ブランド戦略とは?4つの成功事例から見る共通点と戦略の立て方

「ブランド戦略」は、長期的な利益を生み出す非常に重要なキーだと、あなたは感じているのではないでしょうか?

その答えは、まさにイエスだと私は考えています。

徹底的に自社の強みを見出だし、ユーザーの心にどのように存在すればいいのか、どのように訴求すればそれを実現できるのか、そうした「ブランド戦略」を考え抜き、投資できる企業は長期的に利益を出し続けています。

この記事では、4つの成功事例を見ながら、ブランド戦略を成功させるためのポイントを解説していきます。ぜひ、参考にしてください。

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目次

※本記事はデータセクション株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。


ブランド戦略は他社との差別化や顧客の信頼や愛着を得るために重要

ブランド戦略とブランディングの違いとは?

「ブランド戦略」と似た言葉に「ブランディング」という言葉があります。

ブランディングとは

ブランディングとは、消費者に商品・サービスに対して共通のイメージを持ってもらうことを指します。(参考:11個の要点でちゃんと理解する「ブランディングってなんなのよ?」

ブランディングを進めることで「~が欲しい時はA社の商品を買おう!」「~にこだわる時はB社のサービスにしよう!」と消費者に思ってもらえ、競合他社との差別化ができ、顧客が離れずに長期的な売り上げ確保などが見込めます。

ブランド戦略とは

それに対して、ブランド戦略とは、ブランディングのために立てる戦略を指します。

ブランディングがもたらす4つの効果

なぜ、様々な企業がブランディングに力を入れるのか?その理由は、ブランディングの成功によって以下の4つのポジティブな効果を得られるからです。

効果1.競合との差別化ができる

企業のブランディングによる差別化の影響は身の回りにたくさんあります。例えば、おしゃれなパソコンが欲しい!という人が真っ先に思い浮かべるのがApple社のMacbookだと思います。

パソコンは他にもたくさんあるにもかかわらず、Apple社のブランディンクにより「おしゃれなパソコン=Macbook」というイメージが世間に定着しています。

このように差別化を進めて、おしゃれさという分野において圧倒的なシェアの獲得に成功しています。他にもPanasonicのノートPC/Let’s noteは営業担当者向けに特化した機能のパソコンにして成功を収めています。

効果2.顧客のロイヤリティにより長期的な売り上げの確保ができる

これも身の回りでよく見られるブランディングの成果のひとつです。

あなたの周りにiPhoneを使い続けている人はいませんか?携帯が壊れた、古くなってきて新しいスマートフォンに買い換える時、多くの方がまたiPhoneを選んでいると思います。

こうして長年ひとつの製品を使い続けることで、顧客のロイヤリティが上がり、長期的に安定した売り上げが望めます。

参考:顧客ロイヤリティとは何か?高めるための具体的な方法や事例も紹介

効果3.ブランド自体に価値が有るので高い利益率が得られる

スターバックスコーヒーは皆さんご存知だと思います。スターバックスがTVCMなどの広告を出していないのは知っていましたか?「言われてみればそうだ」と思った方も多いのではないでしょうか。このように広告を出していない分、コストが下がります。

また、特に若い世代の人たちにとっては「スターバックスでコーヒーを飲む」のはかっこいい、というイメージが定着しています。

大衆コーヒー店にしては決して安くないスターバックスコーヒーですが、圧倒的なブランドが確立されているので、競合に比べて多少価格設定を割高にしても顧客が離れません。

効果4.知名度が上がり、企業の調達力も上がる

ブランディングが成功すると、多くの人への自社の認知が広まるので、「あのテレビでやってる会社の…」と新規営業がしやすくなります。また、自社のイメージを理解した人材が志望してくるようになり、人材の確保にも大きく貢献できます。(参考:国内PR会社の一覧 ≫

ブランディングがしっかりしていないと、価格競争に巻き込まれる

では逆にブランディングを怠り、ブランドイメージが消費者に定着していないと、どういったデメリットがあるのでしょうか?

それはずばり「価格競争に巻き込まれる」ことです。ブランドによって十分な差別化ができていない企業が、最も簡単に顧客を引き付ける方法が「価格を下げること」だからです。

ブランド戦略

こうして、価格競争に巻き込まれた企業には必ず利益率低下によるコスト削減を強いられることになります。そうした時に一番最初に削られてしますのが、その効果が分かりにくいブランディングなどの「プロモーション予算」です。

新規顧客を獲得する力を失ってしまった企業は、次第に市場シェアが下がっていきます。そこに、価格競争に耐えうる競合との争いも加わるので、企業の力がどんどん弱まっていくのは目に見えてます。(参考:新規顧客獲得のコストのかけ方と継続して顧客を得るための3ステップまとめ


4つの成功事例から見るブランド戦略

このようにいいことずくめのブランディングですが、簡単にうまくいくわけではありません。

例えば、次に紹介するブランディングに成功している企業は、一度窮地に立たされています。その中でブランド戦略をすすめ、ある共通点にたどり着いた結果、他にはないブランドイメージの定着に成功しました。

