売上アップに重要な「顧客分析」6種の方法と最新トレンドを解説

顧客分析とは、自社の顧客データや属性を分析し、顧客理解を深めることです。

自社商品がよく買われる曜日・時間帯を知る方法

「新規顧客やリピーターの獲得が思うようにいかない」という悩みは顧客分析を行うことで改善されるかもしれません。なぜなら、顧客分析を行うことで新規顧客やリピーターを獲得できていない理由や、改善策を理解できるからです。

本記事では、新規顧客やリピーターの獲得に悩んでいる方のために、顧客分析を始めるまえにおさえておくべきポイントや分析方法、分析結果を業績アップに繋げる方法を解説します。


顧客分析とは自社の顧客データや属性を分析して顧客理解を深めること

顧客分析とは、自社の商品開発やサービス改善を目的に、自社が保有する顧客データを分析して顧客理解を深めることです。

顧客分析を行うことで顧客のニーズの理解に繋がったり、ターゲットとしていなかった顧客のニーズの発見につながることもあります。

自社ブランドの売り上げアップや商品やサービスの改善・開発を行うためには「顧客が何を求めているか」の把握が必要です。

そのためには、顧客分析を行って「自社顧客が何を求めているのか」「どんなところに不満を感じているのか」を見つけ出す必要があります。


顧客分析を行う3つの目的

自社商品を売り続け、会社を存続させるためには顧客分析が欠かせません。顧客分析が重要な3つの理由は以下の通りです。

  • ターゲットとなる顧客の特定を行うため
  • 顧客ニーズを確認するため
  • 集客や広告施策の効果測定のため

現代は物が溢れる時代であり、競合との差別化を図り、自社商品を選んでもらうためには、顧客のニーズを満たした商品を提供する必要があります。

顧客に選ばれる商品やサービスを提供し続けるためには、顧客分析を行うことが大切です。

ターゲットとなる顧客の特定を行うため

顧客分析は「売り上げにつながりやすい顧客」を特定するのに役立ちます。

自社顧客の中にも「初回購入のみの客」や「2回以上のリピーター客」など、さまざまな属性を持った顧客が存在します。顧客分析を行うことで自社顧客の特性を把握しやすくなるため、「リピーター客に向けた広告を配信する」「購入回数、購入金額の多い顧客にアップセル・クロスセルを行う」など施策の選択肢の幅を広げることが可能です。

売り上げが伸び悩んでいたり、施策の効果低迷が見られるときは顧客理解にずれが生じていることもあります。各社が顧客ごとにパーソナライズした1to1マーケティングを行う現代では、ユーザーニーズの変化をいち早く察知するためにも、顧客分析が必要です。

顧客ニーズを確認するため

顧客分析は、顧客満足度の向上によるリピーター増加や売れる商品を作るために欠かせない「顧客ニーズ」を把握できます。

自社商品を選び続けてもらうためには、「顧客が自社商品を選んでいる理由」「顧客が自社に求めているもの」の把握が必要です。

例えば、競合他社の商品との機能の差はないにもかからわず自社商品を購入されない場合は、値段設定を変更する事で顧客ニーズに答えることができます。

しかし、商品機能や料金に違いがないにもかかわらず、自社商品を購入されない場合はコンセプト設計や商品の見せ方に問題がある可能性があり、商品設計や企画段階から見直さなければなりません。

顧客分析を行えば上記のような顧客のニーズを明確にでき、改善に向けた施策を打ち出せます。

施策の効果測定のため

顧客分析は施策の効果測定にも活用できます。

顧客の購買プロセスを分析する事で最も効果のある施策を割り出し、リソースを集中させられます。

例えば顧客分析を行った結果、SNSからの流入がほとんどないということがわかれば、SNSの運用コストを止めて、他の集客施策に充てるという判断が可能です。

顧客分析を実施することで、限られたリソースを最適化させることができます。


顧客分析でおさえておくべき4つのポイント

顧客分析でおさえておくべきは以下の4つの通りです。

  • 分析する顧客を定義する
  • 市場規模を分析する
  • 顧客分析の結果を元に顧客が求めているニーズを把握する
  • 検討から購入までのプロセスを可視化する

顧客分析で知りたい情報を的確に得られるようにこれから紹介する4つのポイントを抑えておきましょう。

分析する顧客を定義する

顧客分析を行う前に「どんな顧客を分析するのか」を決めておきましょう。

顧客分析は分析する顧客によって得られる情報が異なります。

例えば、「過去に取引や商談があった顧客を契約につなげたい」という場合は休眠顧客の利用状況や取引に至らなかった理由の分析が必要です。

分析する顧客によって得られる結果が異なるため、まずは分析する顧客の定義を明確にしましょう。

顧客を定義する方法としては、「アンケートによる調査データ」「Webサイト経由で収集されたアクセス情報」「サービス登録時の会員情報」などのデータを収集することで分析すべき顧客層が明確になります。

