【無料テンプレート配布】広告レポートの作成方法&効率化ガイド

広告レポート|LISKUL

ウェブ広告の運用において、多くの時間を割くことになるのがレポートの作成業務です。

「広告レポートを効率的に短時間で作りたい」
「鋭い分析内容でクライアントの満足度が高い広告レポートを作りたい」
日々広告を運用されているなかで、こんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この2つの矛盾するお悩みを解消する、広告レポートのテンプレート(雛形)を開発しました。こちらより、無料でダウンロードできます。
<無料レポートテンプレート>

広告レポート01|LISKUL

広告レポート02|LISKUL画像:レポートテンプレートの実際の画面。多くの企業で活用されています。

このレポートテンプレートを題材に、広告レポートの効果的な作成方法について、
広告運用歴5年、数百社の広告レポートを作成してきた筆者が解説致します。

本記事を読めば、

  • 誰が見ても配信結果が一目瞭然
  • クライアントと配信結果について、正確な共通認識を持つことができる
  • 今後の改善施策を打ち出すために必要な情報が得られる

そんな高品質な広告レポートを、効率的に作成し、高い成果とクライアントの満足を獲得できるようになります。


広告レポートに記載すべき内容

まずは、具体的にどのような内容にすべきかをお伝えします。私が数十社の広告レポートを作成した経験上、必須と言えるのは下記の項目です。またこれらに加えて、案件によって必要な項目を追加していきます。

必須の項目

  • サマリーレポート
  • 媒体別レポート
  • デバイス別
  • 全体(月別)レポート
  • キャンペーン、広告グループ別レポート
  • キーワード別レポート
  • 広告文、バナー別レポート

必要に応じて追加する項目(一例)

  • 検索クエリ別レポート
  • デモグラ(性別・年齢など)別レポート
  • 地域別レポート
  • 時間帯別レポート

実際のレポートサンプル

先述のテンプレートを題材に、上記の必須項目について解説していきます。まだダウンロードされていない方は、ぜひダウンロードしてそちらを見ながら読み進めてください。

<無料レポートテンプレート>

サマリーレポート

広告レポート01|LISKUL

配信結果の概要(サマリー)を伝えるレポートです。一目で見て、良かったのか悪かったのか判断できるように、内容は必要最低限に抑えましょう。また色を付けることで、良くなった・悪くなった箇所を分かりやすくすると良いでしょう。

媒体別レポート

広告レポート03|LISKUL

配信した媒体別のレポートです。それぞれの前回との比較欄を設けると良いでしょう。

デバイス別レポート

広告レポート04|LISKUL

配信したデバイス別のレポートです。商材によってはPCとスマートフォン・タブレットで大きく効果が違うこともあり、必須のレポートと言えるでしょう。

全体(月別)レポート

広告レポート05|LISKUL

サマリーレポートよりも詳細な、全体結果のレポートです。月別推移があると、今回の配信結果が良かったのか分かりやすくなります。また、同内容で媒体別のシートも用意します(画像は割愛)。

キャンペーン別レポート、広告グループ別レポート

広告レポート06|LISKUL

ここからは、広告の階層別のレポートになります。媒体によって、キャンペーンや広告グループの名称は変わります。

キーワード別レポート

広告レポート07|LISKUL

キーワード別のレポートです。検索連動型広告限定です。

広告文別レポート、バナー別レポート

広告レポート08|LISKUL

広告レポート02|LISKUL

広告別のレポートです。バナーについてはキャンペーン・広告グループではなく、クリエイティブ別で数値を出すと、効果の比較がしやすいのでおすすめです。


高評価間違いなし!?広告レポートの必勝構成パターン

ここまで実際のレポートのサンプルを見ていただきましたが、そもそも良い広告レポートの構成には必勝パターンがあります。それは、結果(数値)・施策の振り返り・課題・次回の施策の4部構成になっていることです。

ここからは、それぞれの内容と重要なポイントについて解説していきます。

1.結果(数値)

まず何よりも最初に伝えるべきことは、広告配信の結果がどうだったのか、です。その際に重要なことは、客観的な事実=数値を報告する、前回からどう変化したのかを示す、セグメント別に示す、の3点です。

客観的な事実=数値を報告する

レポートで最初に伝えるべきことは、主観的ではない客観的な事実、つまり数値結果です。

特に配信結果が振るわなかったときに起こりがちですが、少しでも結果を良く見せようと主観的なコメントを多く載せたりして、パッと見で結果がどうだったのか分かりにくくしてしまうことがあります。

