プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功させるために、ゴールから逆算した計画を立てて管理することを指します。
プロジェクトの遅延やミスは、その規模や自分のポジションに拘らず、だれしもが直面する問題です。関係者やクライアントの信頼を損ねる可能性があるので、プロジェクトマネジメントを意識しておくことは重要と言えます。
プロジェクト成功のカギは、最適なプロセスのもとでスキルやツール、フレームワークを上手く活用することです。
とはいえ、自分やチームの中で管理方法が既にある場合、改善すべきだとわかっていても、現状のどこを変えるべきなのか発見しにくいのではないでしょうか。
そこで本記事では、基本から応用までのプロジェクトマネジメントを、実際の業務に取り入れやすい視点で解説していきます。
プロジェクトマネジメントを重視するメリット、実際に取り入れるときの理想フロー、取り組むときに必要なスキル、活用すべきフレームワークやツールをご紹介します。
現状と比較することで、ゴールを見据えてプロジェクトマネジメントを実践するヒントになるものをまとめましたので、ぜひご一読ください。
目次
- プロジェクトマネジメントとは
- プロジェクトマネジメントを徹底すれば、目標達成に向けて効率よく取り組める
- プロジェクトマネジメントを実践する3ステップ
- プロジェクトマネジメントのGood例Bad例
- プロジェクトマネジメントが成功する共通点
- プロジェクトマネジメントを徹底するには、スキル・フレームワーク・ツールが重要
- プロジェクトマネジメントに必要なスキル4選
- プロジェクトマネジメントを成功させるフレームワーク4選
- チームでのプロジェクトマネジメントで活用したいツール5選
- プロジェクトマネジメントで注意すべき点
- プロジェクトマネジメントに関するよくある質問
- まとめ
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功に導くために、ゴールから逆算した計画を立てて管理することを指します。
プロジェクトマネジメントの本質は、「効率よく、抜け漏れなく」行うことです。
単にプロジェクトを管理するだけでは、プロジェクトマネジメントとはいえません。
基本に思えるかもしれませんが、遅延やミスを防ぐために練る計画や、その通りに実行したうえで状況に応じた修正は、なかなか上手くできないものです。
プロジェクトのゴールである目的を達成するためにも、見落としなく進めるコツを一緒に押さえていきましょう。
プロジェクトマネジメントを徹底すれば、目標達成に向けて効率よく取り組める
プロジェクトマネジメントを徹底すると、プロジェクトの成功から逆算し、目標達成に向けて効率よく取り組むことができます。
タスクを整理するだけではなく、プロジェクトの成功に向けて戦略的に管理体制を整えることは、ミスや遅延といった問題を生じさせないためにも不可欠です。
プロジェクトの全体像を把握し、抜け漏れなく具体的なタスクまで落とし込むためにも、ゴール(=プロジェクト成功)から逆算して管理することは重要です。
その他にも、プロジェクトマネジメントを取り入れる好影響は、下記が挙げられます。
- チームの方向性を統一できる
- 優先順位を明確にできる
- 無駄を削減できる
- 締め切り遅れを防止できる
- リスクの影響を最小化できる
- メンバー間の連携を強化できる
- 成果物の品質を確保して進行できる
- 予算内で進行できる
プロジェクトマネジメントを実践する3ステップ
本章では、プロジェクトマネジメントを実践するために行うことを3ステップに分け、具体例を交えながら解説します。
プロジェクトマネジメントは、計画と実行、そして継続的な監視が不可欠です。
目標の共有、リスク対策、詳細な計画、効果的な実行と監視を行うことで、プロジェクトの成功を確実にします。
具体的なステップとツールを活用し、プロジェクトマネジメントのスキルを高めていきましょう。
プロジェクトの成功に向け、プロジェクトマネジメントを実践するときのフローを、どのプロジェクトでも必要な3ステップに分けてご紹介します。
1.立ち上げ段階
立ち上げ段階において行うべきことは、チームメンバーや上長に目標を共有すること、想定したリスクへの対策を練ることの2点です。
目標の共有
具体的な目標を全員に伝えることで、プロジェクトに携わる全員が同じ目標に向かって協力しやすくなります。
たとえば、新製品開発プロジェクトの場合、「市場に出すまでの期間」や「売上目標」などを明確にしておくと、全員の理解が深まります。
リスクの対策
