今さら聞けない店舗DXとは?メリットや成功事例、成功させるポイント

店舗DXとは、店舗にデジタルテクノロジーを導入することで新しい顧客体験を生むことを指します。

2020年からはじまった新型コロナウイルス流行の影響で、多くの企業が急速なスピードで店舗DX化を進めました。

参考:デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?基本から取り組み方までわかる保存版|LISKUL

しかし、店舗DXといっても事例によって内容が異なる上、導入から運用までの工数が多くてDX化に踏み切れないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

店舗DXはデジタル技術を導入するだけで工数がかかるため、企業・店舗が一体となって取り組まないといけません。

ただ、店舗に最適なDX化ができれば、長期的に考えたときに大きなメリットになります。

DX化に成功すれば、生産性の向上や人件費削減、ヒューマンエラーの防止などのあらゆる効果につながり、店舗の価値を上げることができます。

本記事では店舗運営をしている方向けに、店舗DXの概要やメリット、店舗DXの成功事例、DX導入までの流れや重要ポイントについて解説しています。

ぜひ、店舗DXをやるべきか、まずは何からするべきか決める際に本記事を参考にしてください。

参考:DX化とは?企業事例からわかる「成功させるためのコツ」と、実施までの5ステップ|LISKUL


店舗DXとは、デジタルテクノロジーの導入で顧客体験の価値を高めること

店舗DXとは、デジタルテクノロジーの導入によって顧客体験の価値を高めることを指します。

デジタル技術を店舗に取り入れることで、業務プロセスを改善できたり、顧客のニーズに合った対応ができたりと、様々なことが実現できるようになります。

しかし店舗DXをするにおいて重要なのは、デジタルテクノロジーの導入はあくまで手段であって、目的ではないことです。

顧客にとって価値の高い店舗にするためにはどこをデジタル化させればいいのか考えて導入することで、初めて店舗DXと言えます。

現在行われている店舗DXには、以下のような施策があります。

  • キャッシュレス決済の導入
  • 顧客情報、会員カードの電子化
  • 電子荷札(ICタグ)の導入
  • セルフレジの導入
  • 計測するためのAIカメラの導入
  • 店舗専用のアプリの導入

参考:QR決済は今が導入のチャンス!QR決済の特徴と導入すべき店舗とは|LISKUL

店舗がDX化をするべき理由

店舗がDX化に向けて早急に変革すべき理由が2つあります。

モノが売れない・売りづらい時代への対応

店舗が早急にDX化に取り組むべき理由は、以前よりもモノが売れない・売りづらい傾向にあるからです。

以前に比べて、消費者は「いかにお金を使わずにモノ・サービスを利用できるか」と思う傾向が強くなっています。

最近はサブスクリプションなど、所有せずに利用できるサービスの活用が増えています。

従来の販促方法では売りづらい時代に対応するため、デジタル技術によって顧客の新しい価値を生み出すことが求められます。

参考:店舗型ビジネスもDXの時代へ!求められる理由や実現して得られるメリットを解説|デジタルトランスフォーメーションチャンネル

ビジネス環境の変化への対応

店舗が早急にDX化に取り組むべきもう一つの理由は、ビジネス環境の劇的な変化に対応するためです。

DXが必要とされている背景には、コロナ禍によって急速に進んだオンライン化や労働力不足などの「ビジネス環境の変化」があります。

DX化をすることで、オンラインを通じてさまざまな地域の顧客と接点を持てたり、デジタル技術で労働力を補うことが可能となります。

DXの導入をしないということは、すでにDX化している店舗に顧客を取られたり、労働力が不足して機会損失をする可能性があるということになります。

他店舗から遅れを取らないために、早急に店舗のDX化に向けて動き出す必要があります。

参考:店舗におけるDXとは?先進企業の最新事例を交えてメリットなどを解説|リテールガイド


店舗DXのメリット6つ

実際に店舗をDX化させることで、具体的にどのようなメリットが生まれるのかご紹介いたします。

  • 業務効率化
  • 生産性の向上
  • 顧客満足度の向上
  • 人為的ミスの削減
  • 販促施策の集客力アップ
  • 廃棄・機会ロスの削減

業務効率化

スタッフが手動でやっている店舗の運営業務をDX化で自動化・省力化することで、業務効率化につなげることができます。

メガネブランドを運営する「Zoff」では、DX化によって情報処理にかけていた時間を30時間ほど減らしたという事例があります。

Zoffの本部から支店へと共有される情報の量が膨大で、処理するのに時間がかかることが問題とされていました。

そこで業務改善の一環としてコミュニケーションツールを導入した結果、一目で作業が把握できるようになり、情報処理にかける時間を月間30時間ほど短縮することに成功しました。

