店舗を運営するにあたってマーケティングを成功させることは不可欠です。
店舗マーケティングとは、売上を最大化させるための一連の流れのことを指します。
しかし、店舗マーケティングといっても定義が広すぎて、今やるべきマーケティングが何かわからない担当者の方も多いのではないでしょうか。
たしかに店舗マーケティングの内容や、各店舗が行っているマーケティング事例が異なる場合が多いですが、店舗の課題を基準にすればどのような施策を行えばいいか明確になります。
本記事では、店舗マーケティングは売上=来店客×購買率×平均客単価という売上構成要素に分解し、各要素を伸ばすために行うべきマーケティング施策について紹介しております。
本記事を読むことで、店舗で売上を上げるためにどのようなマーケティング活動をすればいいか明確になり、実践することができます。
また、店舗マーケティングはオンラインと紐づけることでさらに強化することもできます。
店舗とオンラインを紐づけた「リアルタイムマーケティング」については下記の資料をご参考ください。
顧客ごとにパーソナライズする「リアルタイムマーケティング」とは?
目次
店舗マーケティングとは、売上を上げることを目的とした一連の流れ
店舗マーケティングとは、売上を最大化させるために行う調査、商品の企画、宣伝活動、販売促進などの一連の流れのことを指します。
当たり前ですが、ただ商品・サービスを売ろうとするだけでは利益は上がりません。
「どのターゲットに・どのような商品価値を・どんな経路で提供するか」と緻密なマーケティング戦略を立てて行動することで、初めて売上の見込みができます。
また、店舗マーケティング=販売促進と捉えられることが多いですが、販売促進はマーケティング活動のうちの一部として分類されるのが正しいです。
商品を売るための分析や調査、商品の企画から集客まですべて店舗マーケティングに含まれているため、それを踏まえて実践する必要があります。
参考:販売促進の方法として効果的な施策・アイデア・事例を紹介!|デジラボ
店舗マーケティングを行う上で考えるべき売上構成要素
店舗マーケティングを行うためには、まずは「売上=来店客数 ✕ 購買率 ✕ 平均客単価」という売上構成要素に分解して考える必要があります。
- 来店客数
- 購買率
- 平均客単価
以上の3つのKPIは、売上を立てるためにとても重要な要素です。
それぞれのKPIの数値に着目することで、どのように店舗マーケティング活動を行っていけばいいか考えやすくなります。
改めてこの3つのKPIについて説明していきます。
来店客数
来店客数とは、店舗に訪れた人の数です。
来店客数は売上構成要素の中でもとても重要なKPIであり、商品やサービスの質が高くてもそもそも来店客数が少ないと売上アップは見込めません。
また、来店客数は新規顧客とリピーターの2つの要素に分けて考えられます。
新店舗であれば新規顧客獲得のために施策を行うべきですが、オープンして数年たっているのであればリピーター獲得のためにも注力する必要があります。
参考:集客を増やすには?新規客と既存客へのアプローチ手法を紹介 | YOBICOM
リピーター集客【完全ガイド】 5分で分かるリピーターの獲得方法|デジラボ
購買率
購買率とは、来店客数のうち商品・サービスを購入してくれた人の割合のことです。
購買率=購入客数÷来店客数で割合を出すことができます。
たとえばお客様が1,000人訪問して100人のお客様が商品を購入した場合、以下の式から購買率は10%だと判断できます。
10%(購買率)=100人(購入客数)÷1,000人(来店客数)
購買率は店舗の販売成果を表す指標であるため、マーケティングをする上では欠かせない数値となります。
まずは計算式で購買率を出してみて、多いか少ないか判断してみましょう。
参考:購買率はなぜ重要? 優良顧客を狙い撃ちで購買率改善!|Yahoo!ショッピング出店者 様向けお役立ち情報
売上を上げる具体的な方法を総まとめ!成功事例も知っておこう | YOBICOM
平均客単価
平均客単価とは、1人の顧客が1度の注文で支払う平均金額のことです。
