社員研修とは?目的や種類から効果を高める要素まで徹底解説

社員研修のアイキャッチ

社員研修とは、企業が社員に提供する教育プログラムです。

従業員の知識やスキルなどの向上を目的とし、新卒研修や営業職研修、コンプライアンス研修などの幅広いテーマで実施されます。

社員のスキルアップは企業全体の競争力強化につながるため、多くの企業で研修制度が取り入れられています。

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とはいえ、自社で社員研修の企画を任されたものの、どのようなプログラムを組むべきか、どのように準備を進めていくべきか悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、社員研修を実施する目的や種類といった基礎知識を解説します。

社員研修の使い分けポイントや注意点なども併せて解説するので、社員研修を成功させるためにご一読ください。


目次

社員研修とは、企業が社員に提供する教育プログラム

社員研修とは、企業が社員の知識やスキルなどの向上を目的に実施する教育プログラムのことです。

階層別研修や職種別研修、テーマ別研修など対象者や目的に応じて実施します。

研修の分類(階層別研修・職種別研修・テーマ別研修)を解説

社員研修には、社内で企画運営まで一貫して行う「社内研修」と外部に委託する「社外研修」の2種類があります。

詳細は「社員研修の種類」の章で解説します。


社員研修を実施する手法

社員研修では、目的や対象者の課題に応じて、学びを最大限実務に活かすために効果的な手法を選ぶことが重要です。

手法は大きく分けると、実務を通じてスキルを習得するOJT(On-the-Job Training)と、現場を離れて体系的に学ぶOff-JT(Off-the-Job Training)に分類されます。

研修手法の2つ(OJTとOFF-JT) の解説

社員研修の手法を選ぶ際には、「学びを実務で活かせる形に落とし込むこと」を軸に検討しましょう。

参考:OJTとは?新人を早期戦力化するための基本を一挙ご紹介│LISKUL
   OFF-JTとは?OJTとの違い、実施方法、注意点など一挙解説!│LISKUL


社員研修を実施する目的

社員研修は、企業にとって社員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、組織全体の底上げを図るための取り組みです。自社の課題解決につながる有意義な研修を実施するには、目的を明確にすることが大切です。

社員研修を実施する主な目的は、次のとおりです。

  1. 社員の業務スキル向上
  2. 会社全体の組織力強化
  3. チームワーク促進とコミュニケーション強化

1.社員の業務スキル向上

企業が社員研修を実施する目的の一つは、社員の業務スキル向上です。常に変化するビジネス環境においては、新たな技術や多様な顧客ニーズに対応するために、社員のスキルアップが不可欠と言えます。

社員研修の内容によっては、最新の業界の動向やトレンドを学べるものもあり、変化に対応できる力を養うことが可能です。社員研修を通じて新たなツールやシステムの使い方を学べば、既存の業務フローを見直し、全体的な生産性の向上が期待できます。

2.会社全体の組織力強化

企業が安定的かつ継続的に成長していくためには、組織力の強化が必要です。

社員研修は、社員にとって学びや成長の機会となります。社員研修を通じて社員に成長や目標達成感を促すことで、仕事への意欲向上や組織全体の一体化が期待できます。

研修制度を充実させることで社員が成長機会を得られるため、企業に対するエンゲージメントが向上し、離職率の低下につながる可能性があります。

役職や職種に応じたキャリア形成の機会を提供すると、社員の長期的な成長を促し、将来のリーダー候補を育成できるでしょう。

3.チームワーク促進とコミュニケーション強化

社員研修は、組織全体の連携強化を図る有効な手段の一つです。

円滑に業務を進めつつ働きやすい職場を実現するためには、社員同士のコミュニケーション活性化が欠かせません。

社員研修を通じて企業理念やビジョン、業務に関する共通認識を形成することで、社員同士の共通理解を深めることが可能です。


社員研修の企業事例3選

本章では、社員研修の設計をより分かりやすくするために企業事例を3つご紹介します。

多くの企業で社員のスキルアップなどを目的に実施されている社員研修ですが、必ず効果が出るわけではありません。

効果のある研修を実施するためには、目的や対象者を明確にするだけでなく、他社の事例を参考にするのも手段の一つです。

1.自発的に行動できる人材育成を行うスターバックス株式会社

スターバックス株式会社が実施する新卒研修は、実務と研修をバランスよく体験できるプログラムにすることで、自社ビジネスの本質的な理解を促しています。

具体的な研修内容は下記のとおりです。

  • 入社後5日程度の研修:社会人として必要な知識・スキルを身につける
  • 研修後:営業本部に配属されて実際に店舗に立つ
  • 入社半年後と1年後:新卒フォローアップ研修で自己内省を促す

