店舗への集客などのエリアを限定したWeb施策として、Web広告を活用することで、特定のエリアに住んでいるユーザーや、特定のエリアの情報を探しているユーザーへ広告配信が可能です。
今回は、WEBマーケティングにおいてエリアに紐づいた施策をご担当されている方向けにエリアでの広告配信手法、そして効果的に配信するためのポイントを紹介いたします。
エリアごとのマーケティングを担当することになった初心者の方、改めて基本的な情報を整理したい方におすすめしたいと思います。
エリアに紐づくweb施策を検討されている「店舗事業者」の方は、こちらの資料も参考にして下さい。
無料でできるweb施策「Googleマイビジネス」攻略ガイド
目次
エリア指定ができる広告メニューとは
まず、ユーザーのエリアを指定して広告配信が可能な集客方法について紹介いたします。
リスティング広告
リスティング広告では2種類の方法でエリアをセグメントすることができます。
ひとつ目はキーワード、2つ目は配信対象エリアです。
1. キーワードでエリア指定
単純に登録キーワードに「○○ 横浜」など対象エリア名を挿入することです。
この場合、IP設定によるエリア配信指定はしないことをおすすめします。
その理由は、機会損失を防ぐためです。
例えば、東京で大阪への転勤が決まった際には東京から「賃貸マンション 大阪」などと検索するでしょう。
▼参考URL
Yahoo!:地域ターゲティング
Google:広告のターゲット地域の設定
なお、マッチタイプは絞り込み部分一致の活用をおすすめします。
確実にそのエリアのユーザーへの訴求が可能で、かつ部分一致のように予期せぬ想定外のエリアのユーザーを拾ってしまい無駄クリックが発生! などということを防ぐことができます。
例)登録キーワード「横浜 美容室」
【絞込部分一致】
「横浜」と「美容室」この2つのワードが検索された際に、広告が掲載されます。
「横浜 おススメ 美容室」でも掲載されます
【フレーズ一致】
「横浜 美容室」の組み合わせが完全に一致する必要があり、前後にキーワードを含む場合は掲載されますが、間に他の単語など入る場合(「横浜駅 美容室」など)では掲載されません
【部分一致】
検索語を広範囲で拾ってしまうため、場合によっては「横浜 美容」などで広告を掲載する可能性があります。この場合、エステなどのニーズの可能性があり、美容室とはニーズが異なるユーザーに広告を出してしまう可能性が高くなります。
▼参考URL
Yahoo!:マッチタイプについて
Google:キーワード マッチ タイプとは
2. 配信対象エリアでエリア指定
リスティング広告では指定したエリアのユーザーに限定して広告表示をさせることができます。
大阪府を指定すれば大阪府のIPアドレスに紐付くユーザーにのみ、広告が掲載可能です。
この場合の注意点は、関係ないエリア名を除外キーワード設定することです。
例えば大阪限定でエステを提供しているお店が大阪府のユーザーへ絞って配信するためにフレーズ一致で「エステ」というキーワードを登録するとします。そうすると「エステ おススメ」というワードも拾えますが、「エステ 広島」といったワードも拾ってしまいます。IPと実際のユーザーのエリアの精度は100%ではない点と、旅行者・出張者・転勤前のユーザーなどが今いるエリアと別のエリアで探している場合もあるので注意が必要です。
▼参考URL
Yahoo!:対象外キーワードについて
Google:除外キーワードとは
YDN・GDN
Yahoo!、Googleのディスプレイネットワークについてもエリアの指定が可能です。
主には検索同様、IPアドレスによるエリア配信指定です。
対象エリアを絞り、さらにユーザーの見ているコンテンツや興味関心、デモグラフィック情報を指定して広告配信が可能です。
リスティング広告同様にクリック課金、予算設定は自由がきくため、顕在層へアプローチする際にはまず検討したいメニューです。
本ブログでもYDN、GDNに関しての記事がございますので、併せてご参考下さい。
【LISKUL】YDNでコンバージョンは獲れない!? 効果を出す為のYDNマニュアル
【LISKUL】GDNを始める前に抑えるべき2つのポイント
動画広告
今、盛り上がりを見せる動画市場ですが、動画広告の王様ともいえるGoogle trueview広告もGoogleのディスプレイネットワークと同様にエリア配信が可能で、仕組みは同じです。
つまり、対象のエリアを絞って、ターゲットとするエリアのユーザーに限定して動画でサービスの訴求を行うことができるのです。考え方は、ローカル局のTVCMと同じです。
