動画広告のプロに聞く、動画広告の始め方・成果を挙げる内製・外注・ツールの選び方

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動画広告の市場が急速な勢いで拡大しています。ユーザーに漏れなくリーチするためには、動画広告の活用は欠かせなくなっています。

一方でよく耳にするのが、「動画広告を始めたい」と思ってもどうやって動画を制作したらいいのか分からない、そもそも自社で作るのか外注すべきかも分からないという切実なお悩みの声です。
動画広告をやってみたいけど二の足を踏んでしまっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、これから動画広告を扱っていきたい・もっと活用していきたいという方向けに、成果を挙げられる動画広告制作の秘訣について、その道のプロに伺ってきました。

お話を伺ったのは、ビジネス動画編集クラウドツール「Video BRAIN」を提供する「株式会社オープンエイト」の加嶋さんです。


問い合わせの多くが「動画広告を始めたいがどうしたらいいのか分からない」

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プロフィール
加嶋 雄一 氏
株式会社オープンエイト 執行役員 兼 CPO

2008年から広告代理業及びメディア事業に従事。2013年にグリーに入社し、GREE PFサードパーティー向けのプロモーションを担当。2014年よりLINEにて、LINE GAME事業のマーケティング責任者として事業拡大とユーザーグロースに貢献。2018年2月オープンエイト入社し、マーケティング・プロダクト領域を管掌。

――まずは、最近の動画広告を取り巻く状況について教えてください。

加嶋氏:弊社の実績になりますが、動画制作や動画の活用についてお問い合わせいただくケースが増えています。動画広告に限らず、プロモーションや採用、あるいは社内向けのマニュアル動画など、お問い合わせしていただく方の動画活用の目的は様々です。

動画広告市場を見ても、前年対比で120~140%程度の成長を続けており(※1)、スマートフォンでの利⽤を中⼼に、動画広告の利活用はさらに進むと見られます。

――お問い合わせされる方はどのような課題を抱えていらっしゃるのでしょうか?

加嶋氏:「動画広告を始めたいがどうしたらいいのか分からない」とお問い合わせいただくことが多いです。動画を内製するのか外注するのかを決めていない方も多くいらっしゃいます。

自分で無料アプリで動画を作ってみたが、「クオリティが担保できない・製作が属人的になってしまい、自社の広告としての統一感が出せない」とお問い合わせされる方もいらっしゃいますね。

また動画広告を内製化するとなると、自社のデザイナーに依頼するか、自分でつくるかの二択になるケースが大半です。

前者であれば、デザイナーに他のタスクが立て込んでしまいすぐに対応してもらえない、依頼しづらいといったお話をよくお聞きします。また、動画のノウハウがそもそも自社に全くない場合も多く、頼める人がいないため後者を選ばざるを得ないケースも多々あります。

しかし、動画制作の経験もノウハウもなく、さらに既存の業務で忙しく十分な時間が確保できない、というお話をよくお聞きします。


動画を内製するか外注するかの判断は「本数」「費用」「スピード」の3つがカギ

――動画広告制作を始めるときに、まずすべきことは何でしょうか?

加嶋氏:動画広告制作によって達成すべき目的や掛けられる費用、どういったターゲットに向けて制作するのか、といった情報を整理する「計画」から実施すべきです。他にも公開までのスケジュールや、どういった内容にするのかもここで固めていきます。

数ある工程の中で最初に取り組むべき、最も重要なものです。
計画が固まらなければ何も始められません。

――動画制作を内製するのか外注するのかは、どう決めたら良いでしょうか?

加嶋氏:判断の軸としては、大きく「本数」「費用」「スピード」の3つが挙げられます。

まず「本数」ですが、例えばテレビCMのような高いクオリティの動画を年に1回作るだけであれば、ツールを導入して内製するよりも、外注してしまった方が良いでしょう。

ただしウェブ動画広告のために、そうした高クオリティの動画を制作するケースはまずありません。
1本制作すれば、一般的には数か月は使い続けられるテレビCMとは違い、ウェブ動画広告は、量産してPDCAを絶えず回していくことが、結果を出し続けるために必要不可欠だからです。

ウェブ動画広告では、最低でも1週間に1本程度、商品やサービス・訴求が多ければ1週間に数本以上は動画を作ってテストしていくことが多く、それくらいの本数を外注するとなると、安定して制作・納品してもらうことが難しくなってきます。

また「費用」の面でも、PDCAサイクルを高頻度で回していくほど制作本数が増えて、その分費用も高くなっていきます。
それであれば弊社の「Video BRAIN」のように、月額定額制のツールを利用して内製したほうが費用を安く抑えられます。