プロジェクトに潜む可能性のあるリスクを予測し、発生した場合にどのように対応するかを事前に決めておくことが重要です。
たとえば、「納期の遅れ」や「予算オーバー」のリスクに対して、事前に対策を考えておくことで、問題が発生したときにスムーズに対処できます。
2.計画段階
計画段階では、プロジェクトを成功に導くためにゴールから逆算した詳細な計画を立てる必要があります。
プロジェクトを進行する前に必要な3つ「ロードマップの作成、コストの計画、タスクの細分化」をそれぞれ確認していきましょう。
ロードマップの作成
ロードマップを作成し、プロジェクトの各フェーズを誰が見ても視覚的に把握できるようにします。
たとえば、新製品開発プロジェクトでは、製品設計、試作、テスト、発売といったステップで分け、必要工数に応じて具体的な日付けを設定して設定します。
コストの計画
予算のコスト計画をとおして各タスクに必要な費用を見積もることで、プロジェクトが予算内で進行するようにします。
タスクの細分化
タスク細分化を行い、プロジェクトを小さなタスクに分けて具体的な作業内容を明確にします。
チームメンバーがいる場合は、各タスクに対する「役割分担」を行い、誰がどのタスクを担当するかを決めておきます。これにより、チーム全体の協力体制が整います。
3.実行・監視
実行・監視段階では、プロジェクトが計画通りに進行しているかを確認します。
1・2で行った準備や計画のもとで実行に移すとき、関係者間でのコミュニケーションと協力が重要であることを念頭に置きましょう。
連携がとれていなければ、実行がスムーズに行えているか確認することができず、結果的に大きなミスにつながりかねないからです。
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を関係者間で浸透させることは、プロジェクトマネジメント以前にビジネスマンとして重要なので、その体制を確保するよう心がけましょう。
参考:【報連相を完全マスター】怒られない報連相をするためのポイントとコツ│LISKUL
コミュニケーションを円滑にとれているとしたうえで、この段階で行う「計画に沿った実行、進捗管理、問題への迅速な対処」の3点を簡単にご紹介します。
計画に基づいた実行
計画段階で作成したスケジュールやリソースの割り当てに従って、各タスクを実行します。
都度計画を確認しながら業務に取り掛かることで、プロジェクトの目標達成を見据えたスケジュールのもと、進捗の遅れを防げます。
進捗管理
プロジェクトの進捗状況を定期的にチェックし、予定通りに進んでいるか把握することは重要です。
計画に無いイレギュラーが発生したり、タスクの遅延が生じたりしたときは、もう一度計画を練り直して現実的に実行可能なレベルまで修正するようにしましょう。
問題への迅速な対処
プロジェクト中に問題が発生した場合、その原因を迅速に特定し、適切な対策を講じることが重要です。
影響範囲を最小限に抑えるためには、日々の進捗管理でリスク管理している、関係者に状況共有をして意見を募っているなどの積み重ねが肝となります。
プロジェクトマネジメントのGood例Bad例
プロジェクトマネジメントのGood例Bad例を通して、自分や自分のチームに当てはまる箇所がないか、一緒に確認していきましょう。
プロジェクトマネジメントのGood例
- プロジェクトの目標を明確に定義して、チーム立ち上げ時に共有
- 週次のミーティングで進捗報告してフィードバックしあう
- フレームワークを活用し、短期間で開発サイクルを繰り返している
- 役割に責任を持ち、チームメンバーが意欲的にアイデアを発言
新製品開発プロジェクトにおいて、チーム立ち上げ時に目標とスコープを文書化して全員に共有し、同じ目標に向かって一丸となって進むことができています。
プロジェクト開始時には、リスクを洗い出し、対応策を策定し、必要な資源を事前に計画して適切に配分しました。
また、週次のミーティングを設定し、必要に応じてチャットでも進捗報告を行うことでプロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握しています。
さらに、定期的な品質チェックと第三者による監査を行い、ステークホルダーとも定期的に連絡を取り、要望や変更要求に柔軟に対応しました。
結果、プロジェクトは大きな遅延やミスを生じさせずに成功をおさめました。
プロジェクトマネジメントのBad例
- プロジェクトの目標は、成果を増やそう!というニュアンスのみ共有
- リソースの配分やタスクへの専門性はバラバラ
- タスク管理や進捗管理はチームメンバー個人に完全に任せている