このように、店舗運営において手間がかかる業務を、DX化によって効率化させることができます。

参考:店舗運営の業務内容とは|課題と業務効率化のポイントを事例とともに解説|ネクスウェイ
   【株式会社ゾフ様】本部から店舗への膨大な情報を整理して配信するために店舗maticを導入、 1店舗当たり月29.1時間もの情報処理時間を削減|ネクスウェイ

生産性の向上

今まで人力で行っていた業務をDXによって自動化・省力化させることで、生産性向上につなげることができます。

たとえば、セルフレジの導入によってスタッフの会計処理の時間を減らす代わりに、お客様への接客に時間をあてられるようにします。

接客などの販促活動にあてられるようになり、スタッフの人数を増やさずに売上を上げることができます。

店舗DX化をすれば、限られた労力で生産性を向上させ、人件費削減にもつながります。

参考:店舗運営DXとは?注目を集める背景とともに具体的な手法や企業の事例を解説|ネクスウェイ

顧客満足度の向上

顧客のニーズに合わせて店舗をDX化させることで、顧客の満足度向上に期待することができます。

たとえば、さまざまな決済システムを導入することで会計手段が広がり、お客様の利便性を高めることが可能となります。

また、AIが自動で回答をするチャットボットツールを導入することで、顧客はメールや電話をしなくても気軽に問い合わせできるようにすることも、満足度向上につなげられます。

参考:店舗DXはなぜ必要?実施するメリットと各社の事例|ECzine(イーシージン)
   顧客エンゲージメントとは?計測の方法とエンゲージメントを獲得する3つのポイント|LISKUL

人為的ミスの削減

人為的な業務をデジタルテクノロジーに置き換えて自動化させることで、ヒューマンエラーを無くすことができます。

たとえば飲食店の場合、タブレット端末から注文できるようにすることで、スタッフが聞き間違えたり伝票に間違ったオーダーを記入したりするようなミスを無くすことができます。

このように、手作業よりもはるかに精度が高い機械を導入することで、発生しがちなミスを減らすことができます。

参考:DXの推進で失敗しないためには?実施のポイントや方法を解説|| RPA – Robo-Pat(ロボパット)

販促施策の集客力アップ

店舗の販促活動にデジタル技術を導入することで、多くの人の興味をひき、集客につなげることができます。

たとえば、飲食店のメニュー表やおすすめ商品のポスターをデジタルサイネージで目立たせることで、注目度を高めることができます。

また、店舗アプリをつくり、定期的にお得なセール情報の更新やクーポン発行をすることで、集客力をアップさせることもできます。

参考:おすすめ店舗アプリサービスを選ぶには?おすすめの11社を紹介|LISKUL

以上のように店舗販促にDXを導入させることで、集客力アップを狙うことができます。

参考:店舗DXを進めよう!販促施策とコスト管理で売上改善|店舗DX.com

廃棄・機会ロスの削減

DX化によって、商品の大量廃棄、または営業中の在庫切れを回避することができます。

廃棄・機会ロスを回避するためには、必要な生産・発注数がわかったり、需要予測ができるデータが必要となります。

岡山にあるスーパー「MARUI」は、BIツールを導入した結果、廃棄・機会ロスを防ぐことができ、精肉商品の売り上げを2割増やしました。

そのツールとは、商品の在庫状況をリアルタイムで確認することができる計測データです。

この事例のように、DX化によって必要分の生産・発注数を把握し、商品の大量廃棄、または営業中の在庫切れを回避することができます。

参考:岡山のスーパーが、膨大なデータを分析するワケ|ITmedia


店舗DXのデメリット3つ

店舗DXにはメリットだけではなく、デメリットも含まれることを考慮しないといけません。

3つのデメリットの内容を理解し、あらかじめ対策できるようにしましょう。

参考:【DX入門】デジタルトランスフォーメーション推進のデメリットは?| RPA – Robo-Pat(ロボパット)

