媒体の最適化やテクノロジーの進化に伴い、広告運用業務において自動化が進み、以前のように日々の入札や広告レポート作成などの作業に時間を費やさなくてもよくなってきました。
しかしながら、その変化に対応し、業務効率化を実現している広告代理店はまだ多くはありません。日々の重い作業負荷により貴重な人材が離脱していくなど、現場の負荷は解消されたとは言えず、依然として労働時間が過多な業界というのが現状です。
今後、広告代理店がお客様から選ばれつづけるためには、戦略立案など本来人がやらなければならない知的作業に時間比率を配分することで、提案の質をいかに高めていくかが非常に重要となります。そのためには、自動化できる作業はテクノロジーに任せて時間を創出しなければなりません。
そこで今回は、SO Technologies株式会社(以下、SOT)で数多くの広告代理店の業務改善支援を担当するプロダクトマネージャー・小島氏に、現在の業界課題についての概況と、広告運用の業務改善を可能にするツール『Shirofune(シロフネ)』の魅力についてお聞きしました。
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目次
話を聞いた人
SO Technologies株式会社 ATOM事業本部 プロダクトマーケティングマネージャー
2010年、財務コンサル会社に入社し、財務・経営分析に携わる。2012年より、ジャパネットたかたにて社内の広告運用に従事。数百億のWEB事業の事業計画や商品販売戦略に加え、広告代理店と共にプロモーション予算のマネジメントに従事。
2016年より、ソウルドアウト株式会社にて運用マネージャー・経営戦略支援を実施。また広告代理店営業担当・広告代理店の業務改革から収益性の改善を支援するSaaSの各種側面を経験。
2018年より現職。ATOM事業本部で外部ツール連携・協業などのアラインアンスを担当。業務効率化・業務改善提案を行った広告代理店は数百社以上。現在は、Shirofuneの導入支援(※)を担当。
※2021年9月にSO TechnologiesがShirofune社と連携。2022年6月現在、パートナー企業として導入支援数No.1の実績を持つ。
広告代理店にて自動化の動きが強まっている
――広告代理店業界において、広告運用業務の自動化が進んでいるということですが、くわしく教えてください。
小島氏:私は過去の財務コンサル会社での財務・経営分析の経験や、大手事業会社で1億円規模の広告費を発注してきた経験を活かし、広告代理店の業務改革や収益性改善の支援をしています。
その支援をする中で、ツールの活用により業務効率化を実現し、新たな価値創出に成功している広告代理店様が多くいらっしゃいます。
そして、今後この傾向はより加速すると考えています。
――広告代理店業界にはどのような課題があるのでしょうか?
小島氏:広告代理店はこれまでは、人を採用し、担当者が広告主を複数社担当し業績を作り、新たな広告主の獲得と運用担当者の人員増加という人海戦術で業績を伸ばしてきていました。
一方で、労働時間は担当社数に比例して作業は増加する反面、人の稼働時間には限界があるため月末月初などは特に長時間残業が発生しやすい業界でした。
しかし、近年の働き方改革で長時間残業が規制される時代になると、労働集約型のビジネスモデルを脱却し、事業の運営と成長を遂げるために業務効率化をいかに実現するかが課題になりました。
ここ数年でGoogleをはじめとする各広告媒体の自動最適化機能や、ShirofuneやATOMのような広告運用の業務を効率化するSaaSの技術の進化により、人が行っていた作業時間をツールが代替できるようになってきたこともこの流れに拍車をかけています。
たとえば『Shirofune』では予算管理や入札業務などの運用業務周辺が、『ATOM』では広告レポート作成の自動化や担当案件の一元管理などが効率化できるようになっています。
――業務改革を後押しするツールが揃ってきているのですね
小島氏:はい。しかし一方で、効率的なツール導入の検証に慣れていないことや、ご自身の作業をツールに移管するという心理面のハードルなどが、効率化実現の壁になっているケースが多く見受けられます。
加えて、広告代理店各社が各々の成長戦略に応じて、どのようにツールを導入すれば良いのかの自社分析も難しいのも要因ですね。
ただし、2019年に労働基準法が改正されたことで長時間労働への規制が強まると共に、「人でしかできない業務にリソースを最大限配分しなければならない」という動きは加速しています。
そのために、作業をツールに移管したり自動化するというトレンドになっており、ATOMで500社以上の広告代理店の業務改善をしてきた実績を持つ弊社にご相談を頂くことが増えているのだと思います。
――なるほど、作業自動化の流れはもはや避けられない流れだと。
小島氏:はい。テクノロジーの精度が高まり普及がされるほど、広告代理店に限らずどの業界でも、ツールの導入により業務効率化や生産性を上げる取り組みが必須になっている時代です。いかに「人が人しかできない価値ある業務に限られた時間を配分する」ためには、テクノロジーとの共存は避けられません。
というのも、テクノロジーが進化するほど、入札などの調整作業は自動化が進み、広告代理店としても広告主に対して選ばれるポイントとして差別化ができにくくなります。
今後、広告主に選ばれる広告代理店であるためには、質の高いマーケティングの提案・クリエイティブの提案を行なっていく必要があります。
そのためには、ツールで可能な限り作業効率化・工数削減を進めて、増えた時間を提案・分析活動にあてることが重要です。
ツールか人かの二者択一ではなく、人が価値を発揮する業務時間を作り出すために、テクノロジーをいかにうまく活用するか、共存するかが求められているということです。
広告代理店は採用難・高退職率に苦しんでいる
――そのほか、業界ではどんなことが起こっているのでしょうか?
