BtoBマーケティングの基本~戦略まとめ。デジタル手法からコンサル事例まで17記事の要点を5分で理解

BtoBマーケティングとは、法人向けビジネスにおける「価値を創造し、売れ続ける仕組み」を考え実行するプロセスのことです。実際のビジネス現場では、認知形成~営業につなぐ商談創出までの役割を「(狭義の)BtoBマーケティング」と位置づけているケースが一般的です。

コロナ以降、テレワークなどにより対面営業のハードルが上がる中、BtoBマーケティングに求められる役割はますます重要になってきています。

  • BtoBマーケティングに取り組みたいが、何から手を付けてよいかわからない。
  • コンサル会社に相談したいが、費用が高いので、まずは自分たちで試してみたい。
  • BtoBマーケティングにおける勝ちパターンや有効な方法・ツールが知りたい。

当社にもこのような相談が毎日のように届いています。

BtoBマーケティングには、定石と呼べる「勝ちパターン」があります。しかし、多くの企業が、ベンダーやコンサル会社の営業トークに踊らされ、まだ必要のない、高額のツールやコンサルティングを導入し、本来費やすべき施策そのものに予算を投下できていない本末転倒な状態に陥っています。

本記事では、過去、本サイト「LISKUL」に掲載した記事やWeb上で参考になる記事を引用しながら、記事の見出しと太字部分を流し読みするだけ、わずか5分でざっくり概要をつかめるようにノウハウをまとめました。本記事を読むことで、BtoBマーケティングの概要と定石を効率よく理解し、自社のフェーズにあった施策で成果を出せるようになります。

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この記事の監修・執筆

長谷川 智史(はせがわ さとし)@so_hasegawa
ソウルドアウト株式会社 上席執行役員 /メディアエンジン株式会社 取締役CMO  現職ではマーケティング責任者として、オウンドメディア「LISKUL」立ち上げやサイト改善を通じ、月間3件だった同社のオンライン経由のリードを2年で月間1000件以上まで増やし、東証一部上場企業にまで成長する一翼を担った実績あり。WACULテクノロジー&マーケティングラボ研究顧問も務める。(執筆記事一覧


1.BtoBマーケティングの定義や役割・BtoCとの違い

本記事では、BtoBマーケティングの定義を「新規見込客の商談創出」を許容できる投資効率の範囲でより多くする活動とします。

本来、マーケティングとは「価値を創造し、売れ続ける仕組み」を考え実行する活動全般のことであり、本質的にはもっと広範囲、もっと上流、プロダクトが生まれる前、から始まる活動です。しかし、実際のビジネスの現場では、本来の意味とは異なる、矮小化された定義にとどまり、限定的な役割を担っていることが多い傾向です。

そのことの是非はさておき、本記事では、あえて矮小化された「狭義のBtoBマーケティング」、新規見込客の商談創出をゴールとした具体策にフォーカスすることで、現場の実践でより役立つことを目指します。(より本質的・本来的な「BtoBマーケティング」について概念からの理解を深めたい方は、記事の最後に記載した参考書籍が役に立ちます。)

役割:見込客との接点を増やし、想起と好意度を高める

では、BtoBマーケティングで何をするか。端的にいうと「新規見込客の商談創出」のために、見込客との接点を増やし、想起と好意度を高める活動をします。

将来、顧客がサービスを選ぶ際に、

  • 選択肢に入りやすくすること(想起を高める)
  • 選択肢の中で選ばれやすくすること(好意度を高める)

シンプルにこの2つのを目的として、見込客との接点を増やします。

BtoCとの違い:「論理的思考」による「経済合理性」の重視

基本的に、BtoCのマーケティングと、BtoBマーケティングは「見込客との接点を増やし、想起と好意度を高める活動」という意味での本質は変わりません。

その上で、BtoBマーケティングを成功させるために、押さえておきたい違いがあります。それは、BtoB商材が課題解決型であること、そして意思決定において、論理的思考による経済合理性が重視されることです。

論理性・経済合理性を重視し、検討期間が長くなる理由

  1. 情報収集者と意思決定者が異なる
  2. サービスを利用する人が複数いる場合もある
  3. 導入には組織的な意思決定が必要

引用元:BtoBマーケティングとは?すぐに結果が出やすい3つの手法を解説

課題解決に対する「説明責任」が求められる

BtoB商材は、ほぼすべて課題解決型の商材です。「解決すべき課題」がなければ買ってもらえません。その上で、さらに組織上の意思決定に対する説明責任も伴います。

社内稟議で複数名の合議にかけることや、相見積もりを取ることをルールにしている企業がほとんどです。そのため、商材の導入が課題解決に至る論理的な根拠、費用対効果の客観的な裏付けができないと、導入は見送られてしまいます。

一方で、BtoCでは、情緒的な要素の強い商材も多くあります。その場合、好きだから買う(応援)・勢いで買う(衝動買い)など、「好み」や「気分」が、意思決定に大きな影響を与える商材も多くあります。

BtoBでは、課題解決への論理的な裏付けや経済合理性の担保がより厳密に求められる点がBtoCとの大きな違いになります。

もっと詳しく知りたい方向けの参考記事

BtoBマーケティングとは?すぐに結果が出やすい3つの手法を解説|LISKUL
BtoBマーケティングの特徴や、有効な手法を解説しています。当社(ソウルドアウト)で実施した施策をはじめ、手っ取り早く成果が出やすい手法を事例を交えてわかりやすく説明されています。

BtoBの購買活動は本当に論理的・合理的か? | knowledge / baigie
本章でも触れたBtoBの購買行動の特徴である「論理思考」による「経済合理性」の重視。この定説に疑問を投げかけ考察している記事です。まとめにある”BtoBの購買における最大の関心事は「失敗しないこと」”は、BtoBマーケティングに取り組む上で忘れてはならない急所です。


2.BtoBマーケティングの基本プロセス・全体像

BtoBマーケティングの基本プロセスと全体像は以下の通りです。基本プロセスと全体像を把握することで、活動の見取り図を持っておくことが大切です。

  1. 戦略策定:顧客理解に基づくSTPの設計によるコミュニケーション方針の決定
  2. 営業連携:役割分担の定義とCV地点の設計・ホワイトペーパーの制作
  3. リードジェネレーション:手法選定と施策の実行
  4. リードナーチャリング:潜在リードの商談化

失敗するケースの大半は、戦略策定や営業連携が固まらないまま、やみくもにリードジェネレーション施策に乗り出してしまっています。特に、営業連携を踏まえたCV地点の設計は、コロナ以降、オンラインが主戦場となりつつあるBtoBマーケティングの急所ともいえるポイントになります。