短期間で成果を出すことが難しいので、余裕を持ったスケジュールで取り組む

店舗でDX化を行う場合、短期で成果を出すことは難しいです。

たとえば、顧客管理や在庫管理などの情報を一元化できるシステムを運用したいとなった場合、導入完了までには6か月以上はかかることが基本です。

さらに導入効果を確認するためにはおおよそ2〜3か月は確保しておく必要があります。

店舗運営の一部分のデジタル化であれば短期間で導入はできますが、スタッフが運用に慣れるのに時間がかかる場合があります。

内容に限らず、店舗DXで成果を出す場合は長期的な視点が必要と考えましょう。

DX推進する人材の確保・育成にコストの確保が必要

デジタル技術の導入やデジタル人材の確保・育成にかかるコストを負担しないといけません。

DXを進めるためには、会社の中心となって店舗DXを推進していく人材の確保が必要です。

外部のDX推進コンサルタントを雇う場合でも、デジタルテクノロジーを理解している人が社内にいるだけでDXの推進度合いは変わります。

しかし、企業・店舗にすでにいるメンバーをDX人材へと育成するためには時間がかかります。

新しく採用するとしても、DX人材は採用市場では需要があり人数も少ないため、確保するのは難しいです。

育成か採用となった場合、すでに店舗の課題を知っているメンバーをDX人材として採用する方が、少しでも早く店舗のDX化に取り組むことができます。

その場合、外部からデジタル事業の専門家を呼び講習を行ってもらい、メンバーにDX化に必要な知識をつけてもらいましょう。

参考:DX時代に求められるデジタル人材とその採用・育成のポイント|LISKUL
   デジタル人材を育成する企業が参加したいDX研修とは?選び方も解説|LISKUL

新しいシステムの導入・移行で失敗することがあるので十分に注意をする

店舗に新しいシステムの導入・移行に失敗してしまったり、中々進まずにあきらめてしまう企業も存在します。

たとえば、勤怠管理システムを導入した後に、そのシステムが会社の勤怠ルールに合っていないことが判明し、別のシステムに変更するといったケースがあります。

途中でシステムを変更するとお金もコストも余分にかかりますので、導入する際は十分に注意が必要です。

参考:勤怠管理システムの導入に失敗しないようにするには?|勤怠管理システム『タッチオンタイム』

導入・移行に失敗しないためには、システムの担当者に相談することはもちろん、指示以外のことはしないようにしましょう。

可能であれば、無料トライアルで導入してみることも検討しましょう。

参考:システム移行は危険がいっぱい| | 日経クロステック(xTECH)


DX化の必要性が高い店舗・低い店舗の違い

課題をDX化で解決できる店舗もあれば、それほど導入効果が見込めない店舗もあります。

DX化の必要性が高い店舗の特徴

スタッフの負担の増大や顧客の購買機会の損失などの問題を抱えている店舗であれば、DX化で解決できる可能性が高いです。

基本的に、店舗ビジネスを成功させたいのであればDX化は推進するべきです。

しかし、その中でもすぐにDX化を推進するべき店舗に共通する特徴があります。

  • 毎日の顧客数に対してスタッフの人員が足りない。そのせいで、適切な接客ができずに機会損失をおこしている。
  • 店舗運営でアナログ作業が多く、情報の漏れや処理のミスに時間を取られている。
  • 適切な売上予測ができていない関係で発注ミスが発生し、大量の廃棄の欠品が出ることがある。
  • 混雑時はレジに行列ができ、スタッフの負担が大きくなる上、顧客の不満にもつながっている。
  • オンラインショップを開設しているが、商品のイメージが表現しづらいため、いまいち売上があがらない。
  • 店舗や商品に対する問い合わせ対応に時間がかかり、サポート担当の負担になる上、顧客クレームをもらうことがある。

上記のような問題があれば、DX化で成果を得られる可能性が高いです。

DX化の必要性が低い店舗の特徴

導入しても費用対効果が低いと予想される店舗であれば、DX化を推進する必要性は高くありません。

下記のような特徴を持つ店舗であれば、DX化の必要性が高くないと言えます。

  • 一日の客数が限られていて、一人ひとりに手厚いサービスが求められる高級店
  • 顧客の年齢層が高めで、従来の営業や接客とマッチしている地域密着型のスーパーやコンビニ
  • ワンオペ、もしくは2~3人ぐらいで接客ができている小規模な店舗

