House of Instagram Japan 2022 DAY2 ダイジェストまとめ

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Facebook Japan主催のイベント「House of Instagram」が今年も開催され、最新のInstagramの情報や事例が2日間にわたって数多く紹介されました。

この記事では、当イベントの2日目の内容をダイジェスト形式でお伝えします。

1日目のダイジェストはこちら

尚、以下のリンク先でイベントのアーカイブ動画が公開されています。
詳細が気になった方はこちらも是非チェックしてください。
2022年内の限定公開予定なのでお早めに!

House of Instagram Japan 2022 アーカイブリンクはこちら(外部)

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House of Instagram Japan 2022 セッション一覧

House of Instagram Japan 2022のセッションは以下の通りです。

Day1

  1. マーケティングを進化させるInstagram
  2. 現代に求められる「価値共創マーケティング」とは
  3. 花王の事例に学ぶ、Instagramを活用したブランド価値共創
  4. 「好きと欲しいをつくる」Instagramのブランディングキャンペーン
  5. メタバースとInstagram

Day2

  1. 「好きと欲しい」を動画でつくる
  2. Instagramで実現する「本質的な」クリエイターマーケティング
  3. 売上と広告パフォーマンスに効くInstagramコマース
  4. プライバシーを尊重したパフォーマンスマーケティング

「好きと欲しい」を動画でつくる

イベント2日目の1つ目のセッションでは、2名のスピーカーを招き、Instagramの動画広告に関するセッションが行われました。

Instagramは動画プラットフォームへ進化

Instagramは、写真中心のアプリから動画プラットフォームへと進化を遂げています。

数ある動画プラットフォームのなかでも、Instagramの動画視聴時間は2番目に長くなっています。
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またユーザーに嫌われがちな動画広告ですが、Instagram/Facebookでは60%以上のユーザーが広告を楽しんでいる、または気にしていないと回答しています。
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リールの利用が加速している

Instagramで動画広告を配信できる面には「ストーリーズ・フィード・リール」の3つがあります。

なかでもリールの利用が加速しており、Instagram利用時間の20%を占めています。
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BMW社とトリコ社のリールを活用して成果を挙げた事例も紹介されました。
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リール広告の効果的な活用方法

続いて、リール広告の効果的な活用方法が紹介されました。

1つ目は、リールの利用者の80%以上がサウンドをオンにしているので、擬音語などを活用して音ありで楽しませる広告表現が重要になります。
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2つ目は、リール用の動画素材の準備が難しい場合は、静止画を活用して動画を作成するというものです。
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3つ目は、同じく動画素材の準備の方法として、テレビCM素材や横長の動画素材を編集して縦型動画にするというものです。
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4つ目は、自社で動画素材の用意が難しい場合に、クリエイターやパートナー企業に依頼する方法が紹介されました。
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リール広告はボーナスタイムにある

続いて、株式会社博報堂の横山昴氏と、株式会社リチカの瀬尾浩充氏をスピーカーに招きセッションが行われました。

横山氏からは、リールはブランディングに有効であるだけでなく、ダイレクトの領域でも効果を発揮した事例が増えているとコメント。

またストーリーズが登場したときに近い感覚を持っており、早めにリールにトライすることで先行者優位が得られるのではと述べました。

続いて瀬尾氏からは、画像や横長の動画素材を活用して縦長動画を作成した事例が紹介されました。
セッション1_009既存の動画素材を活用して作成された縦長動画の例(SOELU社)

縦長動画素材の用意する際のTips

また横山氏からは、テレビCMの制作時に同出演タレントに縦長動画にも出演してもらうことで、一緒にモバイル用の動画素材を用意しているとコメント。

その際に工夫しているポイントとして、「語りかける・短尺・生声」を意識していると述べていました。

また出演者に現場でヒアリングをし、クリエイティブを適宜調整しているともコメントがありました。

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続いて瀬尾氏からは、以下の4つのポイントが紹介されました。

  • アテンション:最初の2秒前後でアテンションを得ることが重要(手を止めてもらう)
  • 音:音をフックにクリエイティブを作成する
  • 短尺:10~15秒程度に納める
  • コンテンツライク:広告を作らずユーザーに楽しんでもらう

また横山氏からは、TikTokとリールは似た性質を持っているが、TikTokはフロー型であり、リールはブランドストック型であると言及。

TikTokは爆発的なきっかけ作りに適しており、リールはコツコツとブランドエンゲージメントを高めていくことができると述べました。


Instagramで実現する「本質的な」クリエイターマーケティング

2つ目のセッションでは、メディアパートナーやクリエイターをゲストに招き、Instagramを活用したクリエイターマーケティングについてのセッションが行われました。

こちらのセッションにフォーカスした記事がありますので、ぜひこちらもご一読ください。
参考:Instagramで実現する「本質的な」クリエイターマーケティングとは?