もっと詳しく知りたい方向けの参考記事

新規顧客を獲得するための3つのチェックポイントと6つの開拓方法|LISKUL
新規顧客を獲得するためのポイントや考えるステップ手法まで、わかりやすくまとまっている記事です。社内での情報共有や予算確保の重要性など、地に足のついた実践的な考え方が紹介されています。

BtoBマーケティング&セールスのフルオンライン化 | knowledge / baigie
フルオンライン化を念頭に、BtoBマーケティングの施策の全体像を示した上で、個別に検討しています。冒頭の「チャネルと施策の全体像」の図解は全体を俯瞰できるとても参考になる図解です。

BtoBマーケティングの手法大全 – 社内会議で使える88個の施策アイデア | SAIRU NOTE | 株式会社才流
こちらの記事にも全体像を俯瞰できる図解が掲載されています。施策のアイディアも豊富に記載されており、網羅的に検討できます。


3.コンサル事例に学ぶ「すぐに成果が出る」偏差値up!虎の巻

少し脇道にそれますが、BtoBマーケティングの基本プロセスに従って改善に着手する前に、「すぐに成果が出る」方法が無いかについて時間を取って検討してください。具体的には、自社が保有している資産を徹底的に活用することを検討していきます。

最小の労力・コストで最大の成果の出るポイントに着手することを優先し、まずは小さくとも確実な成果を出しましょう。小さな成果が出せていれば、この後の基本プロセスに基づく改善もより進行しやすくなるでしょう。

公式サイトのトラフィックが多い場合はCVR改善が最優先

例えば、プロダクトに知名度あるなどの理由で、公式サイトのトップページにすでにトラフィック集まっている場合、この資産を活かさない手はありません。基本プロセスに則って戦略策定をする前に、CVR改善の打ち手を講じるべきです。

具体的にはサイトに月間10万以上のPVがある場合には、基本的なCVR改善の打ち手ができているか見直すだけ大きな成果がでることが多いです。以下サイトなどを参考にCVR改善の定石がしっかり反映させられているかのチェックだけでも済ませておきましょう。

定石1:アクション導線をメインカラムに

今回で言えばトップページの「アクション導線をメインカラムに持ってくる」などの改善はボリュームも大きく、すぐにできて、比較的効果につながりやすい改善です。

 

引用元:Webコンサルティングの診断資料を公開。事例で学ぶBtoBサイトの改善点

定石2:よく見られているページにCVRが高いページのリンクを貼る

――もし具体的にCVRを改善していくにはどうすればいいでしょうか?
安藤:ぜひやってほしいのは「ユーザーによく見られているページや回遊動線に、CVRが高いページのリンクを貼ること」です。

 

引用元:50点のWebサイトがほとんど?80点までグイッと持ってく改善パターンをAIアナリストの専門家に聞いてみた

定石3:ページ遷移後のファーストビューにCV導線を置く

この改善の結果、カテゴリページを経由したCV数が約10倍まで伸びました。
CVの導線をファストビューに置くだけでも一定の成果が出ますが、ユーザーの文脈に沿った提案をすることで、CVRを飛躍的に改善できた事例です。
「ページ遷移後のファーストビュー」に、「ページ閲覧の文脈に沿ったCV導線の設置」これが自社サイトでできないか検討し、実装するだけで大きな成果を手にすることができます。

引用元:「AIアナリスト」を使って成果が改善した事例を11個集めました。

サイト改善の「定石」を学べる参考記事

プロダクトの品質が高く、実績や信頼があるなら比較サイトに即掲載

プロダクトに知名度は無いが、そのジャンルにおいて海外ではトップシェア、その実績から品質には信用がおける場合、この資産を活用し、何も考えず比較サイトに掲載するだけで成果が期待できます。

具体的には、以下のような場合には、比較サイトへの掲載を最優先に検討すべきです。

  • プロダクトが所属するカテゴリが明確
  • コンペの勝率がやたら高い(8割以上)
  • 知ってもらえさえすれば勝てる、という自信がある

豊田通商株式会社では、米国でトップシェアを誇る商品超大型シーリングファン「ビッグアスファン」の輸入販売をスタートしましたが、当初は日本での認知度はゼロでした。Webサイトやカタログ販売といった販促活動の反響は良かったものの、実際の購入にはなかなか結びつかないことが課題でした。

行き詰まっていたときに、外部の製造業向けマッチングサイトからの提案がありシステムを導入しました。
<中略>

2014年の提案施策の導入以降、毎年1.5倍ずつ売上をアップさせることに成功しています。その後、2018年時点でもサイトの閲覧数、売上は伸び続けています。

 

引用元:BtoB製造業のマーケティング事例8選!広告・販売促進のデジタル活用術

掲載すべきサイトは既存顧客に教えてもらう

掲載すべきサイトは「業種×比較サイト」等で検索し、リストアップした上で、営業担当や既存顧客によく見るサイトを教えて貰うと良いでしょう。

見込み顧客のリストを数十万単位で保有するならMAツールをすぐ導入

すでに長年の営業活動により、見込み顧客の名刺情報を大量に持っている場合も、この資産を活用してすぐに成果が出せます。数十万単位で顧客データがあれば、高額なMAツールを導入しても、十分に元が取れるだけの成果がすぐに出せます。

クラウド名刺管理サービスを提供するSansanは、見込み顧客のDB管理やデータの整理に課題を抱えていた中で、2016年1月からマーケティングオートメーションの導入に踏み切りました。

<中略>

インサンドセールスの生産性を高める仕組みづくり・PDCAサイクルの高速化によって、本格運用の3ヶ月後には月間の新規獲得見込み顧客数が約3倍に、受注件数も約1.5倍に増加。受注率としては約10%の伸びとなりました。営業一人ひとりが顧客にかける時間が増え、1件あたりの受注額も伸びています。

 

引用元:BtoB領域でのマーケティングオートメーション活用事例5選と5つのおすすめツール

王道の改善に着手するのは、既存資産を使い倒したその後に

紹介した事例のように、すでに自社に存在する資産を有効活用し、手っ取り早く成果をあげることをまず考えてみましょう。教科書的なプロセスに則って、お行儀よく改善するよりも、何十倍も効率がよく、成果を出し信頼を得ることで、その後に控える骨太な改善も進めやすくなります。これはコンサル会社に在籍していた際の筆者の勝ちパターンでもありました。

よくある既存資産と対応する施策についてまとめておきましたので、こちらも参考にしてみてください。

<活用すべき既存資産と施策の一例>
※社内に使える資産が眠っていないか?を考える

 


4.戦略策定:顧客理解に基づくSTP

戦略策定のプロセスでは、マーケティングの基本となるSTPについて考えます。このプロセスを通じて、どんなユーザーに、どんなタイミングで、何を訴求して接点を持つのか?の基本方針・初期仮説を明文化していきます。

教科書どおりSTPを考え出すと泥沼にハマる

BtoBマーケティングの戦略策定のために「STPから考えよう」として抜け出せない泥沼にハマってしまいます。私はそんなマーケティング担当の方を数多く見てきました。その理由は経験上、大きく分けて3つあると考えています。

  • 最初のステップであるセクメンテーションのキモ「グルーピングできるニーズの特定」に豊富な経験や一定のセンスが必要
  • 良いセグメントを見つけても、それにあわせてプロダクト自体を改良する手段が取れない
  • 良さそうなSTPが設計できても、実際の施策に落とし込めない

(補足)STPとは

STP分析はフィリップ・コトラーが提唱した、マーケティング戦略を立てる際に使うフレームワークの一つです。STPは「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の英語の頭文字を取った略語です。

 

引用元:STP分析とは?有利なビジネスを展開するための事例や手順まで!