- フレームワークは指定していない
- 動きがあったときのみ不定期でミーティングを設定
- 決定事項を共有する程度の会話しか交わさない
新製品開発プロジェクトにおいて、目標やスコープを曖昧なままにしてプロジェクトを開始しました。
定期ミーティングでは、口頭でざっくりとした進捗報告を行っていますが、情報が不十分なときがあっても進行させています。
リスク対策も練っていなかったので、問題が発生した際に慌てて対処しています。
資源の計画や品質チェックも細かく記録していなかったので、不具合が発生するまで放置されました。
コミュニケーション面では決定事項を共有する程度の会話しかなく、メンバーから活発な意見発信が上がらないことを不満に思っています。
計画に固執し、状況の変化に対応できず、プロジェクトは失敗に終わりました。
Good例とBad例における違い
Good例とBad例の明確な違いは「プロジェクトを効率よく、抜け漏れなく管理しているか」に尽きます。
Good例では、単にプロジェクトを進行するだけでなく、目標(ゴール地点)を明確にすることで方向性や認識のずれを減らし、詳細な進捗管理やリスク対策を行ったうえで柔軟に対応することで遅延やミスを減少させています。
Bad例では、目標が不明瞭なうえ、進捗やリスク、品質チェックなどの管理に粗があるため、効率が悪くなっています。
どちらもプロジェクトを管理していることに違いはありませんが、成功に導くためには「効率よく、抜け漏れなく」の視点が重要であることがわかります。
プロジェクトマネジメントが成功する共通点
プロジェクトマネジメントを「効率よく、抜け漏れなく」進めるために、いくつかのポイントが押さえるべき共通点は7点あります。
それぞれの共通点について、実践例や取り入れるときのコツをご紹介するので、ぜひ業務に取り入れていただきたいです。
1. プロジェクトの範囲と目標を明確に定義し、チーム全体が理解している
プロジェクトの範囲と目標が明確でないと、チーム全員が異なる方向に進んでしまい、混乱や無駄が生じます。範囲と目標をしっかりと定義し、全員が理解していることで、統一した目標に向かって効率的に作業を進めることができます。
実践例
- プロジェクト開始時にミーティングを行い、全員で目標と範囲を共有する
- 目標と範囲を文書化し、プロジェクト管理ツールで全員に共有する
実践するときのコツ
- SMARTゴール(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)を設定する
- プロジェクトの進行状況を定期的にレビューし、必要に応じて目標を調整する
2. 定期的なミーティングと進捗報告を通じて、情報を共有しやすい環境を作っている
定期的なコミュニケーションは、プロジェクトの透明性を高め、問題が早期に発見されるのに役立ちます。情報共有が不十分だと、メンバー間で認識のずれが生じ、プロジェクトの進行に支障をきたすことがあります。
実践例
- 毎週の定例ミーティングで、各メンバーが進捗を報告し、全員が最新情報を共有する
- プロジェクト管理ツールを活用して、進捗状況や重要な情報をリアルタイムで共有する
実践するときのコツ
- ミーティングのアジェンダを事前に共有し、効率的に議論を進める
- ミーティング後に議事録を共有し、重要な決定事項やアクションアイテムを確認する
3. 潜在的なリスクを早期に特定し、対応策を策定している
プロジェクトが進む中で発生する可能性のあるリスクを早期に特定し、対応策を講じることは、プロジェクトの成功において非常に重要です。リスクを見逃すと、後で大きな問題になる可能性があります。
実践例
- リスクの定量的な見積もりを定期的に実施し、優先順位に応じて対策を講じる
- リスクマネジメントプランを策定し、リスクが発生した際の対応方法を明確にする
実践するときのコツ
- リスクの影響度と発生確率を評価し、優先順位をつけて対策を講じる
- リスクが発生した場合の対応フローをチーム全員に共有する
参考:リスクマネジメントとは?リスクの種類、対応方法、フレームワークまで一挙紹介
4. リソース(人員・時間・予算など)を無駄なく使う
リソースの適切な管理は、プロジェクトの効率的な進行に欠かせません。リソースが不足していると、プロジェクトが遅延したり、品質が低下する可能性があります。
実践例
- プロジェクト計画時に、リソースの必要量を正確に見積もる
- リソースの使用状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて調整する
実践するときのコツ
- リソース配分の優先順位を明確にし、重要なタスクにリソースを集中させる
