山田孝之、柴咲コウ、元SMAPも…| 芸能人とネット活用の相性が良い3つの要因

芸能人のネット活用が広がっている昨今、その動向に注目している人も多いのではないでしょうか?

最近は山田孝之さんがトランスコスモス社とECプラットフォームを立ち上げたり、柴咲コウさんが事務所のファンクラブ事業を引き継いで会社を設立したり、元SMAPのメンバーがSNSを開始したりしています。芸能人のネットビジネスが盛んになっているのは、彼らがネット活用をするとうまくいきやすい要因があるためです。

この記事では最近実際にネット活用で成功している芸能人の事例を公式で発表されている情報に基づいてご紹介し、芸能人のネット活用が効果的である要因について分析しています。

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【事例①】様々な人とコラボして「俳優」の幅にとらわれず活動する山田孝之さん

山田孝之さんは「カメレオン役者」として様々なジャンルの役柄に挑戦する俳優として人気を博しています。近年は作品の企画にも携わって積極的に作品に関わる姿勢を評価されてきました。

そんな山田さんは近年、俳優としてだけではない頭角を現しています。「楽しいと思うことをやる」山田さんの活動の幅はどんどん広がっています。

山口友敬さんと傾奇者PROJECTでクラウドファンディング(株式会社FORIEDGE)

芸能人ネット活用1山田孝之×山口友敬の新ブランド【FORIEDGE】第1弾は江戸ガラス | クラウドファンディング – Makuake(マクアケ)

山田さんは、元舞踏家で腕時計ブランドBRILLAMICOの代表でもある山口友敬さんと出会って意気投合し、株式会社FORIEDGを設立。日常にはない「違和感」を軸にした傾奇者PROJECTというブランドを立ち上げました。

そのプロジェクトの第1弾として、クラウドファンディングサイト「Makuake」で足の部分が曲がった江戸ガラスをデザインした商品を販売しました。

2人のプロジェクトは目標額の500万円に到達し、大成功。2018年春には第2弾のプロジェクトを予定しています。

ECプラットフォーム「me&stars」立ち上げ

芸能人ネット活用2me&stars – ミースタ :ライブキャストオークション

2017年9月、トランス・コスモス社はライブコマース市場に俳優の山田孝之氏を取締役に迎え、ECプラットフォーム「me&stars」を立ち上げると発表しました。

現在、ライブ動画を通して購入できるのは実体のある商品に限られていますが、市場に流通していない特別な体験や時間を買いたいという人々のニーズは日に日に高まっています。実際にAppleのティム・クックCEOとランチをする権利が数千万円で落札されるなど、「体験を買う」行為に桁違いの金額が支払われています。

そこで、ライブコマースを通して有名人との貴重な「体験」を提供するサービスを2018年1月にリリース予定です。11月にはオークション第1弾の「山田孝之さんが受付業務を引き受ける」という内容が発表されました。今後どうなっていくのか続報が待たれます。


【事例②】これまで応援してくれているファンを巻き込んで会社を設立した柴咲コウさん

柴咲コウさんは、芸能活動約20年にして女優としても歌手としても多くの人が認める女優です。2017年にはNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で主演を務め、たくましさ溢れる演技を披露しました。

そんな柴咲さんは、これまでの仕事が受け身だったという思いから、1人の「人」として生きていくためにどうすれば良いかと考え、動き始めました。

モブキャスト社長の藪考樹さんを取締役に迎え、会社を設立(レトロワグラース株式会社)

芸能人ネット活用3LES TROIS GRACES

柴咲さんは「新しいアプローチでメディアと関わりたい」という想いから2016年11月に会社を設立。協力者として携帯用ゲームアプリで有名なモブキャストの代表である藪考樹さんを取締役に迎えました。

設立した会社「Les Trois Graces(レトロワグラース)」では、これまで事務所が持っていた、自身のファンクラブ事業を引き継ぎました。より身近に、より相互に関わり合えるネット上のコミュニケーションスペースを立ち上げて、ファンに柴咲さんの存在をより感じてもらえる仕組みができています。

オリジナルECサイトを展開し、地方職人とコラボして商品を販売

芸能人ネット活用4LES TROIS GRACES ONLINE STORE

柴咲さんは自身の立ち上げたファンとのコミュニケーションサイトの中で、ECサイトを展開。柴咲さんが実際に訪れた地で出会った方とコラボして商品をプロデュースし、サイト内で販売しています。

千葉県茂原市の育種家・三宅氏とのコラボレーションで生まれたオリジナルブーケなど、素材の魅力を活かした商品ばかりです。

職人さんがコラボして良いものを発信し、ファンがそれを受け取れる仕組みによって、柴咲さんはファンにこれまでの女優・歌手業で与えられる価値とはまた違った価値提供ができます。さらに、これまでの働き方では縁遠かったであろう職人さんとのコラボなど、ビジネス目線での活動が増え、柴咲さんの目指す能動的な働き方が可能となりました。

参考:これからの生き方・暮らし方を考える 女優・柴咲コウ、いま会社を立ち上げた理由|Yahoo! JAPAN


【事例③】解散後「新しい地図」を発足し、SNSで自由な発信が可能となった元SMAPのメンバー

2016年1月の解散騒動をきっかけに、12月31日で解散したジャニーズ事務所のアイドルグループ、SMAP。世間を騒がす5人の動向が注目されましたが、中居正広さんと木村拓哉さんは事務所に残留。稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんは2017年9月8日に事務所を退所しました。

