「何か新しい施策を提案してくれない?」
クライアントから無邪気に、こんなお願いをされたことのある広告営業の方も多いのではないでしょうか。
しかし、目新しい提案と言われてもどうしたらいいんだ…と困ってしまうことでしょう。
そこで、長年広告代理店に勤務してきた筆者が提唱したいのは、そうした場合には「新しい広告媒体を提案するのがオススメ」ということです。
本記事では、なぜ新しい広告媒体を提案するのがオススメなのか、その理由を提案時に注意すべきこととあわせてご紹介します。
執筆者
SO Technologies株式会社 LISKUL五代目編集長
広告運用者⇒広告レポートツール『ATOM』カスタマーサクセス⇒LISKUL編集部。 「日本のすみずみまでWebマーケティングの力を」モットーに日々活動しています。(執筆記事一覧 )
目新しい提案を求められたら「新しい広告媒体の提案」がオススメ
目新しい提案を求められた場合に取り得る選択肢としては、
- 既存媒体の新しいメニューを提案する
- 新しい広告媒体を提案する
- 抜本的な新しい広告プロモーションを提案する
といったものが考えられます。
このなかで最もオススメなのが「新しい広告媒体を提案する」ことです。
その理由としては以下の3つが挙げられます。
- 理由1.違いが分かりやすく目新しさを出しやすい
- 理由2.ターゲットやクリエイティブなどをそのまま流用できる
- 理由3.メディアレップや二次請け経由で発注すれば、媒体と契約締結せずそのまま発注できる
理由1.違いが分かりやすく目新しさを出しやすい
第一の理由は、従来の施策と比べて違いが分かりやすく、目新しさを出しやすいためです。
「目新しい提案」を求めているということは、(既存の取り組みに一定の満足はしつつも)現状に閉塞感を感じ、何か大きな変化を感じられる施策を実施したいという状態だと考えられます。
そうしたときに既存媒体の新しいメニューを提案しても、劇的な変化というのは望みにくいため、目新しさという点で物足りないと感じてしまうでしょう。
また商品コンセプトから見直しが必要になるような、抜本的な新しい広告プロモーションを実施するとなると、目新しさという点では良いですが、実施のハードルが高く知見もないため十分な成果が得られない可能性があります。
このように、新しい広告媒体の提案は、目新しさと実現可能性という点において有効な選択肢となります。
理由2.ターゲティングやクリエイティブなどをそのまま流用できる
第二の理由は、既存のターゲティングやクリエイティブなどをそのまま流用できるということです。
例えば、Youtube広告を実施していて新たにTikTok広告に挑戦する場合、既存の動画クリエイティブをTikTok用に編集すればそのまま流用することができます。
配信するターゲティングについても、年齢性別や興味関心など、YouTube広告で設定していたものと類似のターゲティングがTikTok広告にも用意されているので、そのまま大きく変更せずに配信が可能です。
このように、既存の内容を流用することで運用の工数を抑えることができ、また効果面でも既存の施策と近しいものを想定することができます。
事前のシミュレーションと結果が大きくはずれにくいので、クライアントに提案しやすいメリットがあります。
理由3.メディアレップや二次請け経由で発注すれば、媒体と契約締結せずそのまま発注できる
第三の理由は、メディアレップや二次請け業者経由で発注することで、媒体と新たに契約締結することなく発注ができるということです。
新しい広告媒体に出稿するためには、その媒体と契約を締結する必要があります。
しかし、既にその媒体と取引をしているメディアレップや二次請け業者経由で発注すれば、自身で契約締結をする必要はありません。
自社での取扱いはないが提案してみたい媒体がある場合に有効なので、ぜひ頭の片隅に入れておきたい選択肢です。
新しい広告媒体を提案する際の6つの注意点
新しい広告媒体を提案するといっても、どんな媒体でも提案して良いというわけではありません。
押さえておきたい6つの注意点をご紹介します。
注意点1.既存の施策とかけ離れた提案はしない
既存の施策とかけ離れた提案は非推奨です。
例えばGoogleのリスティング広告とディスプレイ広告しかやっていないのに、いきなりLINE公式アカウントを提案するというのはオススメできません。
既存の施策の知見を活かすことができない全く新しい施策となるので、失敗する可能性も高く、成果を出すにはそれなりの工数や体制が必要となるでしょう。