「誰の」「どんな状況」に対して「どんな訴求をしていくか?」

そこで本記事では、STPに真っ向から向き合うことを避け、シンプルに「誰の」「どんな状況」に対して「どんな訴求をしていくか?」の3つの要素を考えることで、STPを簡易的に設計していきます。

「なんとなく」売るのではなく、「この人が、このような状況で検索してきた時に」売るというターゲット像が明確になっていることで、コミュニケーションの方向性が明確になり、成果につながる作戦が立てやすくなります。

 

引用元:ウェブマーケティングを成功に近づけるターゲット戦略4ステップ

属性条件:「マスト」と「ベター」を「判別できるように」決めておく

まず、ターゲットにおける「誰(≒属性条件)」を考えていきます。ここでいう属性条件とは、ターゲットとなる企業ならびに担当者が該当する条件になります。

後述する「検討段階」との違いは、こちらのコミュニケーションでコントロールできるかどうか、にあります。コントロールできないものを「属性条件」としています。

例えば、ターゲット企業の「所在地」は、こちらがどんなに説得したところで変えることはできません。このように、属性条件が対象外のリードについては、そもそもコミュニケーションの対象外にする判断が必要になります。

BtoBビジネスにおける代表的な属性条件には以下のようなものがあります。

<企業に該当する属性条件>

  • 売上規模
  • 従業員数
  • 業種
  • 所在地
  • 上場区分 など

<担当者に紐づく属性条件>

  • 所属部門・職種
  • 役職(決済権の有無)
  • 担当業務 など

これらの属性条件について、自社プロダクトにおけるターゲットとなりうる条件を明文化し、チーム・社内で共通認識を持っておくことで施策の精度や効率を大きく改善します。

マスト:この条件を外してしまうと顧客になり得ない

マスト条件は、この条件と外してしまうと顧客になり得ない条件です。

例えば、本社が東京にあり、営業範囲が一都三県であれば、それ以外は対象外となります。有名企業であれば大阪でも出張して取りに行く、であるとか、都内でも多摩地域は対象外など、暗黙の了解になっている事項が出来る限り言語化しておくことでトラブルが避けられるでしょう。

ベター:この条件に該当すると「(競合に)勝ちやすい」or「収益性が高い」

ベター条件は、該当していると競合に勝ちやすい、もしくは、収益性が高い、ビジネス上「おいしい」セグメントです。

言い換えれば、自社のプロダクトがより幸せにできる確率が高い顧客群とも言えます。ベター条件を明文化できていると、営業の繁忙度や予算状況に応じた打つべき施策の優先度が決めやすくなる「調整弁」として機能します。

検討段階:「トリガー」の前と後、どちらを接点獲得の主戦場とするか?

属性条件の次に、ターゲットとする検討段階を言語化していきます。

なぜ、属性条件と検討段階を分けて考えるかと言えば、属性条件は変化しないのに対して、検討段階は外部の刺激や働きかけによって変化しうるためです。BtoBマーケティングが上手な企業ほど、この検討段階の違いに応じた施策の優先度や重み付けをしっかり考えて取り組んでいます。

検討のきっかけになるニーズに火がつく「トリガー」を特定する

まず把握すべきは「検討のきっかけは何か?」検討の引き金となるトリガーが何なのか?です。

トリガーには大きく2種類あります。

  • 気づきのトリガー:潜在的な課題が、気づきによって顕在化するパターン
  • 外圧(発生)のトリガー:環境変化によって強制的に課題が顕在化するパターン

検討段階が大きく進むトリガーが何なのか?を把握しておくことは戦略を考える上での大きなヒントになります。

4つの検討段階における「主戦場」を決める

トリガーを特定したら、以下4つの検討段階のどこを主戦場にすべきか考えていきます。ゴールに近ければ近いほど商談化率は高く、母数は少なくなります。

①意思決定後に接点を持つ :意思決定段階
②トリガーの後に接点を持つ:情報収集・比較検討段階
③トリガーの前に接点を持つ:日常生活段階(主なトリガーは「気づき」)
④認知や好意を形成する:日常生活段階(主なトリガーは「外圧」)

③や④、トリガーの前・日常生活段階を接点獲得の主戦場にできるか

BtoBマーケティングにおいて差が出るのは、日常生活段階(③と④)の攻略です。特に一定規模の売上を超えるまでは③の攻略がスケールのスピードを大きく左右します。①や②だけであれば、営業力の勝負で、マーケティングの果たす役割はほとんどありません。

本格的にマーケティング担当が設置されるのは、③や④を攻略するためであり、その成否がプロダクトの成功を大きく左右する重要なポイントとなっていきます。

訴求内容:どんな興味関心・潜在課題に訴えるのか?

4つの検討段階の違いにあわせて、訴求内容を考えていきます。各検討段階における基本方針は以下のとおりです。

①意思決定段階:課題解決に必要十分であること・信頼の担保
②収集・比較検討段階:競合との違い・優位性
③日常生活段階(主なトリガーは「気づき」):潜在課題への気付き
④日常生活段階(主なトリガーは「外圧」):認知・解決課題に対する連想の強化

潜在課題への気付きを促す訴求を考える3つの質問

特に難しいのが「③日常生活段階(主なトリガーは「気づき」):潜在課題への気づき」を促す訴求です。

以下の3つの質問についてターゲットとなるユーザーの状況や現状認識を明らかにすることで、どのような気付きを与えるべきか考えやすくなります。

  • その人は、何は知っていて、何を知らないか?
  • その人は、何は今もすでに実施中で、何はやったことあってやめていて、何はやったことないか?
  • その人は、どんな情報を知らないことで、成果を出せない or リスクを抱えている or 無駄なお金や労力を使っているか?