平均客単価=店舗売上高÷購入客数で数値を出すことができます。
たとえば店舗の一か月の売上高が500万円で購入客数が1000人だった場合、平均客単価は5,000円だと判断できます。
5,000円(平均客単価)=5,000,000円(売上高)÷1,000人(購入客数)
売上を上げるためには最優先で来店客数と購買客数を増やすことが求められますが、平均客単価にも着目することでさらなる売上アップを見込めます。
まずは計算をして平均客単価を出してみて、目標売上に到達するためにはどのぐらいの単価が必要か確かめましょう。
参考:徹底解説!客単価を上げる方法と施策の総まとめ | 川越の経営集客コンサルcotoLi Web Media Office
店舗マーケティングを成功させるために重要なのはリサーチ
店舗マーケティングを成功させるためには事前のリサーチが不可欠です。
マーケティング活動の成功に関わるため、十分なコストをかけて情報を得る企業が非常に多いです。
なぜマーケティングにおいてリサーチが重要なのか、理由は3つあります。
- ターゲット顧客とのニーズのずれを防ぐ
- ターゲット顧客の購買行動に合わせた戦略を立てることができる
- あらかじめリスクを回避することができる
理由1:ターゲット顧客とのニーズのずれを防ぐ
店舗が提供している価値と、ターゲット顧客とのニーズのずれがないか確認し、それを防ぐためにはリサーチが必要です。
十分なリサーチをしなければ、顧客のニーズとずれていることに気づかずに、店舗の価値が下がってしまう恐れがあります。
実際に、リサーチ不足が原因で事業が赤字になった事例があります。
ユニクロの会社として有名なファーストリテイリングの子会社では、2002年に野菜の通販事業を開始しました。
しかし、野菜購入者の要望調査不足によってニーズのずれが発生しただけではなく、野菜業界の流通ノウハウを得られなかったことによる市場分析の不足から、30億円の赤字を出して事業撤退することになりました。
このようなニーズのずれは、事前の十分なリサーチで防ぐことができます。
参考:【マーケティング戦略の失敗事例まとめ】失敗を防ぐポイントは? | 集客・広告戦略メディア「キャククル」
理由2:ターゲット顧客の購買行動に合わせた戦略を立てることができる
店舗がターゲットとする顧客層に合わせてマーケティング戦略を立てるためには、リサーチが必要です。
たとえばターゲットとする属性が30~40代の女性だった場合、その属性の顧客の来店頻度が高い時間帯が午後5~6時だとリサーチで判明したとします。
その時間に合わせてタイムセールやキャンペーンを行うことで、よりターゲット層の顧客を集客し、売上アップを見込めるようになります。
このように、マーケティング活動を成功させるためにはターゲット層の消費者行動のリサーチが重要となります。
理由3:あらかじめリスクを回避することができる
リサーチを行うことで、マーケティング活動において起こりうるリスクをあらかじめ
回避することができます。
たとえば製品が良くない状態で生産された場合、このままであれば工場のラインなどを含めた生産関連や、販促関連の多大なコストが発生し、何十億円という損を生む可能性が発生します。
このような問題を製品リサーチであらかじめ察知できれば、初期段階で生産をストップし、膨大な赤字を防ぐことができます。
リスクを予測できることで、回避する対策を早い段階で行うことができ、将来的な赤字や売上減を防ぐことが可能となります。
参考:リサーチで顧客の声を聴け!課題把握で売上をあげるリサーチのツボ!|スタートライズ広告ニュース
マーケティング活動を成功させるために必要なリサーチ方法を紹介
マーケティング活動を成功させるためには、売上構成要素である来店客数、購買率、平均客単価の3つのKPIを達成するためのリサーチが必要です。
それぞれのKPIを達成するためのリサーチ方法は以下の通りです。
来店客数を上げるために必要なリサーチ方法
来店客数を上げるためには、商圏分析による情報が必要です。
商圏分析とは国勢調査による統計や、顧客データなどを利用することで、市場環境・地域特性の把握を目的とした分析手法です。
