採用サイト制作の流れ・費用相場・最適な制作会社の選び方

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インターネットを通して仕事を探すようになった現在では、企業の採用ページが重要な役割を果たします。そのため、採用強化のためにはポイントを抑えた採用ページ制作が必要となります。

応募が増える採用サイト63のチェックリスト【完全保存版】

しかしながら、このように悩まれている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

「採用サイト制作の流れが分からない」
「採用サイト制作の費用相場について知りたい」
「求職者を惹きつける採用サイト制作のポイントを知りたい」

そこで本記事では、採用サイト制作の流れや費用相場、また制作のポイントについて詳しく解説致します。

こちらを最後まで読めば、採用サイト制作の流れや制作のポイントについて理解でき、自社の採用サイト制作に活かせるようになります。

外注を活用したサイト制作の業務切り出しフロー


採用サイト制作の流れ

採用サイトの制作は以下の流れで進めていくことになります。

採用サイトの流れ

ステップ1. 企画・分析

まずは、採用活動の方針や求める人物像などの要件定義をおこないます。

サイト制作全体の方向性を決める重要なステップとなるため、しっかりと整理しておくことが大切です。

1-1.自社の伝えたいことを整理する

採用ページでは、自社のコアメッセージを明確にすることが重要です。そのためには、求職者に何を伝えたいのかということを整理する必要があります。

このときには自社の企業理念や企業文化に基づいて考えなくてはなりません。
仕事観や企業カルチャーが合わなければ、入社後のミスマッチにつながってしまいます。
自社の伝えたいことを整理しておくことで、自社の求める人材とのマッチング率を高めることができるようになります。

1-2.求職者が求めていることを整理する

自社の伝えたいことだけではなく、求職者がどのような情報を求めているのかということを理解することも重要です。

サイト解析や流入キーワード分析をするなどして、自社に応募してくる求職者にどのようなニーズがあるのかを把握するようにしましょう。

また、自社と同じ業界の採用ページを分析するなどの競合分析も、求職者のニーズを知る上では大切な工程の一つです。

ステップ2. 制作パートナーの選定

どのような採用ページを作り、何を伝えたいのかが整理できたら、次に自社の要件を満たしてくれる制作パートナーを選定します。

サイト制作を行う会社は様々あるため、その中から自社に合った制作会社を選定することが重要です。

制作実績の数だけではなく、制作した採用サイトがどのような成果をあげたのかまでチェックしておくと良いでしょう。

良い制作会社の選び方は「良い採用サイトの制作会社の選び方」にて解説します。

ステップ3.サイト制作

制作パートナーが決まれば、実際にサイト制作を進めていきます。

サイト制作と言っても、さまざまな工程があるため、スムーズに進めるためにもしっかりとその内容を理解しておくようにしましょう。

大まかに以下のステップが存在します。

  1. サイト構成設計
  2. コンテンツ企画
  3. デザイン
  4. コーディング
  5. システム実装
  6. テスト・公開

3-1.サイト構成設計

サイト制作を始める際には、まずサイト構成の設計を行います。

作成する採用サイトの完成形を固める工程で、サイトマップを作成してサイトの構造を可視化します。

サイトマップ

引用::見やすくて使いやすいサイトマップページのデザイン例をご紹介|Web幹事

採用ページは次のような構成となることが多いですが、多くの情報を掲載したいと思い、ページ数を増やしてしまうと、かえって情報が分散してしまい見づらいサイトとなることもあるため注意が必要です。

  • TOPページ
  • 企業紹介
  • 企業理念
  • 代表メッセージ
  • 社員紹介
  • 選考基準
  • 待遇・福利厚生
  • 応募方法

3-2.コンテンツ企画

サイト設計ができたら、具体的にどのようなコンテンツにしていくのかを決めるコンテンツ企画に移ります。

各コンテンツの画像イメージやテキストメッセージ内容などの詳細を決めます。

コンテンツ企画を行う際には、自社が伝えたいメッセージだけではなく求職者の求める情報を盛り込んだ内容にするように意識することが重要です。

3-3.デザイン

自社の採用課題や求める人物像、競合調査の内容をもとに、サイトのクリエイティブイメージやキーカラー、サブカラー、フォントなどのデザイン詳細を決めていきます。

自社の求める人材、つまりターゲットが明確になっていればどんなサイトデザインがふさわしいか自ずと見えてくるでしょう。

「採用サイト デザイン」などで検索すると、以下のような参考になるサイトを集めたページがありますので、是非参考にしてみてください。

参考:Webデザイン制作の参考になる国内のステキなサイト集|SANKOU!
   採用サイト| 縦長のwebデザインギャラリー・サイトリンク集|MUUUUU.ORG

