ECサイトを運営していくうえで、売上を拡大していくために広告の出稿を検討する方は多いはずです。
しかし、広告を実施して効果が出なかったらどうしよう、本当にやったほうがいいのかと疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、ECサイトが集客する上で広告の活用は必須といえます。
ECサイトが実施すべきWeb広告は、リスティング広告・リターゲティング広告・ショッピング広告のたった3種類です。Web広告のなかでも特に費用対効果の高い、これらの広告メニューを活用することで、必ずECサイトの売上を増やすことができます。
筆者は数十社のECサイト向けにWeb広告を運用し成果を出してきました。
本記事を読めば、ECサイトがWeb広告を出稿する上での費用や方法に対する不安を解消し、実際にどのようにすれば効果をあげられるかまで理解できるはずです。
ECサイトがWeb広告を活用する3つのメリット
ECサイトがWeb広告を活用するメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
- メリット1:すぐに効果が実感できる
- メリット2:採算が合わなければすぐやめられる
- メリット3:費用対効果が良い
メリット1.すぐに効果が実感できる
ECサイトがWeb広告を実施すれば、すぐに売上アップなどの効果を実感することができます。
代表的な集客施策であるSEOやSNS運用と、Web広告を比較すると以下の通りです。
項目 | Web広告 | SEO・SNS |
---|---|---|
即効性 | 高 | 低 |
効果 | 短期的 | 中長期的 |
費用 | 高 | 低(内製する場合) |
運用労力 | 高 | 低 |
コントロール | 易 | 難 |
ターゲティング | 易 | 難 |
SEOやSNSでは、上位表示されたり一定のフォロワーを集めるまでに時間が掛かるため、中長期的に追っていく施策になります。
一方のWeb広告は、費用は掛かる分、今まさに商品を買おうとしている人に絞ってアプローチができ、すぐに売上につなげることができます。
リスティング広告で購買を検討しているユーザーに広告を出したり、リターゲティング広告で過去にECサイトに来訪したことのあるユーザーに絞って配信すれば、費用対効果を高く集客ができます。
メリット2.採算が合わなければすぐやめられる
Web広告は配信結果をリアルタイムで確認ができ、採算が合わなければすぐやめることができます。
ECサイトの場合、商品の購買を最終ゴールに置いて配信するのが基本ですが、Web広告ではこの購買を計測することで、1回の購買に掛けた費用を簡単にモニタリングすることができます。
Web広告は本当に効果があるのか、やって赤字だったらどうしようと思われる方も多いかもしれませんが、そうした方にとって採算性を常に確認できるのは大きなメリットです。
またWeb広告は、広告媒体上でワンクリックで広告配信を即座に停止することができます。
万が一採算が合わなければ、すぐにやめられるのでチャレンジしやすい施策です。
メリット3.費用対効果が良い
そもそもECサイトとWeb広告は相性が良く、費用対効果が良い施策です。
Web広告から、購入の場であるECサイトに直接誘導できるのがその理由です。
以下は、とあるECサイトのWeb広告の配信結果です。
購入単価が1,000円を超える商材ですが、コンバージョン単価(1回の購入に掛かった広告費)が420円と非常に安く購買につなげられています。
リピート購入も発生するので、LTVベースで考えれば更に高い費用対効果であると考えられます。
種類 | クリック率 | クリック単価 | コンバージョン率 | コンバージョン単価 |
---|---|---|---|---|
ショッピング | 1.0% | ¥11 | 4.2% | ¥270 |
ディスプレイ | 0.3% | ¥53 | 6.1% | ¥868 |
動画 | 0.5% | ¥3 | 0.1% | ¥3,526 |
総計 | 0.7% | ¥19 | 4.5% | ¥420 |
【参考】ECサイトのWeb広告活用が進んでいる
ECサイトのWeb広告活用が進んでいることを示す、ECマーケティング株式会社の調査をご紹介します。
参考:ネットショップ動向調査~小規模/大規模ネットショップ~
流通チャネル