店舗の近辺にどのような属性(年齢・性別)の方が住んでいるのか、または買い物をしているのか把握することができれば、その属性に合わせて施策を行い、来店客数を増やすことができます。
以下のような情報を見れば、店舗周辺に住んでいる、もしくは買い物している属性について理解しやすくなります。
- 対象地域の年齢・性別割合といった属性別の構成比率
- 対象地域の消費動向やライフスタイル
- 対象地域の風習
このような情報を得るためには、総務省統計局が公表している国勢調査データや、商圏分析ツール・ソフトを活用することがおすすめです。
参考:商圏分析とは|分析調査のやり方と手法・活用事例と5つのステップ・無料&有料ツール比較10選| OREND(オレンド)
購買率を上げるために必要なリサーチ方法
購買率を上げるためには、以下の2つのリサーチによる情報が必要です。
- ABC分析
- ポジショニングマップ
ABC分析
ABC分析とは、製品の売上・コスト・在庫など重視する指標を決め、A・B・Cとウェイトが大きい順に並べて分類し、管理する分析手法です。
各商品のランク付けを行うことで、顧客のニーズに合った商品のラインナップや発注を行うことができ、購買率を向上させることが可能です。
たとえば売上を重要指標にして分析を行って、各商品をA・B・Cとランク付けできたとします。
- Aの商品…顧客からの人気が高く、売れ筋である
- Bの商品…Aほどではないが、需要は低くない
- Cの商品…顧客にとって価値があまりない
以上のように推測ができるため、顧客のニーズに合わせた販促活動をする際に役立てることができます。
参考:ABC分析とは?エクセルのやり方を覚えれば在庫管理が楽になる|Udemy メディア
課題を見える化する店舗分析とは?流れと具体的な手法3つを紹介|LISKUL
ポジショニングマップ
ポジショニングマップとは、「ターゲットにとっての競合と比較した時の自社製品の差別化ポイント、あるいは訴求ポイントを明確化する」ことを目的としたマップです。
他社と比較したときの自社の立ち位置を視覚化することで、どのような販促活動をすればいいか明確にできます。
このポジショニングマップを利用して、価格感や商品のクオリティ的にバランスを保てているか見極めて改善することができれば、購買率を上げることができます。
やり方としては、縦軸を価格帯、横軸を顧客にとっての購買意思決定(機能性、デザイン性、品質など)として設定します。
そこに競合店舗と自社それぞれが当てはまりそうな位置に置き、ポジションを可視化します。
上記の画像のようにポジションを可視化することによって、自社の現状のポジションと、差別化するためにどの位置に移動させるか戦略立てを行うことができます。
参考:マーケティングプロセスとは?基礎と6つの流れ|マーケティングオートメーションツール SATORI
平均客単価を上げるために必要なリサーチ方法
平均客単価を上げるためには、バスケット分析による情報が必要です。
バスケット分析とは、一緒に購買されやすい商品の組み合わせを分析する方法です。
この商品同士の組み合わせを把握することができれば、平均客単価を上げるための施策に活かすことができます。
たとえば、POSデータからよく一緒に購入されやすい商品のペアを見つけ、その商品同士を並べて陳列すれば、一緒に購入する顧客が増えて客単価を上げることが可能となります。
参考:バスケット分析とは?概要や分析手法を解説 | レシート活用ソリューション
来店客数(新規顧客)を伸ばすためにするべき4つの施策
新規顧客を増やし、来店客数をアップさせるための施策は主に4つあります。
- 店頭の変更
- 広告出稿
- SNSによる拡散
- ローカルSEO対策
新規顧客を増やすためには、いかに多くの人が店舗、ブランドを認知してくれるかが重要となります。
そのための方法4つをご紹介していきます。
店頭の変更
店頭は通行人が入店するきっかけをつくるため、魅力的な店頭に変更するだけで来店客数を増やすことができます。
店頭とは、店舗の入口付近や外観のことを指し、ここを工夫することで通行人の興味をひくことができます。