ブランディングが成功している企業の共通点として、「自社の強みを正確に認識している」点が挙げられます。以下にマツダ、今治タオルとシーブリーズなどの例を紹介します。

マツダの場合は、徹底的に自社の強みにこだわりぬき、今治タオル/シーブリーズは自身の強みを認識し直したうえで、どういうところに自分たちのターゲットがいるかを模索しました。各事例を詳しく見ていきましょう。(参考:国内PR会社の一覧 ≫

事例1:車マニアに大胆にターゲットを絞った2%戦略でブランディングに成功した「マツダ」

90年代半ばのマツダは、現在の姿からは想像もできない状態でした。

訪れた不景気をなんとか打開しようと、他社に対抗して大幅な値下げを敢行しました。しかし、その値下げはマツダ車の価値の低下を招き、買い取り価格が大幅な値崩れを起こすという状況でした。

一度新車でマツダ車を購入してしまうとマツダ車しか買えない負の連鎖に陥る状況は「マツダ地獄」と揶揄されたほどです。ではそのような状況をどのように打開したのでしょうか?

マツダは顧客がマツダに求めているニーズを見つめ直し、大衆受けしなくてもいいから、マツダ車を愛するコアなユーザーの要望に応える車づくりに徹底しました。

車好きのニーズに応えるマニアックな方針に大幅転換したのです。これは「2%戦略」と呼ばれ、シェア拡大を狙うのではなく、マツダが世界にシェアを占める2%の顧客を大事にしていこうという戦略です。この大幅転換が功を奏し、車にこだわるならマツダ、というブランドイメージの定着に成功しました。(参考:ターゲティングの成功事例5選と他社と差をつけるターゲット設定の仕方

参考:ターゲットは絞れ!共感を得よ!マツダの2%戦略に学ぶ|GLOBIS 知見録

事例2:柄物タオルを捨て、高品質の象徴である白いタオルでブランディングに成功した 「今治タオル」

それでは、マツダのような大企業にしかブランディングはできないのでしょうか?そんなことはありません。

四国タオル工業組合の組合員企業が製造した地域ブランド「今治タオル」は、海外の安いタオルに圧倒され、海外製品の輸入制限を申請するほど状況はどん底でした。

しかし、外部の意見を取り入れつつ、改めて自分たちの強みである「安心、安全、高品質」を見つめ直し、そこを徹底的に訴求していくスタイルを決断しました。職人の高度な技術で作られた柄物のタオルをやめ、ブランドイメージの定着を狙ってあえて無地の真っ白なタオルに変えたのです。

これが功を奏し「今治タオル」=「白いタオル」というイメージを世の中に広められました。

多少価格が高くても「安心、安全、高品質」な商品を求める消費者はどこにいるのだろうと模索し、東京のアンテナショップやヨーロッパの展示会へ出店しました。

自社製品をどのような人たちが買うかというターゲット設定に基づき、ブランド化を進めていきます。こうした取り組みにより、「いいタオルと言えば今治タオル」、「白いタオルといえば今治タオル」というイメージの定着に成功しています。

参考:佐藤可志和・四国タオル工業組合「今治タオル 奇跡の復活 起死回生のブランド戦略」|loisir-space’s blog

事例3:ターゲット層の見直しによって蘇り売り上げが8倍になった「シーブリーズ」

暑い夏の日、部活終わりの学生達がさわやかな音楽に合わせてシーブリーズを使うCMを1度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

実はもともとシーブリーズは20代、30代の男性市場、特に海に行ってシャワーを浴びた後の使用を考えてつくられた商品でした。

しかし、海水浴に行く人の減少により売り上げは年々下がり、ブランドの高齢化も相まって、販売元の資生堂は事業の廃止か存続を決めなければいけない窮地に立たされました。

資生堂は「シーブリーズというブランドはまだ生きている。」と信じ、メインターゲットを10代の若者に設定し直し、日常での使用を考えた商品に生まれ変わらせました。

シーブリーズの既存のブランド価値を捨てることなく、ターゲットを考え直した結果です。こうした「リポジショニング」の成果もあり、売り上げは低迷期の8倍にもなりました。(参考:ポジショニングを変えるだけで売上8倍?! 事例で学ぶポジショニングの活用手順

参考:実例から学ぶマーケティング概論(第3回)|PRESIDENT Online

事例4:女性を意識した新しいエナジードリンク「モンスター・カオス」

エナジードリンクで有名な「モンスター」は主力商品の他に、女性向けの果汁入りの「モンスター・カオス」という商品を販売しています。

サラリーマンが飲んでいる栄養ドリンクは抵抗があるけど、エネルギーがほしいという女性にはぴったりの商品。それまでの黒のパッケージも一新し、オレンジ色の明るいパッケージに変更しました。

栄養ドリンクはどうしても男性向けの商品というイメージが強くなりがちです。販売している企業も自社の商品を購入するのは男性のはずだ、と思いがちですが、モンスターは男性向けの商品でも女性をターゲットにして商品を展開しました。