実務経験と体系的な学習を段階的に組み合わせることで、一人ひとりが自分らしく活躍し成長でき、自身のキャリアを突き詰めるきっかけとなっています。

スターバックス株式会社は、店舗接客マニュアルを設けていないことで有名ですが、こうした研修でパートナー(従業員)がビジョンやバリューを含めて理解を深めることで、自発的に行動できる人材を育成しています。

参考:スターバックスで広がる可能性|スターバックス コーヒー ジャパン

2.役割を明確にし、組織の成長を促すコスモ石油株式会社

コスモ石油株式会社は階層別研修を実施することで役割を明確にし、企業の組織力向上に取り組んでいます。たとえば、新任ライン長研修では、組織変革期におけるライン長の役割を再定義して共有することで、求めるリーダー像である人材を育成しています。

具体的な研修内容は下記のとおりです。

  • 3日間の研修期間を設定する
  • 2日目以降は「他責から自責」をテーマにして自省する
  • 異なるラインや規模の社員が同じ研修に参加して意見交換する
  • 直近の組織変更を踏まえた会社方針を共有しリーダーマインドを育てる

将来の組織を担うキーパーソンとしてのライン長の意識改革と組織横断的な連携が促進され、自立的かつ責任感のあるリーダーを育成することができます。役割ごとに担ってほしい目標を定義した戦略的な研修設計により、個人の成長と組織の成長を同時に実現する人材育成モデルを構築しているといえるでしょう。

参考:コスモ石油株式会社 新任ライン長研修 導入事例|企業研修・人材育成ならアルー

3.多様な学習機会と自律的成長を支援する人材育成システム

パナソニック株式会社は、社員一人ひとりの成長と企業の発展を同時に実現するため、体系的かつ包括的な研修制度を構築しています。階層や職種に応じた多様な研修プログラムを通じて、社員の専門性とキャリア開発を積極的に支援しています。

具体的な研修内容は下記のとおりです。

  • 階層別研修(新入社員、中堅社員、管理職層まで網羅)
  • 職種別専門研修(サービス技術、電話応対など)
  • eラーニングやオンライン学習による柔軟な学習環境
  • グローバル共通のコア知識・スキル体系に基づく教育

このアプローチにより、パナソニックは社員の自律的な学習を促進し、変化する事業環境に対応できる人材を育成しています。多様性を尊重し、個々の潜在能力を最大限に引き出す人材開発モデルを実現することで、企業の持続的な成長を支える人材育成システムを確立しているといえるでしょう。

参考:パナソニックの育成・研修制度は? – sincereed


社員研修は3つの要素を押さえて設計する

自社で社員研修を実施しても、必ず思うような効果が得られるとは限りません。

社員研修の効果をより高めるためには、次の重要な3つの要素を押さえることが鍵となります。

  1. 双方向コミュニケーションを重視している
  2. 知識→理解→共感→行動のストーリーを描いている
  3. 日常業務との接続を意識して設計している

1.双方向コミュニケーションを重視している

社員研修を設計する際には、講師と受講者の双方のコミュニケーションが重要です。

一方的な講義にならないようにディスカッションや質疑応答の時間を組み込むことで、受講者の参加意識を強めた主体的な学びを促進できます。

意見を出しにくい人がいる場合も考慮し、少人数グループや匿名の意見共有ツールを活用するなど、誰もが発言しやすい環境を整えることがポイントです。

2.知識→理解→共感→行動のストーリーを描いている

効果的な社員研修を実現するためには、単なる知識の習得だけで終わらせないことが重要です。インプットだけでは深く理解して自分のものにできず、アウトプットにつながらない可能性があるためです。

社員研修を設計する際には、次のステップを取り入れるようにしましょう。

  • 知識:○○とは何か
  • 理解:なぜ○○なのか
  • 共感:自分の経験や価値観との結びつけ
  • 行動:具体的に何をすべきか

基礎となる「知識」を正しく伝え、その意味や背景を理解した「理解」を促します。知識と理解をもとに自分の経験や価値観と結びつける「共感」につなげることで今後の行動変容に影響を与えます。