小島氏:そうですね、広告代理店は採用難と高い退職率に苦しんでいます。
広告運用やWEBマーケティングを理解している人材は、広告代理店業界だけでなく広告主の事業社側も需要が高まっています。
そしてスキルの高い方は独立・フリーランスという道も開かれている時代のため、より採用が難しくなってきているのが現状です。
社員の退職で起こる一番の問題は、案件の引き継ぎに負荷がかかることです。
残った社員で一度案件を引き継ぐことになり、ここでまず負荷がかかります。続いて、新たに新入社員を雇ったときにもう一度引き継ぎ直しが必要になり、このような対応が本来やるべき業務に対して大きな負荷になっています。
退職を防ぐためには、ツールによって作業系のタスクの工数を減らし、よりクリエイティブな業務にあたってもらうこと、また運用の現場環境を生産性の高い就業環境に改善することが必要だと私は考えています。
ツールを活用すれば、ツールが行なっている作業は引継ぎは最小限で済みますので、引き継ぎの負荷が小さくて済むというのはツールを導入した方からもよく聞くお話です。
――ツールが退職防止にもつながるのですね
小島氏:また、業界的にマーケ人材や運用者が不足している中で、広告主側もマーケ人材を求めているため採用は競争激化し多くの広告代理店は運用経験や知識の豊富な優秀な人材の確保が難しいのが現実です。
新卒や未経験者の方を採用へ戦略を変更した広告代理店も増加していますが、その背景はShirofuneを導入して運用を自動化することで、未経験の方でもすぐに一定の品質の広告運用ができるので、運用者として早期に戦力化できるということが背景にあります。
未経験者の採用は広告運用が未経験なだけであって、業界自体の知識や経験はあるため特定の業界の知見を活かしたコンサルティングを提供するなど、広告代理店としての新たな価値創出につながります。
このように広告代理店において、人材の採用戦略や設計は重要な時代になってきています。というのも、テクノロジーとの共存により未経験者でも戦力化できることにより採用難の緩和につなげつつ価値提供も可能になるためです。
ツールで改善すべき業務を見極めることが重要
――ここまで伺った広告代理店の抱える課題に対し、どのように改革に取り組んでいけば良いのでしょうか?