クリエイターマーケティングの重要性

Instagramでは、いわゆるインフルエンサーマーケティングという概念ではなく、クリエイターマーケティングという概念を提唱しています。

Instagramにおいてクリエイターとは、以下の3つを満たした存在であると定義しています。
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近年のマーケティングにおいてクリエイターの重要性が増しているのは、情報過多の時代になったことで、クリエイター=信頼できる人を介して情報を得るようになったからということです。
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実際に、お気に入りのクリエイターのコンテンツに、人々がお金と時間を使っている調査データが紹介されました。
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Instagramを活⽤すべき理由

続いて、Instagramをクリエイターマーケティングに活用すべき理由を示す、いくつかのデータが紹介されました。

ユーザーはInstagramをクリエイターをフォローする場として認識している。
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Instagramは新しいブランドを発見できるプラットフォームである。
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Instagramは商品の購買検討に強い影響を与えている。
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ブランドコンテンツタグの活用を推奨

またInstagramでは、クリエイターへの投稿に対価を提供したブランドを紹介する場合に、「#PR」や「#タイアップ」の活用ではなく、ブランドコンテンツタグの活用を推奨しています

ブランドコンテンツタグを活用することで、ユーザーは広告主とのタイアップ投稿であることを確認することができます。
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またオーガニックだけでなく、ブランドコンテンツ広告として利用した場合にも、クリック率やコンバージョン率が向上するとのことです。
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ブランドコンテンツ広告の国内活用事例

ブランドコンテンツ広告を活用して新規顧客獲得に成功した事例として、パーソナライズサプリ「FUJIMI」の事例が紹介されました。
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本事例では、既存の広告のみと、既存広告とブランドコンテンツ広告を併用した場合でABテストを行い、どちらが効果が良いのかを検証しました。
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結果は、新規顧客獲得⽬的(ダイレクトマーケティング)・ブランドリフトのいずれにおいても、ブランドコンテンツ広告を含めたキャンペーンの方が高い広告効果となりました。

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⼀流クリエイターから学ぶ本質的なクリエイターマーケティングとは?

続いて、HYPEBEAST JAPANの阿部勇紀氏と神葉俊輔氏、クリエイターのYURINO氏をゲストに迎えてのセッションが行われました。

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Q1.Instagramでクリエイターマーケティングを実施する理由とは?

まず阿部氏からは、Instagramは視覚的に見せることに適しているとコメント。

神葉氏からも、クリエイターと組んでタイアップのコンテンツを展開できることを評価するコメントがありました。

クリエイターのYURINO氏は、フィード・ストーリーズ・リールとフォーマットが揃っているので、Instagram一つですべてを解決できる、発信しやすいプラットフォームだと述べられていました。

また海外とつながりやすいことも、Instagramを好きな理由の一つに挙げていました。

Q2.本質的なクリエイターマーケティングとはどういった手法か?

・クリエイターマーケティングにおいて⼤切なこと:トピックの選定
阿部氏からは、ビジュアル的に作りこまれたものよりも、携帯で撮影した写真・動画の方がエンゲージメントが高いことが多いので、台本を作らずにその場で体験してもらってコンテンツを作っているとコメントがありました。

そのうえで、クリエイターの本音をきちんと届けるために、クリエイターとブランドで共有・強化できるトピックを選ぶことが重要と述べられていました。
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・クリエイターマーケティングにおいて⼤切なこと:クリエイターの選定
クリエイターマーケティングのKPIの設定・評価の仕方として、神葉氏からは「フォロワー数に目が行きがちだが、LTVなど中長期的に評価していくべきであり、そのためのクリエイターの選定が重要だ」とコメントがありました。

YURINO氏からは、自分の世界観にマッチしたクリエイティブでないとユーザーに届かないと意見が挙がりました。

また幅広いタイプのクリエイターを活用することで、キャンペーンの効果が増すという調査データも紹介されました。
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・クリエイターマーケティングにおいて⼤切なこと:表現⽅法
YURINO氏は、各フォーマットを以下のように活用していると述べられていました。

  • フィード:自分の世界観を作りやすい。名刺代わりの存在。
  • ストーリーズ:気軽に載せられる。告知や長い情報も載せる。
  • リール:クリエイティブ力が最も発揮できる。

また複数のアセットを組み合わせることで、広告効果が高まるという調査データも紹介されました。
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売上と広告パフォーマンスに効くInstagramコマース

3つ目のセッションでは、Instagramのコマース(ショッピング機能)について、事例と共に紹介されました。

Instagramは、情報の発見や比較検討、検索といったフェーズだけでなく、その先の購入フェーズに対してもショッピング機能を提供して対応しています。
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Instagramコマースの新機能として、

  • コミュニティコンテンツ
  • ショッピングカスタムオーディエンス
  • コマース関連広告

の3つが紹介されました。

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Instagramのショップ機能

新機能の紹介に入る前に、Instagramのショップ機能が改めて紹介されました。
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商品詳細ページを作りこんで情報量を増やすことで、効果が上がるということです。
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1.コミュニティコンテンツ

コミュニティコンテンツ機能とは、ページのメンション、もしくはタグ付けされた投稿を一括で表示することのできる新機能です(条件として一定の投稿量が必要)。

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またユーザーの投稿を、ショップのコンテンツとして表示する許可取りをすることもできます。
これにより、自社で商品詳細ページを作りこむリソースがないという課題を解決することができます。