このように、社員研修を通じて得た知識は、実際に行動することで効果を最大限に発揮します。

たとえば、チームワークの強化が目的の場合のストーリーは下記になります。

  • 知識:社員はチームビルディングの基礎知識を学ぶ
  • 理解:チーム内の役割分担と相互依存性を理解する
  • 共感:チームメンバーの強みと弱みを理解し、信頼関係を構築する
  • 行動:チームの目標を設定し、達成するために何を誰がすべきかを考えて実行に移す

3.日常業務との接続を意識して設計している

社員研修は単に知識や情報を伝えるだけにとどまらず、日常業務に活かせるような設計をすることが重要です。

実務に即したシーンを取り入れることで、自分ごとに落とし込んだ理解やスキルアップを促進し、課題解決や生産性向上に直結できます。

たとえば、受講者が直面する課題や業務プロセスをヒアリングし、それをもとにしたケーススタディやシミュレーションを組み込むのも一つの方法です。研修後に実践すべき行動や成果目標を設定し、日常業務の中で具体的に試せるタスクを提示すると、より定着させることができます。

受講者が「研修内容をすぐに活用できる」と実感してもらえるように設計しましょう。


社員研修を実施するときの注意点

社員研修を成功させるためには、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

特に重要になるのは、事前準備です。対象者の現状(求められるスキルや知識)に合わせて緻密に計画することで、真に役立つ研修の基盤を作ることができるからです。

社員研修を実施するときの注意点は、次のとおりです。

  1. 研修に対して割けるリソースを踏まえて設計している
  2. 受講対象者に合ったプログラムになっている
  3. 学びを促進するための工夫を行っている
  4. 研修後のフォローアップを行っている

それでは、社員研修を実施するときの注意点を詳しく見ていきましょう。

1.研修に対して割けるリソースを踏まえて設計できていない

注意点の一つは、研修におけるリソース(時間とコストなど)の配分です。リソースが不足すると、「伝えるべき内容の妥協」や「受講者の満足度低下」につながります。

適切なリソース配分を見直すことで、下記のようなリソース不足による問題発生を防ぐことができます。

  • 講師のリソース不足:講師との打ち合わせが業務の隙間時間で行われた結果、準備不足で受講者の期待と内容が一致しなかった。
  • 会場の確保が不十分:静かな会議室が確保できず、騒音やスペース不足により受講者の集中力が低下した。
  • 研修時間が不足:業務と並行して研修を行ったため、深い学びやフォローアップに必要な時間が確保できなかった。

講師や関係者と十分な打ち合わせを行ったうえで、無理なく設計するようにしましょう。

2.受講対象者に合ったプログラムになっていない

効果的な社員研修の実現には、受講者のニーズや現状に合ったプログラム設計が重要です。受講者に適していない研修内容では、学習効果が薄れ、時間やコストの無駄につながる可能性があります。

具体的には、アンケートや定期面談を活用して受講者の課題やニーズを明確にし、収集した情報を3つの観点で分類します。

  1. 業務上の課題:受講者が日々直面している問題点
  2. スキルのギャップ:業務に必要なスキルや知識の不足
  3. 目標と期待:研修を通じて得たい成果や実現したい目標

情報を整理して「受講者の課題やニーズ=研修で提供すべきこと」を明確にすることで、学習意欲を高められるようにプログラム設計しましょう。

3.学びを促進するための工夫を行っていない

社員研修では、社員に学びを促すための工夫を施すことも重要です。受講者が学びやすい環境を整備し、能動的な学習機会を提供しましょう。

以下は、学びを促進するための具体的な施策です。

  • ロールプレイングで実践的な業務を体験する
  • グループワークで他の参加者の意見を吸収し学びを深める
  • ゲーム形式で楽しみながら学習を進める
  • フィードバックセッションで振り返ることで理解を深める
  • オンラインツールで時間や場所を問わず学べる環境を整える