DX化はどのような課題でも解決できるわけではないため、店舗の課題がDXで解決できるのか把握する必要があります。


DX化に成功した店舗の事例4選

実際にDXを導入して成功した事例を4つご紹介していきます。

参考:DXの推進事例20選から見えた、成功のための4つのポイント|LISKUL

『セルフレジ』を導入し、レジの混雑を緩和させた「ユニクロ」の事例

買い物客が多いユニクロでは、レジの行列を緩和するためにセルフレジを導入し、レジの混雑を緩和させることに成功させました。

DXを実施した背景

ユニクロは数点の商品をまとめ買いする人や、家族の分も買う顧客の割合が多いです。

そのため、顧客一人にかけるレジの時間が長く、結果的にレジには行列が並び、スタッフの負担や顧客の不満にもつながっていました。

実施したDX

顧客だけで会計処理ができるセルフレジを店舗に導入しました。

商品が入っているカゴを置くだけで瞬時に商品情報を読み取り、情報に問題がなければすぐに決済ができます。

それぞれの商品に電子チップが取り付けてあるため、商品情報を記憶しているレジ機械がすぐに読み取ることができます。

また、レジ近くに袋を設置し、会計後に顧客自身で袋詰めできるようにしています。

得られた効果

セルフレジの導入でレジの回転率が上がり、行列が緩和されました。

行列が緩和されたことで顧客の不満も解消されただけではなく、人件費削減にもつながりました。

参考:ユニクロの導入したセルフレジの仕組みとは?メリットも紹介 | リテールガイド

『Mobile Order&Pay』の導入で回転率を向上させた「スターバックス」の事例

顧客数が多いスターバックスでは、レジに並ばずに事前オーダーと決済ができる専用アプリを取り入れたことで、レジ混雑の緩和と回転率の向上に成功させることができました。

DXを実施した背景

常に満席であるほど人気のスターバックスでは、レジの対応に時間がかかり、スタッフの負担が大きいだけではなく、顧客の不満にもつながっていました。

そもそもの利用者数が多いだけではなく、ドリンクのカスタマイズをする際にオーダーに時間がかかるため、レジの回転率が悪くなっているのが原因でした。

実施したDX

レジの行列を解消するため、顧客が列に並ばなくても事前にオーダーと決済ができる『Mobile Order&Pay』を開発・導入をしました。

アプリで近隣のスターバックスを検索し、ドリンクとカスタマイズを選択して決済することで、店舗で商品を受け取れるようになります。

得られた効果

このアプリの利用者数の増加で、レジの回転率が上がり、スタッフの負担解消にもなりました。

また、レジの行列が緩和されたことによって、行列を気にせずに注文しやすくなり、顧客の満足度にもつながりました。

参考:スタバの行列がゼロに!?新サービス「モバイルオーダー&ペイ」明日スタート

『セルフオーダー端末』と『自動精算機』の導入で運用コスト削減に成功した「ディッシャーズ」の事例

びっくりドンキーの新業態ブランドであるディッシャーズでは、顧客自身でオーダーができる端末や自動精算機を導入することで運用コスト削減に成功しました。

DXを実施した背景

従来のびっくりドンキーのエンターテイメント性は残しつつ、運用コストを下げる方法はないかという発想から、完全フルオーダーの店舗であるディッシャーズができました。

顧客に喜んでもらえるサービス提供を追求するだけでは、店舗側の負担が大きくなってしまいます。

そのため、顧客と従業員どちらの満足度を高められる運用を実現するためのシステムを導入することになりました。

実施したDX

セルフオーダー端末と、キッチンモニタ、従業員用管理タブレット、自動精算機を店舗に導入しました。

全席にオーダー用タブレットを取り付けることで、スタッフがオーダーを取りに行かなくても注文できる仕組みを作ることができました。

また、顧客自身で決済できる自動精算機も取り付けることで、レジ対応の時間も削減することができました。

そのほかにも、調理スタッフがオーダー内容を確認できるキッチンモニタや、注文管理するための従業員管理用タブレットの導入で、ミスなく効率よくオペレーションできるようになりました。