(参考例)BtoB向け成果報酬型リード獲得サービス「RentaLISKUL」のケース

最後に、考える上での参考例として、当社が展開している、BtoB向け成果報酬型リード獲得サービス「RentaLISKUL」における、「誰の」「どんな状況」に対して「どんな訴求をしていくか?」の3つの要素をご紹介します。

「誰の」属性条件

  • マスト条件:BtoB向けのビジネス・オンラインでのリード獲得を実施
  • ベター条件:LISKULが検索で上位表示できている領域のプロダクト(主にマーケティング・業務効率化の領域・決裁権のある担当者

※企業規模やエリアなどで属性条件ではセグメントしない

「どんな状況」検討段階

  • 主戦場:③トリガーの前に接点を持つ(日常生活段階:主な「トリガー」は気づき)
  1. オンラインでのリード獲得を増やしたい
  2. 新たな手法の導入でリード獲得の費用対効果を改善したい

    「どんな訴求をしていくか?」訴求内容

    • 完全成果報酬なので小さなリスクでリードを増やせる
    • 検索上位表示されている記事を中心に広告やメルマガなど多様な手段を組み合わせてリード獲得
    • カスタマーサクセスが個社別に、訴求内容や露出箇所をチューニングしながらPDCAを回す
    • 一括ダウンロードをしていないので、営業力勝負のコンペになりづらい

    もし、上記に当てはまる場合には、以下の資料をダウンロードしてみてください。(PR)

    BtoBマーケティングを成果報酬で「RentaLISKUL」資料ダウンロード 

    もっと詳しく知りたい方向けの参考記事

    セグメンテーション|3つの有名事例から5分で活用法を身に付ける
    STPにおける「セグメンテーション」について解説されている記事です。セグメンテーションのキモは「グルーピングできるニーズの特定」にあります。センスが必要で非常に難しい領域ですが、攻略できればBtoBマーケティングの成果を劇的に改善できる手法です。

    ターゲティングで確実に成果を上げるための設定方法を徹底解説
    STPにおける「ターゲティング」について豊富な事例が紹介されている記事です。スターバックスやQBハウスなど馴染みの深い事例で理解を深められます。

    ポジショニングを変えるだけで売上8倍?! 事例で学ぶポジショニングの活用手順
    ポジショニングは「ユーザにその商品・サービスをどのように認識してもらうのか」を決めることです。本記事紹介されているポジショニングの見直しで成果を出した事例は、BtoBマーケティングにおいてもヒントになります。


    5.デジタル化の急所。営業との役割分担とCV地点の再設計

    BtoBマーケティングのデジタル化に着手して失敗する理由のほとんどが、CV地点に対する認識の甘さによるものです。何も考えることなく「お問い合わせ」をサイトのCV地点にしている企業は大きな機会損失をしてしまっているかもしれません。

    「リードの質が悪い!」がマーケと営業の関係を悪くする

    営業との役割分担とCV地点の設計に対する認識が甘いと起こるのが「リードの質が悪い問題」です。

    マーケ担当は必死に努力して予算も使って獲得したリードを営業が「質が悪い」と一蹴し、いずれフォローコールすらしないで放置するようになる、こんな状況はあちこちで起こっています。

    マーケと営業の状況共有が成功のカギ

    当時はオウンドメディアやコーポレートサイトからの問い合わせの受注率が極端に低く、問い合わせ数を増やしても業績に貢献できていませんでした。そんなとき、マーケティング部門と営業部門の統合しました。結果、営業と集客担当がお互いの状況を把握して、自分たちの役割を考えられるようになったんです。

     

    引用元:【LISKUL事例】毎月200件リードを獲得する、BtoBマーケティングのノウハウを公開!

    マーケ担当と営業担当の役割分担を明確にし、その上で、CV地点をどこにするか決めておくことで、「リードの質が悪い問題」は発生しなくなります。

    リードは「質より量」が正解。CV地点は複数かつ手前にも設置

    「リードの質が悪い!」と営業に言われて一番やってはいけないのは、「質の高いリードだけに絞って」獲得しようとすることです。

    絞ろうとすればするほど、質の高いリードもCV前に落としてしまう確率は高まっていきます。原則としては、リードは「質より量」を狙うべきです。そのため、CV地点は出来る限り複数にして、検討段階の手前、トリガーが発生する前から接触するのがベストです。

    デジタルは、お客さんになる見込みが少しでもありそうな人を、大量に集めることに注力すべきです。 見込み客の質を判断できる情報をヒアリングし、そのあとは営業担当が自らお客さんを選ぶべきなのです。

     

    引用元:デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか? | 垣内勇威 (日本実業出版社)

    リードを分類し、優先順位をつけて営業に連携する

    リードの「量」を取ったら、そのまま営業に引き渡すのではなく、「属性条件の一致度」と「検討段階の高さ」を基準に優先順位をつけて営業に連携します。こうすれば「リードの質が悪い問題」は発生しません。

    一般に、営業に引き渡す条件を満たしているリードを「SQL」と呼びます。このSQLの条件を営業側と合意することが第一歩です。

    SQLとは

    Sales Qualified Leadは直訳すると「セールスに値するリード」となり、インサイドセールスがニーズを確認し、営業に引き渡す見込み顧客です。

     

    SQL(Sales Qualified Lead)とは|マーケティング入門|マーケティングオートメーション(MA)ならMarketo Engage

    検討段階を引き上げる「リードナーチャリング」

    「SQL」の条件に合わなかったリードのうち、検討段階が合わなかったものは、リードナーチャリングによって引き上げた上で営業に連携します。リードナーチャリングについては後述します。

    もっと詳しく知りたい方向けの参考記事

    いまさら聞けないコンバージョンの意味と、定義するためのチェックポイント|LISKUL
    CV地点をどこに置くかを考える時に参考になる記事です。コンバージョンのハードルの高さと利益創出のバランスを取りながらCV地点を定義しておくことの重要性は強調しておきたいポイントです。

    【LISKUL事例】毎月200件リードを獲得する、BtoBマーケティングのノウハウを公開!|LISKUL
    本文中でも引用した、筆者の所属企業での事例です。失敗も交えて実際に何をしたのか赤裸々に語られていますので、参考にしてみてください。


    6.リード獲得のためのホワイトペーパー制作

    ホワイトペーパーはBtoBマーケティングを成功させる上での最重要施策です。

    ホワイトペーパーを制作し、公開すれば「資料請求」や「問い合わせ」ではCVしない、潜在的な見込み顧客をリード化することができるようになります。役割は、検討段階が浅い段階(「③日常生活段階:トリガーは「気づき」)でのCVをより多く獲得することです。

    ホワイトペーパーとは

    そもそもB2Bマーケティングにおける「ホワイトペーパー」とは、クライアントが持つ課題とその解決策を示した資料です。

    営業資料が売り手側の目線で語られる内容なのに対し、ホワイトペーパーは顧客側の目線で課題解決について語られます。

     