小島氏:こちらの図は、広告運用業務を初期提案から請求業務まで、細かく11個に分けて定義した図です。これらのなかで、ツールでどの業務を改善できるのかの外観を把握しておくことで検討がしやすくなると思います。
広告代理業のなかで、ツールによって一定の自動化・効率化をしやすいのが「予算管理・入札調整・改善作業・分析・レポート作成・業績管理」の6つです。
これらをツールで効率化し、逆にツールでは価値を出しにくい「初期提案・初期入稿」や、顧客の成長につながる「提案・顧客理解(定例会・顧客対応)」「請求」など、人でしかできない業務に人的リソースを投下していくことでツールと共存を図ります。
――この6つの業務をATOM・Shirofuneで改善していくのですね
小島氏:ATOMとShirofuneでは、それぞれ得意領域が違っています。両者を組み合わせることで、6業務を網羅して改善することができます。
Shirofuneは、運用最適化に長けているツールで、予算管理や改善作業など幅広い機能を備えている点が強みです。
一方ATOMは、広告レポートの自動化ツールで、進捗管理ダッシュボードやレポート自動生成機能で業務効率化を実現します。
この2つのツールをうまく使って広告運用業務の広範囲を自動化することにより、初期ヒアリングや提案、顧客理解といったコンサルティング領域に多くの時間を充てられる環境が構築できます。
参考資料:広告運用生産性向上ガイドブック
運用業務負担をどう軽減?Shirofuneの主な機能
――『Shirofune』について、どのようなツールなのか教えてください。
小島氏:Shirofuneは、プロの技術を自動化し、未経験者でもプロの運用が再現できる国内シェアNo.1(※国内リスティング広告自動入札ツール導入件数|デジタルインファクト調査)の広告運用自動化ツールです。
具体的には、予算管理・入札調整・改善ポイントの提案・実行、変化分析や考察レポートの作成を行います。
主な機能としては、以下の3つがあります。
その1.予算・入札管理の自動化
初回の予算設定以降の、日々の予算管理・入札調整が自動化できます。
月末月初でも、土日の広告媒体の管理画面をチェックする必要がなく、担当者の作業負荷が軽減できます。
その2.運用改善施策の自動提案/実行
Shirofuneが日々データを解析し、改善のチャンスがある場合には画面上に改善カードという形で改善案の提案がなされます。内容を確認し実行・非実行の操作を行うだけでShriofuneが改善案の処理は自動的に処理を行います。
所用時間は1回わずか10分程度です。
その3.アカウントスコア無料診断
広告アカウント無料診断による客観的な分析・評価が可能です。
アカウント設計やキーワードなど、各項目について良い点・悪い点をスコアで診断します。
Shirofuneを導入すれば人手不足解消と生産性向上が実現する
――Shirofuneを導入すると、どんなことができるようになりますか。
小島氏:はい、Shirofuneの導入により、業務効率化によって生産性向上が実現します。
具体的には、運用を自動化すればまず予算管理や入札調整・改善処理の作業負荷が大きく軽減します。
自動で調整してくれるので、従来生じがちだった予算の未消化や予算を超えた場合の補填も抑制することができます。
また、運用自動化により一人当たりの案件数のキャパシティが上がります。案件をより多く持てれば、一人当たりの売上も増え、最終的に広告代理店の業績も拡大します。
さらに、運用者は土日や祝日、長期休暇中に入札業務をしているケースや、月初が休日の場合でも広告予算の修正作業をおこなっているケースも少なくありません。Shriofuneで予算設定をあらかじめ行うことでその作業もなくなり休日の業務発生を最小限に抑えることができます。
このように長時間労働になりやすい広告運用業界ですが、ツールを活用することで作業工数が削減でき、労働時間の短縮により社員のワークライフバランスの改善ができ、結果として生産性の向上につながります。
SO Technologies経由でShirofuneを使えば総合的に業務の質が向上する
――SO Technologies経由でShirofuneを導入するメリットは何でしょうか。
小島氏:メリットは3つあります。
まずひとつめは、SO Technologiesサポートで導入トライアルを行って頂くことで、通常2ヶ月の無償トライアル期間が、1ヶ月延長され3か月無償トライアルが可能です。
トライアル期間が長くなるということは、それだけしっかり導入検証を行うことができるため安心です。
どのように導入検証するかは下記の効果的なステップがありますので、3ヶ月お試し頂くのをおすすめしています
2つ目は、弊社の社員が導入検証コンサルティングに入るという点です。
ツールの導入検証を行う際に2つの壁があります。1つは新たなツールの操作方法を覚えるという壁、もう1つは自社の状況に適した導入検証ができるかという壁です。
この2つの壁を打開すべく弊社では、導入検証前の自社分析のサポートに加え、検証期間中の操作方法のレクチャーやマニュアルのご提供、定期的なお打ち合わせでご不明点の解消なども行いしっかりと検証過程に伴走させて頂いています。
このサポートの中ではツールの機能以外に、広告代理店としての組織・人材・教育・業務フローなど幅広い分野でのご相談を頂き、弊社の持ち得ているノウハウに関しては惜しみなくご提供をさせて頂いています。
ATOMはおかげさまで500社以上の代理店に導入してもらっており、代理店業界の業務効率化のノウハウは業界随一だと自負しております。