市場規模を分析する

顧客分析を行う際には、市場規模を分析することも重要です。

顧客分析によりニーズを把握でき、新商品の開発やサービスの改善を行ったところで、市場が縮小していては思うような成果を生まれません。

例えば、20歳の女性限定にターゲットを絞り込んでいる場合、サービス開始時は話題性があったとしても、ターゲットの幅が狭すぎて開始時と同様の効果を得られないこともあります。

顧客分析だけではこうした市場の状況に気づくことは難しいため、市場規模の分析が大切です。

市場規模は行政や業界団体、調査会社の購買データを購入するなどの調べ方があります。

以下に経済産業省や財務省が行っている調査結果のリンクを貼っておくので参考にしてみてください。

参考:統計(METI/経済産業省)
   法人企業統計調査 : 財務総合政策研究所
   統計局ホームページ/サービス産業動向調査

顧客分析の結果を元に顧客が求めるニーズを把握する

顧客分析の結果を元に、顧客が求めるニーズを把握します。

ニーズを正確に把握することは商品やサービスの改善に役立ちます。

そのためには、ニーズを把握できるだけの顧客情報が必要です。既存顧客へのアンケートやインタビュー、顧客満足度調査などを行い、分析に使えるデータを溜めていきましょう。

検討から購入までのプロセスを可視化する

顧客分析を実施する際は、顧客の意思決定プロセスの可視化を行いましょう。

顧客が商品やサービス利用の検討から購入までのプロセスを可視化できれば、「購入のモチベーションが上がるタイミング」で広告を配信したり、Webサイトの場合は適切な位置に購入ボタンを設置するなど効果的な施策を検討できるようになります。

検討から購入までのプロセスを可視化する場合は、顧客の行動や心理を時系列的に可視化するカスタマージャーニーマップを作成するのがおすすめです。

カスタマージャーニーマップの解説や作り方については以下の記事を参考にしてください。

参考:5分でわかるカスタマージャーニーとは?取り入れ方や分析のコツを事例とともに解説


顧客分析を行う手順

顧客分析を行う手順は以下の通りです。

  • データを収集する
  • データを整理する
  • 分析結果を活用しやすいように視覚化する

詳しく解説します。

参考:顧客ニーズ分析|顧客ニーズを正しく理解するための4つのステップ

データを収集する

まずは顧客分析に利用するデータを収集しましょう。

収集すべきデータとして、以下のようなものが該当します。

  • 顧客アンケート
  • 顧客データ
  • Webサイトのアクセス解析
  • 購買データ
  • 名刺管理
  • 国内調査データ
  • 調査会社データ

上記のデータを分析することで「顧客ニーズ」や「顧客満足度」、「顧客の意思決定プロセス」や「市場分析」につながる情報を収集できます。

「顧客の本音」を知るためにはまず、顧客分析に利用するデータ収集を行うことが大切です。

以下の記事でデータ収集についてのやり方を解説しているので、参考にしてみてください。

参考:アンケート調査の5つのステップ【アンケート作成のテンプレ付き】
   顧客アンケートの実施ノウハウを徹底解説!回答率をアップさせる5つのポイント
   顧客満足度調査とは?実施のメリットと、調査を成功させるための6つのコツ
   初心者必見!誰でも簡単に使える6つのアクセス解析ツール
   引き出しの中の名刺の山をすっきりと!簡単、早い名刺整理術をお教えします

データを整理する

顧客データを収集したら、正確かつスムーズに分析を行えるようにデータの整理を行いましょう。

データ整理では、データをすぐに確認できるようデータベース化し、重複項目を削除する名寄せなどを行う必要があります。

参考:名寄せとは?顧客データを見やすくまとめる主要ツール7選を紹介
   初心者でも簡単にできる顧客データベースの作り方・管理の方法

集めたデータを元に顧客分析を行う

データの収集・整理が完了したら、実際に顧客分析を行いましょう。

顧客分析は使えるフレームワークや分析手法が多くあり、目的に応じて適切なものを選ぶようにしましょう。

例えば、分析手法の一つに「RFM分析」というものがありますが、これは「購入金額・頻度・最終購入日」の3つの指標を元に優先するべき顧客、優先すべきでない顧客などに分類分けできます。