得られた効果

各システムを導入したことで、顧客の満足度の向上と運用コストの削減に成功しました。

また、システムで注文・内容の確認ができるようにしたことで、オーダーのミス削減にもつながりました。

参考:ハンバーグチェーン「びっくりドンキー」の新業態 「ディッシャーズ」オープン。| 株式会社アルメックス

オンライン接客サービス『DECORTÉ Personal Beauty Concierge』の導入で、コロナ禍でも接客の質向上に成功した「コーセー」の事例

コーセーは、コロナ禍にオンライン接客サービス「DECORTÉ Personal Beauty Concierge(コスメデコルテ パーソナルビューティ コンシェルジュ)」を導入したことで、接客水準を向上させることに成功させました。

DXを実施した背景

コロナ禍で店頭接客をすることが困難になり、顧客の購買につながる接客ができなくなったことが課題とされました。

非接触の接客が余儀なくされる中、化粧品メーカー各社が「Zoom」などのビデオ会議ツールを取り入れました。

しかし、店舗サイト内の予約ページやECサイトと連係できないため、接客から商品購入までのカスタマージャーニーが一元化できないという別の問題も生まれました。

そこでコーセーは、接客から購買までの一連の過程を1つに集約できるシステムを導入することにしました。

実施したDX

コーセーは、独自に開発した「コスメデコルテ パーソナルビューティ コンシェルジュ」というオンラインサービスを導入しました。

顧客自身のスマートフォンにアクセスができるサイトで、そこからコーセーの美容部員によるカウンセリングの予約と実際のカウンセリング、商品の購入までの流れを一元化させることができました。

他にも、顧客のIDや肌診断機能、カルテの管理もできるため、非対面であっても顧客一人ひとりにあったカウンセリングをすることが可能となりました。

得られた効果

オンライン接客サービスの導入で、美容部員の接客水準をオフラインに近いレベルまで引き上げることに成功することができました。

また、全国の顧客に対して遠隔で接客ができるようになり、顧客層の幅を広げることができました。

参考:コーセーが接客DX カウンセリングから購買まで連携|日経クロストレンド


店舗DX導入までの流れ

店舗にDXを導入するためにはどのような段どりで進めればいいのか解説していきます。

参考:これからはじめるDX~導入編~|パーソルプロセス&テクノロジー|パーソルプロセス&テクノロジー
   【レポート】既存事業のDX推進、必要なものは? 6ステップの実行手順を解説|モンスターラボ DXブログ

店舗DXのフロー

DX化のゴールを明確化

まず一番最初にすることは、店舗にDXを導入して何を実現したいのか明確にすることです。

ゴールを明確化することで、DX化するのに必要な手段が見えてきます。

たとえば、「人件費を20%まで削減させる」や「オンラインショップの月間売上を300万円アップさせる」など、明確なゴールを掲げましょう。

参考:5つの事例から学ぶ「DX戦略」の立て方と、成功のための3つのコツ|LISKUL

仮の施策案の書き出し

ゴールを実現するために必要そうな施策案を仮で洗い出してみます。

人件費削減がゴールだった場合、コストを削減できそうな業務が何か考えます。

たとえば、レジ業務や発注作業、問い合わせ対応など、少しでもコスト削減できそうな業務を出し、各業務に対してどういうデジタル技術の導入が最適なのか、仮で出します。

社内で必要な人材の確保

DX化に向けて本格的に動く前に、導入するのに協力が必要なメンバーを確保します。

たとえば、

  • 店舗の一連の業務フローを理解している
  • 現時点で店舗に導入しているシステムが何か把握している
  • 現状、抱えている店舗運営の問題・課題が何か把握している
  • 業務で何かしらのデジタルテクノロジーを使用している

など、DXの導入に少しでも必要そうな情報を持つメンバーに話を振り、あらかじめ協力をあおぎます。

要件に合わせてベンダーを選定

DX化で実現したいゴールとそれに合った施策に合わせて、導入支援してくれるベンダーを選定します。

参考:DXの着想からサービス構築まで伴走してくれるコンサル会社おすすめ4選|LISKUL

ベンダーは、以下の基準を参考にするとスムーズに選定することができます。

  • 自社の課題とベンダーの得意領域(基幹システムに強い会社や、プロダクト・サービスのDX化など)が一致しているか
  • 求めるゴールと近い実績を持っているか
  • 導入後の効果測定までサポートしてくれるか
  • 予算の範囲内で契約してくれるかどうか