    キーワードは「無償の愛」!?数につながるホワイトペーパーの作り方|BizHint_実践B2Bマーケティング|note

    タイトルや説明はCVRとターゲット含有率に、中身は好意度に影響

    ホワイトペーパーを制作する前に「どの要素がどの変数に影響を及ぼすか」について確認しておきます。

    ホワイトペーパーは、ダウンロードするまで、内容を確認できません。したがって、実際の内容はイマイチでも、タイトルや説明が魅力的であれば、ダウンロードされ、リードの獲得自体は可能です。

    一方で、ダウンロードした側の立場に立てば、期待していた内容と実際の中身にギャップがあれば、裏切られた気持ちになります。その企業やプロダクトへの信用が失われることもあるでしょう。

    CVRやターゲット含有率は測定が容易ですが、好意度は測定が難しいため、どうしてもDLを促す方向に傾きがちです。フォローコールで感想を聞くなどして、好意度に悪影響を及ぼすような期待値ギャップを起こしていないかは常にチェックしておくべきです。

    ダウンロード課金型の外部メディアに向けた「絞る」ためのアレンジ

    ホワイトペーパーで狙うCVも「質より量」が原則です。ターゲット外のユーザーが混ざろうとも量を取り、取った後にアプローチの優先度を決めて行けば良いからです。

    ただし、唯一の例外は、ダウンロード課金型の外部メディアに掲載する場合です。この場合、ターゲット外のユーザーが混ざると単純に課金額が増えていってしまいます。この場合の対策は以下の3つです。

    1. ターゲット外のユーザーが混ざってもトータルで費用対効果が合うような課金体系に調整する
    2. 課金対象となる属性条件を定義して、対象外を課金対象から外してもらう
    3. ホワイトペーパーのタイトルや説明を「ターゲットのみ」が反応するように調整する

    理想は、上記の1や2の対策で、獲得前に絞らないことです。獲得前に絞ろうとすると、どうしてもロスが発生し、本来取れたはずの有望見込客まで落としかねません。リード獲得においては常に「量を取った上で絞り込んで質を担保する」が原則です。

    条件が合わないリードに課金されると、なんだか損した気分になりますが、「気分」に振り回されず、トータルでの費用対効果を「数字」で判断することが重要です。

    圧倒的に中身を重視した「渾身の1本」は5年以上使える資産になる

    おすすめしたいのは、圧倒的に中身を重視した「渾身の1本」となるホワイトペーパーを準備しておくことです。

    「圧倒的に期待値を超えるホワイトペーパー」は、社内外でシェアされ、リードを長期間、圧倒的な数獲得できます。

    弊社で2014年に作成したリスティング広告で成果を出すための全手順」というホワイトペーパーは、少なく見積もっても累計で30,000回以上ダウンロードされており、5年以上経過した今でも毎日ダウンロードされ、リードを生み続けています。

    「面白いホワイトペーパー」は社内の知見を元に作ります。ちょうど商談数が減り、工数に余裕のある優秀な営業担当者がいれば、コンテンツ作成にアサインすべきです。面白い事例でも、ノウハウでも構いませんが、普段顧客に提案する時に使うトークで、反応の良いものを整理すればよいでしょう。例えば、ソウルドアウト株式会社が無料提供する「リスティング広告で成果を出すための全手順」というホワイトペーパーはベンチマークすべき素晴らしい資料です。ダウンロードいただければ分かりますが、そのまま書籍化できるレベルで質量ともに優れた大作です。

     

    引用元:コロナショックに打ち克つデジタルマーケティングの打ち手とは|WACUL TECHNOLOGY & MARKETING LAB | 株式会社WACUL

    ターゲットの興味領域と設置場所の文脈にあわせて「種類を増やす」のが勝ち筋

    ホワイトペーパーは、1本作って終わりではなく「種類を増やす」のが勝ち筋です。

    ターゲットの興味領域と設置場所の文脈にあわせられれば、CVRは劇的に改善していきます。例えば、1つのサービス資料の中から、特定の課題を解決している事例紹介の部分だけを切り出し、「~に成功した事例◎選」とするだけでも新しいホワイトペーパーが制作できます。

    ホワイトペーパーが増えるとリード数も増える

    ホワイトペーパーも多ければ多いほど、リード数は増加します。ユーザーの潜在ニーズはさまざまで、コスパで刺さる人もいれば、携帯のビジュアルやPCなど他のデバイスとの相性で刺さる人もいます。


    「継続は力なり」 ホワイトペーパーは常に作り続けるから、良い商談につながる|BizHint_実践B2Bマーケティング|note

    もっと詳しく知りたい方向けの参考記事

    アイティベルのオウンドメディア・ホワイトペーパー制作支援サービスとは?リード獲得術も解説!
    ホワイトペーパー制作サービスのPR記事ですが、ホワイトペーパーの位置づけや作り方のポイントがコンパクトにまとまっています。

    ダウンロードされるホワイトペーパーの作成方法とその活用法とは? | 株式会社才流
    ホワイトペーパーの作成や活用方法がわかりやすく解説されています。

    月間500件以上のリードを獲得するマーケターが語ったホワイトペーパー戦略とは | DOER NOTE | 株式会社才流
    ホワイトペーパーを基軸にした、リード獲得の戦略について実績数値を交えて説明されています。


    7.リードジェネレーション手法の一覧と施策の決定

    リードジェネレーションとは、リードを獲得するための活動を指します。リードとは、自社の製品に関心を持った見込み顧客のことです。

    BtoBマーケティングにおける業務の大半はこのリードジェネレーションに関する活動になります。リードジェネレーションの手法は無数にあります。新しい手法もどんどん増えており、何から手をつけてよいかわからなくなりがちです。

    参考:リードジェネレーションとは?見込み顧客のリードを獲得する手法9選!

    本章では、リードジェネレーションの手法を大きく4つに分類した上で、2つの方針に整理し、何から始めると良いか明らかにしていきます。

    リードジェネレーション4つの分類と2つの方針

    リードジェネレーションの手法を、検討段階とストック/フローの2軸で4つに分類します。

    1. 検討段階が進んでいる見込客向け&ストック型施策
    2. 検討段階が進んでいる見込客向け&フロー型施策
    3. 検討段階が進んでいない見込客向け&ストック型施策
    4. 検討段階が進んでいない見込客向け&フロー型施策

    リードジェネレーションの手法はオンライン/オフラインあわせて無数にあり、何から手を付けるべきか混乱してちまいがちです。この4つの分類に基づいて手法を整理することで、優先施策が明確になります。

    また、優先順位については、スケールスピードを優先するか、コスト効率を優先するかで、大きく2つの方針があります。

    • 方針A:コストをおさえて手堅く成長するなら【手法1】から順番に攻略していく
    • 方針B:スピード感を持ってスケールさせるなら【方法4】を早期に攻略する