他にも「顧客行動を予測するCTB分析」や「顧客の購入傾向を可視化する行動トレンド分析」があります。これらの手法を用いて顧客分析を行いましょう。

分析結果を活用しやすいように視覚化する

顧客分析を行ったあとは、分析結果を活用しやすいように視覚化することが大切です。

分析結果の中には知りたい情報・不要な情報が点在するため、分析結果を生かすためにはグラフやツールを利用して視覚化する必要があります。

分析結果を視覚化する方法はエクセルでグラフを作成したり、パワーポイントを利用するなどの方法があります。

分析するデータが少ないのであればエクセルなどのツールが使えますが、複数のデータを一つのデータベースにまとめていたり、データ量が多い場合はBIツールやCRMツールを使うのがおすすめです。

BIツールやCRMツールについては以下の記事を参考にしてください。

参考:CRMとは?CRMの目的と、成果につなげるための3つの活用ポイントマーケティング
   BIツールとは?利用で得られる4つのメリットと、導入を成功させる2つのコツ


顧客分析の手法・フレームワーク6つ

顧客分析は調べたい内容によって利用する手法やフレームワークが異なります。

分析手法利用シーン
RFM分析収益につながる優良顧客を見つけ出したい時
セグメンテーション分析顧客層の共通点を見つけたい時
デシル分析顧客を区分して、アタックする優先順位を決めたい時
CTB分析顧客の購入傾向を分析したい時
行動トレンド分析季節・曜日・時間帯・シーズンごとに顧客の行動を分析したい時
NPS顧客満足度を調査したい時

それぞれの分析手法・フレームワークについて詳しく解説します。

RFM分析

RFM分析とは、顧客の購買行動を最終購入日(Recency)購入回数(Frequency)購入金額(Monetary)の3つの指標でグループ分けし、収益につながる優良顧客を見つけ出す分析手法です。

ランク最終購入日
(Recency)
購入回数
(Frequency)
購入金額
(Monetary)
13日以内10回以上10万円以上
25日以内5回以上5万円以上
310日以内1回以上1万円以上

これらのスコアが高ければ高いほど優良顧客とみなされます。

優良顧客を明確にすることで「これまでに10回以上の購入、10万円以上の買い物をしていて、最終購入日が3日以内の顧客にDMを配信する」など売り上げにつながりやすい営業活動を行えるようになります

RFM分析を行う場合は顧客ごとの購買データが必要です。

RFM分析のテンプレートは以下の記事からダウンロードできます。

参考:RFM分析 テンプレート(Excel形式) | マーキャリメディア

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析とは、顧客の属性や購買データ、購入履歴でグループ分けし、自社顧客の共通点を見つけ出す分析手法です

顧客のさまざまなデータを活用することで「自社が狙うべき顧客層」や「顧客ニーズ」が明確になります。

例えば、顧客の属性や購買データをセグメンテーション分析を行うことにより「渋谷区の購入頻度、購入金額が高い」というデータが出たとします。そうすると「渋谷区にエリアを絞って広告活動をする」など、データを元にしたマーケティングが可能になります。

セグメンテーション分析を行う場合は顧客の属性や行動履歴がわかる顧客データやWebアクセスデータ、購買データが必要になります。

セグメンテーション分析のテンプレートは以下の記事からダウンロードできます。

参考:bizocean(ビズオーシャン)-書式・テンプレートのダウンロードサイト

デシル分析

デシル分析とは、顧客を購入金額の高い順に10段階でグループ分けし、自社の売り上げに貢献している優良顧客を見つけ出す分析手法です

サービスの売り上げ順に顧客を並べるだけで分析できるので、取り組みやすい分析手法となっています。

デシル分析は他の分析データと組み合わせるとより効果的です。例えば、サポートの対応履歴やコールセンターの問い合わせ履歴と組み合わせることで、顧客ごとの売り上げと顧客への対応時間を分析できます。

その結果、「あまり利益の生まれていない顧客に時間を割いている」ということが分かれば、自社の運用体制の見直しにつながります。

デシル分析を行う場合は顧客の購買データを利用しますが、デシル分析単体ではなく、セグメンテーション分析やCTB分析と掛け合わせるとより効果が出るはずです。

デシル分析のテンプレートは以下の記事からダウンロードできます。

参考:デシル分析とは?顧客の属性を調べて、売上につながる重要顧客を知ろう! ~顧客別売上リストテンプレート【無料DL】~ | 販促の大学で広告・マーケティング・経営を学ぶ

CTB分析

CTB分析とは、カテゴリー(Category)、テイスト(Taste)、brand(ブランド)の3つの指標をもとに顧客をグループ分けし、顧客の購入傾向を見つけ出す分析手法です。