上記をクチコミやサイトの導入事例で判断し、気になったベンダーを4~6社ほどに絞ります。

各ベンダーに課題や要件を記載した提案依頼書(RFP)を提出し、実現可能な企業を採用します。

参考:DX支援企業11社を紹介|選定基準や企業の特徴、依頼する際の3つのポイント|AI専門ニュースメディア AINOW

必要なデジタルテクノロジーの導入開始

スケジュールと予算をコントロールしながら、ベンダーと協力して店舗にデジタルテクノロジーを導入いたします。

導入時には店舗運用に支障をきたさないか十分注意が必要です。

たとえば、店舗の基幹システムを新しいシステムに移行するとなった際、誤ってデータが紛失するということがあります。

とくに、顧客情報や売上情報を扱う際は、データが消えたり漏れたりしないか十分に配慮する必要があります。

そういったリスクを侵さないため、導入時に注意すべきことをあらかじめベンダーに確認し、ベンダーからの指示以外のことはしないようにしましょう。

店舗での運用開始

デジタルテクノロジーを導入して、問題がなければ店舗運用をします。

導入後の運用に慣れるのにはある程度時間がかかるものです。

まずは慣れるために1〜2か月ほど様子を見て、そのあと変化した点や気になる点を現場スタッフに確認します。

いまいち効果を実感できない場合はベンダーに相談をして、運用方法を見直すか、導入しているデジタルテクノロジーの変更をするなど調整を行い、再度運用していきます。

参考:絶対に知っておくべきDXの進め方|DX推進において守るべきルールとは?| RPA – Robo-Pat(ロボパット)


店舗DXの導入効果を最大化するための4つのポイント

店舗にDXを導入する際は、効果を最大化させるためのポイントを押さえる必要があります。

そのポイント4つをご紹介いたします。

  • 経営トップが中心となってプロジェクトを牽引する
  • 現場へのナレッジや情報の共有をスムーズに行う
  • まずは身近なところからDX化をスモールスタートさせる
  • 費用対効果を算出する

参考:DX導入のために知っておくべきこと|ポイントや導入事例、DXを実現させるための5つのステップ| RPA – Robo-Pat(ロボパット)

経営トップが中心となってプロジェクトを牽引する

1つめは、経営トップが中心となってプロジェクトを牽引することです。

会社のトップが責任をもってDX化を支援することで、企業・店舗のメンバー全体にDX化に対する関心が広がります。

会社全体でDX化を推進するためには、まずは経営トップが積極的にDX推進プロジェクトに参加する必要があります。

参考:店舗経営・ブランド運営におけるDXとは?DXで企業価値を高める| SHOP DX | 店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

現場へのナレッジや情報の共有をスムーズに行う

2つめは、現場へのナレッジや情報の共有をスムーズに行うことです。

DX推進の内容について本社のメンバーだけでプロジェクトを進めても、その内容が現場のスタッフに伝わっていないとスムーズに進まない場合があります。

最終的にデジタルテクノロジーを活用するのは現場であるため、なぜDXを推進するのか、推進に向けて動き出すのはいつぐらいか、その間にしてほしいこと・注意してほしいことは何か都度共有することが重要です。

開発から運用まで現場スタッフと認識をすり合わせることで、滞りなくDX化を推進しやすくします。

参考:デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?成功事例40選とポイント解説 | テクロ株式会社

まずは身近なところからDX化をスモールスタートさせる

3つめは、まずは身近なところからDX化をスモールスタートさせることです。

デジタルテクノロジーの導入経験がない企業にとっては、全ての運用フローをデジタル化するのはとてもハードルが高く、より運用が複雑化される可能性があります。

大規模なDX化で現場に混乱が起きる前に、一つずつ業務を見直して変えてみるところからスタートするのがおすすめです。

たとえば、顧客のリストや売上管理表を紙から電子化したり、店舗間のやり取りをチャットベースに変えたりなど、失敗しても損失が少ないところから進めてみましょう。

参考:DX成功のポイントはスモールスタート!スモールDXのポイントを解説|テックファームブログ

費用対効果を算出する

4つめは、DXの費用対効果を算出することです。

DX導入後の費用対効果を算出すれば、運用を続けるべきか別の施策に変えるか判断できます。

たとえば、DX化のためにRPA(業務プロセスを自動化するソフトウェアロボット)を導入する場合、以下の2つを比較して費用対効果を出します。

  • 投資金額=RPAの初期費用、毎月の利用料金、保守・メンテナンス費用、RPAの運用にかかる人件費など
  • 効果(利益)=削減された人件費、生産性の上昇分など