しかし、その結果を良かったのか悪かったのか判断するのは、あなたではなく報告を受ける人です。主観的なコメントはここでは極力控えて、客観的な事実=数値を伝えることに専念しましょう。

前回からどう変化したのかを示す

次に、前回の報告内容からどう結果が変化したのかを伝えます。

今回の結果を数値で報告するだけでは、報告を受ける人はそれが良かったのか悪かったのか、判断に困ってしまいます。そのため、前回との比較でどう変化したのかを示し、判断するための材料を提供します。

広告レポート09|LISKUL画像:例えば月別推移を見せることで過去からどう変化したのかを伝えます

セグメント別に示す

全体の結果だけでなく、様々なセグメント=切り口で結果を伝えることで、結果の詳細な分析が可能になります。キャンペーンや広告グループ、キーワード、広告といったリスティング広告の階層別のデータは必須で、必要に応じてデモグラフィック属性(年齢や性別)、デバイス、時間軸、エリアなどのセグメントを追加していきます。

2.施策の振り返り

配信結果を伝えたら、続いて今回実施した施策の振り返りを行います。

ウェブ広告運用の世界においては、月に一度定例の報告を行うことが一般的です。前回の定例の場で合意した施策の実施結果をお伝えしましょう。

また運用していた中で実施した施策があれば、そちらについても報告します。上手くいったことだけでなく、実施したが結果に結びつかなかったことも、今後の運用において重要な判断材料になりますので、正直に漏れなく報告しましょう。

広告レポート11|LISKULイメージ画像(内容は簡略化したもの)

3.課題

今回の結果と、実施した施策の効果を踏まえて、現状の課題を再定義します。何が問題となっているのか、またなぜその課題が発生しているのかの理由も合わせて示しましょう。

例えばCPA(獲得単価)の高騰が課題となっている場合には、なぜCPAが高騰しているのか、CPC(クリック単価)が高騰しているのか、CTR(クリック率)が低下しているのか、あるいはCVR(獲得率)が低下しているのか、などの詳細な要因を分析する必要があります。その際に、前述のセグメント別のデータが必要となります。

広告レポート10|LISKUL画像:CPA高騰に対する施策の一例。要因を因数分解して分析する

4.次回の施策

最後に、現状の課題に対して実施する施策を提示します。

ここが運用者としての力の見せ所になります。できれば考えた施策が上手くいかなかった場合のリカバリープランまで提示できると、先方はより安心して運用を任すことができます。

例えば以下の例では、広告全体の結果改善を目的として、アカウント構成の見直しを提案しています。「3.課題」で定義したクライアントの課題に対して、打ち手を提示する形にすると分かりやすいでしょう。

広告レポート12|LISKUL画像:今後の実施施策例(内容は簡略化したもの)


広告レポート作成時に注意すべきポイントやコツ

本章では、広告レポートの作成時に注意すべきポイントについて解説します。レポートを作成し終わったら、以下のポイントが問題ないかを確認しましょう。

簡潔になっているか

広告レポートは、直接の報告相手以外の人が見る可能性があります。誰が見ても結果がどうだったのか、良かったのか悪かったのかが分かるように、簡潔に分かりやすい記述を心がけましょう。

例えば、以下の図のような「サマリーシート」を一枚挿入するだけで、結果の良し悪しが一目瞭然に判断できます。色を付けることで、良くなった・悪くなった箇所を分かりやすくすると良いでしょう。

広告レポート01|LISKUL画像:サマリーシートの一例。良化した箇所を青く、悪化した箇所を赤くしている

主観的になっていないか

配信結果に対して運用者目線で意見を述べることは重要ですが、一方で日々運用している立場からの意見は近視眼的になりがちです。主観的になりすぎていないか、客観的な報告が出来ているか注意しましょう。

下記が良い例・悪い例の一例です。

<悪い例>広告レポート13|LISKUL

<良い例>広告レポート14|LISKUL

悪い例では、目標CPAを達成できなかったことで悪い印象を持たれたくないという思いから、過去1年間で一番CPAが低かったことは良かったと、良い点で締めています。

一方良い例では、

  • 前回との比較を記載
  • 目標CPAを達成できなかったことと言い切り
  • 詳細に何が改善し、何が悪化したのかを説明

と、自分の感想ではなく事実を伝えることに終始しています。

良し悪しを客観的に判断するために、KGI・KPIを事前に設定することも重要です。KGI・KPIについては以下の記事も参考にしてください。

参考:KPIとKGIの違いとは?目標達成のために覚えておきたい正しい設定方法

図や表を積極的に活用する

分かりやすいレポートにするために、図や表を積極的に活用しましょう。今回ご紹介しているATOMのテンプレートでは、全てのシートが図、または表で構成されています。こちらを参考に、必要に応じてグラフなどを追加してください。

