ジオターゲティング広告とエリア配信の違い、適切な選び方

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ジオターゲティング広告を検討中の方から、以下のようなご質問をよくいただきます。


地場でビジネスを展開する店舗系の広告主に「ジオターゲティング広告」の提案をしようと思っている。
Google広告やFacebook広告でも、エリアを指定して配信できるが、何が違うのか?
どういう場合にどちらを実施するのが良いか、中立的な視点で教えて欲しい。

結論から申し上げると、

  • ジオターゲティング広告:より高精度でエリアに関したさまざまなターゲティングがあるが、やや割高。実店舗へ来店誘導したい場合に有効。
  • エリア配信:精度は劣るが、他の高精度のターゲティングと組み合わせられて割安

となります。

本記事では、両者の違いとどちらを選ぶべきかの考え方について解説します。

執筆者

sakamaki酒巻 塁(さかまき るい)@sakamakirui0131
SO Technologies株式会社 LISKUL五代目編集長
広告運用者⇒広告レポートツール『ATOM』カスタマーサクセス⇒LISKUL編集部。 「日本のすみずみまでWebマーケティングの力を」モットーに日々活動しています。(執筆記事一覧


ジオターゲティング広告とエリア配信の違い

ジオターゲティング広告と運用型広告のエリア配信は、どちらも位置情報を基にした広告配信であることは共通していますが、両者には以下の違いがあります。

項目ジオターゲティング広告エリア配信(運用型広告)
エリア指定の精度半径10m~指定場所の半径1km~
ターゲティングの種類都道府県・市区町村
指定住所からの範囲>
過去の来訪履歴
地点カテゴリ
鉄道ターゲティング
など媒体によりさまざま
都道府県・市区町村
指定住所からの範囲
単価高い安い
活用ケースより詳細なエリア指定が必要な場合。
例:実店舗を有しているケース
ざっくりと商圏が決まっている場合。
例:特定地域にサービス展開しているケース

エリア指定の精度

Google広告やYahoo!広告などの一般的な運用型広告では、エリアを指定場所の半径1kmから指定ができます。

それに対しジオターゲティング広告では、(媒体にもよりますが)半径10m単位から指定が可能です。

より細かく、狙ったエリアに配信できるのがジオターゲティング広告の強みです。

ターゲティングの種類

一般的な運用型広告では、都道府県か市区町村単位での指定、あるいは指定した場所(住所)から半径何kmという形でのエリア指定が可能です。

一方のジオターゲティング広告では、それらに加えてさまざまな形での指定が可能です。

たとえば過去の来訪履歴を基にしたターゲティングだったり、学校やショッピングモールなどのカテゴリで指定する方法があります。

他にも、指定した路線にいま乗っている人や、その路線を普段使っている人といった指定ができる媒体もあります。

これらのターゲティング方法は媒体によってさまざまで、媒体の特徴を表した部分だともいえます。

このように、活用次第でより正確にターゲティングができるのがジオターゲティング広告です。

単価

広告のクリック単価でみると、ジオターゲティング広告の方がやや高い傾向にあります。

ただし先述の通り、単価が高い分精度を高められるのがジオターゲティング広告です。

無駄な広告配信を減らしやすいので、最終的なゴール(商品の購入など)ベースでみると、一般的な運用型広告よりも顧客の獲得単価を抑えられるポテンシャルがあります。

活用ケース

ここまでの話を総合すると、ジオターゲティング広告はより詳細なエリア指定が効果を上げるための武器になる場合には特に有効です

たとえば実店舗を持っているケースです。

都道府県や市区町村単位だとエリアが広すぎてしまいますが、その店舗の半径100m以内といった指定をすれば、店舗周辺の人にだけ配信が可能です。

広告経由で店舗に顧客を誘導したい場合には、ジオターゲティング広告を検討すると良いでしょう。

逆に実店舗のないビジネスでエリア指定が必要な場合には、都道府県・市区町村単位の指定で十分なので、その場合は運用型広告のエリア配信で良いでしょう。

特にBtoBビジネスのようなユーザー数が少ないビジネスの場合には、ユーザー数の多いGoogle広告やFacebook広告などの主要媒体の活用をオススメします。

もっと詳しく知りたい方向けの参考記事
以下の記事では、ジオターゲティング広告のプロに、成功に導くカギや自社に合った媒体の選び方を伺っています。
是非こちらもご覧ください。
プロに聞く!ジオターゲティング広告の成功のカギ・最適な媒体の選び方|LISKUL