Google trueview広告についてはユーザーが動画を30秒以上、もしくは30秒以内の動画であればすべて視聴した時点で課金が発生します。
ターゲティングを細かく設定し過ぎなければ、1円単位でユーザーに30秒以上の動画を見せることも可能です。
バナーだけでは伝えきれない内容を動画で伝えたり、サイトやランディングページに来る前に
ある程度の情報を伝えることができます。
注意点としてはTVCMの動画をそのまま持ってきても、なかなか効果は出ないという点です。
GoogleTrueview広告の特性を活かし、動画はカスタマイズすることをおすすめします。
こちらも本ブログに動画広告についての記事があるのでご参考下さい。
【LISKUL】動画広告を始める前に知っておくべき2つの基本事項
ターゲティングメール
ターゲティングメールもエリアをセグメントできる施策です。
各媒体やポイントサイト、カード会社などに会員登録をされているユーザーの情報に合わせて広告配信が可能です。
ユーザーにメッセージをテキストやHTML、画像で訴求することができます。
ターゲティングメールも他のメニュー同様、エリア以外に興味関心や世代の指定をすることが可能です。
配信単価は媒体によって異なりますが、おおよそ5円〜20円です。
かなりキャッチーなキャンペーンや会員登録やプレゼント応募など、費用が発生しないライトなコンバージョンであれば効果は見込めますが、数年前に比較するとメール量の増加などの要因により、反響はでにくくなっています。
他の特長としてはクリックインセンティブ型(ユーザーがクリックをした際にポイントが付与される)やアクションインセンティブ型(ユーザーが資料請求などのアクションをした際にポイントが付与される)のオプションなどもあります。
DSP(アドネットワーク広告)
DSPとは、アドネットワーク広告のことです。こちらでもエリアセグメントが可能なものがあります。
ただし、YDN、GDNと比較すると枠の範囲が狭く、YDN、GDNと重複することもあります。そのため、まずはYDN、GDNを実施し、さらに伸ばす必要が出た段階で利用をご検討する、という手順を踏むといいでしょう。
Facebook広告
Facebook広告もエリア配信が可能です。プッシュ型のメニューですが、ポイントはターゲティングの精度です。
エリア以外にも興味関心などに応じて広告掲載ができますが、Facebookのユーザーはほぼログインした状態でサービスを利用していますので、登録されているエリアに応じて広告配信がされます。
他のネットワーク系の広告に比較するとエリアセグメントの精度は非常に高くなっています。
アフィリエイト広告は?
エリア配信にアフィリエイト広告はあまりおすすめできません。
固定費(管理費用)がかかるわりに成果に繋がらないからです。
アフィリエイト広告は成果単価を指定できる一方で、掲載については媒体次第になります。
そのため、媒体が掲載したいと思われなければ、あなたの広告は掲載されません。
エリアを絞ることは媒体からすると機会損失であり、多くのアフィリエイト出稿企業の中では優先度が下がります。
媒体も自社の限られた枠の中で出来る限りの売上を上げたいと考えるため、全国配信できる広告を活用するのです。
いかがでしょうか。
単純にエリア配信が可能な広告と言っても、数多くの種類があることが分かります。
この他にもYahoo!始めエリアセグメントできるメニューはありますが、まずはこちらをおさえましょう。
施策の目的、目標に合わせて対策を行っていただくことがポイントです。
次はエリア指定できる広告のクリック率、CVRを上げていくポイントを紹介いたします。
エリア広告のクリック率を上げるポイント
ポイントは2つです。
バナーやテキストにおいて「対象エリアの広告であることを伝える」「エリア独自の情報を伝える」ことです。
今回は、プル型のリスティング広告とプッシュ型の広告で分けて紹介いたします。
リスティング広告(プル型)
リスティング広告の場合は、すでにユーザーが対象のキーワードで検索をしていますので、エリアでの配信に限った話ではないですが、そのキーワードに合った情報があるという趣旨を伝え、さらに競合比較などから貴社の強み・特長を伝えることがポイントです。
なお、IP配信においてのエリアを含まないキーワードでの検索についてもエリア名を入れることが対象ユーザーへの訴求力強化、対象外エリアユーザーの無駄クリック防止に繋がります。
例1)検索キーワード「賃貸マンション 名古屋」
名古屋のおススメ賃貸マンション
名古屋市の物件、約●●件掲載中! 地域密着の△△