    まずは、手法から順に見ていきましょう。

    【手法1】検討段階が進んだ見込客向けのストック型施策

    手法の1つ目は、検討段階が進んだ見込客向けのストック型施策です。

    自社サイトやカタログなどすでに検討段階が進んでいる見込客の接点を改善することで、効果が持続的に続くレバレッジの効く施策です。特に、サイトへのトラフィックが潤沢にある場合には、即効性のある施策となります。

    代表的な手法:プロダクト公式サイトのCVR改善

    代表的な手法はプロダクト公式サイトにおけるCVR改善です。見落としがちな手法としては、プロダクトの商標名や商標名の掛け合わせで検索したときに表示される検索結果のケア「指名検索対策」です。

    • オンラインの手法:公式サイト改善・LP改善・指名検索対策
    • オフラインでの手法:カタログ・パンフレットの改善

    目的・役割:接点を確実に取る

    この施策での目的は、検討段階が進んでいる見込客の接点を確実に取ることにあります。サイトで説得しようとせず、CV地点に直行させることが重要です。

    評価指標:CV数・CVR・流入経路・入口ページ別のCVR

    最重要な評価指標はCV数です。見込客の接点をいかに多く取れるかの効率を測定し改善します。

    特に有効:すでに認知があるジャンル・カテゴリのリーダー企業

    特に有効なのは、すでに認知があるジャンルのカテゴリーを代表するリーダー企業です。「名刺管理」の「Sansan」のように、カテゴリ・プロダクト名、ともに認知度が高い場合には、この領域の施策が特に有効です。

    注意点:特にトラフィックが少ないうちはコストをかけすぎない

    この領域は確かに確実な効果がありますが、コストをかけすぎないようにしましょう。

    すでにCVRが1%を超えていれば基本的には追加投資には慎重になるべきです。サイト制作を収益の柱としているコンサル会社は、「穴の空いたバケツに水を流しても無意味」という論調で、大規模なサイトリニューアルを提案してくることがあります。これはポジショントークの場合があるので注意しましょう。トラフィックが集まるまでは最低限の要点だけ押さえられていれば、1枚モノのランディングページでも問題ありません。

    【手法2】検討段階が進んだ見込客向けのフロー型施策

    手法の2つ目は、検討段階が進んだ見込客向けのフロー型施策です。この施策の勝負どころは「営業とプロダクトの競争力」です。

    代表的な手法:比較サイトへの掲載・リスティング広告(検索連動)

    代表的な手法や比較サイトへの掲載やリスティング広告の検索連動・リターゲティング広告があります。コストを見込度の高いリードに変換する施策のため、リードジェネレーションで最初に検討される手法の多くがこの領域に入ります。

    • オンラインの手法:比較サイト掲載・リスティング広告(検索連動)
    • オフラインでの手法:小規模の合同説明会

    目的・役割:比較検討の選択肢に入り、コンペに呼ばれる

    この領域に分類される施策の目的は比較検討の選択肢に入り、コンペに呼ばれることにあります。

    評価指標:商談化率・受注率

    評価指標は商談化率がメインとなります。高ければ8割程度の商談率になる場合もあります。ただし、もともと相見積もりする先を探しているケースなども多いため、受注率・受注単価まで捉えないと投資判断を大きく誤る場合があります。

    特に有効:プロダクトに優位性があり営業も強い企業

    この手法が有効なのは、プロダクトに優位性があり営業も強い企業です。営業体制が整っている企業では、リード獲得の5分以内のフォローコールを徹底されています。そのような会社競ってコンペに持っていける営業体制があるのか、また、コンペになって勝てるのか、の勝算が必要です。

    注意点:一括資料請求の仕組みを十分に理解しておく

    この領域での注意点は比較サイトにおける「一括資料請求」です。

    比較サイトはそのビジネスモデル上、1人のユーザーに複数ダウンロードしてもらえればもらえるほど、収益性は高くなっていきます。それゆえ、以下のようなことが起こりがちです。

    • デフォルトチェックなどにより、ユーザー側に資料請求した記憶がないと言われる
    • 少しズレたニーズでもまとめて資料請求されてしまう
    • 「選び方ガイド」ダウンロードなど、検討段階の浅いリードが混ざっている
    • アマゾンギフトなどのインセンティブが付与されている場合がある

    見込度が高い分、報酬も高く設定されていることが多いため、上記のような注意点を踏まえて、しっかり費用対効果を見極めて上手に活用することが必須になります。

    【手法3】検討段階が進んでいない見込客向けのストック型施策

    手法の3つ目は、検討段階が進んでいない見込客向けのストック型施策です。

    「我慢して続けられるか?」がキーポイントになります。効果が出るまで、最低でも半年、平均1~2年かかるが、その間ほぼリターンが見込めないものの、逆にリターンが出だすと最も効率がよくなるのがこの手法です。

    代表的な手法:コンテンツマーケティング・SNSマーケティング

    代表的な手法は、オウンドメディアによるコンテンツマーケティングです。SNS運営もこの分類に入る施策となります。

    • オンラインの手法:オウンドメディアによるコンテンツSEO・TwitterやFacebookなどのSNSマーケティング・Youtubeチャンネル運営
    • オフラインでの手法:業界専門誌への連載・地道な販路開拓・代理店施策・人脈づくり

    目的・役割:費用対効果が高い接点の持続的な獲得

    この施策の目的は、広告費をかけずに効果が持続するリード獲得チャネルを持つことにあります。一定規模に達したプロダクトでは、広告費用を一切かけずに数千件単位のリードを毎月獲得しているケースもあります。

    評価指標:ストックPV数・フォロワー数

    この領域の施策における評価指標は非常に難しいですが、想定した時間軸に対して、PV数やフォロワー数、経由のCV数などが適切についているか、になります。軌道に乗るまでは定性的な指標に頼らざるを得ないため、経験者が不在の場合には外部のサポートがあった方がよいでしょう。

    特に有効:コンテンツを作れるタレント(候補含む)がいる企業

    特に有効なのは、コンテンツを作れるタレント、著名人がいる企業です。社内の情報をうまく活用できるハブとなる人がいれば、その人自体はタレントでなくても構いません。コンテンツを作る、SNSを運用するという業務は人で大きく変わってくるため、アサインする担当者が重要です。

    注意点:プラットフォームのアルゴリズム変動リスク

    SEOはご存知の通り、Googleのアルゴリズムのアップデートによって、常に順位が左右されます。特に2020年時点では、ドメインの力や企業や発信者の専門性、信頼性が重視される傾向にあり、新規参入の難易度はこれまで以上に高まっています。

    SNSにおいても、過去は、Facebookの友だち優先によるビジネスアカウントの無力化、最近では、TwitterのURL付きツイートの表示抑制のうわさなど、コツコツと積み上げてきたものが一夜にしてなくなってしまうリスクがあることを踏まえておきましょう。

