【一覧表付】Web広告の費用の相場・予算の算出方法・費用の抑え方

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「Web広告の費用ってどれくらい掛かるんだろう?」
「できるだけ費用を抑えたいがどうすればいいんだろう?」

これからWeb広告を実施する方にとって、費用・予算は大きな悩みのタネかと思います。
本記事では、Web広告の費用相場についてわかりやすく解説します。

またどれくらいかかるのか、どういう仕組みで費用が決まるのかもあわせてご説明致します。

こちらを読んでいただければ、自社の目標に対して必要な予算を算出し、さらに費用対効果高くWeb広告を実施するコツまで分かるでしょう。

Web広告で低コストでも効果を出す方法


Web広告の費用相場一覧

世間一般的にWeb広告と呼ばれるものの費用相場を簡単にまとめると以下のとおりです。

大分類種類課金方式相場
純広告純広告インプレッション課金10円~数百円/1,000Imp
期間保証数十万~数千万/週

運用型広告

リスティング広告クリック課金1円~数千円/1クリック
ディスプレイ広告クリック課金10円~数千円/1クリック
SNS広告クリック課金10円~数百円/1クリック
インプレッション課金数十円~数百円/1,000Imp
エンゲージメント課金1円~数百円/エンゲージメント
DSPクリック課金10円~数千円/1クリック
インプレッション課金10円~数百円/1,000Imp
動画広告再生課金1円~数百円/1視聴
成果報酬型告アフィリエイト広告成果報酬型100円~数万円/1成果

Web広告の費用相場(種類別)

上記表の通り、Web広告は大分類で以下の3タイプに分別できます。

  • 運用型広告
  • 純広告
  • アフィリエイト広告

参考:ネット広告の種類一覧!課題別の効果の出る手法を解説

それぞれの費用相場を見ていきましょう。

運用型広告

運用型広告を種類ごとに分別すると、以下のとおりです。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • DSP
  • 動画広告
  • 純広告
  • アフィリエイト広告

クリック単価は広告配信時に設定した金額を上限とし、競合入札を経て1円~数千円までとリアルタイムで変動します。

リスティング広告

リスティング広告はユーザーが検索したキーワードに連動して検索結果上部の広告欄に表示される広告です。

リスティング広告は売上に一番直結しやすく、多くの事業者が一番初めに取り組む広告になります。

  • 相場:理論上は1円~出稿が可能(競合の入札状況により変動)
  • 課金方式:クリック課金
  • 上限入札単価を設定できるので、ある程度運用状況をコントロール可能
  • 広告運用設定によってはAIによる運用の自動化も可能
  • 不動産やBtoB商材など、競合が多く、高額な商材はクリック単価が高騰傾向

参考:初心者でもわかるリスティング広告とは?費用から運用のやり方まで徹底解説!

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告はユーザーがWebページを閲覧しているときに、Webページの広告枠に表示される広告です。

主にブランドや商品をユーザーに認知させる目的で活用されることが多い広告メニューです。

表示形式はバナー画像や文章など広告媒体の仕組みによって様々な形式があります。

広告媒体ごとに様々な特徴がありますが共通点をあげれば以下になります。

  • 相場:CPC10円~(広告の配信先や時期など様々な要因で10円~300円前後と大きく変動)
  • 課金方式:クリック課金(一部広告媒体ではインプレッション課金も選択可能)
  • 低単価で広く配信できるが、リスティング広告と比べると費用対効果は低い傾向にある

参考:ディスプレイ広告の始め方とリスティング広告との違いを徹底解説!

SNS広告

SNS広告は一般的にFacebookやTwitter,LINEなどに配信する広告のことを言います。
各広告媒体ごとにそれぞれ特徴は異なりますが共通点としては以下です。

  • 相場:CPC10円~(媒体や配信設定により大きく変動)
  • 課金方式:クリック課金orインプレッション課金orエンゲージメント課金
  • ディスプレイ広告と傾向は近いが、やや単価が高い
  • ターゲティングの精度が高い(ユーザーのSNS登録情報を活用)

業界や商材により、広告媒体との相性が運用結果を左右しやすいため、実施前の十分なリサーチが広告運用成功の要になります。

参考(Instagram広告):【最低100円からOK】インスタ広告にかかる費用と、本格的に攻略するための予算感
参考(Facebook広告):Facebook広告の料金目安から費用対効果を高めるポイントまで徹底解説
参考(LINE広告):<最低30万の予算は確保すべき!LINE広告の費用とコスパの良い運用のポイント

DSP広告

DSP広告は簡単に説明すると、GoogleアドワーズやYahoo!広告以外から出稿可能なディスプレイ広告みたいなイメージの広告です。

DSP広告の実施を検討する段階としては、GoogleアドワーズやYahoo!広告,SNS広告などの主要広告媒体を運用して、ある程度の広告運用の知見を得た後に実施する事業者が多い印象です。

日本国内のDSP広告だけども多種多様な仕組みのものがありますが共通点をあげれば以下になります。

  • 相場:CPC10円~
  • 課金方式:クリック課金orインプレッション課金
  • ディスプレイ広告に近い
  • 各広告媒体ごとにマニアックなターゲティング設定が可能
  • 広告運用中級~上級者向け
  • 広告代理店経由での出稿が必要な媒体が多い

参考:DSP広告とは?その仕組みから主要11社の比較まで徹底解説!

