CSR調達とは、企業が環境や社会に配慮して資材やサービスなどを調達することです。
身近なものだと、飲食チェーン店がプラスチック製のストローやカトラリーの使用を控え、地球にやさしい素材で作られた製品を提供しているところが思い浮かぶでしょうか。
近年、中長期的に企業が発展するために、CSR調達は欠かせない要素となっています。
自社以外のことも考慮して活動すべきと考えるCSR(企業の社会的責任)を調達のプロセスに組み込むことは、企業の信頼を高める重要なポイントとなっているからです。
企業の労働環境や環境への配慮に問題が発覚したとき、消費者や投資家は、該当企業だけでなく取引企業に対しても悪印象を抱く傾向にあります。
つまり、CSR調達への取り組みは、本来の社会貢献の目的を超えて「自社の経営リスク対策」や「企業イメージ維持・向上」にもつながるのです。
とはいえ、重要性が分かっても具体的にどのように取り組めばいいのか、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、CSR調達の意義や取り組むべき理由、実践手順、ガイドラインの策定ポイント、先進企業の事例を紹介し、これからの時代に欠かせない調達戦略について分かりやすく解説します。
安心してCSR調達への一歩目を踏み出すために、ぜひ本稿をご覧ください。
目次
1.CSR調達とは、企業が社会全体に配慮して資材や原料調達を行うこと
CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)調達とは、企業が環境や社会に配慮して物やサービスを調達することです。
商品の品質や価格だけでなく、調達先の労働環境や地球環境への影響などの社会全体の利益を考慮して調達を行うことを指します。
たとえば、企業が製品の包装材を調達する際、プラスチック製品を避け、リサイクル可能な紙やバイオマス由来の素材を使った包装にすることは「CSR調達」です。
昨今、調達先に自社の考えを共有した上で取引を求める企業や、CSRに対して積極的な調達先に切り替える企業が増えています。
こうした流れから、CSR調達は、持続可能な経営を目指すために重要な戦略となっています。
CSRとは、社会に配慮する企業責任のこと
CSR(企業の社会的責任)とは、「企業は利益を追求するだけでなく、社会や環境に対しても責任を果たすべき」という考え方です。
具体的には、環境保護や人権の尊重、地域社会への貢献など、さまざまな活動を通じて、企業が社会全体に良い影響を与えることを指します。
CSRは、企業が信頼を得るための重要な要素であり、消費者や投資家からの期待も高まる重要な要素です。
CSR調達とグリーン調達の違い
CSR調達とグリーン調達は、どちらも持続可能な社会を目指す調達の考え方ですが、焦点が少し異なります。
CSR調達は、環境だけでなく、労働環境や人権など社会全体に配慮した調達を指します。
一方で、グリーン調達は、主に環境への影響を減らすことに重点を置いています。
たとえば、エコ製品の選定やCO2排出量の削減に力を入れるのがグリーン調達です。
つまり、CSR調達はより広い視点から社会全体を考慮した取り組みであり、グリーン調達はその中でも特に環境に特化した取り組みと言えます。
参考:GX(グリーントランスフォーメーション)とは?環境保全と経済成長を両立する取り組み│LISKUL
2.CSR調達に企業が取り組む意義
CSR調達に企業が取り組む意義は、企業イメージの向上や経営リスクへの対策、長期目線でのコスト削減が挙げられます。
CSR調達には、明確な目標や基準は存在せず、あくまでも企業が自主的に行う活動という位置づけです。一見すると、導入するメリットが少なく思えるかもしれません。
本章では、CSR調達に取り組む意義をはじめとし、どんな好影響を及ぼすのかまでを丁寧に解説していきます。
企業イメージが上がる
CSR調達に取り組むことで、環境保護や人権を大切にする企業としての評価が高まります。
実際に、ブランド戦略通信が掲載している「企業のCSR活動事例に対するイメージ調査」では、CSR調達を含む社会的責任を果たす取り組みに注力するさまざまな企業に対し、消費者の約30%が「この企業に対して好感を持った」と回答しています。