4.研修後のフォローアップを行っていない

フォローアップは、研修効果の持続にかかわる要素です。社員は研修で学んだことを日常業務に結びつけ、実践することで、知識やスキルの定着を図れるようになります。

研修を実施しただけでは実際の行動変容につながらない可能性があるため、研修中や研修後にフィードバックを行い、社員に学びを振り返る機会を設けるようにしましょう。

フォローアップの具体例は、下記のとおりです。

  • 研修直後にフィードバックセッションを実施し、学んだ内容について振り返りを行う
  • 日常業務でどのように活用するか具体的な計画を立てるためのワークショップを開催する
  • 研修後1か月以内に進捗確認ミーティングを行い、実践での成果や課題を共有する
  • 定期的なフォローアップ面談を通じて、学びの定着状況や新たな疑問点を確認する
  • 学びを活かした行動や成果を社内で共有し、成功事例として他の社員に周知する
  • 社内メンターや上司が研修内容に基づいたアドバイスやサポートを日常業務で提供する
  • 社員に研修内容を再確認するためのオンラインテストやリマインダーを送信する
  • フォローアップの結果を定期的に記録し、研修全体の効果を評価する仕組みを設ける

フォローアップは一度きりではなく、定期的に実施することがポイントです。研修中や研修後のフォローアップを欠かさず行い、社員の学びを継続的にサポートしていきましょう。


社員研修の種類

社員研修には、社内で企画運営まで一貫して行う「社内研修」と外部に委託する「社外研修」の2種類があります。

社内研修と社外研修の特徴は、次のとおりです。

項目社内研修社外研修
目的 – スキル・ノウハウの教育
– 自社の方針・文化の共有
– 社員の生産性向上 など
– 最新の業界情報やトレンドの習得
– 専門知識やスキルの習得
– 視野の拡大 など
特徴– 自社の社員が講師として実施する研修– 外部の企業に委託して実施する研修
メリット – 自社に合わせた研修プログラムが組める
– 社員同士の交流の機会を提供できる
– コストを抑えられる など
– 社内にないスキルや思考法を学べる
– 専門家から知識やスキルを学べる
– 社内のリソースがかからない など
デメリット – 習得内容が社内のものに限られる
– 研修の質にムラが出やすい
– 社員の負担が増える など
– 社内研修に比べてコストがかかる
– 自社にノウハウが蓄積されない
– 実務での行動変容を促しにくい など

社内研修は自社のリソースだけで完結するため、自由度が高いことが魅力の一つです。

研修を通じて企業理念やビジョンが浸透すれば、社員のエンゲージメントが向上し、離職率の低下につながる可能性もあります。その一方ですべて自社で準備しなければならないため、リソースの確保が必要です。

社外研修は、外部の企業に委託して実施するため、自社の負担は少ない傾向にあります。ただし、研修の効果測定が難しく、ノウハウを自社に蓄積できない側面もあります。

参考:社内研修とは?社外研修との違いや具体的なテーマ・設計の方法を解説│LISKUL
   外部研修とは?実施の目的や研修効果を高める6つのコツ│LISKUL


社内研修と社外研修の使い分けポイント

社員研修と社外研修はどちらにも利点と懸念点があるので、自社が抱える課題や研修の目的を踏まえて選択するようにしましょう。

実際に割くことのできるリソースやコストを踏まえたうえで、社員が業務で研修で得た力を発揮できる方を選ぶことが大切です。

具体的な使い分けポイントは大きく分けると3点です。

  1. 研修の目的
  2. 研修で伝えたい内容
  3. コスト・リソース

1.研修の目的で使い分ける

社内研修と社外研修は、目的の時点で違いがあります。

  • 社内研修:自社業務に特化したスキル育成や社内文化の浸透
  • 社外研修:社内では得られない専門的な知識やスキルを専門家から学ぶこと

社員が自社の業務に必要なスキルを深め、会社の価値観や文化を共有するためには、社内研修がおすすめです。自社の業務内容に特化した実践的なトレーニングを行うことで、即戦力となるスキルを身に付けることができます。また、社員間のコミュニケーションが活性化し、チームの結束力や協力体制の強化にもつながります。

社員に最新の技術や業界のトレンドに関する知識を提供したい場合は、社外研修がおすすめです。社外研修を通じて異業種や未経験の事例に触れることで視野が広がり、自社の課題の解決につながる新たな視点を得られることもあります。

2.研修で伝えたい内容で使い分ける

社内研修と社外研修では、研修を通じて伝えたい内容が異なります。

  • 社内研修:自社の課題に特化した内容
  • 社外研修:社内だけでは得られない内容

社員に独自システムや業務プロセス、社内ルールに関する内容を伝えたい場合は、社内研修がおすすめです。

一方の社外研修では、自社でナレッジの足りていない専門分野の事例や一般的なビジネスマナーなどを伝えられます。社外での幅広い視点を取り入れたい場合は、社外研修を検討するとよいでしょう。