グループごとに顧客ニーズを把握できるため、購入傾向に合わせて新商品を開発したり、サービスの改善に役立ちます。

顧客の購入した商品をCTB分析に合わせてグループ分けします。ファッション業界を例にすると、以下のような分類分けになります。

グルーピング分類分析方法
カテゴリシャツ・アウター・ワンピース・帽子自社商品の中で主に何を好んで、何を購入しているのかを洗い出す
テイスト色・形・デザイン・サイズ何色が好きなのか、服のサイズはピッタリで着たいのか、オーバーサイズできたいのかを洗い出す
ブランドファッションブランド・キャラクターブランドか、キャラクターか、どこに惹かれて購入しているのか

このように、顧客の購買傾向を分析していくことで、顧客が自社商品やサービスに何を求めているのか、どんな商品をだせば売れるのかを把握することができます。

CTB分析を行う場合は購買データを活用します。

CTB分析のテンプレートは以下の記事からダウンロードできます。

参考:CTB分析とは?エクセル付きで手順まで解説!

行動トレンド分析

行動トレンド分析とは、顧客の購買データから季節・曜日・時間帯・シーズンごとに顧客の購買行動を導き出す分析手法です。

過去の購買データを分析したい行動ごとにグループ分けし、季節や曜日、天気でどのような購買行動をとっているかが明確になります。

顧客行動を分析することで「雨の日は靴下がよく売れる」「秋口には手袋がよく売れる」などのトレンドを把握でき、それにあわせて商品の配置換えを行ったりと購買行動を最適化できます。

行動トレンド分析を行う場合は、購入期日や時間がわかる購買データを使用します。

NPS

NPSとは、自社ブランドに対する顧客の愛着度を計測する分析手法です。

NPSでは顧客に「自社ブランドをどのくらい他の人に薦めますか?」という質問を行い、0~10の点数で回答してもらい、顧客の自社ブランドに対する愛着度を測ります。

点数状況ブランドに対する思い
0~6点批判的サービスに不満を感じている
7~8点中立的サービスに対して、満足も不満も抱いていない
9~10点好意的サービスに満足している

NPSでは愛着度の度合いを確認することができるので、売り上げアップのためにアップセル・クロスセルや顧客満足度向上のための商品・サービス改善を行うことができます。

NPSは主に自社顧客に対してアンケートを行い、その集計結果から分析します。

アンケートの作成方法や活用方法については以下の記事で詳しく解説しています。

参考:NPSとは?計算方法から活用事例まで、導入に必要な基礎知識を徹底解説!
   NPS調査の実施手順と、成功に導くための6つのコツ
   NPSとは?計算方法から活用事例まで、導入に必要な基礎知識を徹底解説!


自社データのみの顧客分析では限界がある

顧客分析は自社のデータだけでも可能ですが、顧客ニーズは変わりゆくものであり、自社で保有するデータだけでの顧客分析では限界があります。

自社データを活用した顧客分析では、自社顧客の分析はできたとしても、新規顧客を獲得するためには市場分析や潜在顧客のニーズを正確に理解することは難しいです。

そこで活用すべきなのが3rd Partyデータです。3rd Partyデータとは、国や研究機関、データ収集を専門とする企業が取得したデータのことで、顧客にパーソナライズした価値の提供や、潜在顧客のニーズを正確に理解するためには、自社のデータと合わせて、3rd Partyデータを活用することでより効果的な分析結果が得られます。

3rd Partyデータの例としては、約7,000万人が日々利用するTカードのデータなどが挙げられます。性年代・ライフスタイル・居住エリア・嗜好性・購買行動などをプロファイリングし顧客分析に活かすことが可能です。

このように自社と3rd Partyデータの両方を分析することで、潜在顧客のニーズを発見でき、新たな施策を生み出すことができます。

T会員のデータを活用する方法

T会員のデータは、会員数7,000万人分の購買データや属性を分析して顧客理解を深めたり、T会員のデータを活用した詳細なターゲティング、それを元にしたプロモーションやクリエイティブ設計を行えます。

T会員になるためには本人確認が必要になるため、属性や居住地といった正確性の高い情報を抱えています。

そのため、T会員から得られるデータは正確性が高く、詳細なターゲティングにも活用できます。

これを利用してプロモーションやクリエイティブ設計を行えば、自社のターゲットとしているユーザーに効果的な広告配信が可能になります。

T会員のデータを分析することでわかること

T会員のデータでは、顧客の属性や購買データだけでなく、Web行動データや趣味嗜好がわかる志向性データまで取得できます。

これを活用することで、例えば「飲食店でメニューの厳選を行いたい」という場合に、T会員のデータを活用して「注文数の多いメニューやリピート数の多いメニュー以外は期間限定メニューにする」といった経営判断を行えます。