CSRの取り組みはどの企業においても好感度、信頼度アップに一定の貢献をしていると言えるでしょう。
また、こうした取り組みをプレスリリースやSNSで積極的にアピールすることで、他社との差別化も図れるようになります。特に、倫理的な問題に敏感な若い世代の顧客や、中長期的に伸びるビジネスを重視する投資家からの支持が得られやすくなる傾向にあります。
東洋経済新報社が行う「東洋経済CSR調査」も、自社のCSR調達の実績を広める場として有効です。
これは、国内全上場企業および主要未上場企業を対象とし、CSR・ESG・サステナビリティ活動に関して調査するものです。
調査結果は『CSR企業総覧』に収録され、企業を財務・非財務の両面から評価する、国内最大規模のCSR・ESG・SDGs・サステナビリティに関する総合企業評価「東洋経済CSR企業ランキング」にも利用されています。
このように、CSR調達は取引企業や消費者、投資家からの信頼を得ることで企業のブランド価値を高める効果があります。
参考:第27回企業のCSR活動事例に対するイメージ調査│ブランド戦略通信
東洋経済CSRオンライン│東洋経済新報社
自社の経営リスク対策になる
CSR調達の観点で取引先や調達先企業をチェックすることは、自社のリスクマネジメントに直結します。
CSR調達活動を通して、取引企業が抱える問題や不祥事の種に気づくことができるからです。
たとえば、取引先で生じた従業員の労働時間問題が取り上げられたとき、その会社に発注していた企業なども同様に世間から悪印象を被ることになり、飛び火して批判を浴びるケースがあります。
製品やサービスの不買運動、投資先としての評価の降格なども生じるかもしれません。
サプライチェーン全体を管理するCSR調達によって、こうした自社に影響を与える問題を回避することは重要です。
長期的なコスト削減につながる
CSR調達の徹底は、長期的なコスト削減につながる傾向にあります。
調達段階で、企業経営において無駄なリソースを減らすことができるからです。
たとえば、土に還るといった環境にやさしい材料を調達することで、廃棄コストが削減されますし、エネルギー効率の高い設備や再生可能エネルギーを活用する企業を選ぶことで、運用コストの削減も見込めます。
このように、リサイクル可能な材料を使った調達や、環境負荷の少ない生産プロセスを持つ企業との連携は、結果的に廃棄物処理コストや事業運用コストを削減する効果が期待できるでしょう。
3.CSR調達の実践手順
本章では、CSR調達を実践する手順について7ステップに分けてご紹介します。
1.CSR調達の目的や目標を設定する
CSR調達を実施するときは、自社で行う目的や目標を明確にすることが重要です。
自社が何を目指しているのか、企業理念やミッション・ビジョンを踏まえて方向性を定めましょう。
たとえば「地球に優しい活動をしたい」なら「環境保全」、「すべての人を笑顔にしたい」なら「労働環境を守る」というように、目的を設定します。
次に、目的に沿って短期視点での目標を立てます。
目標は、SMART(Specific:具体的、Measurable:測定可能、Achievable:達成可能、Relevant:関連性がある、Time-bound:期限がある)の原則に従って設定すると良いでしょう。
「サプライチェーン全体のCO2排出量を3年間で10%削減する」や、「取引先のうち70%に労働環境改善の取り組みを推奨し、賛同を得る」など、数値を含めると進捗が確認しやすいのでおすすめです。
目標設定のコツは下記のとおりです。
- 現状の状況をデータで把握し、改善の余地を確認する
- 具体的な数値やデータに基づいて、実行可能な目標を設定する
- リソース(人員・予算・時間)を考慮して、無理のない範囲で達成できる目標を立てる
- 大きな目標は段階的に進め、小さなステップを積み重ねる
2.CSR調達の自社基準(ガイドライン)を決める
CSR調達において肝心である「自社基準(ガイドライン)」を決めます。
取引先や顧客などに対して、自社が何を大切にしているのか、どういった基準で選定しているのかを明確に示すことができます。