まず月商1,000万円以上のECサイトでは、リスティング広告が21.8%と最も多い流入チャネルになっています。
月商1,000万円未満のECサイトでは、ダイレクトが23.4%でトップで、リスティング広告は10.8%となっています。
より売上の大きいECサイトほど、Web広告を活用して売上につなげていることがここから分かります。
広告の実施有無
広告の実施の有無ですが、月商1,000万円以上のECサイトでは90.9%、月商1,000万円未満のECサイトでも71.2%が広告を実施しています。
競合サイトの多くが広告を活用して集客をしているということなので、そのなかで競合優位性を持って自社ECに集客するためには、やはりWeb広告を活用することが求められます。
押さえておきたいECサイトのWeb広告費用
Web広告を実施する際に気になる、ECサイトのWeb広告費用について解説します。
Web広告予算の算出方法
Web広告の費用・予算は、目標の売上から逆算して算出します。
②目標購入件数 × 購入1件にかけられる上限コスト = 広告予算
<例>
①目標売上100万円 ÷ 平均購入単価2,000円 = 目標購入件数500件
②目標購入件数500件 × 購入1件にかけられる上限コスト1,000円 = 広告予算50万円
上記の場合、たとえば購入1件にかけられる上限コストを1,000円とすると、おのずと広告予算が50万円となります。
また購入1件にかけられる上限コストは、LTV(顧客生涯価値)を超えない金額にしましょう。
<例>
LTV = 平均購入単価2,000円 × 平均リピート回数3回 × 粗利率20%
= 1,200円
上記の場合、顧客一人あたりから生涯に得られる利益=LTVが1,200円となり、これ以上は広告で費用を掛けると赤字になります。
Web広告の費用相場
種類 | 課金方式 | 相場 |
---|---|---|
リスティング広告 | クリック課金 | 1円~数百円/1クリック |
リターゲティング広告 | クリック課金 | 数十円~数百円/1クリック |
純広告 | インプレッション課金 | 10円~数百円/1,000回 |
期間保証 | 数十万~数千万/週 | |
SNS広告 | クリック課金 | 10円~数百円/1クリック |
アフィリエイト広告 | 成果報酬型 | 100円~数万円/1成果 |
Web広告の費用相場は、業種や商材によって様々です。
ECサイトの場合は、商品単価が比較的安いので、上記相場の下限値に近いと考えると良いでしょう。
参考:Web広告の費用の相場・予算の算出方法・費用を抑えるポイント
ECサイトにオススメのWeb広告3種
ECサイトにおすすめなWeb広告メニューは以下の3種があります。
- リスティング広告:検索語句に対応したテキスト広告を配信
- リターゲティング広告:過去サイトに来訪したことのあるユーザーに配信
- ショッピング広告:商品画像に価格などの情報をあわせて表示する
ECサイトでは、コンバージョン率の高い上記3つから始めるのがオススメです。
購買に直接つながりにくい認知拡大施策に費用をつぎ込んでも、CPAが合わなくてWeb広告自体をやめることにもなりかねません。
まずは費用対効果が高く、運用もしやすいリスティング広告から始めましょう。
続いて、リスティング広告を実施して一定の集客ができ、リターゲティングリストが溜まったらリターゲティング広告を実施。
最後に、費用対効果良く売上を拡大できるショッピング広告です。
ブランドの認知度が低いうちは、検索数が少ない&リターゲティングリストが少ないため、リスティング広告とリターゲティング広告だけでは思ったほど売上拡大ができないので、ショッピング広告も必須です。
まずはこれから:リスティング広告
リスティング広告は、ブラウザの検索結果の上部に表示される検索連動型の広告です。
検索したキーワードに関連する広告が表示されるので、狙ったユーザーに配信しやすいメニューです。
商品購入を検討中の、以下のような検索キーワードで検索しているユーザーに向けて配信することで、費用対効果高く配信が可能です。
- ブランド名:「NIKE」など
- 商品名:「エアフォースワン」など
- サービス・商材名+おすすめ・購入など:「スニーカー おすすめ 買う」など
リスティング広告については以下でも詳しく解説しています。
参考:初心者でもわかるリスティング広告とは?費用から運用のやり方まで徹底解説!