そして「スピード」ですが、ウェブ動画広告は配信して結果が出たら、その結果をもとにクリエイティブを修正してすぐに最適化していくことが求められます。

しかし外注するとなると、ちょっとした修正にも数日程度は時間が掛かってしまい、スピーディーな対応が難しくなります。

また、少しの修正ではなく、新規で作る場合は1か月近くかかるケースが一般的です。期間限定のキャンペーンが急きょ決まったから広告をすぐ打ちたい、季節性のある商材だから来週中には広告を開始したいという場合、このタイムロスは致命的です。

一方、内製であれば、自分の作りたいタイミングで作ることができます。ウェブ動画広告のような短い動画であれば、平均数分から十数分で1本作成できています(Video BRAINユーザー様の実績)。

編集部注|「Video BRAIN」とは?
Video BRAIN」とは、”誰でも簡単”に“幅広い編集、配信分析”が実現できるビジネス動画編集クラウドです。
豊富な動画テンプレートや充実した導入サポート体制により、全社的な動画のビジネス活用を実現します。

ツール選びは、目的と使いこなせるかを重視する

――動画を内製するというとハードルが高く感じますが、まずツールはどう選べば良いのでしょうか?

加嶋氏:皆さんがまず気にされるのは「本当に作りたい動画が作れるのか」「本業もある中で作り続けられるか」という点です。

検討しているツールに、数日間でも無料トライアル期間があれば、まず実際に触ってみることが重要です。

「初心者向け」と謳われていても、実際は動画の知識やセンスが必要であったり、逆に本当に簡単ではあるけれども、作りたい動画を作る機能がない、ということも考えられます。

なお、トライアル期間には限りがあるケースが殆どなので、無料トライアルを開始する前に、「誰が」「どのくらいの本数を」「どのくらいの期間で」「どのくらいのクオリティで」作るのかを整理した方が良いでしょう。

そのうえで、実際の運用に耐えうるのはどのツールなのか、実際に動画を作る予定のある人で確認していけば、導入後にこんなはずではと後悔することはなくなります。

――その他にも気を付けるべき点はありますか?

加嶋氏:あとはツールがインストール型の場合、リモートワークにも対応できるかを考える必要があります。

クラウド型であれば、いつでもどこでも動画を編集することができますが、インストール型であれば、動画を編集するために出社する必要がでてきます。

また、動画のエンコード(配信用のデータ形式に変換・出力すること)などをしているときにPCのスペックをかなり消費するので、その間何も作業ができなくなったりします。

このように、ツールのタイプによって注意すべき点が様々あります。

参考記事:【2021年最新版】動画制作サービスおすすめ65選。コスト・納期・用途などを厳選比較


外注先にゴールイメージを正しく共有できるかが大事

――動画制作を外注する場合、外注先をどう選べば良いでしょうか?

加嶋氏:まず欠かせないのが類似の業界・商材での実績ですね。

エモーショナルで美しいCMを制作する技術があるからといって、結果が出るウェブ動画広告が制作できるとは限りません。ウェブ動画広告の知見や配信する媒体の知識、深い商材理解などが求められます。

他には修正回数にも着目してください。

特に初回の依頼だと、「思ったものと違う」「これだと自社のターゲットに届かない」ということが往々にして発生します。絶対にこれなら効果が出る、という広告になるまで修正ができるのか、一回しか修正ができないのかは注意が必要です。
修正指示もあまり意味を理解してもらえなかった場合、制作費も広告運用費も無駄になってしまいます。

またウェブ動画広告の場合、効果があった広告を他の媒体や配信面に展開する、というケースが多くあります。その際、リサイズにどの程度対応してもらえるのか、ということも事前に確認したほうがいいでしょう。

例えばFacebook広告のフィード面であれば4:5、Instagramのストーリーズであれば9:16など、配信する面に応じたサイズにする必要があります。
そのリサイズに対応してくれるのか、費用はどれくらいかかるのか、何営業日以内に対応してくれるのかなどを確認すべきです。

――広告代理店に広告運用を委託している場合は、動画制作はどこにお願いすべきでしょうか?

加嶋氏:広告代理店に依頼するケースと、代理店とは別に制作会社に動画制作を依頼するケースがあります。

別で依頼する場合に懸念されるのが、代理店と制作会社とのコミュニケーションが別々に発生してしまうことです。時間や負荷がかかりますし、管理も難しくなります。
広告代理店経由で依頼すれば、コミュニケーションは楽になります。

ただし、動画のイメージを正確に伝えるために、制作を担当する方と直接コミュニケーションする機会は設けてもらうようにしたほうが良いです。
代理店に伝えたことをまた代理店が制作会社に伝える、という伝言ゲームになると、正しくゴールイメージが伝えられない危険があります。

――他にも注意すべき点はありますか?