ガイドライン策定にあたって押さえておくべきポイントは、後述します。
3.CSR調達の実施計画を作成する
目的や目標から逆算して、CSR調達を実現するための計画を立てます。
どのように目標を達成させるか、道筋を具体的に決めるイメージです。
たとえば、目的を「環境保全」、目標を「サプライチェーン全体のCO2排出量を一定割合削減する」と設定している場合は下記の施策や行動が挙げられます。
- CO2排出量を定期的にモニタリングする
- エネルギー効率の高い設備や技術を導入する
- サプライヤーに環境基準を提示し、協力を求める
- 輸送ルートの最適化によって物流のCO2排出量を削減する
- 再生可能エネルギーの使用を促進する
- 廃棄物の削減やリサイクルの取り組みを強化する
- 社員やパートナー企業に環境保護に関する教育を実施する
- 購入が環境保護につながる点を訴求したコーズマーケティングを行う
このとき、具体的な行動手順やタイムライン、責任者を明確にして、現実的に実行可能な状態を目指して検討することが重要です。
参考:コーズマーケティングとは?具体的な方法や成功させるポイントを解説│LISKUL
4.CSR調達の実施計画を客観的にチェックする
作成した計画は、客観的にチェックすることも忘れずに行いましょう。
同業他社や先進企業のCSR調達の取り組みを調査して自社の計画と比較するほか、異なる部署(調達、法務、環境、人事など)の担当者に計画を確認してもらいます。
さらに、外部のコンサルタントやCSR専門家に依頼して、計画に抜けや改善点がないか確認してもらうことで、実行段階でのリスクを減らせます。
このとき、計画実施に伴うリスク(コスト増、取引先との軋轢など)についても対応策が十分に検討されているか、必ず確認しましょう。
5.CSR調達の実施を社内に発表する
CSR調達を成功させるためには、社内全体でその意義や取り組みを共有することが大切です。
全社員が「なぜCSR調達を始めるのか」「どんな影響があるのか」を理解することで、一体感をもって取り組むことができるほか、CSR意識を広げ、持続可能な経営への意識を高める効果もあります。
全社会議や社内報として周知したうえで、部署やチーム単位でも理解と協力を得られるように継続的に取り上げることもおすすめです。
CSR調達の取り組みが、会社全体の成長と社会的責任の両方に役立つことを説明しましょう。
6.CSR調達ガイドラインを社外に開示する
CSR調達ガイドラインを策定したら、ホームページやCSRレポートに記載するなどして、取引先や顧客に対して透明性を持たせましょう。
ガイドラインを公開することで、自社のCSRへの取り組み姿勢が伝わり、社会的な信頼を得られます。また、サプライヤーにも方針を共有することで、納得感をもった彼らの協力を得やすくなります。
参考:広報戦略とは?基礎や代表的なフレームワークから成功のポイントまで一挙紹介!│LISKUL
7.CSR調達を実施する
計画に基づき、CSR調達を実施していきます。
このとき、取引先のCSR活動状況を確認するために、「CSR調達アンケート」を行いましょう。
CSR調達アンケートは、企業が自社のサプライチェーン全体にわたって社会的責任を果たすために取引先に対して行うアンケートです。
調達先の企業が社会的責任を果たしているかどうかだけでなく、劣悪な労働環境や自然環境汚染といった問題がないかを確認し、リスク分析をすることができます。
回答が不十分な企業(ハイリスクサプライヤー)が見つかった場合、取引先にヒアリングや現地監査を求め、状況によっては取引内容の変更や見直しの検討が必要です。
CSR調達アンケート実施において活用すべきサポートサービスは、EcoVadisやリクロマ、日経BPコンサルティングなどが挙げられます。
たとえば、200以上の業界、160か国以上の企業で導入されている「EcoVadis」は、グローバルで最も広く利用されているCSR評価プラットフォームのひとつです。
環境・労働と人権・倫理・持続可能な資材調達の4つの分野に焦点を当てて企業のCSRを評価するほか、業界ごとのベンチマークも提供しているため、自社の位置づけを客観的に把握することができます。国内外多くの企業に採用されていることから、取引先も利用している可能性があります。