活用すべき理由
リスティング広告を最初に始めるべき理由は、購入を検討している見込みの高いユーザーに絞って配信が可能だからです。
検索をしている時点で一定の目的があると考えられますが、そのなかでも情報収集段階のユーザーではなく、まさにいま買おうとしているユーザーに配信ができるので、その分購買につなげやすいです。
商品名やブランド名で検索しているユーザーは、購入意向が強くコンバージョン率の高い顧客の可能性が高いです。
また、まだ自社のブランド名が知られていなかったとしても、「商材+おすすめ」や「商材+購入」などで検索しているユーザーに配信すれば、そのまま購入してもらえる可能性があります。
そういったユーザーが検索行動をしている際に、検索結果上部に広告を表示することで、簡単に商品販売ページに誘導することができ、売上向上が見込めます。
注意点
一般的にECサイトとの相性が良いリスティング広告ですが、一部相性が悪い以下のジャンルもあります。
相性の悪いサービス | 例 | 理由 |
---|---|---|
ニーズ型商品で、ブランドが弱いもの | 食品・ファッション・家具・インテリアなど | 検索結果の競合となるモールの優位性が強いため |
同じ商品を他も扱っていて、価格・在庫・送料などで優位性の無いもの | 本・CD・iPhone・水・ゲームなど | 比較にさらされて勝てる要素が無いため |
利益が小さく、かつリピート前提でもないもの(低単価商品) | 一つ100円の商品など | 投下した広告費に見合ったリターンを得づらいため |
未認知の新ジャンル | 普及前のスマートフォン | キーワードで想起されないため、検索行動に至らない |
こうしたジャンルの商品は、リスティング広告を実施しても費用対効果が悪くなってしまいます。
この場合は、後述のショッピング広告を実施したり、リスティング広告は費用対効果の合う別商材で実施するのが良いでしょう。
媒体
リスティング広告の媒体は、Google広告とYahoo!広告で検索の9割以上をカバーできるので、この2つを実施すればOKです。
またYahoo!広告はGoogle広告の検索エンジンを使用しているため、実質一つの設定内容で両媒体に出稿可能です。
始め方
リスティング広告は以下のステップで始められます。
- アカウント開設
- アカウント構成の作成
- 入稿
- 予算設定
- 審査確認
- 支払い、入金設定
- タグ設定
- 広告掲載開始
参考:【初心者でも簡単】リスティング広告の始め方-アカウント開設から広告掲載開始まで
このなかで最も肝となるのが「2.アカウント構成の作成」です。
何をどのように配信するのかを決めるパートになりますが、ECサイトでは何を売るのかを決めることが特に重要です。
特に買ってもらいやすい商品(フロントエンド商品)をフックに集客して、価値を感じてもらった後に、利幅の大きい本命商品を紹介し買ってもらうのが王道の方法です。
以下記事を参考に、どの商品を広告で宣伝するのかを選定しましょう。
参考:フロントエンド商品とバックエンド商品|具体例と活用法
参考:リスティング広告のアカウント構成とは?良し悪しを分ける3つのポイントと作成手順
効果が良ければ:リターゲティング広告
リターゲティング広告の仕組み
リターゲティング広告は、過去にサイトに来訪したことのあるユーザーに向けて配信できる広告メニューです。
リターゲティングタグを設置したページにユーザーが訪問した場合に、訪問履歴としてCookie情報を広告媒体に蓄積してリスト化し、そのリストのユーザーに対して広告配信をします。
ECサイトでは、一度の購入だけでなくリピート購入してもらうことが重要なので、リピートを促す施策としてもリターゲティング広告は有効です。
参考:リターゲティング広告の活用次第でCV4倍に!運用のプロ直伝の成功事例5選
活用すべき理由
リターゲティング広告は、過去サイトに来訪したことのあるユーザーに対して配信ができるので、購買してもらえる確率(コンバージョン率)が高いメニューです。
例えばカート落ちしてしまったユーザーに配信をすれば、ユーザーの高い購買意欲を逃さずに宣伝ができます。
あるいは一度購入したことのあるユーザーに配信するのも効果的です。
商品を使い終わったタイミングで広告を配信することでリピート購入を促せます。
購買意欲の高いユーザーに配信できるリターゲティング広告は、ECサイトと相性の良いメニューといえます。
注意点
注意点としては、ECサイトの流入数が少ないときは、リターゲティング広告の配信のもととなるリストが少ないため、広告配信のボリュームが少なくなってしまいます。
まずはリスティング広告などでサイトへの流入数を増やし、リターゲティングリストを大きくすることが重要です。
媒体
リターゲティング広告は基本的にどの広告媒体でも配信可能です。
自社の商品との相性の良い広告媒体から順次はじめ、状況をみながらSNS広告(Twitter,Facebook,LINEなど)などの広告媒体にチャレンジしていくといいでしょう。
始め方
リターゲティング広告を始めるには、以下のステップが必要です。
- 広告媒体からリターゲティングタグを出力