3-4.コーディング

サイト設計やコンテンツ、デザインが決まれば、デザインに従ってコーディングをしていきます。

HTMLやCSSなどの専門言語で記述する工程となるため、エンジニアやプログラマーなどの専門スキルを持った人が担当します。

3-5.システム実装

フォームの設置やサーバー設定、CMS設定などのシステムの実装フェーズです。

サイト内にはただ単に情報が記載されているコンテンツを用意するだけではなく、閲覧者がページを見たあとに行動を起こしてもらえるように設計する必要があります。

採用ページの場合には、問い合わせや応募フォームの設置がこれに当たります。

フォームの設置以外にもサーバー設定やCMS開発などが必要となるため、このようなシステム実装も必要となることを理解しておきましょう。

3-6. テスト・公開

コーディングやシステム実装が完了したら、完成したホームページが正しく機能するかどうかをテスト検証する必要があります。

あらゆるブラウザやOSで正しく表示されるかや記載ミス、不具合がないかなどを細かくチェックしていきます。

テストで問題がなければ、サイトを公開してサイト制作は完了です。

ステップ4. 運用・保守

採用サイトは公開をして終了ではなく、運用・保守をしていく必要があります。

サイト公開後は上手く機能しているかやエラーがないかなどの保守に加え、アクセス解析や施策の実施などの運用が必要となります。

特に課題発見をし改善施策を実施するなどのPDCAサイクルを回すことは、サイト運用には欠かせません。

そのため、運用体制を社内で整備しておくことも重要です。


採用サイトの制作費用の相場

サイト制作を外注する場合にはコストが発生しますが、製作工程やサイト規模ごとにその費用は大きく異なります。

安くても30万円以上、しっかりとコンテンツを作り込むとなると100万円以上掛かることも少なくありません。

ここでは、製作工程ごとの費用相場とサイト規模別の費用相場を解説していきます。

制作工程ごとの費用相場

制作工程費用相場
企画・ディレクション10〜50万円
デザイン・コーディング10〜50万円
コンテンツ制作10〜50万円/本
運用保守5〜10万円/月

企画・ディレクション費

企画・ディレクション費用の相場は、全体制作費用の2〜3割程度が一般的です。

サイト制作全体の軸となる工程となり、自社の強みやターゲット選定などをこまかなヒアリングで落とし込み、サイト設計を行っていきます。

費用としては10〜50万円が相場となっています。

自社で対応できる工程でもありますが、企画・ディレクション工程でしっかりと内容を整理できていなければサイト制作全体に影響するため、プロに依頼することでしっかりとした基盤づくりができるようになるでしょう。

デザイン・コーディング

企画段階で決定したコンセプトやターゲットに合わせてデザインに落とし込み、コーディングを行う工程です。

この工程は専門知識やスキルが必要となるため、自社で対応できない場合が多いでしょう。

デザインやコンテンツのページ料によって費用は異なりますが、10〜50万円が相場となります。

コンテンツ制作

社員インタビューやオフィス紹介など、採用サイトに掲載するコンテンツにはさまざまなものが考えられます。

そのためコンテンツ企画によって費用も異なりますが、1本あたり10〜50万円が相場となります。

コンテンツには、動画なども含まれるため動画の尺や内容によっては相場以上の金額になる場合もあるため、まずは自社がどのようなコンテンツを制作したいかを決めた上で予算を組めておくことが重要です。

運用保守

サイトの運用やメンテナンスをサイト制作と合わせて行ってくれる制作会社もあります。

サーバー管理やエラー発生時の対応など、自社では対応できない専門的な分野を請け負ってくれます。

月額制となる場合が多く、相場としては5〜10万円が一般的です。

サイト規模別の費用相場

規模費用相場
小規模(最低限のコンサートのみ。10ページ以内)50万円~
中規模(社員インタビューなどコンテンツあり。10~20ページ)150〜200万円
大規模(動画コンテンツなどコンテンツ充実。20ページ~)250万円~