参考:EcoVadis
4.CSR調達ガイドライン策定で押さえるべきポイント4選
CSR調達の取り組みへの肝である「ガイドライン」を策定するために、押さえておくべきポイントを4つご紹介します。
前提として、CSR調達のガイドライン作成には明確なルールはなく、各企業が独自に取り組み事項をまとめています。
ガイドラインは、実際にCSR調達を実施するときの判断基準となるので、自社に合ったものを策定するようにしましょう。
日本では、EICC(Electronic Industry Code of Conduc:電子業界行動規範)の取り組みを受けて、「サプライチェーンCSR推進ガイドブック」を社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が公開しています。
参考:「サプライチェーンCSR推進ガイドブック」改訂版│JEITA 電子情報技術産業協会
後述する企業事例も含めて、ぜひガイドライン作成の際にご参照ください。
1.自社の現状とギャップを把握して、現実的な内容にする
ガイドラインを作る前に、自社の調達状況やCSRに関する現状をきちんと把握しておくことが大切です。
「今はどのくらいCSRに取り組めているのか?」を把握していないと、理想ばかりが先行してしまい、実際には進められない基準を作ってしまうことがあります。
調達業務を担当している現場のスタッフの意見を聞くなど、何ができていて、何が足りないのかを整理してから実務に沿った現実的なガイドラインを作成しましょう。
2.ガイドラインの適用範囲を決めて、混乱を防ぐ
ガイドラインが適用される範囲は事前に定めておき、後に混乱が生じないようにしましょう。
最初からあれもこれも含めようとすると、実行が難しいガイドラインになってしまいます。
どのような品目に焦点を当てるかを自社の取扱い範囲に応じて検討し、全ての取引先に適用するのか、特定の取引先や製品に限定するのか、判断基準を設けることが必要です。
基準を「必須」と「推奨」に分けるなど、無理のない範囲で設定するのもいいでしょう。
基準をはっきりと作っておけば、迷うことなく、CSRに沿った取引をスムーズに進められます。
3.要求を具体的に示して、認識ズレによるトラブルを防ぐ
ガイドラインには、サプライヤーに対する具体的な要求事項を盛り込み、あとから認識ズレによる問題が発生しないように注意しましょう。
曖昧な表現や専門的な言葉を避けるようにし、どんなことを相手に求めているのかをシンプルに伝えます。
たとえば、「労働基準法を遵守すること」「有害物質を使用しないこと」「カーボンフットプリントを減らす取り組みを行うこと」など、サプライヤーが実践しやすい基準を示します。
このとき、「なぜこのガイドラインが必要なのか」「どのように進めていくのか」を丁寧に説明しましょう。
4.定期的な見直しを行って、実際に機能している状態を保つ
ガイドラインは一度作成したら終わりではなく、社会や環境の状況に合わせて定期的に見直す必要があります。忘れずにスケジュールに組み込みましょう。
半期~1年単位のペースを定め、現状に合っているかを都度確認し、必要に応じて修正を加える流れがおすすめです。
また、サプライヤーや消費者など、社外からのフィードバックも積極的に取り入れて、現場や世の動向に即したガイドラインにしていくことが大切です。
5.企業事例から見るCSR調達ガイドラインの項目
CSR調達ガイドラインを策定するポイントを押さえたうえで、具体的にどんな項目で作成すればいいかを企業事例を用いてご紹介します。
各社ガイドラインで共通して含まれている要素は下記6項目が挙げられます。
- 人権・労働への配慮
- 法令遵守・コンプライアンス
- 環境への配慮
- 品質・安全性の確保
- 情報セキュリティ
- 公正取引・倫理
- 安全衛生
- 社会貢献
- リスク管理・事業継続
さらに、他企業のガイドラインの項目を詳しく知りたい方は、下記サイトをご参照ください。
NTT グループのCSR調達ガイドラインは7項目