参考:過熱するエナジードリンク業界で独走する海外メーカー その強さの秘密とは!?|グローバル転職NAVI


3つのステップで進めるブランド戦略の立て方

では、実際にブランド戦略を立てるのに必要な3つのステップをご紹介します。

ステップ1:自分たちの強みを理解し、ターゲットユーザーを決める

最初に必要なのは、自分たちの強みを理解することです。しかし自分たちの強みほど、自身では気が付きにくいものです。自社の強みはそもそも何なのか?と悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。

自社の強みを知りたいという方には、ソーシャルメディア分析が有効です。ソーシャルメディア分析は、TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアを活用して、自社に関するユーザーのリアルな声を集めます。

ユーザーのリアルな声を収集できるので、企業が自身で認識していなかった強みを見つけられる場合があります。シーブリーズやモンスターの事例も、企業がそれまで認識していなかった消費者像に目を向けて成功した例でした。(参考:ソーシャルリスニングとは?SNSから消費者のニーズを知る方法とツール5選

詳しいソーシャルメディア分析のやり方は以下の資料にまとめてあるので、参考にしてみてください。
参考:ソーシャルメディア分析の詳しいやり方が分かる資料をダウンロード(無料)

自社の強みが分かったら、ターゲットユーザーを明確にしましょう。戦略を立てるには一番重要なステップなのでじっくり進めていきましょう。

環境分析をおこない、自社をとりまく環境を確認しましょう。この際、SWOT分析、3C分析、PEST分析などのフレームワークを利用すると抜け漏れがなくチェックできます。(参考:マーケティングをまるごとフレームワーク化!押さえるべき8つの枠組み

参考:SWOT分析とは?|定義から方法までわかりやすく解説
参考:3C分析とは〜マーケティングの基礎を覚えて競合と市場を分析しよう|ferret
参考:PEST分析のやり方とコツを事例で学ぶ|株式会社シナプス

想定されるターゲットユーザーのニーズと環境分析で整理した情報を踏まえて、本当に自社が狙うべき層なのか、自社と相性がいいのか慎重に判断しましょう。

ステップ2:ブランド・アイデンティティとポジショニングを決める

ターゲットユーザーが決まったら、ユーザーにブランドに対してどんなイメージを抱いて欲しいか、どんな価値を提供したいかなどのブランドコンセプト=ブランド・アイデンティティを決めます。

この時、自社独自の強みを生かしたブランド・アイデンティティにしなければなりません。競合他社が提供できていない価値などを考え、市場で自社ならではの分野を創出し、ポジショニングをうまく進めましょう。

参考:ポジショニングを変えるだけで売上8倍?! 事例で学ぶポジショニングの活用手順

ブランド・アイデンティティとしてよく考えられる3つのもの

1.購買までの時間やコストを削減する「識別」

例)ハンバーガーが食べたい→マクドナルドに行こう(他のハンバーガーショップがあるにもかかわらず、ハンバーガー=マクドナルドというイメージが定着している)

2.購買リスクの低減や回避に役立つ「品質保証」

例)洗剤がきれてしまって、すぐに必要。とりあえず日本製なら大丈夫だろう(日本製品なら安全というイメージが定着している)

3.ブランドイメージや自己表現の手段にする「意味付け」

例)ヴィトンの財布が欲しい(ヴィトンの財布を持つ=かっこいい、大人、というイメージが定着している)

ステップ3:最も効果的に訴求できる方法を考える

実際にターゲットに向けて広告活動を開始しますが、たくさんの伝達媒体が存在するので一番効果的に訴求できるものを選定する必要があります。

例えば、サラリーマン向け商品をお昼のTVCMで流してもサラリーマンがお昼にTVを見る可能性は極めて低くなります。また、若者向けの商品の広告を新聞に掲載しても同様です。シーブリーズなどの若者向けの商品であれば、若者の利用率が高いSNSなどが一番効果的なメディアだと想定されます。

参考:テレビCMで見込める効果とは?効果測定の指標「GRP」についても解説
参考:SNSマーケティングとは?主要SNS4種と効果を解説

ターゲットをしっかり分析し、いつ、どこで、どのように広告活動を行うのが最も効果的なのかを考える必要があります。

その際、PR会社の力を借りるというのも1つの手です。

参考:国内PR会社の一覧 ≫


まとめ

ブランディングとは、ユーザーに共通のイメージを持たせる手法の総称であり、そのために立てるのが「ブランド戦略」です。

ブランドが顧客に提供できる価値を、「誰に」「どこで」「どのように」伝えるかを考えて、顧客の気持ちとブランドのイメージを繋げることで、ブランディングの本質です。そして、その本質に基づき、戦略的にブランディングを推し進めていくのが重要です。(参考:国内PR会社の一覧 ≫

ブランディングの評価は複雑で難しいですが、ブランディングを正しくおこない、市場シェア、経営に必要な要素の調達力、長期的な利益を得られるので、目先の売上だけを追うのではなく、長期的な戦略に基づいて投資をおこなっていきましょう。

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※本記事はデータセクション株式会社提供によるスポンサード・コンテンツです。