動画広告

動画広告は主に動画配信サービスを閲覧中に流れる広告のことを指します。

動画広告は他の広告種別と組み合わせて活用すれば、ブランドや商材の認知拡大~売上向上にも大きく寄与します。

各広告媒体ごとに仕組みは異なりますが共通点は以下になります。

  • 相場:1円~数百円/1視聴(配信先やターゲティング設定、配信時期などで大きく変動)
  • 課金方式:視聴課金がメイン(課金タイミング等に様々な種類有り)
  • TVCMに比べればはるかに安い。(中には月額1万円前後で実施している事業者も多数)
  • 認知拡大がメインの目的になるので、数万円~数十万円は用意が必要

参考:YouTube広告を始めるために必要な費用は?費用対効果をアップさせる5つのコツ
   動画広告の効果とは?他の広告との比較や配信媒体別の効果も詳しく解説!【成功事例あり】

純広告

純広告は、広告予算に応じて、広告媒体側の広告枠を買い取って配信する広告で、広告媒体側と事前にインプレッション数や配信期間などを決めた上で、配信結果を保証してもらえる広告になります。

具体的なイメージとしては、Yahoo! JAPANのトップページに表示される広告がわかりやすいでしょう。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 相場:数十万円~数千万円
  • 課金方式:インプレッション課金 or 期間保証 がメイン
  • 広く認知拡大を図ることができる
  • 保証内容に配信結果が満たない場合は、追加で無料配信してくれる場合有り(契約内容による)

参考:メディアレップとは?仕組みや広告代理店との役割の違いを解説します

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告は一般的に、成果報酬型の広告のことを言います。

アフィリエイターと呼ばれる、ブログやSNSの運営者(インフルエンサーなど)などが自身の運営しているメディアに該当商材の広告を貼り、その広告経由で商品が購入された場合のみ報酬を払う仕組みです。

主な特徴としては以下のとおりです。

  • 相場:100円~数万円/1成果
  • 課金方式:成果報酬型
  • 成果報酬型なので、設定した以上のCPAにならず、失敗しにくい
  • アフィリエイターに宣伝してもらえるだけのブランド力は必要
  • 成果承認の可否など煩雑な作業が必要
  • アフィリエイターに悪質な宣伝手法(ブランドイメージ毀損可能性)で広告運用される危険性がある
  • ASPに登録が必要な場合有り
  • 広告成果判別のためのトラッキングURL発行及び管理などの専門知識が必要
  • アフィリエイターの行った薬機法違反等の責任を広告主が問われる

アフィリエイト広告はどちらかと言ったら、広告運用上級者向け、もしくは自身でメディアを運営した経験のあるかた向けの広告メニューになります。

参考:アフィリエイト広告│効果のでる出稿方法と業種別ワンポイントアドバイス


Web広告の課金方式

Web広告の課金方式は、主に以下があります。

  • 保証型
  • クリック課金
  • インプレッション課金
  • 動画視聴課金

保証型

Webメディアの保有する広告枠に事前に条件を決めた上で(配信結果を保証)、一定期間広告を配信してもらう方式です。

Webメディアによって料金体系が異なり、認知度や影響力の高いメディアの場合、数週間で数千万円必要になったりします。

クリック課金

クリック課金は配信された広告がクリックされた場合にのみ上限入札単価に基づき課金される方式です。

リスティング広告やディスプレイ広告で一般的に採用される課金方式になります。

インプレッション課金

インプレッション課金は一般的に、CPM(Cost Per Mille)課金と言われ、広告が1,000回表示されるごとに広告費が発生します。

計算式は以下です。

CPM=広告費÷表示回数×1,000

広告媒体や配信メニューごとにCPM課金方式が選択できるかどうかが異なります。
どちらかと言ったら、認知拡大施策向けのディスプレイ広告で選択されやすい傾向にあります。