会社紹介や選考プロセスなど、必要最低限のページに絞った小規模のサイト制作となる場合は、50万円~の費用となります。

複数の社員インタビューや社員の一日の仕事などのコンテンツを盛り込んだ中規模サイトの場合は、150~200万円程度の費用相場です。

動画コンテンツやオリジナルコンテンツなど、様々なものを盛り込んだ大規模なサイト制作では。250万円以上の費用が掛かります。


良い採用サイトの制作会社の選び方

サイト制作では、どのようなサイトであっても制作工程などの大枠は基本的には変わりません。そのため、採用ページを専門にしている制作会社は少ないでしょう。

しかし、その中でも採用サイトの制作実績が豊富かを確認することで、より効果的な採用ページ制作が可能となります。

採用サイトの制作実績が十分にあるかを確認する

サイト制作の実績が豊富であることは前提となりますが、その上で採用サイトの制作実績が十分にあるかということも選定する際のポイントとなります。

採用サイトの実績があることで、過去の経験値を生かしてより効果的なサイト制作を行ってくれる可能性が高くなるでしょう。

また、自社と同じ業界の実績があると、よりスムーズに制作を進められるため、どのような業界の実績があるのかもチェックしておくことが大切です。

対応範囲が問題ないかを確認する

お願いしたい作業に対応してくれるのか(動画制作もお願いできるのかなど)を確認しておく必要があります。

サイト制作の工程の中には、自社で対応できる工程もあるでしょう。そのため、自分たちがどの範囲を対応するのか、制作会社には何をお願いするのかを事前にまとめて、それに合致した会社を選ぶ事が重要です。

サイト制作をすべて依頼する以外にも、たとえば実施背景や目的、アクセスデータなどの準備、コンセプトの整理などの前段の部分は自分たちで行い、それ以降を制作会社にお願いするパターンも考えられます。

自社がどのパターンで依頼するのかを事前に決めておき、制作会社の対応範囲を確認しながら選ぶようにしましょう。

RFP(提案依頼書)を用意して提案をしてもらう

自社側でRFP(提案依頼書)を用意しておくことで、依頼先である制作会社との認識齟齬が無くなり、提案の質も向上するでしょう。

自社がどのようなサイトを作りたいのか、どのようなことを伝えたいのかということを整理してドキュメントにしてまとめておくことで、制作会社への依頼をする際のコミュニケーションもスムーズに進められるようになります。

RFP

引用:【事例&サンプル付き】ホームページ制作のRFP(提案依頼書)の書き方完全マニュアル|Web幹事


採用サイトの制作依頼前の準備事項

制作会社に依頼する際には事前に準備しておくことで、よりスムーズにサイト制作を進めることができます。ここでは、制作依頼前の準備事項を解説していきます。

作業範囲の明確化

サイト制作の工程のうち、どの部分を自社が対応し、どの工程を制作会社に依頼するのかという作業範囲を明確にしておきましょう。

サイト制作と聞くとハードルが高いイメージを持つかもしれませんが、工程を細分化すると自社でも対応できる作業もいくつかあります。

特に次のような作業において、どちらが対応するのかを明確にしていないことで後々トラブルになることもあるため、しっかりと明確化しておくことが重要です。

  • 写真やテキストの準備
  • サイト公開
  • サーバードメイン取得
  • 事前調査

採用サイトの方向性やイメージの明確化

サイトの方向性やイメージは、サイト制作全体の軸となります。そのため、軸をしっかりと明確化しておくことが重要です。

サイトの方向性やイメージが固まっていなければ軸がぶれてしまい、統一感のないサイトになってしまいます。

また、デザインイメージによっては見積り金額が大きく異なることも考えられるため、事前にイメージとなるデザイン候補をいくつか選んでおくと良いでしょう。

サイトの方向性やイメージを明確にさせるためには、次の項目を事前に整理しておくとスムーズに進みます。

  • 与えたい印象
  • 参考にしたい競合サイト
  • デザイン面での参考サイト

サイトマップの準備

サイトマップはサイト全体の設計や構造を示すものとなります。必要なコンテンツやページ数を明確にするためにも必要となるため、事前に準備しておくと良いでしょう。

サイトマップができれば必要なページ数や全ページ数がわかるため、大まかな見積もり金額を把握することができます。

また、事前にサイトマップを用意しておくことで本当に必要なページかどうかを検討できるため、ページの優先順位を決めてサイト見積もりや制作を依頼できるようになるのです。