    【手法4】検討段階が進んでいない見込み顧客向けのフロー型施策

    手法の4つ目は、検討段階がでいない見込客向けのフロー型施策です。

    この施策ではターゲティングとコミュニケーションの精度がキモになってきます。戦略策定フェーズでどれだけ精緻に検討できたかが大きく影響してきます。

    代表的な手法:ディスプレイ広告・SNS広告・外部メディア掲載

    代表的な手法はオンライン広告全般です。最近では、フォームへの営業投稿を自動化するサービスも増えてきています。

    • オンラインの手法:ディスプレイ広告・SNS広告・外部メディア掲載・フォームへの営業投稿送信
    • オフラインでの手法:DM送付・コールドコール(テレアポ)

    目的・役割:スケールスピードのブースト

    この施策の目的は、成長速度をブーストさせ、スケールにかかるお金で時間を買うにあります。

    単純に数を取るスピードだけでなく、検証スピードを上げ、効果的な訴求をいち早く見つけ、ストック施策にも活かしていきます。また費用対効果をよくするためにはリードナーチャリングとワンセットで考える必要があります、

    評価指標:リード獲得単価・商談獲得単価

    評価指標はリード獲得単価です。また、検討期間の長さにあわせて商談獲得単価や受注単価、LTVから割り戻して施策の有効性を金額換算して評価します。

    特に有効:成長スピードを重視する企業

    この領域の施策は、成長スピードを重視する全ての企業に有効です。一方で、スピードよりもコスト効率を重視する企業には向きません。

    注意点:無差別型のプッシュ施策は評判・好意度に悪影響も

    注意点としては、無差別型のプッシュ施策は評判・好意度に悪影響することを挙げておきます。一方的な売り込みではなく、ターゲットの役に立つ情報提供を通じて結果として商談につなげるという意識が大切です。

    方針A:コストをおさえて手堅く成長するなら【手法1】から順番に攻略していく

    コストをおさえながら手堅く成長するなら、ゴールに近い【手法1】から順番に攻略していきます。スピードに制約がないのであれば、【手法4】には手を出さなくても十分です。

    方針B:スピード感を持ってスケールさせるなら【手法4】を早期に攻略する

    一方で、スピード感を持ってスケールさせることを想定しているのであれば、【手法4】を早期に攻略することが重要です。

    どの媒体に、どれだけ予算を投下すれば、どの程度のリードが見込めるか、を把握し、その数字改善を継続的に実施しておくことで、リードジェネレーション施策全体のコストや効果をコントロールできる調整弁になります。

    特に、そのカテゴリ自体が新しく、まだ絶対的なリーダーが固まっていない領域では、リーダーポジションを確立できるかどうかが、その後の展開やプロダクトの成功を決める最重要の要素となります。そのため、最短最速でシェアを取っていくスピードが何よりも優先されるため、早期にこの領域を攻略する必要があります。

    (補足)認知・好意の向上施策(ブランディング施策)は全体の効率を底上げする

    本章では、リードを直接的に獲得するリードジェネレーション施策について説明してきましたが、ブランディング施策がリードジェネレーションに大きく影響することを補足しておきます。

    認知の有無や好意度は、デジタルマーケティングのコスト効率に大きく影響します。

    実際に以下のような違いがあったというデータもあります。ブランディング施策によって認知や好意度が底上げされれば、リードジェネレーションの難易度は大きく下がることを覚えておいてください。

    • 認知の有無:約1.6~2.2倍
    • ブランド選好(好意度)の有無:約2~3倍

    なお新規顧客の獲得を狙う際には、認知の有無とブランド選好の有無によって獲得コストが大きく違ってきます。例えばデジタルマーケティングの顧客獲得コストをセグメントごとに比べると、認知・未購買層 7 8 を100%とした場合、未認知層 9 では獲得コストが160-220%程度に上がります。また、ブランド選好のある離反層と認知・未購買層 5 7 に対して、ブランド選好のない離反層と認知・未購買層 6 8 で比べると、獲得コストは200-300%にもなります(図3-9)。

     

    引用元:西口一希 著「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)

    もっと詳しく知りたい方向けの参考記事

    リードジェネレーションとは?見込み顧客のリードを獲得する手法9選!
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    8.リードナーチャリングはMAツールとインサイドセールスの連動がキモ

    リードナーチャリングとは、「将来顧客となる可能性をもつ個人や企業(潜在顧客・見込顧客)の、購入へのモチベーションを育成して、購入につなげるためのマーケティング施策」のことです。リードジェネレーションで獲得した、検討段階が進んでいない見込客の検討段階が進んだことを確認し、商談化するのが主な役割になります。

    参考:リードナーチャリングとは?実践するための5つのプロセスまとめ

    リードナーチャリングの本質は「育成」ではなく「単純接触」と「シグナル検知」

    リードナーチャリングは「購入へのモチベーションを育成し購入につなげる」と説明しましたが、本質的には「育成」よりも、「単純接触」と「シグナル検知」の2つと割り切った方が理解がしやすいです。

    単純接触効果(ザイオンス効果)による、想起の維持と好意形成

    1つ目は単純接触効果による、想起の維持と好意形成です。

    行動心理学では、単純に接触回数が多いほど好意を抱くことを「ザイオンス効果」と言われています。接触回数が多く「知っている」の脳内リストに入れば、外部刺激によりニーズが発生した時に選択肢に入り、選ばれやすくなります。

    最初は話すことすら緊張していた同期でも、毎日顔を合わせて仕事をしてゆく中で徐々に打ち解けて、いつしか気兼ねなく頼み事をし合えるような間柄になってゆきます。
    これは接触回数が多いほど相手に受け入れてもらう確率が高まってゆくからであり、このことをザイオンス効果と呼びます。

     

    引用元:【今すぐ役立つ行動心理学】サイトの売上に繋がる手法28選!