主要なジオターゲティング広告の紹介

サービス名特徴
ASE Ad国内最大規模の配信在庫を保有する位置情報ターゲティング広告。円指定に加えて、指定のエリアに沿ってポリゴン指定することで高精度な指定が可能。
Adgram乗り換え案内サービス「駅すぱあと」のユーザーの移動予測データを活用したターゲティング広告サービス
CAR TRACE自動車検査証のデータからターゲティング、特定のエリアだけにWeb広告を配信
GeoLogic Ad位置情報だけではなく、利用した施設・鉄道などから生活習慣や興味関心を推定
モバイルちらし店舗周辺にいる人たちのスマホにリアルタイムで広告を配信
Shufoo! Audience Targeting Ad日常的に買い物に行く行動範囲や閲覧している店舗のカテゴリを分析し、買い物意欲の高い主婦を効率的にターゲティングする広告配信
TRAVEL JAPAN Wi-Fi訪日外国人向けのWi-Fi接続アプリ、ジオフェンス配信機能を使い登録したエリア内に入ると自動的に情報を配信
ヤマトダイアログ&メディア全人口の約7割を網羅する個人データベースから、ターゲティングしたい情報にマッチした世帯を抽出し、DM送付
DiGJAPAN!39Geoplaのジオフェンスを活用し年齢・性別などの属性によって訪日外国人をターゲティング、店舗の位置情報や写真と営業時間などの情報をアプリで配信
ママリーチDSP for マタニティ体験コミュニティ・子育て応援イベントを開催し得たデータと連携、妊娠中のプレママだけをターゲティングした広告配信
Profile Passport ADスマートフォンの位置情報データを使い、広告・プッシュ通知・分析などの様々なソリューションを提供

主要なジオターゲティング広告は上記の通りです。

媒体によって可能なターゲティング方法はさまざまなので、顧客に最もアプローチしやすいターゲティングができる媒体を選択してください。

詳細はこちらの記事でご紹介しております。
参考:ジオターゲティング広告とは?定義・事例から主要11社の比較まで


店舗への来店誘導にGoogleビジネスプロフィールが有効

ジオターゲティング広告は実店舗へ来店誘導したい場合に有効ですが、来店を増やしたいならGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の活用もオススメします。

Googleビジネスプロフィールとは、Google検索結果またはGoogleマップ上に表示されるお店の情報を、お店側が無料で登録・管理できるものです。

店舗検索時にGoogle検索を活用するユーザーは多いですが、検索結果の最上部にマップが表示されるようになっており、ここ経由で来店するユーザーが増えています。

写真やイベント情報、最新情報、メニューなど、いかにここの情報を充実させて来店に結び付けるかが重要です。

参考:Googleビジネスプロフィール(旧称:Googleマイビジネス)とは?活用すべき理由から登録方法まで解説

Googleビジネスプロフィールを活用して来店誘導施策の仮説検証が可能

折込チラシなどの集客施策の難点として、その施策がどれだけ来店につながったのか不明瞭ということがあります。

効果検証が難しい理由としては、ユーザーアンケートをしてなにきっかけで来店したのか聞く必要があったりしてコストが掛かる点や、店舗を認知してから実際に来店するまでにラグがあることが挙げられます。

そこで注目したいのが、認知してから来店行動を起こす間にルート検索などの「検討行動」をするユーザーが多いということです。

この検討行動をするユーザーが増えていれば、集客施策の効果があったと評価できるといえます。

来店誘導

またGoogleビジネスプロフィールとGoogle広告を連携することで、Google広告経由での来店を計測することが可能です
この仕組みを「来店コンバージョン」といいます。

店舗集客の施策としてGoogle広告を実施するなら、ぜひGoogleビジネスプロフィールと連携させて来店計測を実施すべきです。

来店コンバージョンの詳細については、以下をご参照ください。
参考:来店コンバージョンとは?計測の仕組みから設定方法までを徹底解説


まとめ

ジオターゲティング広告とエリア配信の違いは、「エリア指定の精度・ターゲティングの種類・単価・活用ケース」にあります。

ジオターゲティング広告は、より高精度でさまざまなターゲティングが可能ですが、運用型広告と比べるとやや割高です。

運用型広告のエリア配信は、精度はジオターゲティング広告に劣りますが、他の高精度のターゲティングと組み合わせられて、単価も割安になっています。

実店舗への来店誘導をしたい場合など、より詳細なエリア指定が必要なケースでジオターゲティング広告を活用しましょう。

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