運用方針の事前定義

サイト制作後にもさまざまな作業が発生するため、予め運用方針を決めておくことも大切です。

運用予算や採用サイトのKPI、運用体制を定義しておくことで、制作会社に依頼する際にそれらを考慮した提案や見積もりを出してもらえるようになります。

たとえば、CMSを導入して運用を行う場合は制作コストが下がる可能性もあります。

このような準備を行っておくことで、制作会社への依頼がスムーズになるだけではなく、より精微な提案や見積もりを提出してもらえるようになるのです。


採用サイト制作の成功のポイント

採用サイトで自社の採用活動を成功させるためには、ただ採用サイトを作るだけではなくいくつかのポイントを抑えて制作することが重要です。

ここでは、実際の制作におけるポイントを紹介していきます。

ターゲットに合わせたデザインにする

事前に詳細なペルソナを定めてターゲットを明確にしておくことで、トンマナのズレがなくなりユーザーに受け入れやすいデザインとなります。

ターゲットが明確になっていると、そのターゲットに好んでもらえるデザインを逆算して考えることができるようになります。

たとえば、おしゃれが好きな女性をターゲットにするのであれば、女性らしい色合いに加えパステルカラーを複数色使ったおしゃれなデザインなどが考えられるでしょう。

しかし、ターゲットは人によって印象や捉え方が異なるため、ペルソナを設定しておくことが大切です。

写真やイラストは高品質にする

サイト内で仕様する写真やイラストは、高品質なものを使用するようにしましょう。

高品質な画像やイラストを使用することで、いきいきとした臨場感が出やすくなります。

また、自社オリジナルのものを使用することで、より自社の雰囲気やメッセージが伝わりやすくなります。

しかしながら、写真やイラストを入れすぎるとかえってページ表示速度が遅くなる可能性もあるため注意が必要です。

コーポレートカラーよりもターゲットを意識したカラーにする

自社の採用サイトとなると、自社のコーポレートカラーを使いがちですが、必ずしも使わなければいけないということではありません。

もちろんコーポレートカラーを使用することで、統一した企業の印象を与えることができますが、ターゲットに合ったカラーでなければ離脱してしまうことも考えられます。

そのため、採用サイトの場合には企業のコーポレートカラーよりもターゲットに合ったカラーを使用することが大切です。

ターゲットを意識したカラーにすることで、離脱を防ぎ企業に対してのエンゲージメントが高くなるでしょう。

オリジナリティコンテンツを用意する

求職者は複数の会社を比較しているため、採用サイトではオリジナリティを出して他社との差別化が重要となります。

他の会社がやらないようなコンテンツ訴求を行うなどして、ユーザーを惹きつけることが採用強化に繋がるでしょう。

そのため、他社にはない自社独自のオリジナリティあるコンテンツやデザインを意識して制作することがポイントです。

以下は一般的に採用サイトに載せられるコンテンツです。
これらのコンテンツはきちんと用意して同質化しつつ、オリジナルコンテンツで差別化するのが良いでしょう。

  • 会社紹介
  • 職場紹介
  • 代表メッセージ
  • 社員インタビュー
  • 社員座談会
  • 社員の一日の流れ
  • キャリアパス
  • 福利厚生
  • 選考の流れ
  • Q&A(よくある質問)

事例:講談社

講談社
得意な何か、大好きな何かを持った人を「とんがり人間」と称し、自社の求める人物像を分かりやすく表現しています。

コミックなどを扱う講談社らしいデザイン・作りになっています。

参考:2020年度入社定期採用|講談社


まとめ

採用サイトの制作は、以下の流れで進めていくことになります。

  • ステップ1.企画・分析
    • 1-1.自社の伝えたいことを整理する
    • 1-2.求職者が求めていることを整理する
  • ステップ2.制作パートナーの選定
  • ステップ3.サイト制作
    • 3-1.サイト設計
    • 3-2.コンテンツ企画
    • 3-3.デザイン
    • 3-4.コーディング
    • 3-5.システム実装
    • 3-6.テスト・公開
  • ステップ4.運用・保守

採用サイトの制作の費用は、選考ステップなど最低限のコンテンツのみでも50万円、社員の一日の流れや動画コンテンツなどを盛り込んでいくと、大規模なサイトの場合250万円以上掛かります。

また良い制作会社を選ぶには、以下のポイントは押さえておくようにしましょう。

  • 採用サイトの制作実績が十分にあるかを確認する
  • 対応範囲が問題ないかを確認する
  • RFP(提案依頼書)を用意して提案をしてもらう

自社の採用強化をするためには、採用ページが重要な鍵を握ります。

採用ページの制作を行う際のポイントや流れを理解し、自社にあった制作会社に依頼するようにしましょう。

また、採用サイト制作を成功させるためには求職者のニーズをしっかりと把握した上で、自社独自の魅力を伝えられるようにオリジナリティを意識することが重要です。

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