その後、事務所を退所した3名は芸能活動を続けていけるのかと危ぶまれていましたが、実は水面下で新たなスタートに向けて動き出していたのです。

事務所を退所後、元マネージャーが設立した新事務所でファンクラブ「新しい地図」を開設し、ネットテレビに出演

芸能人ネット活用5 新しい地図

稲垣さん、草彅さん、香取さんは事務所退所後からわずか2週間で、元ジャニーズ事務所のマネージャーが設立した事務所での活動開始を発表。サイト設立と同時に募集を開始したファンクラブ「新しい地図」の会員数は、最初の3日間で会員番号数は10万番台を超えています。

11月にはインターネットテレビのAbemaTVで3名が72時間の生放送の番組を放送し、3日間の総視聴数が7400万回となりました。これは同社の過去最高視聴数を上回る記録です。

この番組は株式会社サイバーエージェントの藤田晋社長自身がオファーして実現したこともあり、同氏は「今日はインターネットテレビが変わる日」と3人の門出を激励しました。

参考:「タイトルだけ決めて僕自身がオファー」 藤田社長が語る「72時間ホンネテレビ」誕生の舞台裏〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

ネットで顔写真が使われるようになり、SNSでの情報発信も解禁

引用:TVガイド 2017年11月3日号|TOKYO NEWS マガジン&ムック

ジャニーズ事務所には「ネット上にジャニーズのタレントの画像を掲載するのは禁止」というルールがあります。そこでテレビ雑誌の宣伝時にはジャニーズ事務所に所属するタレントが影で塗りつぶされていたり、ネットニュース上に表示されない等の配慮がなされています。

もちろんネット上での発信も限られており、事務所に所属するタレントがSNS上での発信をする機会はほとんどありません。

しかし、事務所を退所した稲垣さん、草彅さん、香取さんはSNSのアカウントを開設。稲垣さんはアメーバブログ、草彅さんはYouTube、香取さんはInstagramでも発信をスタートしています。また、彼らのネットニュースには顔写真がアイキャッチ画像として使われるようにもなりました。

今、これまでデジタルネイティブでなかった世代のファンもSNSのアカウントを作り、彼らが発信する情報を楽しんでいます。ネットの力を手に入れた3人は、彼らの発信を見るためにくネットを始めたばかりのファンを取り込む足がかりとなっているのです。

参考:稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾に聞く 「新しい地図」の思い|HUFFPOST


ネット活用が芸能人と親和性が高い3つの要因

ネット活用がなぜ芸能人と親和性が深いのか、その要因についてご説明します。

①芸能人としての仕事とは関係のない部分で活動できる

芸能人として活動をしていると、映画や舞台、CMに出演する機会はあっても、作品のプロモーションや、商品のブランディングなど出演する以外の部分で関わる場面は基本的にありません。また、与えられてもいない仕事はできません。

しかし、芸能人がネット活用を始めると、自身の芸能関係の仕事とは関係がない部分でも発言できます。自らの思想や趣味の話をして、そこから仕事に繋がるケースも少なくないとのこと。

SNSなどによるプロモーションは、彼ら自身が発信することもあり、受け身ばかりの仕事にもどかしさを感じている芸能人が能動的にアウトプットする場としてネット活用を開始するようです。

②既存のファンを巻き込んで新規ビジネスに参入できる

何か事業を始めるとき、最初はその事業を支持してくれる人どころか知っている人もほとんどいない状態からスタートしますが、芸能人が事業を始めるとなると話は別です。

芸能人として活動をしていると、その活動を見守ってくれるファンが多くいます。自らのファンを事業の支持者にできれば、最初から味方がいる状態で事業に参入できます。

さらに、ネットは世界中で使われているため、ファンの全員が支持者となりうる可能性もあります。

③業界のしがらみなどによってできなかったことを果たせる

芸能界やテレビ・マスコミの業界には多くのルールがあります。そのため、例え「こういう演出や表現をしたい」という想いが強くても叶わないものもあります。

しかし、ネットの世界にはそういったしがらみが少なく、テレビ・マスコミ業界のような決まり事も多くないため、自由な発信をできる傾向にあります。これによって、ネットでのビジネスに参入した芸能人は、テレビなどでは伝えられない価値ある情報を伝えられるようになりました。


まとめ:芸能人のネット活用はここから始まる

まだ始まったばかりの芸能人のネット業界への参入ですが、これからさらに加速していくでしょう。

その中で芸能人、ファン、そのビジネスを支援する協力者、それぞれが良い関係性を築けるように意識するのが大切です。ネットを活用したビジネスは信頼を元に成り立つため

・一部のファンのみが常に優遇されるサービス提供
・芸能人にしかメリットがないビジネス
・芸能人がコラボする企業・もしくは芸能人に騙されたと感じるような商品コラボ

は一気に信頼を落としてしまいますし、信頼をなくすとビジネスが成り立たなくなります。

とはいえ、可能性を秘めた芸能人によるネットの活用がどうなっていくのか、今後に注目です。

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