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2.ショッピングカスタムオーディエンス

ショッピングカスタムオーディエンス機能とは、Instagramのショップ上での行動データをもとに、カスタムオーディエンスを作成して広告に活用できる新機能です。

ショップのページへの訪問や、商品を保存といったアクションを取ったユーザーへターゲティング、または類似オーディエンスに活用ができます。

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3.コマース関連広告

3つ目の新機能として「ADVANTAGE+ショッピングキャンペーン」が紹介されました。

こちらは、手作業で行っているキャンペーン設定の配置やクリエイティブなどの作業を自動化することで、より低工数でショッピングキャンペーンのパフォーマンスを最大化可能になります。

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また大手ECサイトのデータを活用できる「コラボレーション広告」も紹介がされました。

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先日発表された楽天社が発表した「Ichiba Dynamic – Facebook」がその一例です。

参考:【リリース】「RMP – Display Ads」において、新たな付帯ソリューション「Ichiba Dynamic – Facebook」を提供開始|Rakuten Marketing Pletform navi

D2Cを⽀援する会社が、⾃らソーシャルコマースを実践!得られた知⾒とは?

続いて株式会社CARTA COMMUNICATIONSの加藤潤⼀氏をゲストに、D2C事業を支援する広告会社が自らソーシャルコマースを実践して、どのような知見を得たかについてセッションが行われました。

以下、セッションの要点をまとめました。

・なぜ広告会社が化粧品市場に参入したのか?
自ら実践することで、EC事業への理解を深めることができると考えたため。

・商品開発で工夫したこと
ソーシャル上で話題にしてもらいやすいデザインやパッケージを採用。
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・ショッピング機能の活用ポイント
ほぼ全ての投稿にショップ機能/商品タグを設置。
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・クリエイターの活用について
インフルエンサーが取り上げてくれたタイミングで販売が増加。
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著名なフォロワー数の多いクリエイターに紹介してもらったが、購買までにはつながらなかった。
クリエイターの生の声を伝えてもらうことが重要。

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・コミュニティコンテンツについて
ユーザーの投稿数が少なく、当時のコミュニティコンテンツ機能の使用条件を満たしていなかった。
そこで「ナノインフルエンサーへのギフティング」や「ハッシュタグ投稿キャンペーン」を実施することで、投稿数が増えて使用条件を満たすことができた。

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またコミュニティコンテンツ広告を活用することで、広告効果の改善が見られた。
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プライバシーを尊重したパフォーマンスマーケティング

4つ目のセッションでは、昨今のcookieレス問題に代表される、プライバシー規制へのMeta社の取り組みについて紹介がされました。

広告業界は、今大きな変化を迎えています。その大きな要因は以下の3つに分類できます。
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各種規制により、ユーザーの行動を完全に把握することは難しくなっています。
そんななかで、Meta社はコンバージョンモデリングやプライバシー強化技術への投資を行っています。
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またMeta社は、プライバシーを尊重したパフォーマンスマーケティングの実現に向けて、以下の3つを強化しています。

  • データ取得方法
  • キャンペーンの配信と最適化
  • 効果測定とレポート

データ取得方法の進化

2023年~2024年のサードパーティーcookieの廃止に向けて、Meta社はコンバージョンAPI(CAPI)を開発・提供しています。

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参考:コンバージョンAPIについて|Metaビジネスヘルプセンター

また実際にコンバージョンAPIを導入した事例として、株式会社TowaStelaの丸谷陽介氏と、Septeni Japan 株式会社の池田菜摘氏をゲストに迎えたセッションが行われました。

セッション4_006Conversions API GatewayとPixelの併⽤によって、シグナル強化とパフォーマンス向上が見られた

キャンペーンの配信と最適化

Meta社が保有する強力な機械学習エンジンを活用することで、コンバージョンを最大化する広告配信の最適化が可能になっています。

現在利用可能なカスタムイベントやクロスチャネルコンバージョンの最適化に加えて、2022年内にポストコンバージョン最適化機能がリリース予定です。

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ポストコンバージョン最適化機能により、広告のインプレッションから7日以上経過した後のアクションに対しても、最適化が掛けられるようになるということです。

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効果測定とレポート

近年のプライバシー規制に対応して、プライバシーを強化しながらリフトを測定する「プライベートリフト機能」が紹介されました(現時点ではベータ版につき限定公開)。

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また、ユーザーがデータのコントロールを直感的に実施しやすくなるための、新しいツールを開発中とのことでした。

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まとめ

「House of Instagram Japan 2022」の2日目のセッションをダイジェスト形式でご紹介しました。

2日目の模様は以下の記事をご覧ください。
1日目のダイジェストはこちら

2日目は広告関連の新機能や、最新事例がたくさん紹介されていました。
もっと詳しく知りたい方は、是非アーカイブ動画をチェックしてみてください。

House of Instagram Japan 2022 アーカイブリンクはこちら(外部)

またInstagramマーケティングの参考にしていただける記事を以下にまとめました。
是非こちらもあわせてお読みください!

【無料Ebook】広告会社のためのInstagram広告提案ガイド

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