もし投資金額が1,000万円で、削減された人件費が2,000万円分の場合には費用対効果があったと考えられます。

DX導入後の最終的な判断を下す際のヒントとして、DXの費用対効果を算出しておきましょう。

参考:RPAの費用対効果はどのように算出する?導入前に押さえておくべき考え方|RPA導入で働き方を変革 Digital Labor Labo(デジタルレイバーラボ)
   プログラミング不要で始められるRPA「RPAロボパットDX」とは。他社との違いや主要機能、料金まとめ|LISKUL


店舗をDX化する際の注意点

店舗DXをする際は、あらかじめ気を付けるべきことがあります。

とくに考えずにDXの導入を進めてしまうと、コストをかけても成功しない場合があります。

ゴールを見据えて、以下の3つのことに注意をしましょう。

DX化=局所的なテクノロジー導入ではない

勘違いされがちですが、DXは局所的なテクノロジー導入のことを指すわけではありません。

店舗運営事業者がDXを強化するためには、より根本的で広範囲な対応が必要です。

たとえば、セルフレジを導入したとしても、決済方法が現金のみのままではDX化に成功しているとは言えません。

店舗DXは一部分をデジタル化すればいいというわけではありません。

顧客体験の価値を高めることを考えれば、さらに広い視野をもってどう変革をしていけばいいのかを考えることが必要です。

まずはDX化におけるゴールと現時点とのギャップを把握し、どう対策していけばいいのか考えましょう。

参考:店舗経営・ブランド運営におけるDXとは?DXで企業価値を高める| SHOP DX | 店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

デジタル化すれば必ず業務効率化につながるわけではない

デジタルテクノロジーを導入すれば業務が楽になると思われますが、全てのケースが当てはまるとは限りません。

不適切な運用フローのままでDX化しても、かえって非効率になることがあります。

たとえば、店舗運用のフローが曖昧なまま業務の一部をデジタル化させることで、業務が複雑になって負担が大きくなるケースがあります。

DX導入後にスムーズに運用ができるためにも、改めて店舗運用フローを見直す機会をもうけましょう。

参考:DX導入のために知っておくべきこと|ポイントや導入事例、DXを実現させるための5つのステップ| RPA – Robo-Pat(ロボパット)

店舗をDX化させることを目的としない

店舗DXは目的ではなく、あくまで手段と捉えなければいけません。

DX化をさせることが目的と考えてしまうとあらゆる業務がデジタル化され、かえってスタッフの負担が大きくなり、費用対効果が見込めないというケースもあります。

DX推進に関わるメンバーは、どのような店舗運用を目指すべきかをつねに念頭におく必要があります。

また、現在推進しているプロジェクトが本当に店舗にとってプラスになるのかを考えましょう。

参考:小売業界におけるDXの在り方とは?成功事例を交えてメリットを解説|店舗DXコラム


まとめ

本記事では、店舗におけるDXとは何か、またはDXによってもたらされる効果やポイント、注意点についてお話しました。

店舗DXとは、単純に店舗をデジタル化させることではなく、デジタルテクノロジーの導入によって顧客の体験価値を向上をさせることを目的とした施策です。

DXを推進させることで、業務効率化や生産性の向上、顧客満足度の向上、人材コストの削減など、さまざまなメリットをもたらします。

しかし、DXを推進する上では長期的な運用が必要となる上、人材コストもかかり、システムの移行の失敗の可能性などのデメリットも考慮しなければいけません。

ただ、これからも店舗ビジネスを成功するためには、デジタルテクノロジーの導入が肝となります。

コスト面や現場の環境に配慮しつつ、他店舗に遅れを取らないように今のうちからDX化を進めてみてはいかがでしょうか。

コメント