動画視聴課金

動画視聴課金は、動画広告が1回視聴されるごとに広告費が発生する方式です。

「視聴」の定義や課金タイミングなどは各広告媒体ごとに異なりますので、実施する場合は入念にリサーチして認識ミスが生じないように注意することが重要です。

参考:Web広告代理店10年の営業マンに聞いた!Web広告営業を成功に導く事前準備


Web広告の予算の求め方

Web広告の予算を求める際のポイントは以下です。

  • 覚えておきたいWeb広告の指標
  • Web広告予算の算出式
  • Web広告の出稿に掛かる費用

Web広告の指標

Web広告の運用にあたって、以下の指標についてはおさえておきましょう。

クリック率(CTR)

広告が表示された回数に対し、どの程度クリックされたかを表す指標です。

クリック率を求める計算式は以下です。

クリック率(CTR) = クリック数 ÷ インプレッション数×100

【例】
・クリック数:30
・インプレッション数:6,000
⇒30 ÷ 6,000 × 100 = 0.5

CTR=0.5%

クリック単価(CPC)

広告が一回クリックされるごとにかかる費用を指します。
クリック単価を求める計算式は以下です。

クリック単価(CPC) = 利用金額 ÷ クリック数

【例】
・クリック数:30
・利用金額(広告費):2100円

⇒2100 ÷ 30 = 70

CPC=70円

コンバージョン率(CVR)

コンバージョンは商品の購入など、Web広告で目指す最終ゴールのことで、コンバージョン率は広告がコンバージョンに至った割合を表す指標です。

コンバージョン率を求める計算式は以下です。

コンバージョン率(CVR) = コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100

【例】
・コンバージョン数:3
・クリック数:150

⇒3 ÷ 150 × 100 = 2

CVR=2%

コンバージョン単価(CPA)

コンバージョン単価(CPA)は、1コンバージョンあたりの費用を指します。

コンバージョン単価を求める計算式は以下です。

コンバージョン単価(CPA) = 利用金額 ÷ コンバージョン数

【例】
・利用金額(広告費)2100円
・コンバージョン数 3

⇒2100円 ÷ 3 =700

CPA=700円

Web広告予算の算出式

Web広告予算を算出する場合は上記の計算式を念頭に、CPCとCVRを固定値にして平均CPAを割り出し、平均CPAと目標のCV件数から算出します。

  • 平均CPA =平均CPC ÷ CVR
  • 広告予算=平均CPA × 目標件数

一番CVRが高くなりやすいリスティング広告でも、CVRは1~3%ぐらいを目安にシミュレーションを作成するのが無難です。

リスティング広告以外の広告メニューの場合、CVRは0.3~0.6%程度が現実的でしょう。

参考:広告運用者必見!意外と簡単な広告シミュレーションの考え方・作り方

Web広告の出稿に掛かる費用

Web広告の出稿には媒体費とは別に以下の2つがかかります。

  • クリエイティブ制作費
  • 運用代行費

クリエイティブ制作費

クリエイティブ制作費は、広告用のバナーや動画を外注する場合に必要な費用です。
予算感は依頼する制作会社などにより大きく異なり、数万円~数十万、動画の場合は数百万円の場合もあります。

頻繁に広告クリエイティブのテストをしている会社などは、コスト削減のため社内にクリエイターを確保しているところもあります。

運用代行費

社内に広告運用のできる人材がいない場合の選択肢として、Web広告専門の代理店に運用を依頼する事業者も多くいらっしゃいます。

費用としては、実際の広告運用費の20%が目安になります。(成果報酬型の広告代理店も有る)

参考:リスティング広告代理店の選び方と地雷を避けるチェックリスト


Web広告の費用を抑えるポイント

Web広告の費用を抑えるためには以下のポイントを意識しましょう。

  • ポイント1.費用対効果の高いリスティング広告・リターゲティング広告から始める
  • ポイント2.広告のクリック率を高める

ポイント1.費用対効果の高いリスティング広告・リターゲティング広告から始める

Web広告の優先順位を、費用対効果の側面から並べると以下になります。

  1. リスティング広告:顕在層にアプローチ(購入意欲の高い人)
  2. リターゲティング広告:顕在層にアプローチ(購入意欲の高い人)
  3. ディスプレイ広告(SNS広告含む):潜在層(ブランドや商材の認知拡大に利用)

リスティング広告で顕在層にアプローチする

まずはリスティング広告を出稿し、今まさに商品の購入を検討していてキーワード検索している人(=顕在層)に向けて広告を表示させるのが一番費用対効果が高くなります。

たとえば「NIKE スニーカー 購入」と調べている人は、今まさにNIKEのスニーカーを購入しようとしている人でしょう。

この人にリスティング広告を配信すれば、リンクをクリックしてそのまま購入してくれる可能性が高くなります。

リスティング広告は狙ったキーワードごとにCPCやCVRが大きく変動するため、ある程度の広告予算を確保した上で、最速でPDCAを回しながら運用するのがベストです。

リターゲティング広告で購入意欲の高い人にアプローチする

リターゲティング広告で、過去にWebサイトに来訪したことのある、購入意欲の高い人にアプローチしましょう。

リスティング広告を運用してサイト訪問者を増やし、サイトに設置したリターゲティングタグによってリターゲティングリストが一定数蓄積したら、購入意欲の高そうなユーザーに向けてリターゲティング広告の配信をするのがおすすめです。