- タグをサイト内の全ページに設置
- リターゲティングリストの設定
- 他の広告を配信してサイト内の流入数を増やす
- リターゲティングリストが溜まり次第広告を設定して配信開始
どの媒体でも上記の仕組みは同じです。
タグと呼ばれるユーザーの行動履歴を保存するためのコードをサイトに設置し、配信に必要なリターゲティングリストを溜める必要があります。
ご参考までに、Google広告・Yahoo!広告の参考ページを記載します。
参考:サイトリターゲティングのしくみ|Yahoo!JAPAN広告
参考:データ セグメントについて|Google広告ヘルプ
更に売上を拡大したいなら:ショッピング広告
リスティング広告・リターゲティング広告で実績を積み上げたら、更に売上を拡大するためにショッピング広告を出稿するのがおすすめです。
ショッピング広告は、商品画像に商品価格や送料などの商品情報をあわせて配信できるメニューです。
まさに商品を買おうと検討しているユーザーに対し、ビジュアルでダイレクトに購買意欲を高めて宣伝できるので、ECサイトと非常に相性の良いメニューです。
以下でもショッピング広告について詳しく解説していますので是非ご参照ください。
参考:ショッピング広告とは?設定方法や効果を出すためのコツまで詳細解説
活用すべき理由
ショッピング広告の主な利点は以下です。
- 商品画像と商品名や価格をセットにして、ビジュアルで訴求できる
- 購入を検討しているユーザーにビジュアルで訴求できる
- 「スニーカー」などのジャンル・カテゴリ名で検索したユーザーにも画像を表示できる
- 興味が無い、対象外のユーザーはクリック前に除外できる(無駄なクリック費が発生しない)
これらの理由から、費用対効果が良いのがショッピング広告の特徴です。
特にECサイトと相性が良いメニューです。
「メリット3:費用対効果が良い」でご紹介した事例でも、ショッピング広告のCPAが最も良くなっています。
注意点
費用対効果の良いショッピング広告ですが、フィードの管理が煩雑であることには注意しましょう。
ショッピング広告を配信するためには、フィードと呼ばれる商品情報をまとめたファイルを用意する必要があります。
価格や在庫状況などが常に変動するECサイトにおいて、それに合わせてフィードを常に更新するのは非常に大変です。
そのため、フィードを管理するプラットフォームと広告媒体を連携し、リアルタイムでデータフィードを更新できるようにする必要があります。
商品数が100点を超えるようなECサイトの場合は、フィードの管理を手動で更新するのは非常に大変なため、フィード管理ツールの導入が必要不可欠です。
効果面ではECサイトなら絶対に実施すべきメニューですが、Web広告をやったことのない人がいきなり始めるにはハードルが高いため、まずはリスティング広告・リターゲティング広告から始めることを推奨します。
媒体
ショッピング広告の配信が可能な広告媒体は主に以下があります。
- Google広告
- ショッピングキャンペーン
- スマートショッピングキャンペーン
- ローカル在庫広告
- 動的リマーケティング
- Yahoo!広告
- 動的ディスプレイ広告
- Criteo
- LINE広告
- LINEダイナミック広告(LINE Dynamic Ads)
- Facebook/Instagram広告
- Facebookダイナミック広告
それぞれの媒体によって配信される面が変わってきます。
まずは配信ボリュームが多く始めやすいGoogle広告から始め、実績を積んだら他の媒体に展開していくのが良いでしょう。
参考:データフィード広告とは?運用メリットや広告の種類、効果的な運用の方法を紹介
始め方
ショッピング広告の始め方は以下の通りです。
- フィードを用意する
- タグを設定する
- 媒体の配信設定をする
どの媒体でも大まかな流れは同じですが、詳細な設定方法はかなり違っています。
「1.フィード」は媒体によって仕様が違うので、各媒体に合わせたフィードを作成する必要があります。
また「2.タグ」も媒体によって仕様が異なっており、リターゲティング広告よりもその仕組みは複雑です。
サイト構築・管理の知識が求められるので、サイト運営者の協力は必須です。
データフィード広告については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考:データフィード広告とは?代表的な媒体・始め方・運用のポイント
SNS広告・動画広告・アフィリエイト広告・純広告は上級者向け
ECサイト向けの広告メニューとして以下もありますが、上記3つと比べるとやや上級者向けになっています。
- SNS広告:ユーザーが購買モードでないので態度変容させるのが大変
- 動画広告:同上
- アフィリエイト広告:業種や商材によって不向きなものがある。アフィリエイターはより高い報酬を求めているので他社との競争になる。
- 純広告:必要な予算が高い。自社のターゲットにあった出稿先を選ばないと失敗する。
SNS広告や動画広告は、それらを見るモードにユーザーはなっているので、そのなかで広告をクリックしてもらってそのまま購買まで行ってもらうのは、ハードルが高くなっています。