メニューを厳選することで従業員の調理にかかるコストを減らせるだけでなく、人気メニューを厳選することで売上アップが期待できます。

このように、T会員のデータを活用すれば自社顧客の理解を深められるだけでなく、分析結果を元にした効率的な経営判断ができるようになります。


顧客分析の結果を業績アップにつなげるための3つの戦略

顧客分析の結果を業績アップに繋げるための3つの戦略は以下の通りです。

  • 顧客ニーズに合わせた商品・サービスの改善・開発を行う
  • 顧客の状況に合わせたアプローチを行う
  • 顧客ニーズに合わせてアップセルやクロスセルを行う

詳しく解説します。

顧客ニーズに合わせた商品・サービスの改善・開発を行う

顧客分析によって顕在化した顧客ニーズを元に、サービスの改善・開発を行いましょう。

顧客の属性情報や購買履歴、利用行動といった分析結果からは、顧客が求めている商品やサービスを洗い出すことができます。これらを活用して自社商品・サービスの改善・開発を行いましょう。

例えば、新商品の開発を行う場合は顧客の「こういうのがあったらいい」を元に開発します。顧客ニーズから生まれた商品はすでに求めている顧客が市場に一定層いるはずです。

こうしてできた商品を認知してもらうためには、顧客分析で明確にできたペルソナを活用し、オウンドメディアやSNS、デジタル広告を活用して集客を行います。

デジタル広告での集客では、ペルソナにあわせてターゲットをセグメントして配信することが重要です。

顧客分析で顧客のニーズを把握できれば「商品開発」から「集客」まで一貫して行えるので、分析するだけで終わるのではなく、分析結果を自社のビジネスに活かしていきましょう。

顧客の状況に合わせたアプローチを行う

顧客の状況に合わせて適切な提案を行うことで、顧客の最も欲しいタイミングで商品を提案でき、売り上げアップにつながります。

顧客分析では顧客の意思決定プロセスが明確になり、「どこで購入を迷っているのか」「自社商品やサービスを利用しない顧客はどこで離脱しているのか」を可視化できます。

例えば、認知段階である顧客に対して商品購入を促しても「自分にとってその商品が必要だと感じていない」などニーズを感じていない可能性があるため、なかなか商品は売れません。

こういった顧客に対しては、ニーズを認知させるためにも商品を買う理由を発信し、購入を検討する段階まで引き上げる必要があります。

このように、顧客の状況に合わせて商品購入後のベネフィットを伝えて購買意欲を高めたり、すでに購入を検討しているユーザーには商品購入へ誘導したりと、顧客の状況に合わせたアプローチを行うことで売り上げアップに繋がります。

参考:カスタマーサクセスとは?基礎知識から事例・取り組み方までわかりやすく解説

顧客ニーズに合わせてアップセルやクロスセルを行う

顧客のニーズに合わせてアップセルやクロスセルを行いましょう。

ニーズにあったアップセルやクロスセルは売り上げアップだけでなく、顧客満足度の向上にもつながります。

例えば、パソコンを提供している会社を例にすると、顧客がパソコンを購入した時、自社でもマウスパッドやマウス自体を販売しているものの、購入後は自社のホームページを離れている、という分析結果が出た場合は購入ページで「一緒にマウスパッドとマウスはいかがですか?」という提案をすれば、クロスセルを狙えます。

また、顧客にとっては「マウスパッドとマウスもちょうど欲しかったから自分にあった提案をしてくれた」と顧客満足度の向上にもつながります。

具体的なアップセル・クロスセルについては以下の記事も参考にしてみてください。

参考:アップセル・クロスセルとは?顧客単価や満足度を高めるポイントを解説
   クロスセルとは?アップセルとの違いや実践ステップを事例を交えて解説


まとめ

この記事では、顧客分析を行う目的や始める前に抑えておくべきポイント、顧客分析を成果に繋げる戦略について解説しました。

顧客分析を行うことで、顧客ニーズを把握できたり、それを生かして商品やサービスの改善、開発を行うことで売り上げアップも期待できます。

ですが、顧客分析は「何のために行うのか」や「どんな顧客を分析したいのか」を明確にしておかなければ、分析結果をビジネスに生かすことはできません。

そのために、顧客分析を始める前に抑えておくべきポイントを理解した上で、自社の顧客データや他社や国内の市場調査を活用して、商品やサービスの新たな切り口を見つけましょう。

自社商品がよく買われる曜日・時間帯を知る方法

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