NTT グループでは取引企業と協力し、環境保全などの社会の要請に配慮した調達を推進するために7項目によるガイドラインを作成してCSR調達に取り組んでいます。
具体的には、人権や環境への配慮、製品やサービスの品質・安全性の確保など、社会の要請に配慮した調達について下記項目を定めています。
- 人権・労働
- 安全衛生
- 環境
- 公正取引・倫理
- 品質・安全性
- 情報セキュリティ
人類が自然と調和し、未来にわたり持続可能な発展を実現するため、「NTT グループサステナビリティ憲章に則り、すべての企業活動において地球環境の保全に向けて取り組んでいます。
参考:サプライチェーンCSR推進ガイドライン│NTT グループ
任天堂のCSR調達ガイドラインは8項目
任天堂は、国内外の多くの生産パートナーとともに製品の品質や技術力の向上、安全性の確保、生産効率の追求などを行うため、8項目によるガイドラインを作成してCSR調達に取り組んでいます。
法令・社会規範を遵守して人権・地球環境に配慮した生産活動を行い、取引先との信頼関係を構築して共に企業の社会的責任を果たすために、購買基本方針・取引先の選定方針を定めています。
- 人権の尊重とコンプライアンスの推進
- 労働安全衛生の確保
- 企業倫理と公正取引の実践
- 地球環境の保全
- 製品安全性確保と品質保証
- 情報管理の徹底
- 危機管理体制の確立
- 社会への貢献
サプライチェーン全体でCSR活動を進めていくことで、生産現場の労働環境が改善し、労働者の定着や生産性の向上につながります。それが高品質な製品の生産を支え、環境配慮にもつながり、結果的にお客様をはじめとする任天堂に関わるすべての人を笑顔にすると考えています。
清水建設のCSR調達ガイドラインは12項目
清水建設は、協力会社との持続可能なサプライチェーンを構築するために、12項目による「シミズグループCSR調達ガイドライン」を制定しています。
このガイドラインは、法令遵守、人権尊重、環境配慮、品質確保などについて、協力会社に基本方針の実践をお願いするものです。
- 法令順守と社会規範の尊重
- 公平・公正かつ誠実な取引
- 関係先との良好なパートナーシップの構築
- 人権の尊重
- 環境への配慮
- 品質の確保
- 安全衛生の推進
- コスト合理性の追求
- 情報セキュリティの確保
- 社会への貢献
- 災害時の対応
- 社内体制の整備
ガイドラインを通じて、シミズグループは協力会社と互いの立場を尊重し、良きパートナーとしての関係を保持し続けることを目指しています。さらに、協力会社の関係先(二次以降のサプライヤー)に対しても、本ガイドラインに基づく取り組みの働きかけをお願いしています。
参考:CSR調達│清水建設
コマツグループのCSR調達ガイドラインは8項目
コマツグループは、協力企業をモノ作りを支える重要なパートナーと位置づけ、「Win-Winの関係」構築を目指して「CSR調達ガイドライン」を制定し、8項目からなる指針を設けています。
- 健全な経営のための体制の構築
- コンプライアンスの徹底
- 製品安全、QCD、技術革新
- 環境への配慮
- 人権、労働、安全衛生への対応
- 公正な事業慣行
- 社会貢献、地域との共生
- サプライチェーン全体への浸透
このガイドラインには、コマツの行動基準やコマツウェイの考え方も織り込まれています。協力企業には、このガイドラインに基づいたCSR活動の推進が求められており、取引契約にもその遵守努力が織り込まれています。
参考:調達方針とサプライチェーンの概要 – 建設機械のコマツ│コマツグループ
6.まとめ
CSR調達とは、中長期的に企業が発展していくために欠かせない要素です。
CSR調達への取り組みは、本来の社会貢献の目的を超えて「自社の経営リスク対策」や「企業イメージ維持・向上」にもつながるからです。
本記事では、CSR調達の意義や取り組むべき理由、実践手順、先進企業の事例を紹介し、これからの時代に欠かせない調達戦略について解説しました。
さまざまな企業が取り組んでいるCSR調達に対して、前向きに動き始めるための一助となれば幸いです。
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