たとえば商品の情報を掲示しているスタンド看板を入口に設置したり、中に入らなくても店内の様子が見えるように大きな窓を設置したりなど、さまざまな施策ができます。
また、お店から遠くにいる人でも目に入りやすいように、外観のデザインを変えたりするのも効果的です。
広告出稿
できるだけ多くの人に店舗・ブランドを認知してもらうためには広告出稿が効果的です。
広告出稿はアナログとデジタルの両方を含みます。
代表的な広告の種類は以下の通りです。
- オンライン広告(リスティング広告、ディスプレイ広告)
- チラシ(折り込みチラシ、ポスティングチラシ)
- ダイレクトメール
- フリーペーパー
- 駅貼りポスター広告
この中から店舗に最適な広告を選択するためには、商圏分析でわかった地域の属性を参考にします。
たとえば20~30代ほどの若い層が多い場合はオンライン広告やダイレクトメール、50~60代ほどの年齢層が多い場合はチラシやフリーペーパーなど、それぞれの属性が注目しやすい広告を選択します。
参考:店舗集客で使える宣伝広告の種類、費用、効果を比較 | 千葉県習志野市のHP制作会社テクノターザン
ローカルリスティングとは?上位表示させるための2つの鉄則と方法|LISKUL
SNSによる拡散
店舗に関する投稿をSNSで拡散することで、より多くの人たちの認知獲得につなげることができます。
TwitterやInstagram、Facebook、YouTubeなどさまざまなSNSがあるため、集客する手段として活用することがおすすめです。
たとえば、商品の紹介や店舗の外観、内装の写真、キャンペーンやセールなどのお得な情報など、ユーザーが目につきやすい情報をアップします。
現代の店舗マーケティングにとってSNSはとても効果的な手段であるため、まだ活用できていない方はすぐにはじめましょう。
参考:新規店舗で効果的に集客する方法を紹介!個人店でも実践できるアイデア | 店舗のWEB集客に役立つ最新情報をお届け
SNSマーケティングとは?基本から効果的な手法まで事例入りで解説|LISKUL
ローカルSEO対策
ローカルSEO対策とは、インターネットで地域名やジャンルのキーワードを入れ検索した際に、店舗の情報を上位に表示させるための施策のことを指します。
たとえば、店舗が六本木にあるカフェであれば、インターネットで「六本木 カフェ」と検索したときに上位に出てくるようになれば、多くのユーザーに認知してもらいやすくなります。
ローカルSEO対策をするためには、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の登録が必要です。
まだ登録していない方は、以下の記事を参考にしてローカルSEO対策を行いましょう。
参考:ローカルSEOとは?上位表示を実現するために意識すべき4つの対策ポイント|LISKUL
上記4つ以外の施策も検討したい方は下記の記事が参考になります。
参考:店舗集客のための手法10選!今すぐ実践できる無料施策も解説LISKUL
来店客数(リピーター)を伸ばすためにするべき2つの施策
リピーターを増やし、来店客数を上げるためには主に2つの方法があります。
- クーポンの付与
- メルマガやアプリの会員登録への誘導
リピーターを増やすためには、次回来店のきっかけを作ることが重要です。
そのための方法2つを紹介していきます。
クーポンの付与
一度買い物をしてくれたお客様に次回以降使えるクーポンをプレゼントすることで、次回来店のきっかけを作ることができます。
たとえば、「最終利用日から30日以内の利用で会計金額から〇%OFF」や「次回利用時にクーポン提示でドリンク1杯サービス」など、お得な内容にすることでリピーター率をアップさせます。
しかし、クーポンに使用期限をつけないと、いくらお得な内容でも再来店を後押しするきっかけにはなりづらいです。
期限がないと顧客は「いつでも行ける」と安心して来店を先延ばしにし、その間に店舗のことを忘れる可能性が高いからです。
リピーターを増やしたいのであれば、期限付きのクーポンを発行しましょう。