加嶋氏:外注に慣れていないと、作ってほしい動画のイメージや、自社のブランドイメージを制作会社に伝えるのが難しいと思います。

なので、適切な質問をしてそこを掘り下げてくれる会社にお願いできると良いですね。
例えば、動画を作る際に気を付けるべき自社のレギュレーションや、何を成果地点にした広告なのか、といった質問です。

問い合わせ後の打ち合わせの際に、イメージを正しく把握するためにこうした質問をしてくれるのか、ぜひ注目してみてください。

参考記事:動画制作を依頼するときに気を付けたい3つのポイントと動画の使い方


動画広告は最初の3秒で勝負が決まる

――動画広告制作のポイントを教えてください。

加嶋氏:とにかく重要なのが、最初の3秒でいかにユーザーのアテンション(注意)を引けるかです。

そもそもユーザーは SNS を閲覧しているとき、動画広告を見ようとは思っていません。YouTubeであればスキップされるか、あるいはインフィードであればそのままスクロールされてしまいます。

また、YouTube以外のSNSでは大抵無音で見られているという事実も考慮するべきです。

具体的に動画に盛り込むべき要素ですが、最初の3秒内には下記が必須です。

  • サービス名、商品名
  • ロゴ
  • 最も伝えたいメッセージ

動画は画像と比べても圧倒的に情報量が多く、最初の3秒でも十分に伝えたいことを伝えることができます。

逆に動画を最後まで再生してくれるケースは少ないので、そのことを念頭に動画を構成する必要があります。

――動画広告を配信する媒体はどう選べば良いでしょうか?

加嶋氏:媒体によって相性の良いターゲットは変わってきます。

例えばBtoB向けビジネスであればFacebook広告が相性が良いですし、若年層ならTikTokが良いといった傾向があります。

その媒体はどういうユーザーが利用しているのかを考えることが肝要です。

参考記事:【2021年最新版】動画配信プラットフォームおすすめ37選!サービス・ライブ・無料などを厳選比較

――動画広告制作の成功と失敗を分けるポイントがあれば教えてください。

加嶋氏:制作目標をきちんと立てずに始めてしまうと、行動管理が正しくできずに途中でやめてしまいがちです。

「毎月4本は必ず作る」など、まずは何か制作目標を立てて始めてください。そうしないと新しい業務ということもあり、継続することは難しいでしょう。

また動画広告の目標を達成できているかの成果指標(KPI)の設計も非常に重要です。

ウェブ動画広告であれば、一般的には認知拡大やサイトへの流入、売上の拡大が目標になってくると思います。サイト流入であればクリック数・クリック単価(CPC)、売上拡大であればコンバージョン数・コンバージョン単価(CPA)がKPIになるでしょう。

動画制作の計画の段階で、どういった指標を取り入れるのか、またどういった検証軸を用いるのかを考えておく必要があります。

参考記事:効果的な動画広告の作り方とは?制作の流れを7ステップで解説


動画は文字や画像のように当たり前に使われていくツールになる

――最後に、これから動画広告を始める方や取り扱いを増やしていきたいという方に向けてメッセージをお願いします。

加嶋氏:社内外のコミュニケーションにおいて、動画は従来の文字や画像と同じように当たり前のように使われていくツールになっていくと思います。実際、動画の利用時間やセッションは年々増加しています。

一方で、まだ動画をビジネス活用できている企業は少ないので、早く始めて勝ちパターンを見つけることができれば、それが競合優位性につながります。

また媒体の最適化により、ウェブ広告で画像が表示されやすい人、動画が表示されやすい人というのが分かれてきます。そのため、画像だけでなく動画もアセットに組み込んでおかないと、全体最適化が働かなくなってきます。

その点においても、動画は画像と同様に必須の存在なのだと言えます。
是非、動画広告制作に早いうちにトライしていただければと思います。

――本日はありがとうございました!


まとめ

動画広告を制作するにあたって、最初に判断が必要になるのが内製するのか外注するのかどうかです。

その際の判断軸として重視すべきなのは「本数」「費用」「スピード」の3つです。

内製する場合には動画編集ツールを選ぶ必要がありますが、そこで重要なのがツールを使って何をしたいのか、何ができるのかを考えることです。

自身の目的と、PCスペックや体制などの状況に合わせたツールを選びましょう。

また外注する場合に自社に合った制作会社を選ぶには、「類似の業界・商材での実績」「修正回数」「リサイズへの対応」といった点が特に重要な判断軸になります。

そして効果的な動画広告を制作するために欠かせないのが、最初の3秒以内に重要な情報を詰め込むということです。

スキップされることが前提の動画広告において、冒頭でいかにアテンションを引いて、最初の3秒を観てもらえるかが重要です。

「Video BRAIN」のように、簡単に動画を作ることのできるツールがありますので、これらを使って是非動画広告制作にトライしてみてください。

※1 サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査を発表|サイバーエージェント

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