、ソーシャルへのトラフィックが2倍以上になったという事例です。
学び6:サンキューページの訴求も季節などの外部要因に合わせて変更することでCVRが向上する可能性がある。
笑顔の人の画像でCVRが102.5%向上
http://blog.crazyegg.com/2013/12/06/conversion-rate-optimization-case-studies/
・笑顔の人の画像を加える事で、ユーザを暖かく迎え入れるというコンセプトで作られています。
・実際に笑顔の人の画像を大々的に使用したところ、CVRが102.5%も向上したという事例です。。
学び7:文言や要素の配置を修正する事は重要だが、時には流動的なユーザの環境や感情に目を向けることでCVRが向上する可能性がある。
「デモを見る」というCTAよりも「商品動画を見る」というCTAのCVRが48%高い
http://whichtestwon.com/archives/24510
・「デモを見る」というCTAよりも「商品動画を見る」というCTAのほうが大幅にCTRが高かった。
・それは「デモ」という抽象的な表現が、ユーザのビデオに対する期待と実際の内容の間にギャップを作ってしまったためにCVRが低かったと考察されています。
学び8:「デモ」という曖昧な表現がユーザの期待を生むので、「○○の動画を見る」などと具体的に記載することでCVRが向上する可能性がある。
「Twitter」というテキストリンクを「here」というテキストリンクにすることで、クリック数が75.2%向上
・「Follow me on twitter here」という文言の「twitter」部分をテキストリンクにするよりも、「here」の部分をテキストリンクにすることでクリック率が75.2%向上したという事例です。
・このサイトに考察は記載されていませんが、「here」のほうが「クリックをするためのテキスト」という印象が強いので、「twitter」をリンクにするよりも、ユーザに求めているアクションが明確であったと考えられます。
学び9:安易に飛び先のページ名をリンクにするよりも、○○(サイト名など)は「こちら」という部分をリンクにすることでクリック率が向上する可能性がある。
バナーから人物画像を除いたら登録数が65%向上
http://www.mrgreen.am/affiliate-marketing/58-split-testing-case-studies/
・ウェブセミナーの登録へのバナー広告で人物画像(顔)が露出しているバナーと、画像なしのバナーでABテストを行ったところ、画像なしのバナーの登録数が65%向上したという事例です。
・一般的に人の顔が見えている方がCVRが向上すると言われていますが、必ずしもその限りではないようだと考察されています。
学び10:必ずしも人の顔を記載することでCVRが向上するわけではないので、有り無しバージョンをABテストすることでCVRが向上する可能性がある。
フォームを画面右側に配置することでCVが24.6%向上
http://www.mrgreen.am/affiliate-marketing/58-split-testing-case-studies/
・フォームを左右に配置した際のCVの違いを計測したところ、フォームを右側に配置した時の方が24.6%高かったという事例です。
・多くのサイトでフォームが右側に配置されていることで、ユーザはフォームが右側にあるものと考えているために、この差が生まれると考察されています。
学び11:フォームは、多くのサイトで利用されているレイアウトに習い、メジャーなポジションに配置することでCVRが向上する可能性がある。
確認画面を改善してCVR37%向上
http://www.conversionworks.co.uk/_documents/morph-increase_sales.pdf
・商品購入完了に一番近いユーザが遷移してくる、ECサイトの「購入確認画面」を改善してCVRが向上した事例です。
・それぞれの価格と合計金額を一見して把握できる作りにすることで、CVRが37%向上しました。
学び12:トップページやフォームだけでなく、「確認画面」に小さな改善を加えることで、CVRに大きな改善を見込める。
価格をわかりやすく記載してCVR100%向上
http://www.webanalisten.nl/lessen-uit-ab-testen-4-marketing-case-studies
・画面中央に価格を強調することで、CVRが100%向上した事例です。
・サービスの価格を記載しないとユーザが疑問を抱いてしまうので、しっかりと記載する必要があります。
学び13:サービスの価格をしっかりと表示することでCVRが向上する可能性がある。
タイトルと画像上に割引を強調してCVRが148%向上
http://www.abtestingexperts.com/ab-testing-case-study-the-corkscrew-wine-merchants
・タイトルの頭と商品画像の上に「15%オフ」という割引を記載することで、CVRが148%向上したという事例です。
・ユーザは商品購入の際に「いくら分得をした」という事を計算したくないので、その情報をしっかりと記載してあげることで購入率が向上します。
学び13:割引を行っている際には、いくら分得なのかを明確にし、ユーザに計算させないことでCVRが向上する可能性がある。
商品をグリッド配置からリスト配置にして売上が16.1%向上
・ECサイトの商品一覧で一覧性の高い横並びで配置するよりも、縦並びで配置した際の売上のほうが16.1%高かったという事例です。
・リスト配置(縦並び)のほうがカテゴリごとの価格帯を比較しやすいということと、縦並びにした際に出来た余白(右カラム)に人気商品を配置できたことでCVRが向上したと考察されています。
学び14:商品を縦並びにして右カラムに人気商品を記載する等、商品一覧のレイアウトを工夫することでCVRが改善する可能性がある。
紹介されたメディアやサービスを利用している企業のロゴを配置しCVR18%向上
http://conversioninsights.net/a-b-testing-x-plane/
・サービスが紹介されているメディアのロゴや、サービスを利用している企業のロゴをページに記載する事により、CVRが18%向上したという事例です。
学び15:サービスを紹介しているメディアのロゴや、サービスを利用している企業のロゴを記載することでCVRが向上する可能性がある。
まとめ
今回は、CVR向上につながる海外のABテストの成果改善事例を紹介を簡単にご紹介させていただきました。
海外の改善事例は、私も普段から気にはなっていたのですが、想像していたよりも王道的というか「ありきたり」な改善事例が多いように思えます。
しかし「ありきたり」というからには、それだけ「効果改善が期待できる施策」であるということでもあると思いますので、まだ実践していない施策があるようでしたら、ぜひとも本記事を参考に実践していただければと思います。
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