    「今、~に興味ありますか?」の投げかけに対する反応を待つ

    2つ目は「シグナル検知」です。

    接点を獲得した当初は検討段階が進んでいなかったリードも、外部環境の変化等によって検討段階が進んでいる場合があります。その検討段階の変化(シグナル)をいち早く検知し、商談につなげます。

    具体的には、メール等で、「今、~に興味ありますか?」の投げかけを定期的に行い、クリックや資料ダウンロードの行動をシグナルとして、フォローメールを送信、必要に応じてフォローコールを通じて商談化していきます。

    BtoBのメールマーケティングは「自分ごとしやすい刺激」がポイント

    BtoBのメールマーケティングのポイントは、「いかに自分ごとに捉えてもらえるか?」にあります。

    メール「マガジン」として、漫然と役に立つ情報をおくるのではなく、潜在課題を自分ごと化してもらえるような気づきを与える刺激を与える、という意識で作ることが重要です。

    BtoBのメルマガの目的は、BtoCのメルマガ用途で多い「ファンづくり」ではなく、「態度変容させること」です。BizHintで例えると、メルマガを読んだユーザーが、紹介サービスについて 自分ごとにとらえる → 調べる → 導入検討を始める という行為を起こさせることが目的です。


    引用元:月100本のメルマガ作成者が語る 「THE メルマガ虎の巻 〜件名編〜」|BizHint_実践B2Bマーケティング|note

    インサイドセールスで「シグナル」を商談に転換する

    メール等での刺激に対しての反応(シグナル)を検知し、商談に転換するために、インサイドセールスを実施していきます。

    具体的には、まず、属性条件を確認した上で、検討段階を見極めます。その上で、検討段階を進めるために不足しているインプットは何か?を考え、情報提供をして、課題を顕在化して商談化します。

    インサイドセールスが機能すると、商談化の効率が上がるだけでなく、メールマーケティングやリードジェネレーションに有効な訴求につながるインプットが数多く偉えるようになります。

    インサイドセールスを活用すれば、必要な情報を必要なタイミングで見込み客に提供でき、段階的にナーチャリングを進めることが可能です。


    引用元:訪問せずにすぐ商談!営業効率を上げるインサイドセールス部隊の立ち上げ方

    シグナルをより高度に検知できる「マーケティングオートメーション(MA)ツール」

    リードナーチャリングのシグナルをより高度に検知し、インサイドセールスの武器となるのが、マーケティングオートメーション(MA)ツールです。

    具体的には、属性条件や行動データに基づくメールを出し分けたり、閲覧コンテンツなど、メールのクリックや資料ダウンロード以外のシグナルも検知できるようになります。スコアリングによるフォローの重み付けなど、管理上も役に立ちます。

    参考:マーケティングオートメーション15種比較!利用のメリットと失敗しない選び方とは?

    注意:保有リードが一定を超えるまでは、ジェネレーション+メール掘り起こしで十分なことも多い

    マーケティングオートメーション(MAツール)の導入は保有リードが数万を超えてからがおすすめです。

    高価格帯のMAツールはリード数が十分にないとその機能を発揮できません。また、低価格帯のMAツールでも、導入や運用の準備にそれなりに工数がかかります。リード数が少ないのであれば、一律のメール送信と反応したリードに対するフォローコールのみの掘り起こしで十分なことも多いです。
    ※商材単価が高い場合(LTV1000万円以上)数千でも導入すべきです。

    もっと詳しく知りたい方向けの参考記事

    なぜインサイドセールスは成功しない?専門家が説く「インサイト」と「組織改革」の必要性|LISKUL
    ここ数年で一気に普及してきた「インサイドセールス」を取り巻く状況から、フィールドセールスとの役割分担まで、本質に基づいた専門家の知見がまとまっています。

    MAツールはマーケティング施策の選択肢を増やしてくれるーープロが教える本質と選び方|LISKUL
    1200社以上へMAツールを導入してきたプロに、MAツールを選ぶなら絶対に知っておきたい内容をインタビューしている記事です。

    クリックしてもらえる可能性が高いメールの件名と本文とは?メールのベストプラクティス研究(Vol.1)|WACUL TECHNOLOGY & MARKETING LAB | 株式会社WACUL
    メールマーケティングに関する研究レポートです。開封率を高める要因や件名のベストプラクティス、配信タイミングや周期についてファクトに基づく考察がまとまっています。


    9.BtoBマーケティングの理解を深める本やセミナー

    さらにBtoBマーケティングについて深く学びたい人に向けて、参考になる本やセミナー情報をご紹介します。

    本では、体系的なインプットを獲得する

    本では、原理原則を体系的にインプットして、自分の中に地図を作ることを目的にすると良いでしょう。

    以下に筆者自身が身銭を切って買って読んだ本の中で推薦できる書籍のみを紹介しています。

    セミナー・カンファレンスでは「旬」のトピックスや個別の手法をキャッチアップ

    セミナーやカンファレンスは、旬のトピックスの最新情報や、個別の手法をキャッチアップするのに向いています。

    その時々において開催されているセミナーが異なるため、個別のセミナーを推薦することは難しいですが、以下のサイトで告知されている中から、自身の興味や課題にあわせたセミナーに定期的に参加して土地勘を養っていくのは良い勉強法です。

    BtoBマーケティング支援会社のホワイトペーパーで学ぶ

    BtoBマーケティング支援会社の中には、書籍レベルのホワイトペーパーを無料でダウンロードできるようにしている会社もいます。

    自身がリードとなり、BtoBマーケティングを受ける側の体験をすることも、BtoBマーケティングの偏差値をあげる上では重要な体験です。当サイトからダウンロードできる各社のBtoBマーケティング関連の資料を以下に紹介しておきます。


    まとめ

    本記事では、BtoBマーケティングで実際に成果を出せる現場の知識をなるべく要点に絞ってまとめました。

    本記事を活用し、参考記事を読むことで自社のフェーズに合わせた施策で成果を上げることに役立ててください。

    【連載】BtoBマーケティングとは? (まとめ記事

    当サイトLISKULでは「BtoBマーケティング」のポイントを複数の記事で説明しています。(全体概要を把握したい方は「まとめ記事」がおすすめ)

     

    1. BtoBマーケティングとは?すぐに結果が出やすい3つの手法を解説
    2. 毎月200件リードを獲得する、BtoBマーケティングのノウハウを公開!
    3. 新規顧客を獲得するための3つのチェックポイントと6つの開拓方法
    4. Webコンサルティングの診断資料を公開。事例で学ぶBtoBサイトの改善点
    5. BtoB製造業のマーケティング事例8選!広告・販売促進のデジタル活用術
    6. BtoBマーケティング|見込顧客を獲得するリスティング広告活用法
    7. リードマネジメントとは|マーケティング成熟度による課題整理と解決方法
    8. リードジェネレーションとは?見込み顧客のリードを獲得する手法9選!
    9. 【実例公開】リードジェネレーションに有効なBtoBサイトの改善ポイント
    10. リードナーチャリングとは?実践するための5つのプロセスまとめ
    11. BtoB領域でのマーケティングオートメーション活用事例5選と5つのおすすめツール
    12. MAツールはマーケティング施策の選択肢を増やしてくれるーープロが教える本質と選び方
    13. 年間1000商談を生み出すマーケティングオートメーションツールベンダーのMA活用法とは?~CPA200円、アポ率80%、成約率30%の秘訣~

    (あわせて読みたい資料)

    1. MAの活用で狙った成果を上げる 導入時の5つのステップ
    2. 営業リソースが足りない!? リスク0から始められる成果報酬の新規顧客開拓 
    3. インバウンドマーケティング コンサルティング 
    4. BtoBマーケティング向け完全成果報酬型のリード獲得サービス(RentaLISKULサービス資料)

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