- リソースの利用効率を高めるために、適切なツールや技術を導入する
5. 定期的な品質チェックと必要に応じた第三者による監査を実施している
品質管理はプロジェクトの成功に不可欠です。定期的な品質チェックと第三者による監査を行うことで、品質の維持と向上を図ります。
実践例
- プロジェクトの各フェーズで品質チェックを実施し、問題があれば早期に対処する
- 外部の専門家による監査を受け、客観的な視点から品質を評価する
実践するときのコツ
- 品質基準を明確にし、全員が理解していることを確認する
- 品質チェックリストを作成し、定期的に見直す
6. ステークホルダーと常に連携をとり、方向性や認識のずれを防いでいる
ステークホルダーとの連携は、プロジェクトの方向性を一致させるために重要です。連携が不足すると、プロジェクトの目的や目標に対する認識のずれが生じることがあります。
実践例
- 定期的にミーティングを開催し、進捗や課題を共有してすり合わせを行う
- ステークホルダーからのフィードバックを積極的に取り入れ、プロジェクトに反映する
実践するときのコツ
- 期待値や問題意識を事前に把握し、プロジェクト計画に反映させる
- ステークホルダーとのコミュニケーションの場を確保し、定期的に情報を更新する
7. 変化する状況や新たな情報に対して柔軟に対応している
プロジェクトが進行する中で、状況や情報が変化することは避けられません。これらの変化に柔軟に対応することで、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
実践例
- プロジェクト計画に変更が生じた場合、迅速に対応し、全員に周知する
- 新たなリスクや課題が発生した場合、速やかに対応策を講じる
実践するときのコツ
- 柔軟にカスタマイズできるプロジェクト管理ツールを導入する
- 変化が生じたときは規模に応じてミーティングを設置し、全体で検討する
プロジェクトマネジメントを徹底するには、スキル・フレームワーク・ツールが重要
プロジェクトマネジメントを徹底して行うには、前述した共通点を押さえることに加えて、スキル、フレームワーク、そしてツールを上手く使うことが重要です。
たとえば、スキルは、担当者や関係者が持ち合わせているかどうかでプロジェクトの成功を左右する場合があります。
スキルの有無には明確な基準がないからこそ、タイムマネジメントスキルや問題解決スキルといったプロジェクト進行に欠かせない能力に関して理解を深め、少しずつでも取り入れることが重要です。
また、プロジェクトを進行する際には、個人でスキルを伸ばすだけでなく、外的な支えをもって管理体制を強化することも考えましょう。
フレームワークとツールを上手く取り入れることで「抜け漏れなく効率良く」進めることができます。
プロジェクトマネジメントに必要なスキル4選
「スキル・フレームワーク・ツール」の3点から、まずはプロジェクトマネジメントにおいて必要なスキルを押さえていきましょう。
プロジェクトマネジメントを徹底するうえで重視されるスキルは多岐にわたり、下記が挙げられます。
- タイムマネジメント力
- 問題解決能力
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ力
- リスク管理力
- コスト管理力
- チームビルディング力
- 交渉力
- 決断力
- クオリティ管理力
- 資源管理力
- データ分析能力
そのため、プロジェクトマネジメントの進行に影響する根幹かつ絶対に必要なスキルを厳選し、その必要性と実際の業務で取り組む方法をご紹介します。
1. プロジェクトを期限内に完了させるタイムマネジメントスキル
プロジェクトは期限内に完了させることが求められるので、時間を効率的に使うことが重要です。
タスクの優先順位を決め、スケジュールを作成し、それに従って進行状況をチェックすることで、プロジェクトが遅れることなく進むようにします。
詳細なスケジュールを作成してタスクを細分化し、現実的なデッドラインを守ることを意識しましょう。
スキル実践において、無理なスケジュールを組まないことと、予備時間を確保しておくことが効果的です。
- 毎週月曜日に1週間のタスクとスケジュールを整理する
- 1日の始まりに、最も重要な3つのタスクをリストアップして共有する
- Pomodoroテクニック(25分作業、5分休憩)を使って集中力を維持する
参考:タイムマネジメントとは?限られた時間で成果を最大化するコツ│LISKUL
2. プロジェクトの障害を迅速に対処する問題解決スキル