3.コスト・リソースを踏まえて使い分ける

社内研修と社外研修では、コスト・リソースに違いがあります。

  • 社内研修:自由度が高く、コストを抑えられる
  • 社外研修:社内研修に比べてコストが高い

社内研修の場合、プログラムの設計や会場の確保、講師の選定などをすべて自社で行う必要があるものの、自由度が高く、コストを抑えられる点がメリットです。コストを抑えたい場合や社内で講師を確保できる場合は、社内研修を選んでも問題ないでしょう。

一方の社外研修は社内研修に比べてコストがかかりがちですが、その分社内の業務的な負担は少なく、社員に専門的な学びの機会を提供しやすい側面もあります。社員に専門性の高い知識・スキルを習得させたい場合や社内のリソースでは十分な研修が実施できない場合は、社外研修が適しているでしょう。


社員研修の外部委託先を選ぶときのポイント

社内研修では、社員に提供できる研修内容に限りがあるため、社員により専門的な学びの機会を提供したいときには、社外研修を取り入れるのも手段の一つです。

外部に委託する場合は、研修内容や実績などがサービスによって異なります。

後述するポイントを踏まえて複数社を比較し、自社の目的や課題に合う委託先を選ぶことが大切です。

1.目的や課題に合ったプログラムがあるところを選ぼう

社員研修を外部サービスに委託する際には、自社の目的や課題を明確にして選ぶことが重要です。

外部サービスが提供する社員研修の内容は、それぞれ異なります。目的や課題に合う外部サービスを選ぶことで、研修効果を高められます。社員研修は継続して実施する必要があるため、長期的に見て今後取り組みたい研修内容があるかも見極めることも大切です。

以下の手順で、自社に最適な研修サービスを見つけましょう。

  1. 研修で解決したい課題や目標をリストアップする
  2. 複数のサービス会社のプログラムを比較する
  3. 自社に合わせたカスタマイズ対応が可能か確認する
  4. 導入実績や口コミなどで評判を調べる
  5. 長期的な研修計画に対応できるか確認する

複数の研修プログラムを提供しているサービス会社なら、安定的かつ継続的に社員研修を実施できるでしょう。長期的な研修計画の提案が得意かどうかも判断軸にすることがおすすめです。

2.現状や課題に合わせて調整してくれるところを選ぼう

社員研修の外部サービスを委託する際には、自社の現状や課題に合わせて柔軟に調整してくれるところを選びましょう。

現状や課題は、企業ごとに異なります。画一的な研修プログラムだけでは、企業のニーズに合わない場合があります。また、ビジネス環境が日々変化する中、企業の現状や課題も変化する可能性があります。

自社の業界特性や社員のスキルレベルに即した対応を求める場合、担当者との綿密な打ち合わせが不可欠です。そのため、研修内容や形式を調整し、自社に合ったプログラムを提案してくれるサービス会社を選びましょう。

丁寧にヒアリングして研修プログラムをカスタマイズしながら提案してくれるサービスを選ぶことは、研修成功の鍵となります。

3.より専門的な研修を希望する場合は、特化型を選ぼう

社員研修を外部サービスに委託するメリットの一つは、社内にはない知識やスキルを専門家から学べることです。その効果を最大化するためには、自社が必要とする専門的な知識やスキルに特化したタイプの研修プログラムを持つサービス会社を選ぶことも重要です。

基本的に自社の業務内容に特化した専門的な研修は、社内研修として実施するのがおすすめです。しかし、社内研修だけでは対応しきれないこともあります。

たとえば、高度な専門知識を必要とするケースです。この場合、特定分野における専門知識を有した講師が在籍しているサービス会社を選ぶと、社内研修で対応し切れない部分をカバーすることが可能です。専門性の高い社外研修を求めるときには、対応できる講師や成功事例の有無などを確認するようにしましょう。

具体的には、製造業や流通業に特化した研修を提供するワクコンサルティング株式会社やサービス業の接客力向上をサポートするザ・ホスピタリティチーム株式会社など、業界業種別の研修サービス会社があります。


社員研修を外部委託するときにおすすめのサービス3選

社員研修を提供するサービス会社は多く、得意な研修テーマも異なるため、本記事では幅広い研修プログラムを提供しているサービス会社を3社紹介します。

サービス会社名対応研修実施形式
株式会社インソース
  • テーマ別研修
  • 階層別研修
  • 業界・業種別研修
  • 部門・職種別研修
  • ニーズ別研修 など
  • 講師派遣型
  • 公開講座型
  • オンライン型
  • eラーニング型
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
  • テーマ別研修
  • 階層別研修 など
  • 公開講座型
  • オンライン型
株式会社マイナビ
  • テーマ別研修
  • 階層別研修
  • サービス別研修 など
  • 講師派遣型
  • 公開講座型
  • オンライン型