参考:飲食店向けクーポンのアイデアとは?集客力を高めるコツも紹介 | YOBICOM
メルマガやアプリの会員登録への誘導
つねにユーザーとの接点を持てるように、メルマガやアプリの会員登録になってもらうように誘導することがおすすめです。
一度買い物しただけで終わると、その店の印象が段々と薄れてしまって他店に行ってしまう可能性が高くなります。
そのようなことを防止するためには、メルマガやアプリの登録をしてもらってつねに接点を持つようにしましょう。
しかし、メルマガやアプリは顧客側にメリットがないと中々登録してもらえません。
そのため、登録者限定でポイントやクーポンをつけるなど、メリットを感じてもらえるような特典を付けましょう。
参考:メルマガとは?顧客獲得・育成のための活用法と基本・コツを解説!|LISKUL
購買率を上げるためにするべき3つの施策
購買率を上げるための施策は主に3つの施策があります。
- 店内のレイアウト・陳列の見直し
- 商品のラインナップの見直し
- 商品価格の適正化
購買率を上げるためには、来店者が商品を買わない理由を徹底敵に無くすことが重要です。
そのための方法を3つご紹介いたします。
参考:売上直結!「購買率」アップのポイントとは?|Yahoo!ショッピング成功ノウハウBLOG
店内のレイアウト・陳列の見直し
来店客が店内をくまなく回遊できるようなレイアウトに変更することができれば、顧客が求める商品を探しやすくなり、購買率を上げることができます。
来店客が回遊しにくいレイアウトのままだと、目的の商品を見つける前に退店してしまう可能性が高まります。
たとえば、通路の幅を広くとったり、レジの列に合わせて商品を陳列させたりなど、顧客視点に合わせてレイアウトを変更してみましょう。
また、ABC分析の情報をもとに、重要指標の数値が高かったAランクの商品を目立つ位置に陳列するなどの工夫も効果的です。
参考:お客様の滞在時間を延ばす4つのポイント|Flow Solutions
商品のラインナップの見直し
ABC分析によってわかった顧客のニーズに合わせて商品のラインナップを変えることで、購買率を高めることができます。
たとえば、重要指標の数値が高かったAランクの商品を多く発注して売り出す代わりに、Cランクの商品をラインナップから外すなどの対策をします。
このように顧客のニーズが高い商品を中心にお店に並べることで、商品を手に取って購入してくれる人の数を増やすことができます。
商品価格の適正化
ポジショニングマップの結果をもとに、商品のクオリティと価格帯のバランスを見直すことで購買率を上げることができます。
たとえば、同じ価格帯なのに製品のクオリティが高い他店と差別化をするために、今より価格帯を下げるなどの差別化を行います。
また、クオリティに見合わない価格設定をしている場合は、一部商品の価格を下げて購買率が上がるかどうか確かめる必要があります。
参考:売上を上げる具体的な方法を総まとめ!成功事例も知っておこう | YOBICOM
客単価を上げるためにするべき2つの施策
客単価を上げるための施策は主に2つあります。
- クロスセル商品の販売
- アップセル商品の販売
客単価を上げるためには、顧客に1つでも多く商品を買ってもらう、もしくは通常よりも高い価格の商品を買ってもらうことが重要です。
そのための方法を2つご紹介いたします。
クロスセル商品の販売
積極的にクロスセル商品を販売することで、平均客単価を上げることができます。
クロスセルとは、関連する商品同士を一緒に販売することを指します。
バスケット分析をもとに、関連性の高い商品同士を近くに配置し、来店客に「ついで買い」してもらえるようにすることで、一人あたりの購買数と客単価があがる効果が見込めます。
また、商品を購入した顧客に対して店舗スタッフから「ついでに〇〇の商品もいかがでしょうか」と接客もすれば、クロスセル商品を購入してくれるお客様を増やすことができます。
アップセル商品の販売
クロスセル商品だけではなく、アップセル商品も積極的に販売することで平均客単価を上げることができます。