プロジェクトを進める上で、予期せぬ問題や障害の発生は避けられないため、迅速に問題を特定し、適切な解決策を見つけ出すことが求められます。
プロジェクトの進行が滞ることなく、スムーズに進めることができるように、事前にリスク対策を講じるようにしましょう。
- 問題が発生した際には、すぐに原因をメモし、チームチャットで共有する
- 定期的に「何がうまくいっていないか」を振り返るミーティングを開催する
- 小さな問題でも、すぐに解決策をチームと共有し、次回に活かす
3.チームでスムーズに連携するコミュニケーションスキル
プロジェクトを上手く進行させるには、チームメンバーや上司、クライアント、ステークホルダーとの円滑なコミュニケーションをとる必要があります。
相手の話をよく聞いて理解することを心がけ、簡潔で具体的な言葉を使って会話することで誤解を避けましょう。曖昧な表現や専門用語を避け、相手に合わせた言葉遣いをすることがおすすめです。
- チームのチャットツール(Slackなど)で定期的に情報を共有する
- 週に一度、メンバーと個別に15分のチェックインミーティングを設定する
- 毎朝10分のスタンドアップミーティングを行い、進捗状況を確認する
参考:チームマネジメントとは?個々のパフォーマンスを最大化するための基礎
4.チームをまとめ、目標達成に導くリーダーシップスキル
チームでプロジェクトに取り組む場合、全員が目標に向かって進むように導くリーダーシップスキルは不可欠です。
問題が発生した際には冷静に対処し、適切な解決策を見つけるための行動が求められます。チームメンバーに役割を与えることでモチベーションを保ち、困難な状況でも前向きに取り組む姿勢を示しましょう。
リーダーシップに関する書籍を読んだり、セミナーに参加して学びを深めるだけでなく、チームメンバーからのフィードバックを積極的に受け入れ、改善点を見つけていくことで、リーダーとしてのスキルを磨けます。
このとき、独裁的なアプローチにならないように注意が必要です。
- 毎週のミーティングで、俯瞰してチームの目標と進捗を確認する
- メンバーに対して感謝の言葉を定期的に伝える
- 自身のタスク管理を見直し、模範的な行動を示す
参考:リーダーシップとは?種類、含まれる要素、育成方法まで一挙紹介!│LISKUL
マネジメントスキルとは?スキルを磨く18の方法をご紹介│LISKUL
プロジェクトマネジメントを成功させるフレームワーク4選
本章では、プロジェクトマネジメントの基本を押さえつつ、柔軟性や効率性も重視したい方におすすめの4つのフレームワークを厳選してご紹介します。
これらのフレームワークを適切に選び、活用することで、プロジェクトをよりスムーズに進行させることができます。
1.包括的なPMBOKフレームワーク
PMBOK (Project Management Body of Knowledge) は、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスを集めたガイドラインです。プロジェクトの開始、計画、実行、監視・管理、終了の5つのプロセスグループから構成されます。
PMBOKの活用が向いているプロジェクトの特徴
- 標準化されたプロジェクト管理が必要なプロジェクト
- ベストプラクティスに従いたいプロジェクト
- 広範な管理が求められるプロジェクト
フレームワーク導入のコツ
- 各プロセスグループと知識エリアを詳細に理解する
- PMBOKガイドラインに基づいてプロジェクトを計画・実行する
- 定期的にプロジェクトの進行状況をレビューし、ガイドラインに沿って調整する
2.順序立てた計画を進行しやすいウォーターフォールモデル
ウォーターフォールモデルは、フェーズごとにタスクを明確に区切り、プロジェクトを段階的に進める方法です。各フェーズは次のフェーズが始まる前に完了するので抜け漏れなく進行できます。
ウォーターフォールモデルの活用が向いているプロジェクトの特徴
- 要件が明確で変更の少ないプロジェクト
- 規模が大きく、段階的に進める必要があるプロジェクト
- 納期が厳守される必要があるプロジェクト
フレームワーク導入のコツ
- 各フェーズの完了基準を明確に設定する
- 各フェーズのレビューと承認を徹底する
- ドキュメントをしっかりと作成し、変更を追跡できるようにする
3.柔軟で迅速に対応しやすいアジャイルフレームワーク
アジャイルは、進行しながら作業の進捗やアウトプットを評価し、より適切なものがあれば方向性を柔軟に変更していくフレームワークです。短期間のスプリント(通常2週間から4週間)で作業を行い、各スプリントの後に成果物をレビューして次のスプリントに進みます。