一度Webサイトに訪れても、その場では購入せずにいったん検討する人は多くいます。
その人たちの熱が冷めない間にリターゲティング広告を配信することで、再度購入の検討を促すことができます。

ディスプレイ広告で潜在層の認知を向上させる

リスティング広告とリターゲティング広告を実施してある程度の広告運用の知見と売上を得られたら、事業拡大のための認知向上施策としてディスプレイ広告を実施するのがおすすめです。

すでにニーズが顕在化しているユーザーに十分に広告を配信したら、まだ貴社サービスのことを知らない「潜在層」にアプローチしましょう。
これをしないと、同じユーザーにばかり広告を配信することになり、いずれ費用対効果が悪化してしまいます。

ディスプレイ広告で潜在層にアプローチして顕在層に引き上げて、リスティング広告・リターゲティング広告でしっかり購買につながるのが、Web広告の王道の運用サイクルです。

ポイント2.広告のクリック率を高める

多くの広告媒体で共通して、広告のクリック率を高めると広告費用が抑えられます。

運用型広告では、広告のクリック率が高い=ユーザーにとって便益のある広告とみなされ、クリック単価(CPC)が下げられる仕組みになっています。

いかにクリック率を高められるかが、Web広告の費用を抑えて、費用対効果を高めるためには重要です。

広告のクリック率を高めるための基本的な考え方

クリック率を上げるためには、大きく以下2つの方向性が考えられます。

  1. 適切なユーザーに配信する
  2. ∟ターゲティングを正しく設定する
    ∟自社商材に合った媒体を選ぶ

  3. クリックされやすい広告を用意する

誰に」広告を配信するのか、また「どんな」広告を配信するのかの2つです。

顧客の認知から実際の購買に至るまでの過程を想像し、それぞれの段階ごとにどういう広告クリエイティブならユーザーにとって有益性が高いのか、仮設を立てて広告やLPのデザインなどを設計すると自然とCTRと費用対効果の高い広告が作成できるでしょう。

以下、「誰に」広告を配信するのか考える際の、参考記事をご紹介します。

<ターゲティング>
ターゲティング:ターゲティングで確実に成果を上げるための設定方法を徹底解説
リスティング広告:これで大丈夫!リスティング広告のアカウント構成で注意すべき6つのポイント
Facebook広告:Facebook広告のターゲティングの種類と使い分けのポイント
Instagram広告:インスタ広告でできるターゲティングの種類と成果を挙げる設定のポイントを解説
LINE広告:LINE広告(旧:LINE Ads Platform(LAP))で設定できる全ターゲティングを徹底網羅!オススメや事例も解説
Youtube広告:YouTube広告のターゲティングの方法と、事例からわかった成果を挙げるコツ
スマートニュース広告:スマートニュース広告のターゲティング・選び方を詳細解説

<媒体選定>
ネット広告の種類一覧!課題別の効果の出る手法を解説

以下、「どんな」広告を配信するのか、広告クリエイティブ作成の参考記事をご紹介します。

<広告クリエイティブ>
クリックしたくなるバナーに共通した5つの特徴と業種別の参考事例
勝てるバナーレイアウト20選!│レイアウトに悩んだ時の虎の巻
「45分」で作れる! 高品質バナーの作り方!
【バナーデザインの教科書】訴求したいイメージ別|王道デザイン8選!


まとめ

本記事では、Web広告運用に必要な費用相場とポイントについて初歩から詳しく解説しました。

広告の種類によって、費用相場も課金方式も様々です。

また広告予算の算出は、各指標の概算値を仮で当てはめて計算します。
媒体費だけでなく、クリエイティブの制作や運用代行費も場合によっては掛かってくるので注意しましょう。

最後に、Web広告の費用を抑えるには以下の2つは必ず押さえておくようにしましょう。

  • ポイント1.まずは費用対効果の高いリスティング広告・ディスプレイ広告から始める
  • ポイント2.広告のクリック率を高める
  • ポイント3.自社運用が難しいなら外注を検討する

本記事が貴社のWeb広告費用の抑制につながれば幸いです。

なお、「リスティング広告スタートアップガイド」では初心者向けにリスティング広告で効果を出すための全手順を60ページにわたり解説しています。
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