(※物件の多さ、地域密着がウリ)
例2)検索キーワード「トイレ 水漏れ」※IP配信千葉
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※千葉以外のユーザーにはクリックさせないように注意
本ブログに検索広告のクリック率についての記事があります。併せてご参考下さい。
【LISKUL】いいことづくめ! リスティング広告でクリック率を上げるための3つのポイント
その他プッシュ型広告
その他のプッシュ型広告ではマッチングよりは、気付きを与え興味を持たせることがポイントです。
そのため「あなたの」ためのメッセージですよ! という趣旨を伝え、さらにある程度キャッチーな内容にすることが求められます。
エリアであれば、バナーやテキストに「●●にお住まいのあなた」や「△△で●●をお探しのあなた」などとダイレクトに記載することで、目を引きやすくなります。実際にこれによりバナー広告のクリック率が2倍になった事例もあります。
例)
バナーの作成にお困りであれば、本サイトの以下の記事をご参考下さい。
【LISKUL】勝てるバナーレイアウト20選!│レイアウトに悩んだ時の虎の巻
【LISKUL】成果の出るバナーは簡単に作れる│参考にすべきポイントと業種ごとの事例
エリア広告のCVRを上げるポイント
3つ目はWEBでのエリア広告においてCVRを上げるポイントです。
エリアニーズのあるターゲットの広告を表示でき、良い広告でクリックをさせることができてもコンバージョンに繋がらなければ意味がありません。
ここではコンバージョンに繋げるためにおさえておきたいポイントをいくつか紹介します。
アクセス情報はファーストビューに分かりやすく
これは特定のエリアでビジネスを行っている場合におすすめしています。
エリアでサービスを求めているユーザーは、特定のエリアでサービスを受けるために検索をしています。そのため、立地というアクセス情報は非常に重要なポイントになります。
まずはアクセス情報を分かりやすく、店舗がユーザーが探している場所にしっかりとあるということを把握させることが重要です。
左よりも右の画像の方が分かりやすいと感じられるのではないでしょうか?
エリアページ毎にユニークな情報を掲載する
複数のエリアにまたがってサービスを行っている場合、効率化を求めるあまり、各エリアの情報が一緒になり、エリア独自の情報が弱いとユーザーに印象付ける可能性があります。
手間ではありますが、少しでもエリア毎にユニークな情報をユーザーへ提供し、エリアごとに特長を持っていて強いという印象を与えることが重要です。
単なる検索結果、店舗一覧ページのようには見せない
いわゆるカテゴリ検索結果ページの表示についてです。
よく見るのは、各都道府県や市区町村などの検索結果ページがパンくずナビのみのサイト。
できる限り、検索結果ページについては、バナーや地図の絵、サービスの強みを入れることで競合との差別化を図ることができます。
左側はユーザーがこのサイトの特長が分からずに迷う懸念がありますが、右側のようにすることである程度払拭されます。
店舗ページについても同様です。
単にテンプレートで一部変えただけのページにするのではなく、ひとつのランディングページと意識して、電話番号やコンバージョン導線、キャッチコピーを入れることをおすすめします。
近くの店舗があれば紹介しよう
こちらはいわゆるレコメンドです。
例えば特定の店舗ページにユーザーが流れついた場合、もしかしたら何かしらの理由で、サービスには興味があっても対象の店舗では対応できないなどの状況があるかもしれません。
そんなときに近隣の店舗があれば「こことここにもこんな店舗があります」とユーザーに訴求することで、離脱せずに他の店舗を選択させることができるかもしれません。
店舗(エリア)検索が肝!
そして、複数の店舗を持っている際は店舗検索のユーザービリティも重要な要素になります。目立つ所に置いてあるか、正しいカテゴリ分けができているかは常に検討する必要があるでしょう。
あとは基本的なWEBマーケティングと同じです。
こちらは弊社の他のページを是非是非ご参照ください
【LISKUL】成果の出るLPを作る方法|14記事まとめてご紹介
さいごに
基本的にはエリアでの広告配信であっても、一般的なWEBマーケティングと同様の考え方でエリアというニーズを持ったユーザーに対して行うだけです。さらにテクニカルな内容はあれど、まずはこのベースをおさえてください。
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