アジャイルフレームワークの活用が向いているプロジェクトの特徴
- 変化が頻繁に発生するプロジェクト
- 小規模から中規模のプロジェクト
- クライアントからのフィードバックを迅速に反映させる必要があるプロジェクト
フレームワーク導入のコツ
- スプリントの長さをチームの状況に合わせて適切に設定する
- デイリースクラムで進捗報告や意見交換を行い、コミュニケーションを密に保つ
- スプリントレビューとレトロスペクティブで改善点を見つけ、次の動きを明確にする
4.効率的なリーンプロジェクトマネジメント
リーンプロジェクトマネジメントは、無駄を排除し、価値を最大化することに焦点を当てたフレームワークです。プロジェクトの全プロセスを最適化し、効率を向上させるために、継続的な改善を重視します。
リーンプロジェクトマネジメントの活用が向いているプロジェクトの特徴
- 無駄が多いと感じるプロジェクト
- 継続的な改善が求められるプロジェクト
- 効率と生産性を重視するプロジェクト
フレームワーク導入のコツ
- プロセスの無駄を詳細に分析する
- 改善策を定期的に見直し、適用する
- チームメンバーの意見を取り入れ、エンパワーメントを促進する
チームでのプロジェクトマネジメントで活用したいツール5選
プロジェクトマネジメントに活用できるツールは複数あるため、本記事では有名なプロジェクト管理ツールを5つご紹介します。
その他のプロジェクト管理ツールを知りたい方はこの記事をご参照ください。
参考:【2024年最新版】プロジェクト管理ツールおすすめ15選を比較!選び方も紹介│LISKUL
1.タスクの優先順位や問題点を全体把握できるBacklog
Backlogは、タスク管理とプロジェクトの進行状況を簡単に把握できるツールです。タスクや問題点を一覧で表示し、チーム全体で効率的に管理できます。
タスクを「課題」として登録し、進捗状況に応じて「未着手」「進行中」「完了」などのステータスに分類します。ガントチャート機能を使えば、プロジェクト全体のスケジュールも一目で確認できます。
導入するメリット
ツール導入のコツ
- プロジェクトごとに課題を整理し、進捗状況を定期的に更新する
- ガントチャート機能を使って、プロジェクトのスケジュールを視覚化する
- チーム内で課題の優先順位や進捗を共有し、コミュニケーションを活発にする
2.シンプルな構成でタスクを視覚的に把握しやすいTrello
Trelloはカンバンフレームワークを活用し、タスクをボード、リスト、カードで視覚的に管理するツールです。
ボードはプロジェクト全体を表し、リストはタスクのステータス(例:To Do、In Progress、Done)を表します。カードには具体的なタスクやアイデアを追加し、進捗状況に応じて移動できます。
導入するメリット
ツール導入のコツ
- ボードをプロジェクトの主要なフェーズに分け、リストでタスクのステータスを表示する
- カードに詳細な説明やチェックリストを追加し、タスクの進行を管理する
- 定期的にボードをレビューし、必要な変更や更新を行う
3.プロジェクト全体の進行状況を把握するAsana
Asanaは、ガントチャートやカレンダー表示も可能で、全体の進行状況を把握しやすいツールです。チーム内外での新規タスク受付ができるので、一括でコミュニケーションが取りやすい特徴があります。
導入するメリット
- タスクの期限や優先度を設定し、進捗を視覚化できる
- プロジェクトの全体スケジュールを把握しやすい
- チームメンバーの進捗状況を一目で確認できる
ツール導入のコツ
- タスクに期限や優先度を設定し、進捗をトラッキングする
- プロジェクトの各フェーズをセクションやマイルストーンとして設定する
- 定期的にプロジェクトの進行状況をレビューし、必要に応じてタスクを調整する
4.詳細なタスク管理が可能なJira Software
https://www.atlassian.com/software/jira
Jira Softwareは、複雑なプロジェクトも効率的に管理できるツールです。タスクを「イシュー」として管理し、プロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握できます。
タスクを「バックログ」に追加し、優先順位を付けたり、スプリントで進行状況を管理したりできます。カスタマイズできるダッシュボードで、必要な情報をすぐに確認できます。
導入するメリット
ツール導入のコツ
- プロジェクトの各タスクをイシューとして登録し、優先順位や進行状況を管理する
- ダッシュボードをカスタマイズして、必要な情報をすぐに確認できるようにする