この場合であれば、既存の広告バナーを流用できるSNS広告(Facebook広告やLINE広告など)を提案する方が良いでしょう。
他の例としては、Instagram広告のリール動画を実施しているのであれば、同じショート動画であるTikTok広告を提案してみるのは良いでしょう。
このように、既存の施策を転用できる範囲の新しい媒体の提案、というのがオススメです。
注意点2.あくまで実験として予算は10%程度に留めておく
新しい媒体を提案する際には、どのような成果になるか分からないため、全体の10%程度の予算に留めておくのが無難です。
新媒体にいきなり50%の予算を割いてそれが失敗に終わったときに、新媒体を停止して全体予算が元の50%に減額したまま、ということも起こりえます。
知見に乏しい新媒体に挑戦するわけなので、できるだけスモールスタートで小さな成功体験を積み上げてから予算を拡大するようにしましょう。
注意点3.3つ以上の媒体を用意して選んでもらう
1つの媒体を提案するのではなく、3つ以上の媒体を用意すると良いでしょう。
またその上で、先方に選んでもらうことが重要です。
例えばショート動画を提案するのであれば、Facebook/Instagramリール・YouTubeショート・TikTok・LINE VOOMなどがあります。
このように複数媒体を用意することで、ヨコの比較から最適な媒体を選ぶことができます。
また1つの媒体だと、それを実施するかしないかの選択となりますが、複数媒体を用意することで、どの媒体を実施するかという選択にすることができます。
さらに自身で選んでもらうことで、その選択に対し責任感が生まれるので、取り組みに対してより前向きかつ協力的になってもらえることが期待できます。
注意点4.旬なモノをいれておく
目新しさを出すためには、やはり旬な媒体を入れておくことは重要です。
例えば動画広告であれば、先述のショート動画やTVer広告などがユーザー数が伸びていて、広告費も比例して伸びてきています。
こうした媒体が今アツいということを伝えられれば、提案が受け入れられる可能性も上がることでしょう。
どういった媒体が伸びているのかを把握するためには、日々の情報収集が重要であることは言うまでもないですが、難しい場合には情報が集まりやすいメディアレップや二次請け業者に相談するのが良いでしょう。
TVer広告をはじめるメリットや費用などは以下の資料で解説しています。
注意点5.効果の期待値は下げておく
注意点2と関連しますが、あくまで実験として、効果面での期待値はできるだけ下げておくべきです。
新しい媒体にチャレンジするという時点で、何か大きな変化を期待している状態なので、それだけ期待値が上がっている状態です。
しかし知見のない新媒体にチャレンジするわけなので、最初は期待ほどの成果が得られないことがほとんどです。
そもそも運用型広告は、運用・改善しながら徐々に成果を良くしていくものです。
提出するシミュレーションの数値は厳しめに設定するなど、効果の期待値は下げておく方が良いでしょう。
注意点6.配信面とターゲットユーザーの相性にも注意する
ターゲットとするユーザーと親和性の高い配信面(配信される場所)であるかどうかも重要な観点です。
例えば20~40代の女性がターゲットで、Google・Yahoo!広告しかやっていない場合、相性の良いInstagram広告が有力な選択肢になります。
誰にその広告を届けたいのかを意識して媒体を選定すると良いでしょう。
まとめ
目新しい提案を求められた際には、新しい広告媒体を提案すべきである理由と、その際の注意点をご説明しました。
- 理由1.違いが分かりやすく目新しさを出しやすい
- 理由2.ターゲットやクリエイティブなどをそのまま流用できる
- 理由3.メディアレップや二次請け経由で発注すれば、媒体と契約締結せずそのまま発注できる
- 注意点1.新しすぎる提案はしない
- 注意点2.あくまで実験として予算は10%程度に留めておく
- 注意点3.3つ以上の媒体を用意して選んでもらう
- 注意点4.旬なモノをいれておく
- 注意点5.効果の期待値は下げておく
- 注意点6.配信面とターゲットユーザーの相性にも注意する
以下の記事では、Web広告の提案方法について詳しく解説しています。
こちらも参考にしていただき、新媒体の提案に活用してください。
参考:10年営業して分かった、受注につながるWeb広告の提案方法
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