またアフィリエイト広告や純広告は、ECサイトの売上を拡大するためには必要になってくるメニューですが、初心者は自身でコントロールしやすい上記3メニューから始めるのが良いでしょう。
ECサイトがWeb広告で集客を成功させるための4つのポイント
ECサイトがWeb広告で集客を成功させるためには、以下の4つのポイントが特に重要です。
- フェーズに合わせた手法を選択する
- ランディングページ(LP)を活用する
- ABテストでクリエイティブを最適化する
- リピーター向けの広告も実施する
1.フェーズに合わせた手法を選択する
ユーザーの商品認知レベルは大まかに以下の4段階に分けられ、それぞれのターゲットユーザーごとに配信すべき広告種別が異なります。
上記それぞれに対して効果的な広告メニューは以下です。
- 顕在層向け:リスティング広告(指名ワード、商品名)、リターゲティング広告、ショッピング広告
- 準顕在層向け:リスティング広告(一般ワード)、ディスプレイ広告(認知)、SNS広告、純広告、アフィリエイト広告
- 潜在層向け:動画広告、アプリ広告
- 低関心層:費用対効果の観点で配信対象から除外
今回おすすめしている3メニューは、いずれも顕在層向けのものです。まずは購買に近いユーザーからアプローチするのが原則です。
余裕が出てきたらターゲットを少しずつ広げていきましょう。
2.ランディングページ(LP)を活用する
ECサイトがWeb広告を出稿する際には、リンクをランディングページ(LP)にするようにしましょう。
Web広告では広告クリエイティブごとにそれぞれクリック後に推移するページを設定できます。
商品ごとの特設ページを用意して、そのページをリンク先に設定すると効果が高くなります。
逆にトップページにリンクさせてしまうと、ユーザーが自身で遷移しなくてはいけないので、離脱されてしまう可能性が高くなってしまいます。
同様に商品ページに遷移させた場合は、情報量が少なく購買までつなげられないことが多々あります。
できるだけ個別のランディングページを用意するようにしましょう。
参考:ランディングページ(LP)とは?10分でわかるLPの目的・メリット・作り方
3.ABテストでクリエイティブを最適化する
ECサイトのWeb広告では、広告・ランディングページをABテストして最適化することが非常に重要です。
ABテストとは、ある特定の期間にページの一部分を2パターン用意して、どちらがより効果の高い成果を出せるのかを検証することです。
どの広告クリエイティブやランディングページがより効果が高いかを、ABテストをして常に追い求めていく必要があります。
ABテストのポイントとしては以下があります。
- キャッチコピー・写真・デザインの3つをテストする
- ABテストをする際は、変数を一つだけにすることがポイント
- 特定のターゲットに絞ったキャッチコピーにするとクリック率が上がる
詳細は以下の記事にて解説していますのでご参照ください。
参考:ABテストとは?王道4つの分析パターンとおすすめツールまとめ
4.リピーター向けの広告も実施する
ECサイトにおいて非常に重要なリピーター向けに広告を実施しましょう。
ECサイトの広告運用では、商品を一度購入したユーザーに向けて、商材のライフサイクルに合わせて最適な広告を配信することが、LTV(顧客生涯価値)向上の観点からも大変重要です。
一度商品を購入したしたユーザーは、リターゲティングリストを適切に設定していればリターゲティング広告の配信対象としてターゲティングすることが可能になります。
具体的なテクニックの一例をあげると、化粧品などの場合、使い切る期間を1か月後と想定し、購入後1ヶ月以降にリターゲティング広告を配信するなどがおすすめです。
その際に、購入者限定のクーポンやランディングページを用意するとさらにCVRが上がる可能性があります。
まとめ
ECサイトの集客において、Web広告の活用は欠かせない施策です。
ECサイトがWeb広告を活用するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- メリット1:すぐに効果が実感できる
- メリット2:採算が合わなければすぐやめられる
- メリット3:費用対効果が良い
また数あるメニューの中で、まずオススメしたいのが以下3種のメニューです。
- まずはこれから「リスティング広告」:検索語句に対応したテキスト広告を配信
- 効果が良ければ「リターゲティング広告」:過去サイトに来訪したことのあるユーザーに配信
- 更に売上を拡大したいなら「ショッピング広告」:商品画像に価格などの情報をあわせて表示する
Web広告を実施する際には、以下のポイントは最低限押さえておくべきです。
- フェーズに合わせた手法を選択する
- ランディングページ(LP)を活用する
- ABテストでクリエイティブを最適化する
- リピーター向けの広告も実施する
多くのECサイトでWeb広告を活用して集客しており、欠かすことのできない施策になっています。
ぜひ本記事を参考に、Web広告にトライしてみてください。