- チームの作業状況を定期的にチェックし、進捗に応じてタスクを調整する
5.テンプレート活用でニーズに合わせて管理できるNotion
Notionは、ドキュメント、タスク管理、データベース機能を統合しており、豊富なテンプレートでニーズに合わせた管理がしやすいツールです。
カスタマイズも自由自在に行えるので、使い方を覚えれば、ワークスペースを自分の好きな形に変更・作成できます。
導入するメリット
- タスク、ドキュメント、データベースを一つのツールで統合管理できる
- チーム全体での情報共有と連携が、リンク共有で簡単に行える
- カスタマイズが自由で、プロジェクトのニーズに合わせたワークスペースを作成できる
ツール導入のコツ
- プロジェクトの全体像を把握するためのページやデータベースを作成する
- タスクや進捗状況を視覚化するためのテンプレートを活用する
- チームメンバーに合わせてワークスペースをカスタマイズし、効率的な情報共有を行う
プロジェクトマネジメントで注意すべき点
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトを計画通りに進めるために不可欠な手法ですが、成功を確実にするための注意点を押さえておきましょう。
すべて想定通りにいくと思わないこと
プロジェクトマネジメントにおいて、計画通りにすべてが進むと考えるのは危険です。
プロジェクトの進行中には、予期しない問題や変更が発生するのが常です。これには、リソースの不足やメンバーの急な変更、外部環境の変化などが含まれます。
計画はあくまでガイドラインとして捉え、実際の進行状況に応じて調整していく姿勢が大切です。
プロジェクトに合った管理手法でなければ別のものに挑戦すること
もし現在の方法がうまく機能していないと感じたら、別の管理手法に挑戦することを検討してください。
すべてのプロジェクトが同じ管理手法でうまくいくわけではありません。
たとえば、アジャイルフレームワークが合わない場合は、ウォーターフォール型の手法を試してみるなどです。無理に一つの方法に固執せず、プロジェクトに最適な方法を見つけることが成功への鍵となります。
プロジェクトマネジメントに関するよくある質問
プロジェクトマネジメントを徹底して実施したい方に役立つQ&Aをまとめています。
新しいプロジェクトを開始する際のポイントは?
新しいプロジェクトを開始する際には、プロジェクトの目標と範囲を明確にし、リソースとスケジュールを計画します。初期段階での計画がしっかりしていると、後の進行がスムーズになります。
プロジェクトが遅れた場合、どのように対処すればよいですか?
プロジェクトが遅れた場合は、原因を特定し、タスクの再評価とスケジュールの見直しを行います。遅延の原因がコミュニケーション不足やリソースの不足であれば、それらを改善する対策を講じることが重要です。
タスクの優先順位をどのように決めるべきですか?
タスクの優先順位は、フレームワークを活用して、プロジェクトの目標や締切、リソースの利用可能性を考慮して決めます。重要度や緊急度に基づいてタスクを分類し、優先順位の高いものから着手することがポイントです。
プロジェクトのリスクをどのように管理するのですか?
リスク管理には、リスクの特定、リスクの評価、対応策の計画、リスクの監視が含まれます。リスクが発生した際には、あらかじめ計画した対応策を実行し、プロジェクトに与える影響を最小限に抑えます。
プロジェクトの成功をどう測定すれば良いですか?
プロジェクトの成功は、目標の達成度、スケジュールや予算の遵守、クライアントの満足度などで測定します。また、プロジェクト後の振り返りで得た教訓も重要な成功指標となります。
まとめ
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功に導くために、ゴールから逆算した計画を立てて管理することを指します。
そのために肝心なのは、最適なプロセスのもとでスキルやツール、フレームワークを上手く活用することです。
プロジェクトの遅延やミスを生じさせないように、目標の共有、リスク対策、計画、実行と監視を行い、必要なツールやフレームワークで抜け漏れなく進行することがプロジェクトの成功を確実にします。
本記事では、プロジェクトマネジメントの具体的フローや成功する共通点、スキル、ツール、フレームワーク、注意点をご紹介しました。
ゴールを見据えてプロジェクトマネジメントを実践する一助となれば幸いです。
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