広告レポート15|LISKUL画像:グラフの一例。月別・日別の変化が視覚的に分かりやすい

正直に、誠実に

虚偽の報告は絶対にしないようにしましょう。数年前に、大手広告代理店が運用状況や実績の虚偽報告を行い、大きな社会問題になりました。

運用型広告は必ずしも良い結果が出るわけではありません。結果が良くなかった場合も、正直にきちんと伝えることが重要です。

工数の掛け過ぎには注意

キーワードの追加などの普段の運用業務と違い、レポーティングは直接的に利益を生む業務ではありません。可能な限り工数を掛けずに、広告の運用業務に掛ける工数を増やすべきです。

次章では、広告レポートツールを上手く活用して、レポート作成を効率化する方法について解説します。


ツールを活用した広告レポート作成の効率化・自動化

広告運用者は日々多くの業務を抱えており、ウェブ広告の世界では長時間労働が蔓延しています。そんな状況から脱却するために、業務の効率化を行う必要があります。

広告レポートの作成業務も、効率化が可能な業務の一つです。先ほどお伝えした広告レポートの必勝パターンの構成4つ、結果(数値)・施策の振り返り・課題・次回の施策のうち、結果(数値)はツールを導入することで効率化・自動化を図ることができます。

ツールを活用するメリット①工数削減

ツールの導入による一番のメリットは工数の削減です。

ツールによりレポート作成を自動化することで、より付加価値の高い業務に工数を割くことができるようになります。例えば、先ほど述べた課題や施策の立案や、顧客とのコミュニケーションなどです。そうすることで、他社との差別化を図ることができて、収益性の改善につながっていきます。

また運用者にとっても、機械的な作業に追われることなく、自身の創意工夫を業務で発揮することができ、モチベーション向上にもつながっていきます。

そのほかにも、工数削減によるメリットは枚挙にいとまがありません。

ツールを活用するメリット②ミスの軽減

レポート作成は作業内容が細かく、ミスにもつながりやすい業務ですが、誤った数値を報告することで、大きな問題につながる危険性もある難しい業務です。その数値の部分を自動化することで、ミスを抑制することができます。

ミスは顧客や周囲からの信用を失うことにつながっていきます。また、ミスをしたときの復旧作業に多くの時間や労力が割かれたり、ミスの対策のため新規のフローを追加することになり、さらに工数が掛かるようになることもあります。レポート作成においてもミスを無くすことは非常に重要な課題となるのです。

参考:ミス撲滅に効くWeb広告レポートツール活用術

レポートツールについてもっと知りたい方は

世の中には多くの広告レポートツールが存在しています。こちらの記事で各ツールの紹介をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

参考:レポート作成を自動化するツール9選|ビジネスシーン別に紹介

本記事でご紹介したレポートテンプレートを提供している「ATOM」もそのうちの一つとなります。

ATOMは中小規模の広告代理店を中心に、累計400社以上に導入され、接続されているアカウントは40,000以上となっています。

レポート業務をもっと効率化したい方は必見です。
下記の記事で詳しく紹介しているので、気になる方はぜひご一読ください。
参考:リスティング広告の業務効率化!作業時間を8割削減した「ATOM」とは!?

また「ATOM」のサービス概要資料を特別にご用意しました。実際に導入した企業の事例も紹介しているので、ぜひダウンロードしてみてください。

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まとめ

広告レポートの作成では、テンプレートを活用することが必要不可欠です。レポートに必要な情報は顧客によって多少違いますが、サマリーレポートや媒体別レポート、デバイス別レポートなど、必ず必要な共通の項目も多く存在します。それらはテンプレートを活用することで、作成効率を向上させることができます。

また、広告レポートの作成時に注意すべきことについても解説しました。これらを常に意識しながら作成することを心がけてください。

最後に、広告レポートを作成する際はツールを活用することも検討してください。工数削減やミスの軽減といった効果が得られるでしょう。いわゆる作業の部分はツールを活用し、施策の振り返りや課題・次回の施策立案といった、人にしか出来ない部分へ注力することが重要です。

是非本記事を参考に、自社の広告レポートを一度見直してみてください。