ちなみに、弊社が導入支援をさせて頂いたとしても料金を頂くこともなく、お客様から頂くShirofuneの料金が変動することはありませんのでご安心ください。
3つ目は、ATOMを契約中の方であれば、Shirofuneを併用するとATOMの利用料金が最大10%割引になる点です。
広告代理店診断で、自社の課題に合った業務改善方法がわかる
――コンサルティングの内容について具体的に教えてください。
小島氏:以下のような診断レポートをお出しし、コンサルティングしていきます。
レポートには媒体や案件数、売り上げ、代理店の特徴や傾向などの分析が掲載されています。
実は、ご相談頂いた広告代理店の方が過去自社のみで、Shirofuneをトライアル導入してみたものの活用し切れなかったという事例があり、弊社では導入支援に伴走することにしたんです。
というのも、ツールを使うこと自体は誰でもできるものの、各社人員数やお取引先数、今後の事業戦略などにより業務改善の方向性は全て微妙に異なっているため、ツールの機能がわかれば成功となりにくいのが難しいポイントです。
また、作業工数は圧縮できたものの、そもそも少額予算の案件が多く、コストや売上へのインパクトに欠けるのでやめてしまうという場合もあります。
本来はその削減した時間をどう活用するかが重要なのですが、この観点は会社の成長戦略のパーツであり、ツール導入という点とは多少ずれるため検討から外れるケースが少なくありません。このような場合に弊社では総合的な視点で導入時のサポートをさせて頂いているという形になります。
まず自社の課題を正しく認識することはそう簡単なことではないですし、その課題をShirofuneでどう解消していくのか、また効果の検証をどう実施するのかを設計するのは、実際のところかなり難しいと思います。
弊社にご相談頂ければ、上記のようなツール導入の壁に対して最大限サポートをさせていただきます。
Shirofuneを導入した代理店の成功事例
――Shirofuneを導入した代理店の成功事例を教えてください。
小島氏:では、膨大な工数や運用の属人化が課題だった広告代理店様と、少額規模案件を多数お持ちで人の作業に限界を感じていた広告代理店様の事例をご紹介します。
この他にも多くの導入事例がございますので、こちらの資料もあわせて是非ご確認ください。
参考資料:事例で学ぶ「時間がない」を解消した広告代理店の共通点とは?
事例1.運用レベルを落とさず、工数削減(株式会社オプト)
株式会社オプトでは、運用ノウハウの属人化と付加価値創出のための工数不足が課題でした。
日々の運用業務では、日々の入札調整が最終的に各人判断となり、作業工数が人によって違うという状況だったのです。
広告代理店としての新たな価値を創出するためには、運用工数を均一化し、削減することが必須と考え、Shirofuneを導入した結果、以下が実現しました。
- 人がExcelで行っていた予算アロケーションや媒体ごとの入札単価の計算を自動化
- 削減された時間をクライアントへの提案や戦略立案などへ活用
- パラメーターと紐付けて媒体ごとに算出する作業を全て削減
- 運用が自動化されたことで運用担当者の心理的負荷を軽減
Googleアナリティクスとの連携が可能な点も便利だと感じていらっしゃいます。
参考:テクノロジーの活用でマーケティング効果の最大化を目指す、国内有数のインターネット広告会社の担当者がなぜShirofuneを導入したのか 〜オプトのShirofune導入事例〜 | Shirofune
事例2.人力運用が激減。運用アカウント25倍に(株式会社メディックス)
株式会社メディックスでは、少額案件を多数運用する際に人力での運用に限界を感じていらっしゃいました。
従来よりテンプレートに沿った定期レポートを定期的に自動送付していましたが、さらに業務効率化できるツールを探していたところ、Shirofuneの存在を知りました。
Shirofuneは、運用マニュアルなしで直感的に作業できるのが良さのひとつで、経験や手間も必要ないところが良いと感じていらっしゃいます。
Shirofuneを本格導入した結果、著しく業務が改善できました。
- 1人あたりの運用アカウント数が25倍に
- 運用ミスなどの人的トラブルの発生が劇的に減少
- 新人ディレクターの育成期間が、1年から1ヶ月に短縮
広告媒体での管理画面での運用の場合に必要な半年〜1年の教育期間が大幅圧縮され、教育コストが削減しています。
参考:1人で運用できるアカウント数は以前の25倍!〜広告代理店・(株)メディックス 導入事例| Shirofune
ツールを活用し、より広告運用はクリエイティブな業務へシフトしていく
――最後にメッセージをお願いします。
小島氏:今後は、広告運用自体は自動化が主体となり、より質の高いクリエイティブの提案やコンサルティング領域へとシフトしていきます。
弊社では、広告代理店への支援においてさまざまなサービスとノウハウを持っており、ツール領域だけにとどまらず、経営面や組織面、広告主への対応においても総合的にコンサルティングしています。
課題や悩み、困っていることがあれば気軽にご相談ください。
また、業界交流会や無料セミナーも精力的に実施していますので、ご興味のある方はぜひお問合せください。
Shirofuneの導入の流れや料金プランなどについては、詳しくは以下の資料をご確認ください。
――本日はありがとうございました!
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