テーマ別の研修サービスをお探しの場合はぜひこちらの記事もご参照ください。

参考:【2024年最新版】オンライン研修おすすめ25選を比較!選び方も紹介│LISKUL
   【2024年最新版】新入社員研修おすすめ20選を比較!選び方も紹介│LISKUL
   【2024年最新版】管理職研修おすすめ18選を比較!選び方も紹介│LISKUL
   【2024年最新版】営業研修でおすすめの会社15選を比較!選び方も紹介│LISKUL
   【2024年最新版】IT研修おすすめ18選を比較!選び方も紹介│LISKUL

それでは、各サービス会社の特徴を詳しく見ていきましょう。

株式会社インソース


株式会社インソース | 人材育成/社員研修・ITによる生産性向上支援

株式会社インソースは、テーマ別研修や階層別研修などのさまざまな研修プログラムを提供するサービス会社です。年間受講者は76万人、オンライン受講者17万人を突破しており、実績も豊富です。

受講者のニーズに合わせ、講師派遣型やオンライン型などの幅広い形式に対応しています。特におすすめなのは、講師派遣型研修です。株式会社インソースの講師派遣型研修は、ほぼすべてのプログラムでカスタマイズできます。

現場で役立つスキルやノウハウの習得を重視しており、研修の6割に演習やロールプレイングが盛り込まれている点も特長です。実践的なスキルを身につけられるため、社員のスキルを向上させたい場合に適しています。研修前後の準備やフォロー体制も充実しており、必要に応じてオプションの追加も可能です。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

リクルートマネジメントソリューションズ
人材育成・研修・組織開発のリクルートマネジメントソリューションズ

株式会社リクルートマネジメントソリューションズは、人材育成と組織開発に特化したサービス会社です。科学的に設計された4つのソリューションにより、企業の現状を可視化し、社員と組織の成長をサポートしています。

ソリューションの一つが社員研修です。社員研修では、1名から参加できる公開型研修から数百名規模が参加できる講師派遣型研修などのさまざまな研修に対応しています。大きな特長は、第一線でマネジメント経験を積んだ専属トレーナーが数多く在籍していることです。

専属トレーナーは、自社ニーズの把握から研修後のフィードバックまでを担当しており、積極的にサポートしてくれます。各研修は免許制になっており、厳格な審査をクリアしたトレーナーだけが研修を実施するため、質の高い社員研修を実現できます。株式会社リクルートマネジメントソリューションズの社員研修は、社員の自立的な成長をサポートしたい場合におすすめです。

株式会社マイナビ

マイナビ研修サービス
マイナビ研修サービス

株式会社マイナビは長きにわたる人材サービスの経験やノウハウをもとに、独自の社員研修を提供するサービス会社です。HR領域を得意とし、採用から定着、戦力化までをトータルでサポートしてくれます。

東京大学をはじめとする研究機関と連携しつつ、独自の調査で得たデータやレポートを活用し、変化の激しいビジネス環境に対応できる情報提供を行っています。

株式会社マイナビの提供する研修では、映像を用いたシミュレーションを導入することで、学習の定着率の向上につなげることが可能です。より実践的なシミュレーションを体験できるため、現場で活かせる社員研修を実施したい場合におすすめです。全国に800人程度の講師が在籍しており、自社のニーズに合わせた講師を派遣してもらえます。


まとめ

社員研修は、企業が社員に提供する教育プログラムです。社員の知識やスキルの向上を主な目的としており、多くの企業が実施しています。社員研修を通じて、組織力の向上も期待できます。社員研修の手法は複数あり、目的や対象者に応じて使い分けることも必要です。

効果は必ず得られるとは限らないため、双方向コミュニケーションや知識から行動までのストーリー性などを重視したプログラムを設計することが重要です。プログラム内容が自社で対応し切れないときには、外部サービスに委託する方法もあります。

研修効果を高めるために、社内研修と社外研修を組み合わせるのも手段の一つです。外部サービスに委託する際には、プログラム内容や柔軟性などを比較し、自社に合うところを選ぶようにしましょう。

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