アップセルとは、商品を買おうとしている顧客に対してより価格が高い商品を提案することを指します。
たとえば、顧客から人気の商品の代わりになり、且つ価格帯が少し高めのアップセル商品があったとします。
人気の商品を買おうとした顧客がいた場合、店舗スタッフからアップセル商品の提案をする接客をすることで、より一人あたりの客単価を上げることができます。
店舗マーケティングを成功させるための3つのポイント
店舗マーケティングを成功させるには、3つのポイントを押さえる必要があります。
型通りに店舗マーケティングを実践してみても、中々費用対効果を感じられなかったり、結局失敗に終わることがあります。
できるだけ結果を出すためには、どの店舗マーケティングでも共通して重要な3つのポイントを押さえましょう。
あらかじめ仮説を立てる
あらかじめ仮説立てをすることで、どのようなマーケティング施策を行えばいいのかより明確にすることができます。
たとえば、来店客数が伸びないという課題があった場合、効果がありそうな施策を片っ端から実践してみても効果が伴わないことがあります。
しかし、課題に対して「店舗の入口が入りづらいから」「店舗の宣伝が不十分だから」「エリアの属性と店舗のターゲット属性があっていないから」と考えられる要因を出せば、どのような施策を段階的に行えばいいかわかりやすくなります。
意味のあるマーケティング施策をするためには、あらかじめ仮説立てを行いましょう。
オンライン施策も取り入れる
店舗マーケティングで成果を出すためには、オンライン施策も取り入れることがポイントです。
実店舗のマーケティングを行う場合はオフライン施策だけにとらわれがちですが、現代においてオンライン領域におけるマーケティング活動はとても重要となります。
とくにSNSの活用やインターネット広告、SEO対策などのオンライン施策は、商圏外の顧客にも店舗の認知を広げるためには効果的です。
店舗の業態業種に関係なく、できるところからオンライン施策も取り入れましょう。
参考:実店舗運営者向け!はじめてのWebマーケティングで知っておきたいこと|ferret
データを収集・分析してマーケティングの効果測定を行う
店舗マーケティングの効果測定を行うためには、データの収集と分析が必要です。
効果があるマーケティング施策だったかどうかを確かめることができれば、次の施策に活かすことができ、結果的にマーケティングに成功することができます。
たとえば、来店客数を伸ばす施策を行う場合、施策前と後の来店客数を把握しておく必要があります。
来店客数を手動でカウントするのは難しいため、自動で計測をしてくれるトラフィックカウンターやAIカメラを取り付けることがおすすめです。
ほかにも、POSレジに蓄積されてある情報も効果測定で活用ができるため、データとして保存しておき、定期的に分析をしましょう。
参考:飲食店マーケティングの成功ポイント3選!戦略立案に必須の手法とは | マーケティング活⽤サロン【エルシャーム】
【2023年最新版】店舗管理システムのおすすめ15選を比較!選び方も紹介
まとめ
本記事では、店舗マーケティングの概要と重要な考え方、具体的な手法についてお話しました。
店舗マーケティングとは、売上を上げることを目的とした一連の流れのことを指します。
販促活動だけではなく、事前の調査や商品企画、集客まで店舗マーケティングに含まれます。
世の中にある店舗マーケティングの事例は内容がそれぞれ異なっているため参考にしにくいですが、「売上=来店客数×購買率×平均客単価」のそれぞれの売上構成要素に分解してあげることで、店舗に最適なマーケティング施策がなにか判断することができます。
また、効果のあるマーケティング施策を実践するためには事前のリサーチが重要です。
リサーチが重要な理由としては以下の3つの理由が挙げられます。
- ターゲット顧客とのニーズのずれを防ぐ
- ターゲット顧客の購買行動に合わせた戦略を立てることができる
- あらかじめリスクを回避することができる
売上構成要素である来店客数と、購買率、平均客単価を上げるためのリサーチを十分に行い、その情報をもとに店舗マーケティングを行っていきましょう。